転職活動において、企業との面接時に転職理由を聞かれて、キャリアアップと答えてよいか迷う方もいますよね。
何となく、「企業へ貢献したい」というより「自分の希望を叶えたい」という気持ちが、面接官にどういう印象を与えるか不安に感じてしまうようです。
結論から言うと、キャリアアップが転職理由と答えても全く問題ありません。
ただし、伝え方には注意しなくてはならない点もあります。
そこで今回は、転職理由がキャリアアップでも問題ない理由をご紹介します。
面接官へ伝える際に失敗しない方法も解説していくので、転職活動中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
転職理由は「キャリアアップのため」と答えて大丈夫?
企業の採用担当に、転職理由がキャリアアップであることを伝えても大丈夫です。
理由は、あなたがとても前向きで、すでにスキルがあってさらなる成長意欲があるとみなされるためです。
採用担当は、あなたが入社後、どれだけのモチベーションをもって仕事に従事するかを知りたいので、「キャリアアップのため」という理由は「意欲的に仕事をしてくれる」とみなしてもらえるので、何も問題ありません。
転職理由が「キャリアアップ」であると好印象を与える可能性もある
転職理由がキャリアアップということを上手に伝えると、採用担当には好印象を与えます。そもそも、キャリアアップとは自分の経歴を高めることです。
あなたは自分自身の成長のために、スキルを身につけたり、自分の能力を伸ばしたり、という目標をもって転職を決めたのです。
転職先の企業にあなたの望むフィールドがあり、キャリアアップ後のビジョンがその企業の描く経営ビジョンとマッチしていれば、企業側にも「この人は自社で結果をだしてくれるかもしれない」「自社で活躍する人材かもしれない」と思ってくれる可能性があります。
そのため、転職理由がキャリアアップであることは、きちんと伝えることで好印象を与えることができるのです。
転職理由が「キャリアアップ」だとマイナスな印象を与える危険性もある
一方で、「人間関係が辛かった」「仕事が楽しくなかった」「待遇面に不満があった」
など、他の理由があるのに、転職理由をキャリアアップと言ってしまうのは危険です。
何となく体のいい言葉としてキャリアアップという転職理由を使っては、具体的な質問をされたときに答えられなくなるので、採用担当には嘘をついていると見抜かれてしまうこともあります。
「キャリアアップは前の会社を辞めたいただの言い訳」と見なされ、マイナスな印象を与えてしまうので、伝え方には注意が必要です。
転職理由がキャリアアップであることを明確にする方法
転職理由がキャリアアップであることを前向きにとらえてもらうためには、コツが必要です。まずは、面接前に準備することを解説していきますね。
自分の実績やスキルを整理する
転職活動における一番最初の登竜門は履歴書や職務経歴書での書類選考です。書面であなたの志望動機や強みが企業に伝わらなければ、面接にたどりつくことはできません。
そのために必要なことは、自分の実績やスキルを整理する自己分析です。
転職理由がキャリアアップというだけでは、企業にあなたの魅力は伝わりません。
そのため、あなたの志望動機をしっかり伝え、納得のいく転職を実現するためには自己分析は欠かせません。
紙とペンを用意し、これまでのあなたの経験や、取得したスキルを詳しく書き出してみましょう。今まであなたがこなしてきた仕事によって得たもの、感じたこと、それらすべてがあなたのキャリアです。ポイントは時系列で書き出すこと。
- 時期
- 会社や部署
- 業務内容
- 目標
- 成果
- 工夫したこと
- 成功体験
表彰された経験や評価されたことがあれば、それもたしていくとよいでしょう。
今までのあなたのキャリアが可視化されることで、客観的に自分の実績やスキルを把握することができ、強みが明確になってくるはずです。
なぜキャリアアップしたいのかを考える
自分のキャリアが整理されたら、次にそれらをなぜ「アップ」させたいのかを考えます。
「なぜキャリアアップをしたいのか」という理由を明確にしておかなければ、応募書類や面接で好印象を与えることはできません。
まずは自分が考える「キャリアアップとは何か」を再確認してみてください。
- 昇進
- ポジション変更
- 活動のフィールドを広げる
- 決定権を持てるような役職につく
- 経営に携わる
- 年収アップ
- 社会への貢献度をあげる
- 専門的知識の向上
- 知見の幅を広げる
これらの中にあなたの考えるキャリアアップはありますか?
そしてそれは、今の会社での異動やグループ会社への出向などで叶えられるものはありませんか?
現職のままではどう考えてもキャリアアップすることが不可能であるなら、いよいよ退職することを念頭に、理由もあわせて考え始めましょう。
具体的なキャリアプランを描く
5年後、10年後に自分がどうなっていたいのかを具体的に考えることで、キャリアと私生活の方向性がより具体的になってきます。
女性であれば、結婚や出産などのライフステージの変化も影響を受けるので、仕事とプライベートとあわせて整理していく必要があります。
転職理由が「キャリアップ」であるときの伝え方
キャリアアップという言葉は使い勝手が良い分、とても曖昧な表現です。
「転職理由はキャリアアップのため」とそのまま言葉にしても、採用担当者には伝わりません。キャリアアップと言っても、「今のスキルを高めたいのか、新しいスキルを身に着けたいのか」「専門性を高めたいのか、役職についてマネジメント力を得たいのか」など、意味はまったく変わってきます。
面接では「キャリアアップのため」と一言ですまさずに、「Excelでの事務処理だけでなく、効率化と生産性を考えたフロー作りをしていきたい」「若手の教育に力を入れ、アシスタント業務のみならず営業さんへ提案できるようなチャンスを創出したい」など、「あなたにとってのキャリアアップとは何か」をきちんと話せるのがベストです。
そこで、転職理由がキャリアアップであるときの伝え方のポイントをご紹介していきます。
退職理由と転職理由に一貫性をもたせる
退職理由と転職理由に一貫性を持たせると説得力が上がります。
退職理由だけでなく、履歴書や職務経歴書とも矛盾があったり、無理やりこじつけたように伝わると、「退職理由は別にあるのではないか」と採用担当は不安に思います。
自分がなぜ退職したのかと、転職後にやりたいことの関連性をもたせて、転職したい意思を伝えましょう。
自分を採用するメリットを伝える
面接では「あなたを採用するメリットは何ですか?」という質問をしてくる企業もあります。やや挑発的な質問にも感じますが、企業側に他意はありません。
現職をやめてでも自分の会社に入社したいという意欲と自信の有無を確認することが目的です。質問されなくても、答えられるようにしておくことは自己PRとして役立ちます。
事務職の場合だと、以下のような回答がおすすめです。
MOSを取得しており、私の事務処理能力は貴社の営業部門にとってメリットになると思います。 今までアシスタントとしてパワーポイントでの提案書作成や、Excelでの見積書と請求書作成の業務にあたっていましたが、ある日から会議でみんなが同時に編集できるようにGoogleドキュメントやスプレッドシートの活用を提案しました。 使い方は私が取得していたので、参加者は共有ドキュメントにアクセスし、自分のパソコンで文章を打ち込むだけで済みます。 その結果、会議での意見交換の内容に聞き逃しや抜け漏れがなくなり、全員がその場で確認しあえるようになりました。 「営業プラン作成のスピードが格段に早くなった」と、部長からお褒めの言葉も頂きました。 |
事務職で求められる応募要件に一致し、さらに応募してきた人の強みや積極的に提案するという意欲と成果があげられているところがポイントです。ぜひ、参考にしてみてください。
ネガティブな退職理由はポジティブに言い換える
退職理由はネガティブなことが多いのですが、前向きな表現に言い換えることでポジティブな理由として伝えることができます。たとえば以下のような言い換えです。
- 残業が多すぎ辛かった
→生産性重視な仕事をの仕方をして成果を出したい
- ノルマがキツかった
→効率的に仕事を進め、PDCAをまわせる人材になりたい
- 雑用ばかりでつまらなかった
→責任のある仕事をし、活躍できるフィールドを広げたい
- 人間関係が辛かった
→オープンでフラットな意見交換ができ、協力しあえるチームで働きたい
退職理由がネガティブなものだとしても、同じようなことが次の職場で起こらないとは限りません。採用担当も「また同じ理由でやめるのでは」と不安になります。
それを払拭するためにも、退職理由はポジティブな内容に言い換え、志望動機につなげるようにしましょう。
入社後のキャリアプランを伝える
キャリアを将来的にどのように積み重ねていくか を明確にし、実現に向けた具体的な行動計画のことを「キャリアプラン」と言います。
面接でキャリアプランを聞かれるのは、ずばり、自分自身としっかりと向き合っているかどうかを知りたいためです。
自分と真剣に向き合っている人は「自分ができること」「自分ができないこと」「自分が得意なこと」「自分が苦手なこと」を把握しています。
具体的なキャリアプランを伝えられる人は採用後の活躍や成長が期待されます。
さらに、「〇ヵ月後にはどうなっていたい。そのためには△をする」までおとしこんで話すことができると、目標達成の手段も明確で、モチベーションが高い人材だと評価されます。
事務職を希望している方の回答例をあげておきますね。
将来的には総務を取りまとめられるような人材を目指しています。 そのために、半年以内に引継いだ事務処理を自走し、誰が見ても対応できるようなマニュアル作成を行います。 1年後には部全体の作業効率が向上できるように得意のマクロを駆使し、スピードを重視し、チーム内でもチェック体制をひいて正確な資料作成に取り組みたいと考えています。 |
期間ややりたいこと、やるべきことが具体的で、活躍する姿が想像できる部分がポイントです。
退職の言い訳にならないように気をつける
今の会社がどんなにひどく辛い環境であっても、転職理由を答える際に、現在勤めている会社の不平不満を口にすることはNGです。
「キャリアアップができないのは今の会社に問題があるから」と、他責志向の持ち主だと思われてしまう可能性があります。
たとえば、「自分は専門性を高めるために努力してきたが、会社の組織編制が多く、すぐに仕事が変わってしまって実現が難しかった」といったように、事実として述べる程度であればかまいません。
ほかにも、規模が大きく年功序列制度が根強く残るような企業では、どんなに努力しても年上の先輩がいてマネジメント職に就くのは難しい、といったことも問題ないでしょう。
転職理由がキャリアアップの人は転職エージェントを活用しよう
転職理由がキャリアアップの人は、ぜひ転職エージェントでプロの力を借りましょう。
転職エージェントは、ただ求人を紹介するだけではありません。
キャリアアドバイザーがあなたの「転職で叶えたいこと」や「キャリアプラン」をしっかりとヒアリングし、寄り添ってサポートしてくれます。
また、なりたい姿に近づくために何をすべきか、といった具体的なアドバイスをしながら、一緒にキャリアプランを作成していくことも可能です。
一人で転職先を探している時には気づかなかったキャリアパスを経験することで、選択肢が広がることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、転職理由がキャリアアップである人向けに、注意すべきことや上手な伝え方をご紹介してきました。
自分のキャリアアップのために転職したい。
これは基本的に「自分のため」というスタンスです。
たった一度の人生なので、自己実現や夢をかなえることは大切ですが、キャリアアップの先に、「会社に利益をもたらす」「社会へ貢献する」という視点を忘れないようにしましょう。そして、自分の経験や将来やりたいことを実現するために、必要なスキルを把握して、その差を埋めるためのキャリアプランを描き、転職活動にのぞんでくださいね。
この記事があなたの役に立ちますように。
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