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面接で家族構成を聞かれた!答え方や企業側の意図について解説します!

採用面接では、さまざまな質問がされます。面接の質問と言えば、志望動機や自己アピールなどが挙げられますが、少し前の面接では「あなたの家族構成を教えてください。」という質問もよくされていました。しかし、現在では家族構成を聞く企業は、少なくなっています。なぜかと言いますと、厚生労働省が制定している「公正な採用選考の基本」の中で家族構成を聞くことを禁止しているからです。禁止されてはいますが、違法ではないので、未だなお聞いてくる企業もあります。では、一体なぜ家族構成を聞いてくるのでしょうか。

そこでこの記事では、質問をしてくる企業側の意図や答え方について、ご解説していきたいと思います。家庭の事情は人それぞれであり、なかなか話しにくい内容や言いたくない人もいるでしょう。しかし、質問をするということは、何かしらの意図があるはずです。企業側の意図や答え方をきちんと理解して、面接に備えるためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。

目次

面接で家族構成を聞くことは禁止されている

禁止されているだけで違法ではない

先ほど述べたように、面接で家族構成を聞くことは禁止されています。そもそも職業安定法第5条の4の法律上、個人情報保護の観点から企業は採用試験応募者の適正や能力に関係ない個人情報の収集について必要以上に集めてはいけないと定められています。また、厚生労働省は『公正な採用選考の基本』にあたって、基本的人権の尊重と共に応募者の適正や能力のみを基準にすることを示しています。なので、家族構成のような採用に関係ないことを基準にしてはいけないと発表されており、不適切な内容とされています。もちろん、応募用紙に書かせたりすることも禁止されています。

採用面接で不適切な質問とされているのは、家族構成だけではありません。他にも本人の職務遂行能力に無関係な思想や信条に関わる内容の質問は採用面接で質問するべきではないとされています。しかし、家族構成にまつわる質問は禁止されているだけで、違法ではありません。なので、未だに家族構成を聞いてくる企業があるのが現実です。

なぜ面接で家族構成を聞くことが禁止されているのか?

職業差別に繋がるかもしれないから

なぜ面接で『家族構成』を聞くことが禁止になっているかというと、職業差別に繋がるかもしれないからです。本来、採用選考における面接というものは仕事に対する適性や本人の能力を測るものです。しかし、家族構成を聞くことで本人そのものの適正や能力以外で判断されてしまう可能性があるからです。例えば、「母子家庭は親の介護が大変」や「キラキラネームを付けた親は非常識」などがあります。これは立派な偏見です。母子家庭だからといって大変ではないかもしれないし、キラキラネームだからといって親が非常識ではありません。

このように家族構成は仕事に対する適性や本人の能力とは無関係であり、本人では変えることもできません。本人の努力や意志によって変えることができないことが採用・不採用の判断材料になると、不平等かつ公正ではないですよね。かえって、バックグラウンドを知ることで上記のような偏見が生まれてしまう可能性があります。仕事をするうえで家族構成は関係ないですし、偏見や差別がないように家族構成の質問は面接で禁止されているのです。

精神的圧迫感を感じ、本領発揮ができなくなるから

家族構成といったプライバシーな質問によって不快に思い、精神的圧迫感を受ける可能性もあります。そうなると、面接の場で、本領発揮ができなくなるかもしれません。応募者から自己アピールをするチャンスを奪うことになります。

面接で家族構成を聞く理由

ただ緊張をほぐすため

面接で『家族構成』を聞く理由として、ただ単に応募者の緊張をほぐすためだと考えられます。また、昔の面接の名残で家族構成を聞いてしまう面接官もいます。面接で応募者がガチガチに緊張していると、本領発揮できないかもしれません。そのため、面接官自身にタブーの意識がなく、緊張をほぐすための雑談として身近な話題の家族構成を聞いている可能性があります。面接の場では「出身地の話」や「家族構成」などで面接の関係ない話を軽くして場を和ますといったことがよくあります。これを「アイスブレイク」と言い、採用・不採用の判断材料にはしないので、選考には影響しません。内容も簡単な雑談で終わります。なので、緊張をほぐすために『家族構成』を聞かれた場合は、あまり深く考え過ぎず、気軽に答えたらいいでしょう。

家族の介護や病気で休職や早期退職をしないか探るため

家族構成の質問で、両親の年齢や健康状態を聞いてくる場合もあります。なぜ、そこまで聞いてくるのかというと、企業としては「できるだけ長く働いて欲しい」という思いがあるので、高齢の親や体があまり良くないと介護などで休職や退職の可能性が高いと捉えられてしまいます。

また、家族構成の質問で、一人っ子かどうか兄弟の構成も聞いてくる場合もあります。一人っ子や長女となると、介護をしなければならない可能性が高いからです。他にも母親が専業主婦かどうかも聞かれます。これも介護に関係する質問です。母親が専業主婦であれば、本人が介護に携わる負担が軽くなると考えているからです。これは面接官は古い考え方を持っていると言っても過言ではないでしょう。

同業他社の人がいないかどうか

家族構成の質問で、家族の職業まで聞いてくる場合は、家族の人が同業他社の人かどうかを確認しています。なぜ家族の人が同業他社かどうかを聞いているかというと、もし同業他社に勤めているというだけで「社内の機密情報も漏らすのではないか?」と疑われるからです。やはり、秘密保持のために採用を見合わすということがあります。仮に面接で回答を拒否して入社したとしても、入社後ややこしくなるので、できるだけ回答しとした方が無難でしょう。

昔は、宝飾品を取り扱う仕事や金融業など高級品やお金に携わる職業、業界の面接では家族構成を聞かれていたと言われています。他にも反社会的な人が家族にいないかを確認するために家族構成を聞くみたいです。

家庭環境から性格を知りたい

面接官が家族構成を聞いてくる理由として、家庭環境から応募者の性格を知りたいからという場合もあります。偏った考えですが、例えば「一人っ子は協調性がない」や「年下の兄弟がいる人はしっかりもの」「大家族で育った人は協調性がある」などです。しかし、これらは万人に当てはまるものではなく、面接官が持つ勝手なイメージであり、実際の性格と何ら関係ありません。もし、面接官は性格面を知りたくて家族構成を質問しているとわかった場合は、「両親と私の三人家族ですが、よく友人からは年下の兄弟がいそうだと言われます。」と先回りをして予想し、答えても良いと思います。

Uターンや家業を継ぐための早期退職しないかの確認

面接で『家族構成』を聞かれる理由として、Uターンや家業を継ぐために早期退職しないかどうかの確認をしたいという理由があります。採用活動には、多くの労力とコスメがかかっているので、採用者には長く働いて欲しいというのが企業の思いです。なので、家族構成や出身地などを聞き、Uターンや家業を継いだりする可能性があるかを確認しているのです。あらかじめUターンや家業を継いだりする可能性がある場合は直接聞かれたり、採用に影響するかもしれません。家族構成だけでなく、両親の出身地なども聞かれた場合は、企業はUターンや家業のことを気にしていると思いましょう。

もしもの時、賠償金を支払うバックグラウンドがあるか

応募者が採用されて入社した後のことですが、もし勤務中に重大なミスを犯したとしましょう。その際に、損失した金額や賠償金などを支払う能力があるかどうかを応募者の家庭の経済状況や家族の収入を聞き、判断する企業もあります。

面接で家族構成を聞かれた場合の答え方

ざっくり答える

面接で、家族構成を聞かれた場合「本当は家族のプライバシーに関わることだから言いたくないけど、言わないと逆に怪しまれるのでは?」と不安に思う人も多いでしょう。その場合は差し支えない範囲でざっくり答えることをオススメします。本来は禁止されている質問なので断っても問題ないですが、「答えたくありません。」ときっぱり言うと、少し印象が悪くなってしまいます。なので、言える範囲で構いません。家族のプライバシーにも関わることなので、すべて赤裸々に答えることはあまりオススメしません。ざっくりというのは、以下の通りです。

【回答例】

*人数だけ:4人家族です。

*家族構成と人数:父、母、兄の4人家族です。

家族の職業を聞かれた場合は「会社員をしています。」だけで十分です。

【NG例】

*詳しく言う必要はない:父は株式会社〇〇に勤め、母は専業主婦ですが週何日かパートをしています。

このように内容を最小限にとどめていますが、質問に回答していることには変わりありません。面接官に何らかの意図があり、詳しく聞きたいときはさらに追加質問をしてくるでしょう。この程度の回答であれば、家族のプライバシーも守ることができます。

質問の意図を聞く

家族構成について回答する前に、どのような意図があるのかを逆質問する方法もあります。「どうしてこんなことを聞くのだろう?」「仕事に関係あるのかな?」とモヤモヤしたままで面接を過ごしたくないものです。気になって面接に集中できないなんてこともあるでしょう。そんな時は面接官に逆質問してみましょう。「家族のプライバシーに関わることだから、答える必要がある場合は答えよう」というスタンスでいていいと思います。ただし、逆質問の言い方はオブラートに包んだ言い方で聞き返すことがポイントです。キツイ言い方をするとかえって面接官に不快感を与えてしまうので、注意しましょう。

【回答例】

*家族構成を聞く目的はなんでしょうか?

*プライベートに関わることですのでお答えしにくいのですが、お仕事に何か関係があるのでしょうか?

*もしよろしければ、的確に回答したいため、ご質問の意図をお伺いしてもよろしいでしょうか?

やんわりと断る

どうしても家族構成を答えたくない場合は、丁寧に断りましょう。怒ったような口調で断ると、社会人として正しいとは言えません。きっぱりと断ると印象が悪くなってしまうかもしれません。しかし、禁止されている質問なので断っても何も悪くありません。言い方に気を付けて断りましょう。

ただ、大まかにでも回答しないということは、あまり面接官に良い印象を与えないというデメリットがあります。その点だけ頭に入れておきましょう。

【回答例】

*大変申し訳ありませんが、プライバシーに関することなので、回答は控えさせていただきます。

*申し訳ありませんが、家族のプライバシーに関することですので私の一存では回答することができません。

【NG例】

*答えたくありません。

*なんで答えなきゃならないんですか!

まとめ

今回は、質問をしてくる企業側の意図や答え方についてご解説しましたが、いかがでしたでしょうか。『家族構成』についての質問は、厚生労働省から職業差別になるかもしれないという理由で禁止されていることがわかりました。しかし、禁止であり、違法ではないので、未だに『家族構成』を質問する企業もあるそうです。その企業にも質問する意図があり、ただのアイスブレイクのためであったり、親の介護などで休職や早期退職にならないか、家族に同業他社がいないかなどの意図があることがわかりました。面接で『家族構成』について質問された場合の回答例として、「4人家族です。」とざっくり答えるパターンや「仕事に関係があるのでしょうか?」と質問の意図を聞くパターン、「家族のプライバシーに関わることですので、回答を控えさせていただきます。」とやんわり断るパターンがあることがわかりました。『家族構成』は答えにくい質問ではありますが、面接官の気分を害さないようにすることも重要です。

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