転職活動中、企業の求人情報を細かく見ていると、休暇のところに「慶弔休暇」と書かれている企業が多くありますね。慶弔休暇は、おめでたい事やお悔やみ事があった時に取得できる休暇と思っている方も多いのではないでしょうか。
でも就職して、いざ慶弔休暇を取得したいと思った時に、慶弔休暇って何日とれるものなの?申請方法は?と、分からず困ってしまうことがあります。
今回は、慶弔休暇に注目し、取得できる対象者や取得できる日数、申請方法を説明します。最後には、慶弔休暇を取得するために気を付けるべきポイントもお伝えします。
目次
慶弔休暇とは何?
慶弔(読み方「けいちょう」)の意味は、喜ばしいことと、悲しいことの二つを表す言葉です。慶事(結婚や出産などのお祝いごと)や弔事(通夜や告別式)の時に、特別に取得できる休暇です。会社によっては、特別休暇とも呼ばれています。
そもそも休暇には、法定休暇(法律で決まっているもの)と、法定外休暇(企業が独自に定めているもの)の2種類があります。
慶弔休暇とは法定外休暇の1つで、必ず与えられる休暇ではありません。内容も各企業の裁量で違うため、結婚式や葬式を理由に休暇を申請しても欠勤をとみなされることもあります。
しかし、実際は大多数の企業で慶弔休暇が認められています。とくに、大きな企業ほど慶弔休暇を実施しており、日本では一般的に取得できる休暇です。
慶弔休暇が取得可能な対象者
身近でお祝い事や不幸があった場合に、取得できる慶弔休暇ですが、家族のどこまでの関係性の人がその対象となるのでしょうか。
慶弔休暇を取得できる対象者は、本人・配偶者・子ども・近親者に慶事や弔事が起こった場合です。
近親者というと関係があいまいですが、具体的には0親等、1親等、2親等の親族までが対象となります。
0親等は、配偶者
1親等は、父・母・配偶者の父・配偶者の母・子ども・子どもの配偶者
2親等は、祖父母・配偶者の祖父母・兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・孫・孫の配偶者
を示します。
就業規則をよく確認してから申請を出しましょう。
慶弔休暇は有給?無給?
さて、慶弔休暇で休んだ場合、給料は発生するのでしょうか。実は、慶弔休暇が有給になるか無給になるかは、企業の就業規則によって異なります。詳しい条件は、勤務先の就業規則や雇用契約書に記載があるので、確認しておきましょう。
慶弔休暇制度を利用しても無給扱いになる場合でも、申請はきちんと出して休みましょう。就業規定に沿って、休むことと申請を出さずに欠勤してしまうのでは、昇給・昇進やボーナスに関わってきます。
申請しないことによって、人事評価を受ける上で不利になることがあるので気を付けましょう。また、申請することで、企業から結婚祝金や弔慰金などの慶弔見舞金が渡されることもあります。
身近でお祝い事や不幸があった場合には、自分の働く企業に慶弔休暇があるかを確認し、申請したうえで休みましょう。
慶弔休暇の取得可能日数
慶弔休暇の取得できる日数は、企業によって違いますが、ここでは一般的な日数を紹介していきます。
慶事の場合
・就業者本人が結婚する場合は、5日ほど。
・1親等の子どもが結婚する場合は、2日。
・0親等の配偶者が出産する場合は、2~3日。
出産の場合、女性は法で定められている産前産後休暇を申請できます。また、男性は育児休業の申請をできます。
弔事の場合
・配偶者が亡くなった場合は、10日ほど。
・1親等の父母、子どもの場合は、5~7日間。
・1親等の義理の父母が亡くなった場合は、5日間。
・2親等の兄弟姉妹・祖父母・義理の祖父母・孫が亡くなった場合は、2~3日間。
・3親等の親族が亡くなった場合は、1日間。
お通夜や葬儀が遠方の場合には、参列するために必要な日数を考慮して申請できる場合もあります。
慶弔休暇の取得・申請方法
慶弔休暇の取得や申請方法は、企業によって異なりますが、一般的な方法をお伝えします。まず、書類の提出は、会社が規定の申請フォーマットを用意している場合があります。上司や管理部門に相談しましょう。中には社内メールに、必要事項を記入して送信することで申請できるという企業もあります。
企業側が把握したい情報は、
・申請者名
・申請理由
・休暇を希望する日程
・緊急時の連絡先
の4点です。
弔事の場合には、葬儀に参列したという証明が必要な場合があります。葬儀に参列した時に渡される会葬礼状を提出することで、参列したことが証明されます。小規模な家族葬で、会葬礼状がない場合は、故人の死亡診断書や火葬許可証のコピーを企業に提出しましょう。
企業側から弔電を送るために、故人の名前や葬儀の日時・場所などを詳しく聞かれることもあります。あらかじめ葬儀の詳細を控えておきましょう。弔事は急な出来事のため、申請は事後でも良いとされることもあります。ただし、休暇の連絡は事前にきちんと行いましょう。
慶事の場合は、日程が決まっていれば事前に申請することができます。できるだけ早めに申請して余裕を持っておくことが大切です。また、同時に周囲のスタッフにも休暇の取得予定を伝えておく配慮が必要です。
慶弔休暇を取得するにはどんな理由を伝える?
慶弔休暇を取得する時の理由は、そのまま単刀直入に説明した方が良いでしょう。
「祖父の葬儀に出席するため」「自分の結婚のため」など、端的に理由を伝えるのがおすすめです。休暇を処理する担当者にとって、分かりづらくならないようにしましょう。
また、理由を伝える時には、「誰の」慶事・弔事なのかをはっきりとしましょう。先ほど述べた通り、本人との関係性によって取得できる日数は変わります。理由と共に関係性を伝えることで、担当者にとって分かりやすくスムーズに申請が進みます。
慶弔休暇の取得時に気を付けるべきポイント
慶弔休暇を取得する上で気を付けるポイントを5つ紹介します。
就業規則や雇用契約書を確認する
そもそも、自分の勤める会社に慶弔休暇の制度があるのかを確認しましょう。慶弔休暇の制度があっても、企業によって取得できる対象や日数が違うので、申請前に自分の状況と照らし合わせて確認しておきましょう。
できる限り早く申請する
企業によっては、休暇の処理に時間がかかることがあります。周りのスタッフにも早めに伝えておくことで、休暇を取った時に関係者が慌てず、いつも通りの業務を進めることができます。
上司や同僚、取引先などに休む旨を伝える
自分が休暇の間も会社が業務をスムーズに行えるように、事前に関係各所に連絡しておくことが大切です。
お礼の挨拶を伝える
自分が不在中に対応してくれるスタッフに対して感謝の気持ちを持ち、慶弔休暇明けには不在中のお礼を伝えましょう。「休暇を取得して当たり前」という思いは、周りの人に悪い印象を持たれてしまうことがあるため、注意が必要です。
入社してすぐに取得する場合は事前に相談する
入社してからすぐに慶弔休暇が取れるかどうかは、会社によって規定が違います。入社して3カ月は試用期間として雇われる場合が多いので、自由に休暇を申請することが難しい可能性があります。また、仮に慶弔休暇を取得できても、入社後すぐでは無給の扱いになる可能性があります。
入社の時点で慶弔休暇を取得することが分かっている場合には、事前に事情を伝えて会社と相談しておくことがおすすめです。
まとめ
慶弔休暇とは何?という疑問や、慶弔休暇で休んだ場合に有給扱いになるのか、取得可能な対象者、取得と申請方法、取得するにはどんな理由を伝えたら良いのか、取得時に気を付けるべきポイントなど紹介しました。
慶弔休暇とは、慶事(結婚や出産などのお祝いごと)や弔事(通夜や告別式)の時に、特別に取得できる休暇です。慶弔休暇は、必ず与えなければならない休暇ではないため、取得できるかどうかや、有給か無給かは、企業によって異なります。
そのため、取得可能かどうかは会社の就業規則か雇用契約書を確認しましょう。その際、企業によっては「特別休暇」という名前になっていることもあるため、注意してくださいね。