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履歴書の「経歴詐称」に要注意!その理由と対策を解説

転職活動を進めるうえで大切なのが履歴書・職務経歴書の作成です。これまで携わった職歴や経歴、得たスキルや役職に就くまでのプロセスなどを細かく書くことで、自己PRとして役立つだけでなく、企業にとってどれだけ即戦力となり得るかを伝えることができます。ところが、採用に少しでも近づきたいとするあまり、経歴に嘘を記載したり、うっかり誤った経歴を書いたりする人も少なくないようです。本記事では、経歴詐称にあたる内容、起こってしまう原因、リスクなどについてご紹介します。

目次

履歴書・職務経歴書の経歴詐称が起きる理由

履歴書・職務経歴書において経歴詐称が起きる理由は、大きく分けて故意と過失の2種類に分類されます。過失の場合と故意の場合でどのような経歴詐称が起こるのかを比べてみてみましょう。

過失によるもの
学歴や職歴:卒業校の入学時期、卒業時期、企業への入社時期や退社時期などを誤って記載した場合
雇用形態:派遣先を記載すべき項目に派遣元の企業名を記載した場合
資格:保有する資格の正式名称や等級、取得した年月日の記載ミスなど
故意によるもの
学歴:留年など不利になると思われる項目をごまかす、または年数をずらした場合
職歴:短期間の在籍、または派遣社員だったことによりその期間を省いた場合
業務内容:書類選考や面接でインパクトを与えられるよう、業務幅の誇張やポジション経験がないのに「役職に就いた」と嘘を書いた場合
年収:これまでの職場よりも年収が上がるよう、現在の年収を高めに記載した場合
資格:資格保有が条件の企業に、これから取得する予定の資格について「取得済」と記載した場合

単純な記載ミス(過失)によるもの

単純なミス、つまり過失における経歴詐称については「未然に防ぐことが可能」です。社会人経験が長くなるにつれて、入学や卒業時期を忘れてしまいがちですが、現在はマイナビ転職公式サイトより入学・卒業年度自動計算表などから、西暦・和暦で早見表を出し、すぐに確かめることができます。あらゆるツールなどを用いることで対策可能なので、これまで提出した書類に該当する項目がある方は、今後の転職活動に取り入れると良いでしょう。

良い印象を与えたいがために故意によって詐称する場合

経歴詐称のなかでも問題なのが「故意」によるものです。採用につなげやすくするために、「これくらいならバレないだろう」という認識から、少しずつ経歴を誇張したり変更したり時期をずらしたりしてしまうのです。採用、つまり企業に入社する場合は契約を取り交わしたうえで働くことになります。すなわち、故意の経歴詐称が発覚した場合はそれを理由に懲戒解雇となる恐れがあります。

経歴詐称が発覚する状況

経歴詐称が発覚するタイミングにはどのような状況があるのでしょうか。また、経歴詐称が発覚した場合はどのような処罰を受けることになるのでしょうか。

経歴詐称が発覚する主なタイミング

経歴詐称が発覚するタイミングは、その多くが書類選考時・面接時における提出書類にあります。

書類内容発覚のタイミング
年金手帳・雇用保険被保険者証入社手続きを行う際に提出を求められる
この場合、前職の雇用形態、在籍年数が確認できる
退職証明書入社時に提出を求められる場合がある
退職理由などが確認できる
源泉徴収票入社手続きを行う際に提出しなければならない書類
前年度の年収が確認できる
免許証や資格に関する取得証明書提出を求められた場合、資格の保有や保有時期などが確認できる
卒業証明書提出を求められた場合、学歴や卒業校などを確認できる

このように、書類選考や面接の際に提出を求められた書類だけで、履歴書や職務経歴書とは異なる部分をチェックすることができます。つまり、企業に準備を促された書類の多くで真実が確認できてしまうのです。どれだけ優秀な人材だとアピールしたとしても、その他の書類に目を通すだけで発覚するのです。

経歴詐称が発覚した場合

万が一、書類選考や面接時にこれらの提出を促されなくても、入社日に確認させて欲しいと言われることも少なくありません。また、仕事中に些細な会話の中から発覚する可能性も少なくないのです。入社後にこれらの書類を提出したことによって経歴詐称が発覚すれば、書類選考時・面接時に発覚するよりも事態は重くなってしまいます。では、入社前と入社後で経歴詐称が発覚した場合はどのような事態を招くのでしょうか。意図しない経歴詐称、いわゆる過失の経歴詐称でも、書類選考時・または面接時の発覚は不採用となります。入社後に経歴詐称が発覚した場合は、懲戒解雇になる可能性が極めて高い傾向にあります。経歴詐称をした状態で入社してしまえば、ひたすら発覚に怯えながら仕事をしなければなりません。また、発覚を恐れないよう、同僚や職場の人とのコミュニケーションもうまく図れなくなるでしょう。このように、自分でついた嘘によって自分の首を絞める原因となるのです。

転職エージェント側が行う処分

転職エージェントを活用したうえで経歴詐称を行ってしまった場合、状況を問わず退会をしなければならないといった厳しい処分を受けることが考えられます。たとえ現在企業から内定をもらっていた場合であっても、経歴詐称を行っていたと判断された時点で、内定は取り消される可能性があります。転職エージェントは企業との信頼関係によって成立しています。そのような信頼関係を、応募者のひとつの行動によって壊されてしまえば、転職エージェント側の管理不履行を問われ、企業から深く追求される要因となり、最悪は転職エージェントとして経営することができなくなってしまう可能性もあります。つまり、応募者のほんの少しの出来心が大きな事態を招きかねないのです。

経歴詐称をしないための注意点

過失であっても故意であっても経歴詐称をすることは結果的に自分を苦しめてしまう大きな原因になります。不毛な結果を防ぐためにも、ここでは経歴詐称をしないための注意点についてご紹介します。

書類作成は丁寧を心がける

過失の経歴詐称は未然に防ぐことができます。入社時期や退社時期、卒業校の卒業時期なども、ツールなどをうまく使いこなすことで適切な時期を把握して作成することが可能になります。履歴書の経歴部分や、職務経歴書に記載する入社・退社部分など、数字が不透明な場合は、マイナビ転職公式サイトより入学・卒業年度自動計算表などを使って正しい数字を用いて作成することが大切です。

経歴に戦力となり得そうな項目がなければ自己PR欄でカバー

これまでの経歴が希望企業にとって即戦力となり得ない、または転職回数が多く、不利にはたらいてしまう懸念がある場合は自己PR欄でカバーしましょう。自己PR欄では自己分析結果をもとに、企業に自分がマッチしていると思った部分を具体的に書き出すことが大切です。また、自己PR欄と志望動機に一貫性を保たせると、志望した熱意や企業リサーチを丁寧に行っていること、戦力となり得るポイントがなくとも入社後はしっかり頑張ってくれそうだといった印象を与えることができます。

これまでの学歴・経歴に自信がない場合の書類作成方法

これまでの学歴や経歴に自信がない方へ、ここでは書類作成における4つの対処法をご紹介します。どれだけ自信のない学歴や経歴でも、書き方を変えたりアピールする部分を変えたりするだけで、これまでとは違った自信に満ちた書類を作成できるようになります。

これまでの職種や業務において工夫したポイントを書き足す

経歴や業務においてアピールポイントがないと思っていても、実は視点を替えて見直すことでポジティブな印象を与えるアピールポイントになります。そのためにも、まずはこれまで経験してきた業務において、工夫を取り入れたことなどをプロセスを辿って振り返りましょう。工夫できる思考や取り組み方、完遂するためにどうすれば良いか考えられるプロセスは、大きなプロジェクトを乗り越えなければならない企業にとって最重要ポイントです。これまで乗り越えてきた業務が大きなプロジェクトではなくても、乗り越えたプロセスなどを具体的に書き足すことで、仕事に対する誠実さ・乗り越えられる柔軟さを伝えるアピールポイントになります。

年齢を武器にする

20代の転職はポテンシャル採用が多い傾向にあります。ポテンシャル採用とは、社会人経験が浅い年齢だからこそ、応募者の潜在能力や可能性に期待して採用することを指します。そのため、どのような職種にも対応できるようなコミュニケーション能力の高さ、順応性、仕事に対する誠実さなど、すでにあなたに備わっている能力を全面にアピールすることで内定をもらいやすくなります。また、30代、40代の場合はある程度社会人経験もありますから、これらと合わせこれまでの社会人経験のなかで得たこと、学んだことなどを振り返り、どういった工夫を取り入れ業務に取り組んできたかを具体的に説明できるようにすると内定をもらいやすくなります。

「転職回数の多さ」を逆手に取る

転職回数が多く、PRできるような経歴ではないと考えている場合は、その部分を振り返ってみても良いでしょう。「転職回数が多いことが結果として不利にはたらくと感じながらも、あらゆる業種を経験したことによって、自分にはどのような仕事がマッチしているかを心から理解することができた」「転職回数が多く不利になってしまうと言われがちではあるものの、実はあらゆる職種を経験してきたからこそ、万能に活躍することができる」など、たくさんの職種を経験してきたからこそのポジティブな部分を見つけることが大切です。どれだけ転職を重ねたとしても、当時はきっとやりがいを感じて業務を全うしてきたはずです。そういったひとつひとつの思い出を紐解き、そこから何を得たのかを具体的に伝えることで、転職回数が不利になるのではなく、ポジティブにはたらきます。

経歴詐称に気付いた場合の状況別対応策

これまでの書類に目を通し、万が一経歴詐称を起こしてしまった場合、また、経歴詐称に該当する内容で内定をもらっていた場合、どのような行動を起こすべきなのでしょうか。現状のまま入社してしまえば、退社に至るまでひたすら多くの人を騙し続けなければなりません。そのような事態になれば、同僚や先輩、上司とのコミュニケーションを取ることすら恐れてしまうようになるでしょう。今後、新しい環境で胸を張って仕事に取り組めるよう、ここでは経歴詐称を起こしたことに気付いた場合の対応策についてご紹介します。

内定前

内定前の段階で経歴詐称に気付いた場合は、早い段階で誤った情報を記載してしまったことを正直に告げることが大切です。また、「なぜそのような事態になってしまったのか」について理由を問われてしまうことがありますが、正直に理由を話すよう努めましょう。たとえば、入社時期と退社時期がそれぞれ1年ずつずれた内容で書いてしまった場合は、計算ミス、記憶を辿って書いたことによるミスであることを正直に話すべきです。経歴に嘘をついた場合は、「経歴に自信がなかった」「御社にどうしても入社したかった」など、嘘に至った動機や原因を正直に打ち明けましょう。

内定後

内定後の段階で経歴詐称に気付いた場合も同様、気付いた段階で速やかに採用担当者へ連絡・謝罪することが重要です。仮に経歴詐称によって内定が取り消されてしまっても、原因は経歴詐称を起こした自分に非があるため納得しなければなりません。「バレたらどうしよう」という不安を抱えながら仕事に取り組むよりも、自らを知ってもらったうえで働ける環境の方が安心して働ける環境を作り出すことができます。不安と発覚を抱えた状態で働くよりも、クリーンな環境で働くことを優先するためにも、素直に打ち明けるよう努めましょう。

履歴書では誰もが「いい印象」を与えたい

学歴や経歴、転職回数の数を誤って記載するなどの行為は経歴詐称と見なされることがあります。内定をもらう前であれば不採用に、内定後であれば懲戒解雇になる場合があるなど、発覚するタイミングが遅くなればなるほど事態は深刻な状況を招きかねません。また、経歴詐称を打ち明けずに入社になれば、発覚という事態を恐れながら業務に取り組まなければなりません。どれだけアピール部分の少ない経歴であっても正直に打ち明けること、そして、これまでの経験や経歴にもっとフォーカスして、どういった取り組みを行ってきたのか、そのプロセスについて思い返してみましょう。そうすることで、今まで気づけなかったあなたのアピールポイントがしっかりと見つかるはずです。

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