転職活動をするにあたって面接や電話、メールなど採用担当者と話をする場面は必ずあります。初対面の人と会話するのは緊張する人がほとんどです。そんなときに気をつけないといけないことは、『一人称』の言い方です。一人称とは自分のことを言う呼び方です。例えば「私」「僕」など英語では「I」ですが、日本語は一人称にもいろんな言い方があります。面接で採用担当者は一人称を気にしているのでしょうか?「話す内容が重要だから一人称はそこまで影響しないのでは?」と疑問を抱く人も少なくありません。そこでこの記事では、面接で使うべき一人称やNGな一人称についてご説明していきたいと思います。一人称の呼び方は採用評価に影響するのかどうかや、もし間違った一人称を使ってしまった場合も挽回方法なども解説していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
面接で一人称の言い方は採用評価に影響するの?
最悪の場合、不採用になる
面接の中でも特に一次面接では、業界・業種問わず、身だしなみや挨拶、正しい一人称や敬語が使えているかなど基本的なビジネスマナーを見ています。基本的なビジネスマナーでさえできていないと「社会人としての立ち振る舞いがなっていない」と思われる可能性があります。特に言葉遣いに厳しい面接官もいらっしゃるので、最悪の場合、不採用になることも少なくないです。一人称で不採用になってしまうのはもったいないので、一人称には十分注意しましょう。
不採用までいかなくてもマイナス評価は受ける
面接で間違った一人称を使ってしまったからといって、それだけで不採用になる可能性は低いかもしれません。しかし、不採用にはならないだけで少なからずマイナスの評価は受けることになるでしょう。面接で正しい一人称を使えない応募者がいても、不採用にする決定打にならないとしても、「状況に応じた言葉を使い分けられない人」とマイナスな印象を与えてしまうことは確かです。万が一、応募者の中で身だしなみや話した内容などの評価が同じくらいで、正しく言葉遣いが「できている人」と「できていない人」がいた場合、どちらが採用されやすいでしょうか。多くの採用担当者は正しく言葉遣いができる応募者を採用すると思われます。このように、マイナス評価をされないためにも正しい一人称で、面接に挑みましょう。
面接での一人称は『わたくし』がベター
では、面接では自分のこと、つまり一人称をなんと言えばいいのでしょうか。一人称はたくさんありますが、女性や男性関係なく、最も適切な一人称は『わたくし』です。『わたくし』は女性的なイメージがありますが、ビジネスマナーとして最も適切であるとされています。面接はフォーマルな場であり、ビジネスマナーの基本が試されていると言っても過言ではありません。もちろん採用評価の基準は企業によって異なりますが、『わたくし』が一般的に最もフォーマルな一人称なので、面接では『わたくし』と言えるようにしておきましょう。
『わたし』でも良い
「私」という漢字は『わたし』と『わたくし』という2つの読み方があります。先ほどの『わたくし』が最もフォーマルな一人称であると述べました。しかし、普段から言い慣れていなかったり、緊張で噛んでしまうこともよくあります。どうしても『わたくし』が言いにくい場合は、『わたし』でも構いません。ただし、『わたし』は女性が普段から使うことが多いため、『わたくし』よりややカジュアルな印象を与えてしまう可能性があります。『わたし』でもそれほど問題はありませんが、面接というフォーマルな場では、できるだけ『わたくし』を使うことをオススメします。
面接でNGな一人称例
僕
『僕』は比較的多くの男性が使う一人称であり、かしこまった言い方だと思う人も多いかもしれません。仲の良い上司やお客様など話し相手や親密度、状況によっては、『僕』を使っても構いません。しかし、『僕』という一人称は、本来自分と同等か目下の人に対して使う言葉なので、面接で使うべきではありません。間違って使いがちなので、注意しましょう。
俺
『俺』も多くの男性がプライベートで一人称を表す際に使う言葉です。『俺』という一人称も『僕』と同じで目下の人に対して使う一人称にあたります。また『俺』という一人称は、少し乱暴で品がないようなマイナスな印象があります。ビジネスシーンでは上司が部下と会話する際には使用する場合がありますが、面接では面接官の方が上の立場なので『俺』はNGです。プライベートで『俺』を使っている人が多いので、ついうっかり言ってしまわないように、気をつけましょう。
自分
『自分』は、特に体育会系の部活動に所属していた人が、使ってしまうことが多い一人称の言葉です。『自分』という言葉は、体育会系のエネルギッシュなイメージがありますが、面接というフォーマルな場では不適切です。面接官によって異なりますが、一人称で『自分』を使うと「人の意見を聞かなさそう」や「硬い意志がありそう」など、あまり良くない印象を持たれてしまう可能性があります。また『自分』という言葉を使ってへりくだっている印象を与えたいと思う人もいるかもしれませんが、あまりへりくだった表現にはならないのでやめましょう。
他にも関西の方では、『自分』という言葉を「あなた」という意味で使う場合があります。「あなた」という意味で『自分』ということも面接というフォーマルな場では、ふさわしくないです。誤解が生まれないためにも一人称で『自分』という言葉は使わないようにしましょう。
あたし
『あたし』も面接のようなフォーマルな場では、使わないようにしましょう。『あたし』という一人称を指す言葉は比較的女性が一人称として使っているイメージですが、ビジネスシーンで使っている社会人はいないでしょう。また『あたし』という言葉は、幼くカジュアルな印象を与えてしまう可能性があります。ただ、『あたし』と『わたし』の発音が似ているので、『わたし』と言っていても『あたし』と聞き間違われるかもしれません。滑舌に自信がない人はなるべく『わたくし』を使用することをオススメします。些細な誤解が生まれないようにしましょう。
自分の名前
一人称として自分の名前や名字、愛称を使っている人もいると思います。しかし、面接の場でこれらの一人称を使うことは、もちろんNGです。『あたし』という言葉よりも幼く思われるかもしれません。また面接官によって異なりますが「自分の名前を一人称にする人=わがままな人」というイメージもあります。子どもの頃はこれらの一人称を使っていてもさほど問題はありませんが、社会人となる大人が面接といったかしこまった場で、自分の名前を一人称にすることはふさわしくないです。プライベートで一人称をなんと言おうと本人の自由ですが、それが癖となって面接の場でも言ってしまいそうである場合は、今のうちに正しい一人称に直しておいた方がいいでしょう。
【面接で一人称は『私』がベスト】もし間違ってしまった場合、どうすればいい?
先ほど、「面接では一人称を『わたくし』もしくは『わたし』と言いましょう」と述べました。そうは言っても、普段から『わたくし』と言っている人はまずいないでしょう。普段から使っている『僕』などをついうっかり言ってしまうこともあると思います。一人称をどう言おうとも気にしない面接官もいるので、見逃してくれるかもしれません。しかし、面接というフォーマルな場で『わたくし』以外はあまり良くないので、もし言い間違えた場合は訂正して言い直しましょう。言い間違いに気付いた時点で「失礼いたしました。私は~。」と一言謝罪を入れることをオススメします。一言謝罪を入れなくても次からは『私』を使い、切り替えましょう。『私』に切り替えることで面接官は「途中で間違いに気付いて修正したんだな。」と思うでしょう。一度言い間違えただけで不採用にすることはないと思いますし、訂正すれば問題ありません。まず『私』と言い換えてマイナスな印象にはならないでしょう。言い間違えたことをその後の面接で引きずってしまうと、頭が真っ白になって本来の力を発揮することができません。言い間違えてしまったことはどうしようもないことですので、切り替えることが大切です。
面接では一人称以外にも気をつけるポイントをご紹介!
基本的な言葉遣い
一人称以外にも、基本的な言葉遣いには気をつけましょう。採用担当者は面接であなたの人柄や入社意欲などを見ています。「~です。」や「~ます。」など最低限の敬語は身につけておきましょう。緊迫した雰囲気がある面接で、いきなり難しい尊敬語や謙譲語を使うことは難しいです。事前に質問を予想して準備していた回答であればスラスラ話せるかもしれませんが、予想外の質問をされることもあるかもしれません。予想外の質問はその場で考えて回答しなければなりません。正しい尊敬語や謙譲語に自信がない場合でも、とにかく「ですます調」で話しましょう。初対面の人や目上の人には敬語を使うことが基本ですので、緊張しても「~だと思う。」や「~だ。」など間違いがないようにしましょう。
尊敬語や謙譲語の使い分け
先ほど述べたように尊敬語や謙譲語は難しいです。普段使っている尊敬語や謙譲語でも、実は間違って使っているかもしれません。例えば「よろしかったでしょうか」や「〜になります」「〜させていただいております」といった表現は一見、丁寧な言葉に聞こえますが、間違った表現で正しい敬語ではありません。正しい敬語は次のようになります。
【例】
*誤:「~でよろしかったでしょうか?」
*正:「~でよろしいでしょうか?」
*誤:「履歴書になります。」
*正:「履歴書です。」
*誤:「現在の職場ではチームリーダーをさせていただいております。」
*正:「現在の職場ではチームリーダーをしております。」
「えー」や「あのー」などのつなぎ言葉
他にも「えー」や「あのー」といったつなぎ言葉には気をつけましょう。面接に慣れておらず、緊張してしまい間を埋めるためについ言ってしまいがちです。面接では気をつけることはもちろん、事前に行う面接練習でも意識する必要があります。「えー」や「あのー」から話し始めると、自信がないように思われてしまいます。また営業などで「社外の人と話すときも同じような話し方をするのかな。」と面接官は不安に思い、マイナスな印象を与えてしまいます。普段の口癖やつなぎ言葉が出ないようにしっかり、事前練習をしておきましょう。
語尾を伸ばさない
例えば「私は〜」や「です〜」など語尾を伸ばさないようにしましょう。語尾を伸ばして話すと、幼くカジュアルな印象を与えてしまいます。普段語尾を伸ばして話す癖がある人は面接で伸ばさないように注意が必要です。
大きな声ではっきりと話す
面接時の質疑応答はもちろんですが、受付やインターホン、入退室の際も大きな声ではっきりと話すことができていますか?逆に声が小さくボソボソと話していると、相手は聞き取りにくく、自信がなさそうに見え「この人、大丈夫かな?」と思われてしまいます。大きな声ではっきりと話すと、自信があるように見えるだけでなく、元気でフレッシュな印象を与えることもできます。
また、話すスピードも重要です。早口になると、聞き取りにくく伝えたいことが伝わらなくなります。普段よりも大きな声ではっきり、ゆっくりと相手が聞き取りやすいスピードで話すようにしましょう。
まとめ
今回は面接で使うべき一人称やNGな一人称についてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。面接で使う一人称は『わたくし』または『わたし』がベターで、『僕』や『俺』はNGであることがわかりました。面接で『私』以外を使うと、マイナスな印象を与えてしまい、最悪の場合、不採用になる可能性もあります。もし間違った一人称を使ってしまったときは、「失礼しました。」と一言謝罪して、『私』に言い換えましょう。
もちろん、プライベートではどの一人称を使っても、本人の自由です。むしろ、友達との会話で『わたくし』と言うと、逆に変だと思われるでしょう。重要なことは、ビジネスシーンとプライベートで一人称を正しく使い分けることです。転職活動をするにあたって正しい一人称を身につけると共に、適切な言葉遣いを用いて面接に挑みましょう。
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