転職したいと考えるみなさんの中には、「自分にはスキルがないから諦めている」、「なんの資格もないのにうまく転職できるのかな」と不安に悩む方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに転職には多少のスキルが必要かもしれませんが、それが全てではありません。
では、実際にどのようなポイントを押さえて転職活動をしたら良いのでしょうか?
そこで今回は、スキルがない20代・30代の転職のコツについて徹底解説します。
行動する前に諦めず、まずは今回の記事を参考にしていただけますと幸いです。
目次
そもそも転職における「スキル」って?
結論から言うと、転職におけるスキルとは『企業が求めている・必要としている力』のことを指します。
そして、具体的には以下の2つの点を重視して採用基準を設けています。
資格に関しては、あるに越したことはないのですが、国家資格や法令上の資格でない限りは採用の決定打になることは少ないと考えて良いでしょう。
実務経験
実際に職に就き、働いた経験のことを実務経験と言います。
例えば前職がSEであったり、以前自分自身でシステムなどの設計で収益を上げていた経験があれば、「クライアントへのヒアリングなどの対応(=接客やコミュニケーション)」「設計」「プログラム」「テスト確認」などのスキルがあるということが分かります。
つまり、実際に仕事をしていた経験などによって既に習得された技術がある状態のことを「実務経験がある」と呼ぶのです。
反対に、資格は持っているがそれを生かせた場面が過去になかった場合、それを実務経験とすることはできません。
即戦力性
実務経験と同じように、重視されているのが、即戦力性です。
事前に研修などを受けなくてもすぐにその業務を開始できるようなスキルが既にある場合、即戦力があるとみなされます。
中途採用も成功しやすい傾向にあるでしょう。
1度アルバイトやパートであっても経験したことがある業種を志望する場合は、積極的にその内容をアピールすると良いでしょう。
スキルというのは、「実務経験」+「即戦力性」で判断される。
・「実務経験」とは、既に習得された技術がある状態のことを指す。
・「即戦力性」とは、すぐにその業務を開始できるような状態のことを指す。
現時点で資格やスキルがなくてもできる転職
資格だけではなく、実務経験や即戦力か否かがスキルに関係すると説明しました。
しかし、一番最初にも書いた通り、資格やスキルが転職の全てではありません。
むしろ、資格や経験に凝り固まっていない20代や30代の体力や柔軟な思考力は、転職をする際に有利に働くことも多いのです。
ここでは、実際にスキルや資格がなくても転職が成功する傾向にある企業や会社をご紹介します。
以下のような業界は、スキルがない場合でも就職しやすい傾向にあります。
WEBやIT業界など成長市場への転職
WEBやIT業界は、今後もどんどん発達していく業界のため、人手を必要としている会社も多くあると考えられます。
もちろん仕事をするとなると多少の専門的な知識が必要となります。
しかし、人が足りないからこそ、未経験でも挑戦しやすい環境が整っていますし、また、今の時代これらの知識を学ぶためには十分すぎるくらいの情報がインターネットで公開されています。
また、その企業に就職が決まってしまえば、あとは企業が学習環境を整えてくれます。
このため、未経験でも十分に挑戦できる業界です。
不人気・人手不足の業界への転職
そもそもが不人気な業界であれば、人手不足に悩まされているため、スキルなしでも転職しやすいです。
具体的には、介護や福祉や飲食業などが現時点で人手不足に直面している業界です。
特に現代の少子高齢化の影響で、今後もどんどん需要が高まると考えられます。
また、どの業界も実践とともにスキルを磨くことができる業種のため、比較的短期間で仕事を覚えることが可能です。
ベンチャー企業への転職
ベンチャー企業とは、新鮮かつまだ世に出ていないアイディアを使ってビジネスを行う創立間もない企業のことを言います。
語源は、”アドベンチャー”です。
中には、スタートアップと言って、短期間でビジネスの成長を図ることを目的とした企業も多くあります。
そのため、まだ名前が知れ渡っていないことから人材の獲得に頭を悩ませている企業も多くいるのが現状です。
新鮮なことにチャレンジしたいエネルギーに溢れる若者は、特に採用されやすい傾向にあるでしょう。
ベンチャーモデル、上記の項目で書いた業種以外でも、事業の拡大を計画している企業は、時に未経験者でも大量な人数を採用することがあります。
このような場合は、企業側にしっかりと未経験者を教育できるシステムが組み込まれているため安心です。
スキルがなくても、WEBやIT業界など成長市場、不人気の業界、ルールや決まりが少ないベンチャー企業などだと転職しやすい傾向にある。
年代別のスキルなし転職のコツ
最後に、年代別に転職のコツを確認していきましょう。
20代前半の場合
20代前半にスキルがないのは当たり前のこと。
将来性と発想力をアピール
「じゃあ何をアピールすればいいの?」と考えてしまいますが、20代がアピールできる点はズバリ将来性です。
「なぜこの企業でないとだめなのか」「企業に入った後はどのような展望があるのか」など、面接や志願前にしっかりと自分に問いかけ、将来性とその熱意を伝えましょう。
また、まだどの業界にも染まっていない=新鮮で革新的な発想を提供できるという点も若い20代前半ならではの強みです。
20代後半の場合
20代後半の場合は、過去に働いていた企業などの情報を元に自分の本当にやりたいことや目的をしっかりと明確にしておく事が大切です。
本当にやりたいことを明確にアピール
ただ、働いていた企業を非難するような考えに陥るのは絶対にNGです。
「そこで何を感じ、今後はどのような生き方を望むのか」にフォーカスしてまず考える事から始めましょう。
また、女性の場合は結婚や出産も視野に入れて転職を行うのがベター。
育児休暇はもちろん、女性社員の割合などもしっかりと見ておきたいポイントです。
30代前半の場合
30代の転職は厳しいと言われますが、専門的な業種など、職種をある程度絞る事で、十分に転職を成功させることができます。
自分の理解度をアピール
そして、転職に成功している30代前半の方の特徴は、ズバリ、自分の事をしっかりと理解しているという点です。
自分の今後の人生設計に必要な「専門的なスキルを磨きたい」など、具体的な展望を伝える事が成功の鍵。
まだ自分自身の分析ができていないという方は、「改めて自分に向いている業種はなんなのか」という点を明確にするきっかけとしてみるのも良いでしょう。
また、女性の場合は20代後半と同様に、今後のライフスタイルの変化も視野に入れて転職先を見極める事が大切です。
30代後半の場合
現時点で「自分には経験やスキルがあまりないかもしれない…」という方の場合は、もう1度現在の職場での仕事を見直してみましょう。
挑戦を捨てない姿勢をアピール
そして、そこで実務経験を積む事ができる環境があれば積極的にトライする事が大切です。
また、先ほど別の項目でも書いたように、専門的な分野であれば簡単にWEBなどで学習する事が可能です。
経験不足を少しでも解消しておく事は、転職成功に直結します。
チャンスを見逃さず、まずは行動してみましょう。
年代別の転職のコツ | |
---|---|
20代前半 | 将来性と発想力をアピールするべき! |
20代後半 | 本当にやりたいことを明確にアピール! |
30代前半 | 自己分析をして、自分の理解度をしっかりアピール! |
30代後半 | 若さを忘れず挑戦を捨てない姿勢をアピール! |
30代の転職活動で資格のアピールは必要か
必ずしも30代の転職は、資格なしだと乗り越えられないのでしょうか。
20代の時は、ポテンシャル採用が通用しても、30代の転職となると即戦力以外の採用は厳しいと見られます。そして企業が30代の転職者に期待しているのは「持っている資格」よりも「何のスキル」があるのかという経験の面です。
しかし、国家資格が必要である弁護士のような、特定の資格がないと業務に携われない職業はこの限りではありません。
様々な資格をいくら持っていたとしても、転職先で活かせる資格ではないなら、意味を成しません。「今までのこの経験がこの業務に活かせます」というようなアピールの仕方が必要となってくるでしょう。
職種によっては、30代で資格やスキルがなくても、完全に未経験で転職できるものもあります。
転職先が専門職だったとしても、研修体制が整っていたり先輩が常にそばで指導してくれるような良環境の職場であれば、スキルなし未経験からでも頑張りしだいで即戦力になれます。
30代の資格なし転職希望者が実践していること
30代の歳になると、今後のキャリアアップや長く働くことを見据えて、転職を考える人も多いのではないでしょうか。
転職は資格がものを言うと、意気込んで勉強に励む人もいますが、転職に必要不可欠な資格ではない限り「無駄な時間」の使い方をしていると言えます。
「資格取得」が「転職成功」と履き違えないように理解しておくべきです。
では、30代が転職するにあたって、どんなことをして転職を乗り越えているのでしょうか。
それは、転職活動する前までに「実績を積む」ことと、「転職エージェント」を利用することです。
企業が30代を採用するにあたり注目しているのは「今までの実績でどれだけ成功しているか」なのです。
素晴らしい功績の職務経歴なら、利益をもたらすことのできる即戦力として見られるでしょう。
加えて、転職エージェントを利用することにより、自分の能力に合ったサポートや監修をしてもらえます。
エージェントとこまめにコミュニケーションをとることにより高い転職意欲があると評価され、より要望に合った企業に紹介してもらえる可能性が高いです。
企業が30代転職者に求める2つのポイント
新卒からキャリアを地道に積んでいった人は、30代になると即戦力のある中堅レベルと言われる世代でしょう。
実力のある人は、係長や課長など役職がついている人も少なからずいます。
30代はそれなりの「キャリアや実績がある」などと期待されているのです。
そのため、企業が求める「30代なりの即戦力」を無視した転職活動を行っていると、上手くいかないでしょう。
では、企業が30代の転職希望者に求めているのは何なのでしょうか。
それは「即戦力」と「マネジメント力」です。
企業が求める「即戦力」とは
新卒採用と中途採用では、入社後の扱い方は違いますよね。新卒は、学生時代にインターン研修を行い、内定が決まったら新人研修やOJT研修など、様々な教育をしてくれます。
しかし「中途採用」の場合は、「社会人教育はもう既に済んでいるもの」とみなされ、入社してすぐ企業の戦力として働くことを求められます。
例え、未経験で中途入社したとしても、今までの実績から学んだことを活かして新しい仕事を素早く吸収し、1日でも早く即戦力として働けるようになってもらわなければ、企業は困ります。
豊富なマネジメント力
「マネジメント力」とは、目標達成の為に仕事の計画を立て、実行に移し成功させる能力のことを言います。
具体的にプロジェクト成功の為にどう考え、どう行動したかを説明できるようにしておきましょう。
+αで、プロジェクトのリーダーとして、グループの仕事管理や部下の業務指導に携わった経験があるのなら、積極的にアピールしましょう。「人をマネジメントできる」能力も備わっている人物だと評価されます。
30代が転職するメリットとデメリットとは
30代の転職にはどんな意味をもっているのでしょうか。
この世代は、全くの新天地で自分に成長を促す転職をすべきか、給料や待遇面でより質の高い会社への転職をすべきか、微妙なボーダーラインになります。
そこで、転職するにあたって得られるメリットと発生するデメリットを比較してみましょう。
メリット
今まで培ってきたノウハウを活かして新しいステージを切り開ける
新しいステージへ進出することにより、収入アップや管理する立場に昇進が期待できます
自分の適性を踏まえた仕事選びができる
20代では見えていなかった自分の適性がはっきり見えてきたのではないでしょうか。
より自分に合った仕事を選ぶことでキャリアアップにつながる可能性があります。
デメリット
即戦力として大いに期待されプレッシャーを感じる
30代の中途社員は「即戦力」として期待されています。
新しい職場に慣れないうちは、その期待がプレッシャーに感じるでしょう。
希望の職種に転職できない可能性がある
20代のうちは、熱意ややる気が伝われば伸びしろがある人材として採用に至るケースが多いでしょう。30代となれば、意気込みだけでは足りません。
企業が求める能力に叶う実力がなければ採用は厳しいでしょう。
メリットとデメリットを比較してみて、いかがでしょうか。比較して分かったことは、全くの新天地で転職するよりも今までのノウハウを生かし、質の高い会社へ転職する方が30代の転職は成功しやすいということです。
30代の転職を成功に導く秘訣
先ほどは、年代別にスキルがなくても転職するためのコツを紹介してきました。
このままのキャリアで良いのだろうかと疑問を感じ、30代に突入してから転職したいと志す人も多いと思います。
そこで今回は、何から手を付ければいいのか分からない人へ具体的にどんな目標を持ち、どう行動に移せばよいのかをここでお話していきます。
転職後の目標を明確にする
30代は希望の職種に転職する最後のチャンスだと思っても間違いではありません。
だからこそ、長く働くことを見据えて、自分の今の保有スキルをさらに伸ばせる仕事は何なのかをきちんと洗い出しましょう。
さらに、「自分がこれから何の仕事をして将来どうなっていたいのか」を明確にして、具体的に何歳までに何を達成させるのかを時系列で目標を設定し行動する必要があります。
しっかりした人生プランがあることで、転職活動の企業選びやスキルアップの勉強も迷いなく進めることができます。
今の仕事を続けながら転職活動を進める
仕事をしながら、転職活動をするのは難しいと思っていませんか。
かといって今の仕事を辞めて転職活動だけに専念するのはおすすめしません。
30代に必要なのは職歴であり収入です。
今の仕事で功績を納めながら、水面下で転職の準備をしましょう。
一般的に仕事と転職活動を両立させると、その期間は3ヶ月~半年はかかると言われています。
30代の転職はそれだけ時間をかけてでも、念入りに進めていく必要があります。
転職に有利!30代の未経験者におすすめな資格を紹介
企業が30代の転職希望者に求めているものは、「実績」だということを述べてきました。
未経験でも、今の職場よりキャリアップできて質の高い会社へ転職するために役立つ資格を職種別に紹介していきます。
事務職
一般事務で働いている人の中で、専門的なキャリアアップができる事務職に転職したいと思っている人は多いのではないでしょうか。そんな人におすすめな資格を紹介します。
日商簿記
取得すると経理や財務などの転職に有利です。
実務経験がなくても、資格と事務の経験があれば採用を前向きに考えてくれる企業も多いです。
社会保険労務士
社会保険や国民年金、厚生年金保険、労務管理の相談や指導ができる資格です。
国家資格なので取得が難しいと言われますが、取得すると仕事の幅が広がりキャリアアップや収入アップに直接つながる期待が持てます。
営業職
業種は様々で、扱う商材や営業先によって幅広いです。
そのため、営業職の中で異なる業種への転職はしやすいです。転職するからには資格を取得してでもワンランク上の営業職を目指したいですよね。そんな人におすすめな資格を紹介します。
中小企業診断士
中小企業の経営課題に対して診断や助言をする仕事です。
金融や行政を連携させる役割があるので、保険や金融関係の業種に転職する場合は役立ちます。また、役員層や経営者のお客様が相手だと資格を持っていることで信頼されやすく、営業の自信につながります。結果、成績アップにもつながります。
ファイナンシャルプランナー
個人の生涯や法人の経営に関わる資金の計画を提案する仕事です。
取得すると、金融や保険や不動産の業界での転職活動に役立ち、知識を得られるだけでなく、お客様からの信頼が得られやすくなります。
エンジニア
特に資格がなくても技術さえあれば転職できる仕事です。しかし、資格を持っていることにより、知識が豊富であることを証明できるので、転職に有利になります。
基本情報技術者
IT技術者の登竜門試験ともいわれるほど、IT業界ではメジャーな資格です。
ITの基本的な知識のほか、現場で必要な論理的思考力やマネジメントの知識力が問われる試験です。持っているとエンジニア職全般の転職で有利になります。
情報処理安全確保支援士
ITに関わる仕事をするなら、セキュリティーの知識も備えていなければなりません。
この資格を持っていると、情報セキュリティーに関する業務全般に役立ちます。また、開発~運用の業務において正確なセキュリティー対策をとりながら遂行できる能力が身に付くので、エンジニアとしての信頼度があがります。
キャリアチェンジするのもひとつの手
キャリアチェンジを検討する場合は、これまで経験した実務に関わらず柔軟な適応能力を持つ事もとても大切です。
新しい業界や業種にチャレンジすることで、自己の成長へ繋がることはもちろん、新しい自分を発見するきっかけにもなります。
しかし、年齢を重ねると体力や収入などの多方面から「転職は厳しい」と感じることも多々あります。
キャリアチェンジには早い段階からスタートを切ることが何より大切です。
今回の記事の内容が、あなたの後悔のない転職活動のきっかけとなれば幸いです。
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