転職活動を進める中で、従来の職場より好待遇の企業に勤めたいと考えるのはごく自然なこと。そのなかでもより魅力的な項目のひとつが「ボーナス」ではないでしょうか。でも、転職活動が功を奏し無事採用が決まっても、入社後すぐにボーナスをもらうことはできるのでしょうか?採用担当者や会社の人にはなかなか聞きにくい項目とも言える転職者のボーナス事情。本記事では、そんなボーナスの規準や支払われる時期などについて開設します。
目次
ボーナスの支給が決まるまで
転職活動を進める中で重視したいのが「ボーナスの有無」。できるならボーナスがもらえる企業で働き、仕事へのモチベーションにつなげたいと考える方も多いのではないでしょうか。そもそも、ボーナスとはどのような決まりがあるのでしょうか。待遇のなかにボーナスがある企業を選ぶ前に、今一度ボーナスの決まりについて理解を深めましょう。
ボーナスは「就業規則」にともなって支給される
ボーナスは年二回、夏期と冬期に支給されるという企業が一般的です。ボーナスのない企業であっても、ボーナスを毎月の給料に分配し、平均よりも毎月の給料が高い傾向の企業などさまざまです。なぜ企業によって異なるのでしょうか。その理由は、ボーナスの支払いについては法律で定められていないからです。ボーナスは法律ではなく就業規則に基づいて決められています。就業規則とはそれぞれの企業によって決められた企業内のすべてに関する決まり事。労働時間や働き方、残業についてや休暇など、すべては企業ごとに設定した就業規則に基づいて運営しています。ボーナスもこの就業規則のなかで定められているため、企業ごとに条件が異なるのです。
ボーナスは「規定規準」によって決まる
就業規則の中で定められているボーナス。当然、ボーナスの規準やあり方についても、就業規則に基づき決定します。たとえば、本来はボーナスが待遇として決められた企業。昨今、多くの人を苦しませ、悩ませている新型コロナウイルス感染症により、たくさんの企業が業績悪化を迎えています。就業規則において「業績悪化を理由にボーナスの削減・不支給を認めることとする」といった決まりがあれば、ボーナスの削減。不支給を実施することが可能になります。ほかにも、ボーナス支給額を定めるために設けられた規則として「査定規準」があります。査定基準は社員の評価を行う際のポイントのひとつであり、主に
- 勤務態度
- 勤務状況
- 企業・業績に対する貢献度
の3つについて総合的に判断・決定します。
ボーナスは「査定期間」が必要
一般的な企業において、ボーナスが支給される時期としては
- 夏期:6月~7月
- 冬期:12月
の2つです。この時期のボーナス支給にあたり、社員を評価するための期間が「査定期間」です。査定期間は
- 夏期ボーナス支給分:10月~3月
- 冬期ボーナス:4月~9月
のそれぞれ6ヵ月です。この期間からもわかるように、転職活動を経て無事にボーナス待遇のある企業への採用が決まったとしても、査定期間が短すぎるあまり査定という場合や、規定規準でも判断しかねる場合には、ボーナスがもらえなくなることも多くあります。ただし、上述した事情によりボーナスが支給できなかった社員に対して、「寸志」を付与する企業もあります。
「就業規則」「雇用契約書」によっては正社員以外でもボーナスが付与されることも
ボーナスの対象は一般的に正社員のみと認識している方も多いのではないでしょうか。実は、企業によっては企業に属する人全員にボーナスを付与することもあります。なぜそのようなことが可能なのか。その理由も企業それぞれで定められた就業規則によって決められるからです。「雇用契約書」に就業規則で定めたボーナス(賞与)について記載がある場合は、パート・アルバイトであってもボーナス支給対象者となることがあります。
転職においてボーナスをもらうために心掛けるべき3つのポイント
ボーナスをもらうためには企業ごとに定められた就業規則や査定期間など、複数の項目をクリアしなければならないことが分かったのではないでしょうか。では、複数の項目をクリアし、ボーナスをしっかりもらうためには、どのようなポイントに気を付けると良いのでしょうか。ここでは、ボーナスをもらうために心掛けるポイントとして3つの項目について解説します。
ボーナスの算定期間を把握する
先にもお話ししたように、ボーナスはおよそ6ヵ月間の業務期間を経て判断し支給されます。
- 夏期ボーナス支給分:10月~3月
- 冬期ボーナス:4月~9月
といった期間が一般的です。しかし、企業の就業規則に基づいて決められていることから、上記の期間が企業全般にとって通じることではないことを留意しましょう。
ボーナス支給時の在籍確認
企業の就業規則によってはボーナスの算定期間に在籍をしていたとしても、ボーナス支給日時点で企業に在籍していなければ支給対象にならないといったルールもあります。ボーナスがあるという待遇だけで志望せず、企業に入社したい明確な目的を持つことが大切です。
ボーナスには「将来への期待」が含まれているケースも
ボーナスは社員を総合的に判断して決めたうえで支給される待遇のひとつです。そのため、仕事に対する勤務態度が真面目で、且つ業績をアップさせることの多い社員であれば、「いつもありがとう!」といった企業からの感謝がこもったお金とも考えられます。また、企業にとって優秀だと判断できる社員に対して、将来を期待する気持ち、いわゆる「期待度」も込められている場合があります。ボーナスが高ければ高いほど、企業から認められていることを自覚し、より活躍できるよう、日々能力やスキルをブラッシュアップしていくことが大切です。
【在職中の方必見】確実にボーナスを獲得するならスケジュールを意識しよう
ボーナスのある企業へと転職する場合は、これまでお話しした企業ごとに決められた規則を理解したうえで行動する必要があります。一般的な転職活動のスケジュールには、1ヵ月~~4ヵ月程度要すると言われています。この期間内を考慮したうえで、的確に内定がもらえれば理想的ですが、在職中であればボーナスをもらうことが可能です。以下の例の場合のスケジュールについて解説します。
現職のボーナス規定 | |
ボーナス支給日 | 6月末:12月末 |
算定期間 | 夏期ボーナス分:11月~4月 冬期ボーナス分:5月~10月 |
ボーナス支給額 | 将来への期待度を考慮 |
就職先のボーナス規定 | |
算定期間 | 6月末:12月末 |
ボーナス支給額 | 夏期ボーナス分:11月~4月 冬期ボーナス分:5月~10月 |
ボーナス支給額 | 将来への期待度を考慮 |
夏期のボーナスに合わせた転職活動スケジュール
現職の夏期ボーナスに合わせた転職スケジュール | |
月 | 内容 |
5~6月 | 採用決定 |
6月末 | 在職中の企業のボーナス支給後、退職を申し出る |
7月 | 業務の引き継ぎ・備品の返却など |
7月末 | 退職 |
8月上旬 | 転職先へ入社 |
12月末 | 転職先のボーナス支給 |
在職中であれば、上記のスケジュールのように転職活動を行うことで、現職の夏期ボーナスを受け取った後でも、転職先の8月〜10月の査定期間に合わせて、冬期ボーナスを得ることができます。一方、転職先の冬期ボーナスに合わせた転職スケジュールは以下の通りです
。
現職の冬期ボーナスに合わせた転職スケジュール | |
月 | 内容 |
11~12月 | 採用決定 |
12月末 | 在職中の企業のボーナス支給後、退職を申し出る |
1月 | 業務の引き継ぎ・備品の返却など |
1月末 | 退職 |
2月上旬 | 転職先へ入社 |
6月末 | 転職先のボーナス支給 |
このように、在職中の企業から冬期ボーナスを受け取った後、転職活動・引き継ぎなどを経て、転職先の夏期ボーナスに合わせることも可能です。
転職・ボーナスにおけるよくある質問
ここでは転職・ボーナスに関するよくある質問をご紹介します。本記事の振り返りとして今後の転職活動に活用して下さい。
ボーナス支給日の前に退職しても、ボーナス期間中は在籍していました。ボーナスは受け取れますか?
査定期間中に在籍していたとしても、ボーナス支給日前に退職してしまうとボーナスは受け取ることができません。支給日の前に退職した際、ボーナスが受け取れるかどうかについては、企業の賃金規定のなかで決められています。このような事態を防ぐためにも、まずは賃金規定や就業規則、雇用契約書などを確認してみることをおすすめします。また、査定期間が終わったとしてもボーナスがもらえない可能性もありますから、どうしてもボーナスを受け取ってから退職したい場合は、ボーナス支給日まで在籍していることが理想的です。
退職時に有給を消化しています。ボーナスは受け取れますか?
退職前に残された有給を消化するケースも少なくないでしょう。就業規則によって異なりますが、就業規則内にその旨が記載されている場合はボーナスを受け取ることが可能です。ただし、有給を消化しているため休みであることから、減額対象となることも考慮しましょう。なぜなら、ボーナス査定では「企業への貢献度」や「将来性への期待」が込められているからです。退職が決まり有給を紹介している場合は、どちらも可能性がないとみなされ、減額対象になりやすい傾向にあります。
ボーナスを受け取ってから退職を申し出たい。タイミングはいつ頃が良いですか?
ボーナスを受け取ってから退職を申し出たいと考える人もいるでしょう。この場合はボーナス支給後に伝えましょう。なぜなら、ボーナス支給前に退職を申し出た場合、ボーナス査定によって減額対象となる可能性があるからです。ボーナス支給後も、退職を申し出る場合は2週間程度間隔をあけることで、印象が悪くなりにくいまま退職が可能です。
ボーナスを受け取った後に退職を申し出たところ、上司からボーナスを返還するよう言われました
ボーナスを受け取ったあとに退職を申し出た場合でも、すでに支給されたボーナスの返還はしなくて問題ありません。万が一返還を求められたとしても、査定期間内に勤務した期間の割合、成果に応じたボーナスを請求できるケースもあります。ただし、企業の就業規則などによって状況が変わることもあります。たとえば、「ボーナス支給後、半年以内に退職する場合は支給額の1/3を返還する」と記載がある場合は、規定通り1/3のボーナスを返還しなければなりません。まずは、ボーナスについてどのような規則があるのかを、企業の就業規則を確認することが大切です。
転職先の企業でボーナス支給を考慮する場合、注意すべきことはありますか?
大きく分けて2つの注意点があります。
- 現職と転職先のボーナス支給額に優先度を付けて転職活動を行うこと
- ボーナスの待遇ばかりと求めて転職の目的を不透明にすること
ほかにも一般的に入社後の試用期間中はボーナスの査定期間外と決められているケースも少なくありません。つまり、どれだけボーナス査定期間内の転職に成功したとしても、転職先の就業規定によっては、試用期間中は査定基準外とみなされるケースもあります。採用時点では就業規則まで把握できませんから、そういった可能性もあることを理解した上で転職活動を進めましょう。
転職においてボーナスは2の次!まずは企業と自身の魅力を見つけ出すこと
在職中の方であれば、転職活動をはじめる前にご自身の在籍期間を調べ、そのうえで行動した方がプラスになることがあります。離職中の方であれば、転職スケジュールとボーナス査定期間を考慮しながら転職活動を進めていくことで、ボーナスを受け取る可能性がアップします。しかし、いずれの立場であっても、ボーナスを目的とした転職活動は良い結果を招きません。ご自身のスキルや企業が求める人材にマッチしているかを充分に精査したうえで行わなければ、転職活動はおろか採用への道も困難になります。ボーナスは企業の魅力のひとつだと認識し、まずはどのような企業が自分にマッチしているのかを洗い出すことが先決です。即戦力となり得る企業が見つかったときにはじめてボーナスの有無を確認すること。そうすることで、即戦力として活躍できることをアピールできるため、悪い印象を与えずに面接が進み、採用へとつながりやすくなります。
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