面接で準備していた自己紹介や志望動機は話すことができても、思いもかけず「挫折経験」について質問をされ、戸惑った経験がある方もいるでしょう。
「どうして挫折経験を知る必要があるの?」「挫折経験を話すことで評価が下がってしまうかもしれない…」と疑問や不安を抱いた結果、「挫折経験はありません」と答えてしまった人もいるようです。
質問をするには、必ず意図があります。
そこで今回の記事では、面接官が挫折経験を聞く理由や、挫折経験を上手に伝えるポイントを紹介します。
目次
面接で挫折経験を聞かれる理由
面接官が挫折経験を質問する理由や質問の意図を理解しておきましょう。
答え方のヒントになるものが散りばめられているので、挫折経験への回答に悩んでいる方はしっかりおさえてくださいね。
失敗への対応力を知りたい
面接官が失敗したことを聞く理由としては、あなたの失敗に対する対応力を知りたいという背景があります。人間は誰しも失敗する生き物です。そのため、失敗自体はマイナス評価にはなりません。
大切なのは失敗した後、どのように対応し、リカバリしたのかです。その対応力を面接官は知りたいのです。
失敗への対応力が高い人材は、仕事で失敗しても冷静かつ迅速に対応し、まさにピンチをチャンスに変えることができます。
入社直後は失敗しながら少しずつ成長していきますが、その際に対応力がなければ損失を与えるだけで、企業としてもマイナスになってしまいます。
そのため、ビジネスにおける失敗をいかに挽回できるか力があるかを見ているのです。
挫折から立ち直るメンタルがあるか知りたい
挫折から立ち直るメンタルがあるかを知ることも、面接で挫折経験を聞く理由のひとつです。失敗すれば落ち込んでしまうことも多いですよね。とはいえ、そこで逃げずに立ち向かうことができるかが重要です。
メンタルの切り替え力は、挫折から立ち直れるかどうかは重要なポイントであり、ビジネスパーソンにとっては必要不可欠な能力です。
仕事をしていれば失敗や挫折はつきもの。その度に落ち込んでふさぎこんでしまっては、仕事になりません。
挫折から立ち直って仕事を進めることはとても重要です。
そのため、失敗しても立ち直り、前に進むメンタルがあるかを見られていることを覚えておきましょう。
失敗から学ぶ力があるか知りたい
面接官は、あなたが挫折や失敗を経験したことで、何を学び、次につなげることができたか、も知りたいと思っています。
多くの企業は、入社直後から何でもスムーズに進むとは思っていません。中途社員に対しても即戦力を求めつつも、ある程度の失敗は想定しています。
とはいえ、失敗し続けることは期待していません。あくまで失敗を通じて成長していくことを求めているのです。
そのため、挫折経験を答える際は、その経験から何を学び、どのように行動したかを話し、「失敗から学ぶ力」をアピールしましょう。
面接で聞かれる挫折経験の回答例
面接で挫折経験を聞かれる理由がわかったけど、「挫折経験として話してよい内容がわからない」と悩む人もいるでしょう。
続いて、面接に使える挫折経験の回答例を紹介していきます。自分にあてはまる例はないか、チェックしてみてくださいね。
目標を達成できなかった
私の挫折経験は任された成果物を納品できなかったことです。具体的には、自分の業務のマニュアル教本を任されていたのですが、いざ取り組もうとすると一日のほとんどが通常業務に占領され、作業時間が確保できず、期日までに完成させられなかったのです。
はじめは期限に間に合わせることができなかったことに落ち込んでいましたが、「いつまでにならできる?」と上司から提案を受けたことをきっかけに、改めて自分の業務内容とスケジュールを見直し、さらに、同じ部のメンバーに分担の相談をしました。
その後は気持ちを切り替え、通常業務とマニュアル教本作成をスケジュール通りにこなすようになりました。
その結果、予定よりも前倒しで完成させることができ、その後の修正や内容追加もプラスアルファで行うことができました。
この挫折経験から、何か仕事を任された際にはフィジビリティを確認、想定し、時として周囲の力を借りることの大切さを学びました。
貴社に入社後も、この経験を活かして、その時々に適した行動で最良の結果を出していきます。
後輩よりも業務量を減らされてしまった
私の挫折経験は、後から入社してきた後輩よりも業務量を減らされてしまったことです。
私は自分の仕事に対して、ミスを恐れるあまりに確認回数を増やしがちでした。そのため、「仕事が遅い」と上司に指摘を受けたことがあり、新しい依頼やプロジェクトが立ち上がっても、後輩に任されたり、業務量も減らされてしまいました。
そのことが、営業事務4年目にして経験した挫折です。
しばらくは落ち込んでいましたが、目の前の仕事から逃げるわけにはいかないため、それからは「作業スピード」や「生産性」を意識するようになりました。
Excelの使い方を改めて勉強し、作業時間を短縮するために工夫を続けました。日報にも「チェック時間」という項目を設け、確認内容を記載するようにしました。
その結果、作業スピードが上がってタスクを完遂させるときには大きな達成感を得ることができました。今も、日々作業スピードと生産性を意識し、迅速さと正確性を心掛けています。
面接で聞かれる挫折経験へのNG回答
挫折経験の中には、面接での回答にふさわしくないものがあります。
これから紹介するストーリーは、避けたほうが良いかもしれませんので、しっかりとおさえましょう。
中学生時代の挫折経験
挫折経験であっても、あまりにも古いといつまでも過去を引きずっているような印象を与えてしまいます。いい大人が中学生時代のエピソードを語るのも違和感がありますよね。
さらに、中学生あたりの話は、「高校や大学時代には何もなかったのかな」と思われてしまう危険性も。実感を持って語るためにも、高校から大学入学以降のエピソードを選びましょう。
挫折から得たものがないケース
挫折経験から得られたものがない場合は、面接の場にふさわしいエピソードとはいえません。
面接官は挫折経験を通して、あなたのリカバリ力や前向きな心理を知りたいと思っています。そのため、挫折から得られたものがない場合、もしくは何か得られたとしてもその内容に触れない場合は、「経験から何も学ばない人間」だと解釈してしまう可能性があります。挫折経験を話すときは、そこから何を得たかを明確にして話すようにしましょう。
立ち直るための努力をしていないケース
挫折から得られたものと同じくらい、挫折からの立ち直り方も面接官は知りたいです。
挫折に負けず、困難から逃げずに立ち向かう人材かどうかを見ているのです。
そのため、あなたが挫折から逃げたままだったり、立ち直るための努力をしなかったりした場合は、面接の場での回答としてふさわしくありません。
あくまで挫折から立ち直るための努力をしたエピソードなど、自分の経験を振り返って話す内容を決めておきましょう。
挫折とは呼べない経験
挫折とは呼べないほど些細なケースを話すと、面接官は「そんな些細なことで挫折を感じるの?」「打たれ弱いのかな?」と判断してしまう可能性があります。
誰しもが強靭なメンタルを持っているわけではないので、打たれ弱い性格が悪いわけではありません。
ただし、あまりにも打たれ弱いと、些細な失敗でも立ち直れず仕事ができなくなったり、早期離職の恐れがあると判断されてしまうおそれがあります。採用に不利になるかもしれません。誰にとっても挫折と感じられる程度のケースを選ぶようにしましょう。
他責思考の強い経験
挫折経験について答える際に、人のせいと伝わってしまう他責感の強いストーリーを選ぶのは避けましょう。
たとえば、「部長が厳しい人で怖くて仕事をやめざるを得なかった」のような、他人に責任がある話では「辛いことは他人のせいだと考えてしまうタイプ」と誤解を招く可能性があります。また、ミスや失敗を人のせいにするような人とは一緒に仕事をしたくない、と面接官も考えてしまう危険性も。
どうしても自分に非のない挫折経験というものはあります。
ただし、面接の場でそのエピソードは避けた方がよいでしょう。
あくまでも挫折経験を答えるときには、自分に責任のあったケースや特定の個人のせいではない、環境などが要因となったストーリーを選びましょう。
面接で聞かれる挫折経験の受け答えの方法
挫折経験を聞かれたからといって、ただ答えるだけでは、面接官の意図をくむものにはなりません。
- どのようなことに取り組み
- どのような挫折したのか
- どのように立ち直ったのか
これらをしっかり説明する必要があります。
そのため、事前に具体的なエピソードを端的にまとめておきましょう。
また、答え方や説明の仕方に効果的な方法に、PREP法があります。
PREP法とは 「Point(結論)」、「Reason(理由)」、「Example(具体例)」、「Point(結論)」の順で構成された文章作成術のことです。
PREP法では最初に結論を述べ、最後にまとめとしてもう一度結論を述べる構成となっているため、読み手・聞き手の理解しやすさが特徴です。そのため、PREP法で説明すると、一度の説明で面接官に内容を理解してもらえるので、不要なやりとりが減り、面接という限られた時間にはもってこいの方法です。覚えておいて損はないでしょう。
面接で答える挫折経験ない場合の対処法
挫折経験を聞かれる意図や回答例はわかったけど、「何度考えても自分には挫折経験がない」という方もいるでしょう。
しかし、回答を準備しておかなければ、実際の面接で聞かれた際には困ることになります。もう一度繰り返しますが「挫折経験はありません」はNGです。
そこで、自分に挫折経験がないと感じている方向けに、対処法を紹介します。
人間関係や環境の変化を振り返ってみる
「挑戦をしたことがないから挫折経験もない」という方は、これまでの人間関係や環境の変化について思い出してみてください。
学校や職場など、集団で何かを行った経験は、誰にでもあるはずです。その中で良好な人間関係が構築できなかったり、チームで成果をあげられなかったりといったエピソードは、挫折経験として説明することが可能です。
また、自分の発言や行動が、周囲の環境を変化させたことはありませんか?
自分だけが浮いてしまったり、チームワークが円滑にまわらなかったり…そのような悩みに直面したとき、自分はどのように考え、どのような行動をしたのかを振り返ると、自ずと回答文ができあがってきますよ。
同じ挫折経験を繰り返さないために、今なお意識していることを盛り込むこともポイントです。
夢中になって取り組んでいたことを振り返ってみる
自分が熱中になって取り組んでいたことを思い出すのもおすすめの方法です。
スポーツでも仕事でも、最初から何でも上手にできる人はごく一部で、だいたいの人は上手くいきません。
一方、自分ではまだまだこれからだと思っていても、周囲からは高い評価を得ているケースもあります。自分では頑張っている自覚はなくても、上達するからには練習や勉強など、自分なりに工夫した点が必ずあるはずです。
挫折経験としてインパクトは小さいですが、努力を続けて成長する姿勢が伝わる可能性が高いので、回答例としてはおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は面接で挫折経験を聞かれる理由、回答例やNGエピソードなどをお伝えしてきました。挫折経験について考えたことがなかった方は、突然質問されると回答方法がわからなくて焦ってしまうこともあります。
ぜひ、今回の記事を参考に、今までの経験の棚卸をして、エピソードを準備しておきましょう。また、そこから得た学びや経験が、入社後の社会人生活で活かせることを伝えることも忘れずに。
そもそも、人間は失敗から学ぶことは多く、失敗によって成長します。挫折経験をネガティブに捉える必要はないため、本記事で紹介したPREP法を参考に、自信をもってエピソードの準備をしてくださいね。あなたの面接がうまくいくことを応援しています。
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