あなたやあなたの周りにいる人の中で、転職を経験したことのある人はどれくらいいるでしょうか?実は今の日本は「2人に1人」が転職したことがある、転職が当たり前の社会なのです。この記事では転職が当たり前になった理由や転職をすべきか悩んだときのチェックポイント、転職に向けて今からできることについて解説していきます。転職をしたことがない人も、転職経験がある人もぜひ参考にしてください。
目次
転職は当たり前?
今の日本は転職が当たり前と言われています。転職経験がある人はどのくらいいるのでしょうか?
2人に1人が転職者の時代
リクナビが全国の20代〜50代の働く男女209人に実施したアンケートによれば、5割以上の人が今の会社を辞めて転職していることがわかりました。2人に1人の計算ですね。転職に成功したかは別として、転職活動をしたことがある人自体は6割以上います。
5割以上の人が転職に対してポジティブなイメージを抱いている
上記のアンケートによれば転職にポジティブなイメージを抱いている人も5割以上います。”どちらでもない”という意見が約4割、ネガティブイメージ約1割という構成で、ポジティブ派が多数であることがわかります。若手から50代まで、年代を問わず転職にポジティブなイメージを抱いていますが、年齢を重ねるごとにそのポジティブ派は転職のネガティブな面にも目がいくようになり、”どちらでもない”という派閥に変わっていきます。
転職成功者の平均年齢は31.7歳
転職支援サービスのdodaが集計したデータでは、2021年に転職した人の平均年齢は31.7歳という結果が出ました。男女別に見ていくと、男性は32.5歳、女性は29.9歳が転職成功者の平均年齢になっています。女性の方が2年若く転職に踏み切っていることがわかります。これは日本人女性の平均初婚年齢が29.6、平均出産年齢が30.7歳ということと関係があるでしょう。女性が結婚・出産に伴い仕事を辞めて、別の仕事に転職したのが30歳前後のため、女性転職者の平均年齢が29.9歳というのも納得できますね。となるのも納得ですね。
海外では転職が当たり前
上記の転職者の平均年齢から推測するに、日本人は10年ほど同じ会社に勤めていることがわかります。海外の平均勤続年数はどうなっているのでしょうか?2017年のデータを一覧にして見てみましょう。
国名 | 平均勤続年数 | GDPランキング |
中国 | 1.8年 | 2位 |
アメリカ | 4.2年 | 1位 |
イギリス | 8年 | 5位 |
ドイツ | 11.4年 | 4位 |
フランス | 11.4年 | 7位 |
日本 | 12.1年 | 3位 |
イタリア | 12.2年 | 9位 |
なんと中国、アメリカは平均して5年同じ会社で働くことはないのです。各国の景気・経済状況を表すGDP(国内総生産)で比較してみると、1位のアメリカは平均勤続年数4.2年、2位の中国に限っては驚異の1. 8年(22ヶ月)という数値になっています。そこから3位の日本が12. 1年、4位のドイツが11. 4年など、平均勤続年数は10年前後になっていきます。40年間働くとするとアメリカでは約10回、中国では約20回転職する計算になります。
転職が当たり前になった3つの背景
なぜ日本は転職が当たり前になったのでしょうか?日本の転職市場が盛んになった背景を3つ紹介します。
終身雇用が機能しなくなったから
1度入社したら定年までずっとその会社に属することができる制度が終身雇用です。1990年代ごろまでは終身雇用の恩恵を受けることができ、将来安泰が約束されていました。しかしバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックと日本の経済を揺るがす大きな出来事が起こり、経営が悪化した企業はやむをえず社員を解雇するほかありませんでした。これは中小企業に限った話ではなく、大企業にも起こっている話です。1つの会社でずっと働くのも良いですが、現代では相応の市場価値がなければ、会社の経営が悪化して退職することになった際、次の働き口が見つからず無職になってしまいます。そのためより安定している会社、より条件のいい会社へ転職する風潮が広がったのです。
若手社員の意識の変化
今の20代と管理職世代である30代〜50代には意識の差が生じています。今の20代は終身雇用が機能しなくなった時代に社会へ出ているため、1つの会社に固執する理由がありません。自分の市場価値を上げなければ食べていけないので、スキルを磨き、より良い条件の会社に転職していきます。また今の若手社員はインターネット、SNSの普及とともに成長してきたデジタルネイティブ世代なので、それらの扱いは普通の40代・50代よりも優れています。会社以外にもインターネットやSNSに居場所や収入源を持つことが容易にできるので、1つの会社に拘らないのです。
ビジネスモデルの変遷が激しいから
近年の技術革新は目まぐるしく、ビジネスモデルやトレンドはどんどん移り変っていきます。少し前までその分野で第一線を走っていた事業が3年後には廃れてしまうことも珍しくありません。急速なグローバル化が進んだ影響もあり、日本人よりも人件費がかからない海外労働者を採用することも多くなりました。それと同時に非正規労働者の枠が増加し、5年前の今日とは全く違うものになっているのが、今のビジネスの世界です。この世界の変化に適応しようと、柔軟に仕事を変えていく市場価値の高い人間がこぞって転職していくのです。
20年後になくなる仕事・残る仕事
現代日本では急激に技術革新が進んだことにより、仕事が機械や人工知能に取って代わられる事態が起きています。10〜20年後に機械・人工知能に取って代わられる仕事はどのようなものが該当するのでしょうか?オックスフォード大学の調査結果を見てみましょう。
なくなってしまう職業
10年〜20年後になくなってしまう職業として、単純作業や、ヒューマンエラーの起こりやすい仕事という共通項があります。機械や人工知能はプログラムによって規則正しく動いているので、単純作業に強く、人間よりも圧倒的にミスを起こしにくい作りになっています。
・一般事務員
・銀行員
・警備員
・建設作業員
・スーパー・コンビニ店員
・タクシー運転手
・電車運転士
・ライター
・集金人ホテル客室係
・ホテルのフロントマン工場勤務者
残る仕事
10〜20年後も残る職業として、下記のものが挙げられます。特徴としては、人間の心理に関わる仕事や、高度なコミュニケーションが必要なものです。
・営業職
・データサイエンティスト
・介護職
・カウンセラー
・コンサルタント
転職すべきか悩んだ時のチェックポイント
ここからは転職すべきか悩んだ時のチェックポイントを解説していきます。今まさに転職しようか迷っている人や、これから社会人になる大学4年生は特に注目してみてください。
転職しない方がよいケース
転職活動は上手くいけば自分の人生が好転しますが、その最中に時間もお金も、自分の心の余裕もなくなっていくケースが多々見られます。場合によっては転職せずとも、現職のままで悩みを解決することもできます。また現職に1つ悪い面があっても10個の良い面があったら、中々それを上回る転職先を見つけて、採用されることは難しいですよね。ですので転職しない方が良いケースというのをまず解説していきます。
給与・待遇が良い
転職しない方がいいケース1つ目は「給与・待遇が良好な場合」です。生きていくのに最も重要なものの1つがお金です。自分の将来を考えた時に、その会社でもらえる給与・待遇に満足しているのであれば、今はまだ会社をやめるべきではないかもしれません。もちろん給与アップ目当てで転職するのも良いですが、今の給与水準で満足しているのであれば、わざわざ転職しなくても、お金が必要になった時のために副業や投資に力を入れておくことをおすすめします。
仕事が楽しくやりがいを感じている
今の仕事が楽しく、やりがいを感じているのであれば、転職すべきではありません。仕事に不満を持つ人が多い中で、仕事を楽しめるというのはとても重宝するスキルなんです。1日24時間のうち、3分の1に当たる8時間を労働に費やします。その8時間を楽しみながら、かつ有意義にお金を稼ぐことができるので、周りの社会人よりも幸福度は相当高いのです。もしも今の仕事に対して不満やつまらなさを感じたら、その時に転職を考えてみましょう。
人間関係ができあがっていて楽
人間関係を構築することってなかなか難しいですよね。人によってはすぐに打ち解けて信頼を得られるかもしれませんが、人見知りの性格では、人の深いところまで入っていきづらいですよね。また長年一緒に働いてきたからこそ出来上がった強固な人間関係というのもあります。人間関係が出来上がって良好なのであれば、今はまだ転職するタイミングではありません。
労働環境が自分に合っていて働きやすい
会社で働く上で、”自分に合った労働環境かどうか”というのは重要な項目ですよね。例えば下記のようなものです。
・土日祝日休み
・残業なし
・充実した福利厚生サービス
・フレックス制
・フルリモート
・時短勤務
・豊富な休暇制度
・有給が取りやすい
・時短勤務が可能
特に女性であれば結婚、出産に関する理解の得られる会社というのはありがたいですよね。これらの労働条件が自分に合っていると感じているのであれば、今はまだ転職すべきではありません。
会社以外に収入や人材交流の場を持っている
会社中心の生活になってしまうと。どうしても価値観が広がらず、人間としての成長が停滞しがちです。もしも英会話教室やプログラミング教室、フットサルといった、会社の人間以外との交流の場を持っているのであれば、今は退職するタイミングではないでしょう。そこで培った知識、スキルを副業に活かすことで、本業では足りないと思っていた収入を賄うことができます。
転職した方がよいケース
ここからは転職した方が良いケースを解説していきます。もしも前述の「転職しない方がいいケース」と被る部分があれば、自分にとって転職することはメリットが大きいのか、デメリットが大きいのかを1つの判断軸にすると良いでしょう。
転職する前にアクションを起こしておくと転職活動で話せるネタになる
転職するか悩んでいる人に共通しているのは、今の会社に何かしらの不満を持っているということです。その不満を解消するために転職をするというのが転職者の心理となります。ただ不満に思ったから転職するのではなく、その不満に対して、上司や人事部に掛け合ってみたり、サポートコールや労基を活用したり、何かしらのアクションを起こしてみましょう。そのアクションによって現職での待遇が変わるかもしれませんし、もし自分の声が会社に届かなくても、転職先での面接では「〇〇という不満に対し、▲▲という行動を取りましたが、受け入れてもらうことができず、転職を決意いたしました。」などと話のネタにすることができます。
その会社で働く未来を描けなくなった
長年働いた会社で、ふと自分の5年後・10年後を想像した時に自分が活躍している未来が見えないと不安ですよね。特に業績が悪化している会社で未来が見えなくなった場合は要注意です。すぐに転職活動に取り掛かることをおすすめします。
給与・待遇が悪い
自分の能力に見合った評価をしてもらえない、残業代が出ないなど、お金に関する不満に関しては、早急に対処すべき問題です。給与に不満があると、私生活で満足にお金を使えず、ストレスを溜め込んでしまいます。精神的余裕がなくなる前に、条件の良い会社を探し始めましょう。
労働環境が過酷
1日の3分の1を仕事に割くため、労働環境はとても重要なものになります。労働環境に不満があると、その時間が苦痛になってしまいますよね。特にパワハラ、セクハラが横行していたり、サービス残業が当たり前になっていたり、結婚、出産に理解を得られない企業なのであれば、転職を検討しましょう。
人間関係が悪く、働きづらい
チーム内の雰囲気が悪い、上司が機嫌によって態度をコロコロ変えてくる、提案が上まで通らず風通しが悪いなど、職場の人間関係が悪いと、効率も悪化します。精神衛生的にも悪影響です。心が疲れてしまう前に転職をおすすめします。
望まない人事異動・転勤
入社する前に人事異動や転勤の発生する職場であることの説明がされているのであれば別ですが、全く聞かされてないのに異動、転勤が発生したのであれば会社に異議を唱えましょう。もしも言い渡された人事異動、転勤に納得できない場合、転職をおすすめします。
転職が当たり前の時代を生き抜く3つの習慣
いつ企業が潰れるかわからない、転職が当たり前の時代を生き抜く3つの習慣を紹介します。年齢を問わず重要なのは自己研鑽と市場価値です。
自己投資
転職して、その先にある未来を明るいものにしたいのであれば、自己投資は欠かせません。お金を知識・スキルの習得にかけられるかどうかがポイントになってきます。未来の自分のためにお金を使うことで、本業以外にも専門分野を作ることができます。コロナショックで観光・飲食業が大きなダメージを受けましたよね。自分の専門となる業界を2つ以上持っておくと、片方の事業が停滞してしまっても、いざという時にもう1つの専門分野が役に立ちます。
副収入を得るために努力する
例えば毎月2万円貯金している人は2年で48万円しか貯められませんよね。しかし毎月2万円でプログラミング教室に通って、ITスキルを身につければ、2〜3年後には毎月数万円の副収入を得るだけの能力を身につけることができます。本業の手取りが25万円で毎月2万円貯金に回すと残りは23万円ですよね。それが数年後には本業の手取り25万+副収入数万円が毎月の収入になるのです。
転職活動で自分の市場価値を知る
新卒就活と、転職活動の大きな違いは社会経験の有無です。転職活動では自分の市場価値が試されます。20代のうちは若さやモチベーションで採用されるかもしれませんが、30代以降はマネジメントスキル、ビジネススキル、教養、ありとあらゆる面から市場価値を評価されます。その評価の結果が内定となるため、自分をより高めて行きたい人は転職活動を通じて自分の市場価値をチェックして、足りないところを補うサイクルを回していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今や日本人の2人に1人が転職を経験する世の中になっており、転職が当たり前になっています。終身雇用制度が機能していない現代の日本において、会社は自分を守ってくれません。自分で自分の未来を切り拓かなくてはいけないのです。この転職が当たり前の世界を生き抜くために、「自己投資」「副収入を得るための努力」「市場価値のチェック」の3点が重要です。
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