スピーチやプレゼンなど、何かを報告する際に、「以上です」という言葉を使う方は多いですよね。
ただし、転職や就活での面接の場でも発言を終える合図として、「以上です」を使用しても大丈夫なのか、迷うこともあると思います。
そもそも「以上です」の使い方を理解していないと、面接に限らず誤った使い方をしてしまう可能性もあります。
今回の記事では、「以上です」言葉の注意点や使うと効果的な場面について紹介していきます。ぜひ参考にして、正しい使い方をマスターしてくださいね。
目次
面接の受け答えで「以上です」は使っても大丈夫?
結論からお伝えすると、面接で「以上です」は使わないほうがよいです。
「以上です」は話を区切るだけでなく、強制的に終わらせる意図があります。
そのため、「冷たい言い方をする人だな」「自己主張が強すぎる」といった印象を与える可能性も。
もちろん、「以上です」を使う方に対する原点評価という採用基準はありません。
ただし、好印象よりもマイナスな印象を与える可能性を考慮すると、使用しないほうが無難でしょう。
ですから、普段の会議などで、「以上です」が癖になっている方は、無意識に言わないよう気を付けましょうね。
面接で「以上です」を使ったほうが効果的な場面について
面接の場では「以上です」を使わないほうがよいですが、使ったほうがいい場面もあります。
「以上です」の意味を正しく理解していれば腑に落ちるでしょう。
「以上です」の意味は次の通りです。
- 程度や数量などがそれよりも多い
- 〇〇より優れていること
- これまでに話してきた内容
- 「ここで終わる」ことをさす
- ~の上は
効果的な場面については4を理解しておく必要があります。
例文をみていきましょう。
- 私からの説明は以上です。
- 本日の発表は以上です。
- 私の経歴は以上です。
このように、話が長くなったり、一度に多くの話をしたりするときは、「以上です」で締めくくると区切りをつけやすくなります。
面接で「以上です」は使わないほうがいい理由
なぜ面接で「以上です」を使わない方がいいの?と疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
ここからは、その理由について説明していきます。
主に4つあるので、しっかりおさえてくださいね。
1.「以上です」は報告を終了する言葉
「以上です」は発表や報告を終了する合図のようなものです。
そのため、面接という双方向に受け答えが発生する場において、一方的に話を締められてしまう印象を与えかねません。
面接官の立場からすると、応募者が「これ以上話すことはありません」と言っていると解釈され、会話を続けにくくなります。
質問をしたかったとしても、話が強制終了されてしまえば、会話が弾みにくくなりますよね。
ですから、自己紹介や自己㏚の際に「以上です」は使用しないようにしましょう。
2.話を深堀りしにくくなる
一方的に「以上です」で終えてしまうと、「話したくなさそうだし、もういいか」と思われる危険性があります。
せっかくあなたに興味をもっても面接官から話を深堀りしてもらえず、あなたの魅力を伝える機会喪失につながるのです。
3.話が苦手だと思われる
面接は会話を通して自分を売り込む機会であり、面接官とのコミュニケーションの場です。
報告会やプレゼンではないので、あくまで会話というスタンスを大事にしましょう。
職場の同僚との会話でも、わざわざ「以上です」と言うことはありませんよね。
会話で大切なのは言葉のキャッチボール。
質問を受けて回答が終わったことを相手に理解してもらい、自然な流れで次の話題に移るものです。
そのため、いちいち「以上です」と言わないと、話をまとめられない方は、話やコミュニケーションが苦手だと思われてしまう可能性があるので注意しましょう。
4.「以上です」が口癖だと思われる
質問への回答の度に、「以上です」で締めくくられるとくどい印象になります。
「変なクセがある」「以上ですが口癖なのかな」と、面接官からは「変わった人認定」されるかもしれません。
1回から2回であれば気にならないかもしれませんが、「以上です」の多用は意識して控えるようにした方が賢明です。
面接で「以上です」が効果的なタイミング3選
「面接で『以上です』を使ったほうが効果的な場面について」の章でも少しふれましたが、具体的に「以上です」が効果的なシーンを解説していきます。
1.回答が長くなったとき
面接では伝えたいことがたくさんあると思います。
意欲や熱意が強すぎるあまり、語りすぎてしまうことは誰にでもあるものです。
話しながら「長くなりすぎてしまった」と気づいたときは、最後に「以上です」と締めくくりましょう。
スパッと話を区切れるので、長々と語ってしまった印象を軽減できます。
とはいえ、面接官の質問に対して答えるときは、事前に伝えるべき内容を簡潔にまとめておくことをおすすめします。
正確に伝えようとしてだらだらと長く話すと、話の意図や結論がわからなくなってしまいます。
回答の目安は時間にして1分間程度。
あらかじめこのくらいの時間にまとめておけば、「以上です」を使うタイミングがなくても、面接官はあなたの話を集中して聞いてくれるでしょう。
2.複数の回答があるとき
面接官からの質問内容によっては、回答が複数存在するケースもあります。
たとえば、「志望動機を教えてください」に対して、志望理由が3つある場合は回答の仕方に注意が必要です。
だらだら回答してしまっては、話が終わるタイミングがわかりにくくなってしまいます。
この場合は、3つの回答がすべて終わった段階で、「以上です」と締めくくれば話が終わったことを自然に伝えられます。
また、3つ程度であれば接続詞を使い、「第1に、第2に、第3に…」と答えてもよいでしょう。
日本語としても、「第1に、第2に、第3に」は列挙の接続詞で、句と句・文と文をつなぐ役目をもっています。
いくつかの事柄を列挙して述べる際に使われ、少しかたい言い回しです。
3.面接を終えるとき
「最後に質問はありますか?」など、面接官から最後に発言を求められた際にも、「以上です」で終えることもできます。
これは逆質問と呼ばれ、面接では遭遇することが多いシーンです。
逆質問には意図があり、主に次のようなものです。
- 応募者の意欲を知りたい
- コミュニケーション能力を図りたい
- 社風とマッチしているか見極めたい
- 自社への志望度を上げたい
そのため、「特にありません」ではなく、入社の意欲や志望度、本当に知りたいことを伝えたあとに、「以上です。本日はありがとうございました」とまとめると非常にスマートです。自信をもって面接を終えることができるだけでなく、あなた自身が全力を出してやりきった印象を残すことができます。
「以上です」を使わなくても面接をスムーズに終わらせるコツ
冒頭でお伝えした通り、面接の場では基本的に「以上です」は使わない方が無難です。
とはいえ、どうしても話をまとめることができずに、「以上です」と言わないと終えられない方もいるでしょう。
そこでおすすめなのが「PREP法」と「STAR法」です。
適切な順序で話すと結論がわかりやすくなるため、「以上です」と言わなくても自然な流れで面接官に話が伝わります。
それぞれのフレームワークについて紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
PREP法とは
PREP法とは、ビジネスシーンで用いられる文章構成の手法です。
PREP法の一番の特徴は結論を最初に述べることで、簡潔かつ説得力のある文章を作成する際に用いられ、プレゼンやスピーチでも多用されています。
なお、PREP法における「PREP」とは以下の頭文字です。
P=Point(結論) R=Reason(理由) E=Example(具体例) P=Point(結論) |
このように、最初に結論を伝え、次にその理由を説明し、具体例で理由をあげて、最後に再び結論を提示します。
これは話の聞き手側(面接官)の集中力が開始直後の30秒程度であることから、最も強調したい事柄を最初に話し、印象付けることが目的です。
結論ファーストであることから、話し手側(応募者)が何について話そうとしているのかを聞き手側(面接官)が把握しやすくなります。
また、冒頭でこれから話す内容をイメージしやすくなり、その後の話の理解度も深まる効果が期待できるのです。
具体例好きな食べ物を紹介する場合 |
結論:私はショートケーキが好きです。 理由:甘酸っぱくて美味しいからです。 具体例:スポンジと生クリームと甘さと、イチゴの酸っぱさが双方活かされているケーキなので、最後まで飽きることなく味わうことができます。 結論:だから私はショートケーキが好きです。 |
STAR法とは
STAR法とは最適な回答を行うために役立つテクニックをいいます。
なお、STAR法における「STAR」とは以下の頭文字です。
S=Situation(状況) T=Task(課題) A=Action(行動) R=Results(結果) |
このように、具体例を含みつつも、簡潔でわかりやすい回答を準備するのに効果的です。
面接の場では、応募者が会社の求める人材かどうか判断するため、行動面接の質問を行います。
行動面接とは、実際の職場で起こり得る様々な課題やトラブルに対し、どのように対処するのかを知るための面接手法です。
その際には、このSTAR法を駆使することで、面接官に聞かれたことに適切な回答を出しつつ、あなたの実績や成果をアピールすることができます。
具体例困難な状況に対処したエピソードを伝える場合 |
状況:新規顧客開拓の最中に多くの同僚が退職してしまいました。 課題:本来であれば見込顧客をアタックリストとしてまとめる予定でしたが、私が持っていたのは同僚が残した名刺などの基本的な情報だけでした。 行動:私はそれらの名刺をもとに四季報などを活用してリストを作成し、上司に顧客コンディションの確認をしました。 結果:作成したリストをもとに半年間、上司とともにアポイントを取り続け、目標としていた〇社受注を成し遂げることができました。 |
おまけ|「以上です」を使うのは面接よりもビジネスメール
面接では「以上です」を多用しない方が無難ですが、メールでは結びの言葉として大活躍しています。
もちろん、「目上の人にも使っていいの?」「以上だけってなんか冷たい印象を持たれない?」
と、疑問に感じる方もいるでしょう。
結論、ビジネスメールで「以上です」を使うことは何も問題ありません。
手紙や報告書はページをめくっていけば文章の終わりは一目瞭然ですが、メールは文末に「終わりです」という合図を示さないと、読み手は終わりかどうか判断できません。
そこで、使われるようになったのが「以上です」という結びの言葉なのです。
とはいえ、目上の方に対して間違っていないとしても、「以上です」だけだと失礼かなと不安になると思います。
そこでは、「何卒よろしくお願い申し上げます」「ご教示願えれば幸いです」と一言添えるとよいでしょう。
ビジネスメールを作成する際、件名や挨拶を含めた本文は慎重に書く方も、最後の結びの挨拶を書かない方は少なくありません。
面接同様に、ビジネスメールも礼に始まり、礼に終わります。
ビジネスパーソンとして当たり前の振る舞いではありますが、改めて正しい使い方をマスターすれば印象は良くなります。
これを機に、ぜひ実践してみてくださいね。
まとめ| 面接ではここぞというときに「以上です」を使おう
今回の記事では、面接で「以上です」は控えた方が良い理由と、使った方が効果的なシーンについてお伝えしてきました。
どうしても面接で発言をしていると、意図せず長々と話してしまったり、まとめにくくなったりしますよね。
そんなときにこそ「以上です」の出番です。
「話を終えます」という合図を出すことができるため、間延びした会話をスパっと終えることができます。
少し回答が長くなってしまったときに有効な一言です。
ただし、使いすぎには注意が必要。
「以上です」を繰り返すと、シャットダウンされたような、人を寄せ付けないような、冷たい印象を与えてしまいます。
面接官が質問をやめてしまい、あなたの魅力が伝わりきらない恐れもありますので、ここぞという場面に使うのがいいでしょう。
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