転職活動の面接においてネクタイは基本の服装であり、必須です。面接を受ける時期や職種が異なる場合でもネクタイは必須なのでしょうか。もしネクタイがない場合、不採用になってしまうのでしょうか。そもそもなぜネクタイは面接などビジネスの場で必須なのか疑問に思う人も少なくありません。そこでこの記事では、そもそも面接でネクタイが必要な理由やネクタイなしを指定されている時の注意すべき点について、ご説明していきたいと思います。夏はネクタイなしでも良い企業もありますが、ネクタイないなりにそれなりのマナーが必要です。面接の場でマナー違反にならないように、しっかりと理解して面接に臨みましょう。
目次
そもそもなぜ面接にネクタイが必要なのか?
ネクタイの発祥は近世フランス
そもそもネクタイのルーツは近世のフランスにあります。ネクタイはネック(首)にタイ(締める)の複合語でフランス語では『クラヴァット』と言います。フランス国王ルイ14世(在1743〜1715)時代に首や襟の周りに巻く帯状や紐状のアクセサリーとして使われていました。ネクタイの前は、肩全体を覆う大きなレースの衿が流行っていましたが、1660年頃から男性のかつらが流行り始め、その長い巻き毛が大きなレースの衿を隠してしまうことから、かつらで隠れない胸元の方に衿が寄り、ネクタイになったといわれています。
また、フランス語の『クラヴァット』という言葉は、ルイ14世の雇われ兵であったクロアチア人の首に巻いたスカーフにちなんで言われるようになりました。クロアチアはフランス語で『クロアット』といい、これが『クラヴァット』に転化したといわれています。元々兵士用の装飾だったクラヴァット(ネクタイ)は、1660年代に入ると男性服の装飾に不可欠なものと一般化していき、ファッションアイテムとして定着していきました。
ネクタイのさまざまな変化
ネクタイは時代と共に形や巻き方、結び方が変化していきました。特にネクタイの重要性が増したのは19世紀初頭のことです。当時はネクタイはまだスカート状でしたが、その結び方は約30種類あったそうです。ネクタイの結び方は当時ダンディと言われたオシャレな男性たちの関心の的で、鏡の前でネクタイを2〜3時間費やして結んでいたという話もあります。
現在のようなネクタイの形が登場は1890年代
現在のような下げ結びのネクタイの形が登場したのは1890年代と言われています。下げ結びの形は4頭立て馬車の意味があり、御者が手綱を扱いやすくするために考え、広まったといわれています。また、19世紀後半を代表するダンディとして知られるアイルランド出身の詩人、劇作家、オスカー・ワイルドが考案したという説もあります。
ネクタイは、形や結び方、幅が細くなったり太くなったりと、その時代のファッションの影響を受けながら変化してきましたが、男性服の必需品となり、ずっと着けられてきました。
近年では、ライフスタイルの変化に伴い、カジュアル化が進んでいます。スーツを着用する機会が減り、男性の首元を飾るネクタイの需要が世界的に減少しているのが現実です。しかし、デザイナーがコレクションでスーツを発表したりと、おしゃれ着の1つとしてスーツが流行ろうとしています。スーツは男性ファッションの神髄です。スーツはネクタイを結んで完成するのです。
基本的に面接でネクタイなしはNG
基本的に面接というフォーマルな場でのネクタイなしはマナー違反になります。面接では、相手に失礼がないような気遣いをすることが重要で、言葉遣いだけでなく服装にも気を使いましょう。ネクタイがないと、だらしない印象を与えてしまう可能性があるので、面接ではネクタイを着用しましょう。夏の時期のネクタイは首周りが引き締められ、とても暑く、出来ればネクタイなしがいいと思う人も多いのでしょう。
最近では、政府が『クールビズ』を推奨していることもあり、多くの企業では5月〜10月を『クールビズ期間』として設定しています。しかし、この『クールビズ』はあくまでもすでに働いている社員に対して企業が独自で決めている場合がほとんどです。なので、面接では必ずネクタイを着用しましょう。
面接で『ネクタイなし』を指定される場合もある
先ほど述べたように夏の暑い日でも面接にはネクタイ着用が必須です。しかし、面接の詳細に『クールビズでの参加』『ジャケット、ネクタイ不要』などの指示がある場合は、指示に従いましょう。リクルートスーツはフォーマルな場において基本的な服装なので、採用担当者にマイナスな印象を与えることはありません。しかし、詳細に『クールビズ』や『オフィスカジュアル』と記載している場合は、状況に合わせて判断する必要があります。
面接で『ネクタイなし』を指定される理由
クールビズを実施しているから
そもそもクールビズとは、環境省が温室効果ガスの削減のために、冷房温度を28℃にし、快適に過ごせる軽装や取り組みを促すライフスタイルのことです。2005年から開始されているクールビズの期間は、例年5/1〜9/30でしたが、2021年からは期間の定めがなくなりました。地球温暖化によって気温上昇が進んだため、従来の期間設定では対応しきれなくなったのが理由にあるそうです。当時環境大臣であった小泉進次郎は閣僚会議後に「ネクタイを締めるかどうかは、一人ひとりが決めていくことが大事」と、各自が気温に応じた服装をするように呼び掛けています。
企業から面接時の詳細で『クールビズでお越しください。』と言われた場合は、ネクタイ不要と明確には言われていませんが、ネクタイはないと考えていいでしょう。また、クールビズの服装として、ジャケットも不要です。具体的な服装として、トップスは半袖シャツまたはポロシャツ、ボトムスはスラックスまたはチノパンにしましょう。ただし、ポロシャツやチノパンは面接官によっては、ラフな印象を与えてしまう可能性があります。なのでビジネスシャツにスーツのスラックスにするのが無難でしょう。
会社がビジネスカジュアルまたは私服だから
ビジネスカジュアルとは「スーツよりラフだが、仕事を行う上で品格のある服装」です。ビジネスを行う場、つまり社外の人と会う場合に相手に不快感を与えない服装であることが重要です。ネクタイなしを指定してくる企業は、ビジネスカジュアルを推奨しており、「ビジネスの場において、マナーのある服装ができるかどうか確認したい」「スーツよりラフな格好をしてリラックスして面接してほしい」といった意図があります。また、似たような服装で「オフィスカジュアル」が指定される場合があります。オフィスカジュアルは「社内でのみで仕事を行う、内勤の仕事で会社のルールに従って礼儀をわきまえた服装」のことです。
つまり、営業などで社内外の人を対応するのに適している服装かどうかです。一般的に以下の業界の職種は、職場の服装も比較的ビジネスカジュアルが多いと言われており、面接でもビジネスカジュアルを指定してくる可能性が高いと思われます。
*IT業界→システムエンジニアやWEBデザイナーなど
*広告業界→ディレクターやライターなど
*金融業界→証券アナリストやファンドマネージャーなど
面接時の服装について、クールビズやビジネスカジュアルの他に『私服』を指定してくる企業もあります。私服を指定する理由として、「スーツに縛られない自由な職場や社風であることをアピールしたい」「リラックスして面接に臨んでほしい」といった理由がほとんどです。私服を指定されたからといって、本当に普段着で面接に行ってはいけません。ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルで面接に臨みましょう。アパレル業界などファッションに関わる職種の面接では、あなたの個性を見るために私服を指定することがあります。その場合は、面接を受ける企業のイメージやコンセプトに合わせたあなたらしい服装で面接に行きましょう。
面接で『ネクタイなし』を指定された場合の注意すべきポイント
ジャケットなし、もしくはサマースーツ
クールビズが理由でネクタイなしの場合は、ジャケットもいりません。通常、スーツのジャケットはネクタイを着用することを前提に、デザインされています。なので、ネクタイがなく、ジャケットを羽織ると、バランスの悪い見た目になり、相手にだらしない印象を与えてしまう可能性があります。基本的にネクタイをしない場合は、ジャケットも不要ということを意識しましょう。もしジャケットが必須の場合は、サマースーツを着用しましょう。サマースーツはクールビズでネクタイなしを想定してデザインされています。ネクタイがなくてもだらしない格好にはならないので、オススメです。
襟周りに注意する
ネクタイなしの服装は、襟周りに注意しましょう。ネクタイがない分、襟周りが良く見えるので、シャツの首元がヨレているとすぐにわかります。首元のヨレや汗染みなどがあると、面接官にだらしない印象を与えてしまう可能性があります。普段、ネクタイをしていて気付かない場合もあるので、家を出発する前にシャツを着用してみて、鏡で確認しておきましょう。
他にも襟が開き過ぎていないかも注意することが大切です。ナチュラルなシャツで襟元が気になる場合はボタンダウンシャツがオススメです。ボタンダウンシャツは、襟先に小さいボタンがついていて、そのボタンを留めると襟が立つので、ネクタイなしでもシャキッとした仕上がりになります。
ボタンダウンシャツを着用していても、着用していなくても、襟周りは注意しましょう。
クールビズ用のシャツを着用する
夏の時期のネクタイなしの場合は、クールビズ用のシャツを着用しましょう。クールビズ用のシャツは、夏の暑い日に快適に仕事をするためのシャツとして作られているため、半袖で通気性や吸水性・速乾性に優れている素材が使用されています。また、ネクタイなしの前提でボタンダウンシャツになっているものがほとんどです。基本的に紳士服を売っているお店ではクールビズ用のシャツも取り扱っているので、洋服の青山やAOKIで購入することができます。
シャツのボタンは一番上まで留める
シャツのボタンは、ネクタイ着用時と同様に、1番上まで留めましょう。本来、クールビズはすでに働いている社員に対して行っているので、第一ボタンまで留める必要はありません。しかし、面接というフォーマルな場においては、留めた方が無難でしょう。面接という場で第一ボタンを開けていて、だらしないと思う面接官も中にはいるかもしれません。もしそういう考えの面接官がいた場合、マイナスな印象を与えてしまい、評価に繋がりかねないので、ボタンは1番上まで留めておきましょう。面接で第一ボタンを留めていたからといってマイナスな印象にはなりません。面接では、ボタンを1番上まで留めましょう。
インナーが透けていないか確認する
ネタイをせずにシャツを着用する場合、インナーが透けていないか確認しましょう。ネクタイもシャツも着用していない状態だと、シャツの範囲が多いです。シャツの中に着たインナーが透けて見えると、だらしない印象になってしまうので、インナーの色や形は気をつけて選びましょう。
【色】
*白
*ベージュ
*薄めのグレー
*その他淡い色
【袖丈】
*半袖(シャツから出ない長さ)
【首元のタイプ】
*Vネック
*Uネック
【柄】
無地
まとめ
今回は、面接でネクタイが必要な理由やネクタイなしを指定されている時の注意すべき点について、ご説明しましたがいかがでしたでしょうか。
もともとネクタイはフランス発祥で、男性の正装時に着用されたことが始まりでした。面接の場では、特に指定がない限り、ネクタイを着用していく必要があることがわかりました。面接の内容ではなく、服装でマイナスな印象にならないためにも、服装には気を使って面接に挑みましょう。
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