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退職金なし?退職金を導入していない企業の割合と老後の対策について!

「現在勤めている会社に、退職金がないけど違法じゃない?普通なの?」

「退職金のない会社って、割合はどのくらいなの?」

「退職金がないから老後が不安」

など退職金がないことで、将来や老後が不安になることはないでしょうか。

今回は、退職金を導入していない企業の割合や、退職金がない企業で勤めている人が老後のために、今からやらなければならないことを詳しく解説します。

目次

退職金なしとは

退職金がないということは、会社で長く働いたとしても、退職する際にまとまったお金が貰えないということです。

そもそも退職金制度とは、会社を辞めるときに勤続年数や役職によって多額のお金が貰える福利厚生となります。

退職金制度は、国が決めた法律ではなく、会社が福利厚生の一環として独自で設定している制度です。

つまり、退職金がないということは、退職後に会社から支給される多額のお金が受け取れる福利厚生が会社にないということです。

とくに正社員以外の非正規雇用は、ほとんどの場合が退職金のない雇用契約のことが多い傾向にあります。

退職金なしの会社の割合とは

結論から言うと、退職金がない会社の割合は、全体のおよそ20%程度です。

これは、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によって明らかです。

また、従業員数が多くなるにつれて、退職金制度を導入していない企業の割合が少なくなっている傾向も調査結果から分かります。

同じく厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」では、100人未満の従業員数の会社で退職金制度を導入していない企業の割合が22.4%、1,000人以上の従業員の会社であれば、退職金制度を導入しない割合が7.7%となっています。

(参照:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」)

この調査結果から、従業員数が大きい企業ほど、福利厚生の充実により退職金制度を導入している割合が増えていると考えることが可能です。

退職金なしの割合が多い職種とは

退職金がない割合が多い職種は以下のとおりです。

職業カテゴリ退職金がでる企業の割合
複合サービス事業96.1%
鉱業、採石業、砂利採取業92.3%
金融業・保険業88.6%
医療・福祉87.3%
卸売業・小売業78.1%
運輸業・郵便業71.3%
宿泊業・飲食店サービス業59.7%

(引用:マイナビニュース)

上記の調査では、従業員数が30人以上の企業を対象としているので、従業員数が30人未満の企業を調査に含めることを考えた場合、それぞれの割合はもう少し上がると予想されます。

調査の結果、退職金が出ない職種の割合で多いのは、店舗などで活動している接客業全般だと分かります。

接客業の退職金が少ない理由については、接客業の従業員は入れ替わりが激しく、長期的な雇用が考えられないためだと考えられます。

そのため、退職金をなくす代わりに毎月の給料を通常よりも多く支給している会社が多いのです。

退職金なしの会社は違法ではない

結論から言うと、退職金制度を導入していない企業は違法ではありません。

退職金制度とは、法律で義務化されている制度ではなく、会社の福利厚生として独自で導入しているものです。

そのため、退職金がない会社があったとしても、その会社が福利厚生に退職金制度を導入していないだけなので、法律で罰せられることはありません。

しかし、退職金制度を導入している会社は、就業規則に退職金がどのくらい貰えるのか、またどのような計算となるのかを明記する必要があります。

退職金制度が導入されている場合で、退職金が受け取れる条件に満たしているにも関わらず支給されなかった場合は違法とみなされます。

退職金制度があっても退職金が貰えない場合がある

退職金制度を導入している企業に勤めていたとしても、退職金が貰えない可能性はあります。

退職金制度とは、長期的な雇用を目的としていることもあり、長期的な就業をした人だけが支給対象となることが多いです。

そのため、多くの会社が3年以上勤務した人に退職金を支給するといった条件を設けています。

なので、退職金制度を導入している会社であっても、短期的に退職してしまった場合に貰えないことがあります。

しかし、退職理由が会社都合の場合には、3年未満でも退職金を受け取れるケースがあるので、事前に就業規則を確認しておくとよいです。

退職金なしのメリット

退職金がないことは、悪いことだけではありません。

こちらでは、退職金がないことによるメリットを紹介します。

①退職金がないと年収が増える

退職金がないことによるメリットの一つ目が、退職金がないことで年収が増えることです。

退職金を導入していない企業は、その分を毎月の給料や賞与などの給料で還元しています。

そのため、万が一3年未満で退職してしまったとしても、日頃の給料で退職金分を還元してもらっているので、損をしません。

このように入社したての頃から、退職金分も含めて給料が貰えることは、退職金のない会社に勤める大きなメリットと言えます。

②退職金が減額される心配がない

退職金がないことによるメリットの二つ目が、退職金が減額されることがないことです。

退職金は、満額を必ず支給されるものではありません。

そのため、退職する際に企業の業績の悪化などが原因で、退職金を減額されてしまう可能性もあります。

このことを考えると、毎年退職金分を給料として貰っていたほうが、退職金を大幅に減額されるリスクを減らせると考えることができます。

③退職金を受け取る手続きが必要ない

退職金がないことによるメリットの三つ目が、退職金を受け取る際のめんどくさい手続きが必要ないことです。

退職金を受け取る際に、しなければならない手続きがあります。それは確定申告です。

退職金は多額になることが多く、退職金を受け取った年には確定申告を自分で行う必要があります。

長年会社員として勤めているのであれば、確定申告は会社側が行ってくれている手続きなので、自分で行うには大変な作業となってしまいます。

しかし、退職金がない会社であれば、毎年の給料に少しずつ還元されているので、退職後に確定申告をする必要はありません。

退職金なしのデメリット

退職金がないことによるデメリットもいくつかあります。

こちらで、退職金がないことによるデメリットを紹介します。

退職時にまとまった資金が入らない

退職金がないことによるデメリットの一つ目が、老後にまとまった資金が入らないことです。

老後にまとまった資金が入らないことで、車や家のローンの返済をしたり、貯金ができていない場合に、老後の資金となるお金が準備できなくなってしまいます。

そのため、退職金がないと老後の生活や退職した際に、金銭的な面で心に余裕が持てなくなってしまうのです。

定年退職後の生活が大変

退職金がないことによるデメリットの二つ目が、定年後退職後の生活が大変になることです。

毎年、一定の貯金をしていれば問題ないですが、あまり貯金をしていない場合は退職金が出ないと老後の生活が大変になってしまいます。

定年退職後は、基本的に収入源は年金のみとなります。

年金とは、2ヶ月に一回支給されるもので、よほど給料が高い人でなければ年金で生活するのは厳しい時代です。

そのため、退職金がない場合は、定年退職後の生活が苦しくなってしまう可能性があります。

老後のためにどのくらい貯めておいた方が良いのか

退職金がない企業で働いている人は、退職した時のために貯金をしておくことをオススメします。

日頃貯金していないと、デメリットでお伝えしたように、定年退職後の生活で苦労してしまいます。

そのため、退職金がないのであれば、退職後のために毎月少しでも貯金しておいたり、投資や新しい収入源を確保しておくことがオススメです。

こちらでは、一人暮らしの場合に退職金をどのくらい貯めることができるのか、年収別で紹介します。

あくまで目安の生活費での計算なので、実際の自分の毎月の出費を元に今から定年退職後までに、いくら貯めることができるのか確認しておきましょう。

年収300万円の人が貯められる金額

年収300万円の人であれば、手取り額はおよそ240万円ほどです。

その場合、毎月の手取り額は20万円ほどとなります。

手取り20万円の一人暮らしの出費はこのようになります。

家賃6万
光熱費1万
食費3万
交通費0.5万
娯楽費2万
通信費1万
雑費2万
合計15.5万

※あくまで目安の金額です

残ったお金は貯金回すとして、毎月4.5万円貯金で年間54万円です。

30歳から貯金を開始したとしたら65歳では、およそ1,890万円貯金できることになります。

年収400万円の人が貯められる金額

年収400万円の人であれば、手取り額はおよそ315万円ほどです。

その場合、毎月の手取り額は26.2万円ほどとなります。

手取り26.2万円の一人暮らしの出費はこのようになります。

家賃7万
光熱費1万
食費4万
交通費0.5万
娯楽費3万
通信費1万
雑費2万
合計18.5万

※あくまで目安の金額です

残ったお金は貯金回すとして、毎月7.7万円貯金ができ、年間で92.4万円の貯金が可能です。

30歳から貯金を開始したとしたら65歳では、およそ3,234万円貯金できることになります。

年収500万円の人が貯められる金額

年収500万円の人であれば、手取り額は400万円ほどです。

その場合、毎月の手取り額は33万円ほどとなります。

手取り33万円の一人暮らしの毎月の出費はこのような感じです。

家賃8万
光熱費1万
食費5万
交通費1万
娯楽費4万
通信費1万
雑費3万
合計23万

※あくまで目安の金額です

残ったお金は貯金回すとして、毎月10万円貯金ができ、年間で120万円の貯金が可能です。

30歳から貯金を開始したとしたら65歳では、およそ4,200万円貯金できることになります。

退職金なしの際の老後の準備

退職金がない場合は、今後どのように老後の準備をしていけばいいのか説明します。

早い段階から老後の貯金を意識する

一番簡単なやり方としては、早い段階から老後を意識して貯金しておくことです。

先程の年収別で貯金できる金額をお伝えしましたが、早ければ早いほど貯金額に差が出ます。

数年貯金が早いだけでも、老後に使えるお金が数百万円変わってくるので、早い時期からの貯金を始めましょう。

副業など、会社を退職したあとの収入源を確保する

老後のために、定年退職後でも自分で稼げるスキルを身に着けておくことが大切です。

そうすることで、会社を退職したあとの収入源の一つとなり、老後の生活を安定させることができます。

そのためには、社会人時代から副業をすることで、会社に縛られない生活を手に入れることもでき、日頃のストレスも解消される可能性があります。

退職金が出る会社に転職する

「退職金をどうしても受け取りたい人」「貯金ができるか心配な人」は、今の会社を退職して退職金が出る会社に転職しましょう。

そうすることで、老後にまとまったお金が入り、余裕のある生活が送れるようになります。

退職金制度がなしの会社についてのまとめ

今回は、退職金制度がない会社についてまとめました。

退職金制度を導入していない会社に勤務している場合は、自分から老後に向けて準備をしていかなければなりません。

そのためにも、早い段階から計画性のあるお金の管理をすることが大切です。

また、会社員の給料以外で副業で稼ぐことで、自分のスキルを磨くことができます。

そうすることで、定年退職後でも会社に依存しない働き方ができるようになり、退職金分を貯金できていなかったとしても老後の生活が苦しくなる可能性は低くなります。

最後にまとめると、退職金を受け取れない場合は、今からでも自分で行動することが大切なのです。