仕事をする上で「相手の立場に立って考えることが重要」とよく言われます。
面接の場で《相手の立場に立って考える力がある》ことを自己PRとして使いたい!という人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に仕事のどのような場面で役に立つのか曖昧できちんと理解していないという人も多いのでは?
そこでこの記事では、相手の立場に立って考える力が役立つ場面やこの力を持っている人の特徴について詳しく解説します。
また、自己PRで使う場合の効果的なアピール法や注意点についても紹介するのでぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
相手の立場に立つことがビジネスシーンで役立つ理由3つ
相手の立場に立って考えることはビジネスシーンでどのように役立つのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
相手の求めていることが分かる
そもそも相手の立場に立つのが重要な理由として、相手がどんなことを考えて何を望んでいるのか理解するためということが挙げられます。
ビジネスをする上で「顧客の要望を満たすこと」はもっとも重要なミッションです。
特に以下の職種では、相手の立場に立って考える力があるとより良い提案やパフォーマンスができるでしょう。
- 営業職
- 事務職
- テレアポ
- カスタマーサポート
- その他接客を伴うサービス業
相手の立場に立って考えるということは相手を知り、相手を喜ばせたいという思いやりの気持ちです。
例えば営業職なら、自社の製品を押し売りするだけでは売れる営業マンにはなれません。
お客様の状況や考えをヒアリングして悩みを解決したり、状況をより良するような提案が大必要です。
相手の立場に立ち、本当にその人が求めているものを知ることで仕事の成果が大きく変わることは間違いないでしょう。
コミュニケーションを円滑にする
ビジネスの場における人間関係の構築はとてもデリケートで難しいものです。
ほとんどの人が仕事の相手とはうまくコミュニケーションをとり、良い関係を築きたいと考えるのではないでしょうか。
コミュニケーションが得意ですぐに他人と打ち解けるという人も中にはいますが、人見知りや初対面が苦手でなかなか相手と仲良くなれないという人もいるでしょう。
そんなときに相手の立場に立って考える力があるとスムーズにコミュニケーションをとり、相手から信頼を得やすくなるのです。
なぜかというと、相手の立場に立つときには以下のことを行います。
- 相手をじっくり観察する
- 相手と同じような行動をとる
- 相手の話をしっかりと聞く
相手の言動をよく観察することで相手を知り、自分も似たような行動をとることで相手の考えを理解することができます。
これらの行動をとられる側は「この人は私に興味を持ってくれている」「自分をよく理解してくれようとしている」と感じ、相手を好意的に見てくれるのです。
結果的にコミュニケーションが取りやすくなり、良い人間関係を構築しやすくなります。
さまざまな価値観や考え方を知ることができる
自分の好きな人とだけ関わり、合わない人とは付き合う必要のないプライベートとは違い、仕事をする上で関わる人を自ら選ぶことはできません。
どんなに「自分とは合わないな…」と感じる人でも必要ならば会話を交わし、一緒に仕事をして付き合っていかなければなりません。
そんなときに相手の立場に立って考える力があると、自分とは異なる考え方や価値観を持つ人との付き合いが少し楽になります。
人間関係でストレスを感じるのは相手に自分と同じような考えや行動を勝手に期待してしまい、相手が想い通りに動いてくれないことが原因です。
始めから自分とは異なる考え方を持っていることを理解して接すると期待が裏切られることもなく、ストレスも減るでしょう。
また、さまざまな価値観があることを知って仕事の幅が広がったり、苦手と感じていた相手の良い部分に気付くなどのメリットもあります。
相手の立場に立って考えることができる人の特徴
相手の立場に立って考える力がある人は共通する3つの特徴を持っています。
これから相手の立場に立つ姿勢を身に付けたい人も以下のことを意識して行動するとよいでしょう。
話を聞くことが上手
聞き上手な人は相手の立場に立って考えるということをしっかりと、もしくは無意識のうちに行っています。
よく「デキる営業マンは顧客の話を聞くことが上手い」と言われますが、そんな営業マンは相手の立場に立つということを意識している可能性が高いです。
相手をよく知り考えを理解するために、相手の話をよく聞くことは良い情報収集になります。
単に話を聞くだけでなく、仕草や表情からも相手の考えを読み取ることができる場合もあります。
特に目の動きや視線は感情が表れやすく「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるくらいです。
人の話を聞きながら、雰囲気や表情も含めて相手をよく観察できる人が相手の立場に立って考える力のある人と言えるでしょう。
想像力がある
相手の考えを理解し、自分の中に取り入れるためには「共感」が必要です。
相手の気持ちに寄り添うことで、自分とは違う意見であっても自然と受け入れられるようになります。
「自分の意見をなかなか諦められない」「価値観の異なる考え方に対して否定的になってしまう」という人は、想像力が足りない可能性があります。
たとえ相手の立場に立って物事を見ることができても、その視点から考えるのが自分の考え方では意味がありません。
相手の立場に立つだけでなく、この人ならどのような考え方をするだろう?という想像ができるのが人に共感しやすいタイプです。
柔らかい雰囲気を持っている
相手の考えを知るために、たくさん話を引き出すことができるのが相手の立場に立てる人の特徴です。
「聞き上手」と同様ですが、相手に話をしてもらうには自分を信頼したり好意的に思ってもらったりする必要があります。
出会って時間が浅く、信頼関係が構築できていない場合でも相手と打ち解けて話を引き出せる人がいたら、それはその人の持つ雰囲気が理由です。
「なんとなく雰囲気が柔らかくて緊張せずに話しやすい人」っていますよね。
そういう特徴がある人は共感性が高く、自然と相手の意見を受け入れられる人が多いです。
相手の立場に立って考えるときの注意点
次に、相手の立場に立つときの注意点について紹介します。
「自分だったら」という考え方をしない
相手の立場に立って考えることの目的は相手を理解し、受け入れることです。
しかし、人は自分の感情を優先してしまうため、相手を知れば知るほど自分の意見と比べたくなってしまいます。
相手の話を聞いたときに「自分だったらこうしたのに」という考えを押し付けることは、相手の立場に立っているとは言えません。
自分の考えと比べるのではなく、異なる考え方や価値観を認めることを意識しましょう。
損得勘定で動くのをやめる
人は無意識のうちに自分が損をしないように考え、動いてしまうものです。
相手の立場に立つという「思いやり」が重要な場面にも関わらず損得勘定が働くと自分の思考がメインになってしまいます。
- どうすれば自分が損をしないか
- 自分がどんな利益を得るか
- 自分が嫌な思いをせずに済むか
- 相手が自分の期待に応えてくれるか
少しでも相手を自分の思い通りにしたい、見返りが欲しいという思考があると相手の立場に立って物事を考えることはできなくなります。
多くの人はこれらの考え方を無意識的に行ってしまうので注意が必要です。
損得勘定で動くのをやめるには、普段から損得を考えずに周りの人に接する・尽くすことを意識しながら過ごすのがおすすめです。
自己PRでのアピール方法は?
面接の場で「相手の立場に立って考えることができる」という自己PRをする場合の注意点やコツについて紹介します。
経験談を入れる
相手の立場に立つことができるというスキルはアピール内容としてはすこし具体性に欠けるものです。
実際に経験した話をもとにして相手の立場に立って考えることができる力を具体的なエピソードとして話しましょう。
【具体的な経験談の例】
①アルバイトで後輩指導をしたエピソード
勝手がわからず戸惑って職場に馴染めなかった新人に積極的に話しかけ、コミュニケーションをとった。自らが新人の頃に困ったことを思い出しながら業務マニュアルを作成してあげ、感謝された。
②サービス業での接客経験を活かすエピソード
小売店で接客を数年経験する中でさまざまなお客様と触れ合い、自然と相手の求めているものを考える思考が身についた。単純におすすめ商品を押し付けるのではなく、会話を通して本当に相手に必要な商品を見つける過程が重要だと感じた。
このように自分が経験したエピソードを交えながら自己PRを作成するとオリジナリティが出るだけでなく、説得力が生まれます。
仕事にどのように活かせるのか具体的に示す
自分が相手の立場に立って考える力を活かしてどのような仕事ができるのか具体的に話しましょう。
例えば営業職なら顧客のニーズを引き出すことができる、事務職ならコミュニケーションを円滑に行いチームで協力することができるなどです。
【相手の立場に立って考える力をアピールしやすい職種】
- 営業職
- マーケティング職
- 事務職
- 販売職
- カスタマーサポート職
人との関わりが多くコミュニケーション能力が必要とされる職種では相手の視点に立つスキルが活かしやすいです。
しかし、これ以外の職種でも経験談があれば仕事に活かせる具体的なエピソードが作りやすいでしょう。
まとめ
相手の立場に立って考える力についてビジネスシーンでの役立ち方やアピール方法について紹介しました。
相手の視点で物事を捉えることができる人には①聞き上手②想像力豊か③やわらかい雰囲気という特徴があります。
これから相手の立場に立つ思考をさらに磨きたい場合は、自分本位に損得勘定で動くことを意識して辞めることが必要です。
自己PRでこのスキルをアピールする際には具体的な経験談を交えて、応募する職種の仕事内容と絡めた活かし方まで考えたエピソードを作るのが良いでしょう。