エクセルを使用している最中に、急にスクロールできなくなりシートの下部が見れなくなってしまうことがあります。エクセル初心者の方や、仕事で少ししか触らない方であれば、どう設定したのかも分からず、気付いたときには焦ってしまう方も少なくないでしょう。
また、会社でのエクセル作業が多い場合、あらかじめスクロールできない状態に設定された状態でデータを共有されることもあるため、使い方を全く知らない方であれば、焦ってしまうことも多いでしょう。
そこでこの記事では、そんな大事なシーンでも焦らず対処できるよう、エクセルがスクロールできないときの対処法としてメジャーな解決策を画像付きで解説します。
記事の流れと合わせて一緒にやってみることでスクロールできないときの解除・設定が覚えられるようになりますから、ぜひこの記事を通してエクセルの使用方法をマスターしておきましょう。
目次
エクセルがスクロールできないときの対処法
エクセルの列が固定されていてスクロールできないときの原因は2つあります。
- ウィンドウ枠の固定がされている
- スクロールロックがかかっている
どんな機能を使用するのかを画像と合わせて解説していますから、一緒に試してみることですぐに覚えられるようになりますよ。
エクセル初心者やこれからオフィスでエクセルを使うことになる新社会人の方はこの機会にしっかりおさえておきましょう。
1~27まで【商品】【個数】【店舗名】が書かれたエクセルを用意しました。
これだけのデータ量でも全部目を通すためにはスクロールしなければ確認できません。
①【ウィンドウ枠の固定】が設定されているか確認する
あらかじめスクロールできないよう設定しました。一部分のセルが固定されておりくっついています。
このようにスクロールできない場合は、GIFのようにグレーの線が表示されていて、スクロールできないよう設定されている可能性があります。
これでは見にくいので、この固定を解除したいと思います。
その方法は、
エクセルの上部を【表示】タブに変更し【ウィンドウ枠の固定】【ウィンドウ枠の固定の解除】をクリックすることで解除できます。
固定されて動かなくなっていたセルが解除によって動くようになったことが確認できます。
スクロールできない場合は、グレーの線の有無を確認することで、どのような作業が必要かが見分けることができます。
【ウィンドウ枠の固定】の活用
ウィンドウ枠が固定されていたことにより解除することができましたが、そもそも【ウィンドウ枠の固定】とはどのようなときに使うものなのでしょうか。
【ウィンドウ枠の固定】とは、主にエクセルデータの最初の列や行を固定すると便利な機能です。
このような商品管理表や住所録などを閲覧する際に活用することが多いです。
たとえば上の画像の場合だと、下まで閲覧していくと、どれがどの列に記載されているのかわからなくなってしまうことがあります。
そんなときに【ウィンドウ枠の固定】を使用して1行目を固定することで、
【商品名】【在庫数】【店舗】の最初の項目がいつでも確認できるようになるため、どのセルがどの数値、名称を表しているのかがわかるようになります。
膨大なデータ数があれば、一番上まで戻って確認するのは非常に手間になり、作業効率を下げてしまいます。そこで、【ウィンドウ枠の固定】を活用して、誰でもすぐになにについてデータをまとめたのかを見やすく使いやすい状態にすると良いでしょう。
【ウィンドウ枠の固定】は1行目の固定だけでなく、A列や好きな場所を固定することができます。
上の画像ではB列目と2行目が固定されています。
縦も横も固定することで見やすくなりました。
この場合は固定したくない、スクロールしたいところ、つまり十字架の右下【D3】のセルにポイントを置きます。
そして、先ほどと同様に【表示】タブの【ウィンドウ枠の固定】をクリックします。
シートの右下にある【スクロールバー】を動かして、固定できたか確認しましょう。
もし【D3】のセルではなく、違う場所のセルにポイントを置いたまま、固定をしてしまうと
このように固定され、スクロールできなくなってしまいます。
スクロールバーの設定
先ほどシートの右下にある【スクロールバー】でウィンドウ枠の固定が設定されているか確認すると述べました。
しかし、シートの右下にある【スクロールバー】がない…!なんてこともあります。
スクロールバーは非表示にもできるのです。
では、非表示にする設定方法をご説明していきます。
- まず「ファイル」のタグから1番下にある「オプション」を選択します。
- 次に「Excelのオプション」ダイアログボックスが開いたら「詳細設定」をクリックします。
- 「次のブックで作業するときの表示設定」の
【水平スクロールバーを表示する】
【垂直スクロールバーを表示する】
のチェックを外して「OK」ボタンを押してダイアログボックスを閉じます。
シートを確認すると水平スクロールバーと垂直スクロールバーが非表示になりました。
再度、スクロールバーを表示させるときは上記手順と同じ方法で、表示させたいスクロールバーにチェックを入れてみてください。そうするとワークシートにスクロールバーが表示されます。
他にもExcelに表示される「スクロールバー」は表示幅を広げたることができます。
【表示幅を広げる操作方法】
●水平スクロールバーの表示幅の広げ方
上の画像の赤で囲んだ部分にポインターを持っていくと、ポインターが両方向の矢印に変わります。
その状態でポインターを左右にドラッグすると、スクロールバーの表示幅を好きな長さに調整することができます。表示幅を短くしたい場合は右側にドラッグ、長くしたい場合は左側にドラッグしてみてください。
●垂直スクロールバーの表示幅の広げ方
垂直スクロールバーは水平スクロールバーと異なり、表示幅に調整することはできません。ただし、リボン(エクセルの上に並んでいる機能がいっぱい詰まっているもの)を非表示にすることで表示幅を多少広げることはできます。
画面右上にある「リボンの最小化」ボタンをクリックします。
- リボンを全て非表示にするのか
- タブだけ表示するのか
- タブとコマンドどちらも表示するのか(通常はこちら)
自分の好みの表示に変更できます。
全て非表示にするとなんだか寂しい感じになります。
また、リボンの最小化はショートカットキー【「Ctrl」 + 「F1」キー】でも可能です。
リボンが消えた分、垂直スクロールバーの表示幅が少し広がります。
リボンを再表示させたい場合は下の画像の赤で囲った画面右上の「リボンの展開」ボタンまたはショートカットキー「Ctrl」+「F1」キーを押して再表示することができます。
②【スクロールロック】の可能性を疑う
スクロールできない原因は【ウィンドウ枠の固定】の限りではありません。
たとえば、キーボードの十字キーで動かしても、スクロールできなくないといった事象に陥ってしまうこともあります。
このような状態のときは、もしかするとキーボードの設定が変更されている可能性があります。
この状態を【スクロールロック】と言います。
お使いのキーボードに【Scroll Lock】と書かれたキーがあれば、これを押している可能性が考えられます。
また、エクセルシートを開いた際に、下部に【準備完了】と書かれているのですが、ScrollLockキーが押されている状態の場合は【準備完了】【SCROLL LOCK】と表示されています。
自分で押したつもりはなくても、不可抗力で押してしまっていたり、小さい子供やペットが触ったことによって押してしまっている可能性が考えられますので、エクセルの下部の表示を確認してから作業を進めるのがおすすめです。
ノートパソコンなどキーボードがコンパクトな場合は【ScrLK】と省略されていることがあります。ノートパソコンの場合は、【「Fn」キー + 「ScrLK」キー の同時押し】が必要な場合もあります。
まれに「Scroll Lock」キーが無いキーボードもあり、もし【Scroll Lock】キーが見当たらない場合は、以下の方法で設定したり、解除したりして下さい。
スタート
↓
すべてのプログラム
↓
アクセサリ
↓
コンピューターの簡単操作
↓
スクリーンキーボード
そうすると「スクリーンキーボード」が表示されますので、「ScrLK」をクリックしましょう。
ショートカットキーを間違えてスクロールロックをONにしてしまっている可能性もある
スクロールロックにもショートカットができます。他のショートカットと間違えて、スクロールロックしてしまっている可能性もあります。
ショートカットキーは以下の通りです。
- Lenovo⇒[Fn] キー + [C] キーまたは[Fn] キー + [K] キー
- DELL⇒[Fn] キー + [S] キー
- 東芝(Dynabook)⇒[Fn] キー + [F12] キー
このショートカットは、PCのメーカーによって違いがあり、モデルによっても違うので、全ての方が使える方法ではありません。
特に最も多い間違いが、以下の2つです。
- [Ctrl] キー + [S](上書き保存)
- [Ctrl] キー + [C] (コピー)
入力ミスによる、気づかない内に設定してしまっているかもしれません。。
キーボードに付いていればショートカットはわざわざ使うことはないですが、一応覚えておくと役に立ちます。
エクセルのスクロールに関するエラーの対処法
エクセルのスクロールに関して、よく見られるエラーや表示方法の対処法を解説します。エラーの対処法を知っていることで、どんなシーンでも慌てず対処することができるようになりますから、設定方法と合わせてどんなエラーが見られやすいのかをチェックしておきましょう。
①エクセルの表を閲覧・作成している際。縦長の行に影響されずにスクロールさせる方法
オークションやフリマで出品する際、あらかじめ多くの商品の状態や商品説明、居住地区や発送方法などをエクセルで作成し、出品作業を簡単に作成・管理する方も多いのではないでしょうか。
しかし、文字数が多かったり、その内容によっては、縦長の行に影響されてしまい、いくつかの行を飛ばしてスクロールされてしまったり、全部が確認できないなど、不都合を感じる場合があります。
このような場合は、マウスのコロコロした部分(ホイール)を、グッと下に押し込んでみましょう。
もともとのマウス表示、または白い【+】が、
このようなカーソルに変わったかと思います。
これを【パン機能】と呼び、画面移動の一種になります。
パン機能を活用することで、縦長のエクセルなどを閲覧・作業する際も、ゆっくりと閲覧できるようになる、確認したいセルや列へうまく移動できるようになります。
②スクロールする行が多くうまく閲覧できない
共有されたエクセルデータを確認する際や、自分で過去に作成してきたエクセルデータを確認する際、スクロールする行が多く、数行飛ばしてしまうことがありませんか?
このままの状態では十字キーを使いながらの作業や、エクセル横にあるスクロールバーを使っての作業になってしまい、作業効率が断然落ちてしまいます。
このように行がいくつか富んでしまい、うまく閲覧することができない場合は、パソコン本体の設定を確認することをおすすめします。
【Windowsマーク】
↓
【設定】
↓
【デバイス】
↓
【マウス】
の順で開いてください。
開いたら【一度にスクロールする行数】という項目があります。
1番下の設定にすることで一行ずつスクロールするようになりますから、この方法で調節することも可能です。
マウスやタッチパッドを使用したスクロールの問題
- マウスのホイール設定確認: マウスの設定を確認し、スクロール機能が有効になっているかを確かめます。
- タッチパッドの設定確認: 特にノートパソコンを使用している場合、タッチパッドの設定を確認し、スクロール機能が有効になっているかを見ます。
- ショートカットの利用: キーボードのショートカットを使用してスクロールする方法も有効です。
特定の状況でスクロールができない場合
- 特定のシートでの問題: 特定のシートだけスクロールができない場合、そのシートの設定や内容を確認します。
- セキュリティ設定の確認: エクセルファイルが保護されている、または編集が制限されている場合、スクロールに影響を与える可能性があります。
スクロール問題の高度な対処法
オフィスソフトウェアの設定と互換性
- Office365の設定: Office365などのクラウド版エクセルでは、設定やバージョンによってスクロールの挙動が異なる場合があります。
- 解除方法の探求: スクロールができない原因を解除するための設定変更や、再起動などの基本的なトラブルシューティングを試みます。
エクセル操作の裏技
- キーボード操作の活用: スクロールバーが動かない時は、キーボードの矢印キーを使ってセル間を移動することで代替する方法があります。
この要約は、エクセルで遭遇する可能性のあるスクロールに関する問題と、それに対する一般的な解決策や高度な対処法に焦点を当てています。エクセルの使用中にスクロールができなくなった場合には、これらの方法を試してみると良いでしょう。
まとめ
エクセルに使い慣れていない初心者の方や、就職先ではじめてエクセルを使うようになった方であれば、使い方や対処法などは使い慣れていないからこそ、普段のエクセルの状態じゃないものに出会った場合パニックになってしまいます。
今回はエクセルのスクロールができないときの解除方法やスクロールにまつわる対処法、エラーの対処法についてまとめました。
エクセルは関数や便利なツールが満載であり、その分、機能が充実しているからこそ、使い勝手がわからない方にとってはパニックになってしまう可能性があります。
このような記事を見つけたら、1度自分でもやってみる、解決策を知ることで、より快適なエクセルワークを行えるようになります。
たくさん覚えることがあり、最初は大変かも知れませんが、どのようなシーンで活用できる機能なのかさえ覚えておけば、自然と身につきますから、焦らず少しずつエクセルをマスターしていきましょう。