ブラック企業の特徴と面接の段階でブラック企業を見抜く方法を紹介します。「今働いている会社がブラック企業なのか知りたい」「ブラック企業に入社しないためにブラック企業の特徴と見分け方を知りたい」そんな方におすすめの記事です。
目次
そもそもブラック企業とは?
そもそもブラック企業には、明確な定義はありません。賃金不払い残業やパワーハラスメント、さらに長時間労働がある企業はブラック企業と言えますが、実はどこからどこまでがブラック企業と言えるのかという明確な定義はないのです。ここからは、ブラック企業の特徴を紹介します。
ブラック企業の特徴
ブラック企業の特徴を「労働時間の特徴」「賃金の特徴」「社風の特徴」に分けて紹介します。
労働時間の特徴
長時間労働
長時間の労働を強いられる場合は、ブラック企業と言えます。労働基準法36条に基づくと、労働時間は原則1日8時間が基本。1ヶ月に45時間以上の残業は基本的に許されていません。1ヶ月に45時間と言うと、営業日が20日間だと考えた場合、1日約2時間以上の残業は許されていないことになります。休日に呼び出されることが多いのもブラック企業と言えます。
また、平均の残業時間は47時間です。月80時間以上残業があるならブラックな可能性が高いです。さらに月80時間以上の労働は、働きすぎによる健康被害が生じると言われている「過労死ライン」を超えています。
サービス残業が当たり前
サービス残業は違法です。実はサービス残業は労働基準法違反。固定残業代を支払っている企業でも、固定残業代を超えて残業した場合には追加の残業代を支払う義務があります。
さらに、残業をさせるのにタイムカードを押して退社したことにしたり持ち帰りで残業をさせたりする会社は悪質です。毎月過労死ラインを超えている場合は、健康に悪影響を与える恐れが高いため、すぐに転職を検討しましょう。
サービス残業が横行している会社だと、サービス残業をするのが当たり前だと思ってしまいますが、サービス残業は当たり前ではありませんよ。
有給が取れない
有給が取れないのは違法です。また有給の消化は労働者の自由です。有給が与えられていても、有給が消化できないのも違法なので「有給を取りたい」と申し出ても有給消化を認められない場合はブラック企業の可能性が高いです。
就業規則がない
労働者の権利を守る就業規則がないこともブラック企業の特徴です。就業規則は企業と労働者の間に決められたルールで、ブラック企業はこのルールを設置したがりません。就業規則について尋ねても明確な回答を得られないのはブラック企業の特徴です。
賃金の特徴
最低賃金を下回っている
時給換算した時に、厚生労働省が定めている最低賃金を下回っている場合はブラック企業だと判断されます。労働時間が長くても、それに見合った報酬を得ていて、労働者が納得してる場合はホワイト企業に分類されますが、労働時間が長く、報酬が最低賃金を下回っている場合はブラック企業といえます。
○時給の計算式=(月給×12ヶ月)÷(年間の労働日数×1日の労働時間)
この計算式で県が定めた最低賃金を下回っていれば違法です。
自費購入させられる
会社で使う物を自腹で購入させられるのはブラック企業の特徴です。会社で使うパソコンを自腹で購入させられる、会社の服を自費購入させられるなど、仕事なのに自腹で購入させられるなどです。また、営業ノルマを達成するために、家族や友人に買わせるのを強要させるのもブラック企業の特徴ですよ。
社風の特徴
ハラスメントが横行している
精神的な嫌がらせ、無視される、プライベートへの干渉などはモラハラに当たります。具体的には、話しかけても返事をしてくれない、悪口を言われる、身体的な特徴をからかわれる、大勢の前で怒鳴られる、上司から激しい罵声を浴びせられる、悪い噂を流される、休日にも連絡が来るなどの行為です。
異常にノルマが厳しい
明らかに達成困難なノルマを課され、達成できない場合には怒鳴られたりサービス残業させられたりするのもブラック企業の特徴です。また、達成できなかったノルマ分が減給になる場合は明らかにブラック企業でしょう。
ブラック企業は人を育てようとする意識がありません。もともと社員は使い捨てだと思っているので、ノルマの重圧に耐えきれずに辞めていく社員がいることを見越して、採用する人数を決めています。
不当解雇や退職推奨が多い
ブラック企業では、雇用主の都合で一方的に労働者を解雇する不当解雇をすることも。また、労働者に非がないのに退職を促そうとする退職推奨をする企業も。急に来なくなる同僚や先輩が多く、円満な退職がない場合はブラック企業の可能性が高いでしょう。
逆に従業員の離職率が高く人の入れ替わりが激しいのも、ブラック企業の判断の目安になります。企業が従業員を切り捨てているような企業はブラック企業です。
退職させてもらえない
さらに、退職を申し出てもなかなか辞めさせてもらえないのも、ブラック企業の可能性が高いでしょう。予め雇用期間が決められている場合を除き、基本的に労働者の意思による退職は自由です。
精神論がよく出てくる
体育会系で精神論がよく出てくる企業はブラック企業の特徴だと言えます。「死ぬ気でやれ」「気合でやれ」「やる気あんのか」などの精神論や根性論を振りかざすだけで社員を怒鳴るばかりなのはブラック企業です。精神論や根性論の中に社員を尊重する気持ちや社員を育成しようとする気持ちが込められているなら別ですが、全てのことを精神論や根性論で押し付けようとする企業には注意が必要です。
入社前にわかるブラック企業の特徴
入社前にわかるブラック企業の特徴についてホームページの特徴、面接での特徴それぞれについて確認していきます。
ホームページの特徴
ブラック企業のホームページの特徴として抽象的な表現が多いことや、人員募集を常にしているなどがあげられます。
抽象的な表現が多い
「アットホームな職場です」「やりがいの感じられる会社です」など、抽象的な言葉が並んでいる場合や、具体的な業務がイメージしづらい会社は注意してください。実際に入社してみると、聞いていた業務内容と全く違うことや精神論を振りかざしてくるなんてことも。具体的な業務内容を知りたい場合は、面接の段階で踏み込んで聞いてみましょう。
募集ばかりしている
いつ見ても募集ばかりしている企業は、人員の入れ替わりが激しい可能性があります。人員の入れ替わりが激しい企業は、会社の圧力に耐えられず辞めていく人が多い可能性があります。
面接の特徴
面接の段階でブラック企業かどうか見分ける時のポイントを紹介します。
面接官の身なりを確認する
見た目で人を判断するのはよくありませんが、面接官の身なりと表情を見るのもいいでしょう。面接官が明らかに疲れ切っていたり身なりがヨレヨレだったりすると、見た目に時間を注ぐ時間がないのかもしれません。
社内の雰囲気を確認する
面接の際に社内の様子を確認できる場合は、社内の雰囲気を確認しましょう。社内がどんよりしている場合や疲れ切っている社員が多い場合は、ブラック企業の可能性があります。
特に、ブラック企業の特徴として社内の書類が散乱している、社内が散らかっているなどの場合は、他社の機密情報も守れないほど他の仕事に追われているのかもしれません。また書類の整理がされていない企業は、顧客の情報の管理や従業員の個人情報の管理がずさんな場合が多いです。注意しましょう。
ブラック企業からは早めの転職を
「入社した会社がブラック企業だった」「ブラック企業で耐えられない」などの場合は早めに転職しましょう。ブラック企業を辞めるのは逃げではありません。ブラック企業に勤めている時間が長いと、体力的にも精神的にも疲弊してしまいます。ブラック企業に長年勤務したことで、体調を崩してしまったり自殺してしまったりする方もいるので、早めに転職することが健康を守るために大切なことなのです。
「ブラック企業を辞めたい」「転職を検討しているけれどブラック企業の見分け方がわからない」など転職に関する相談はキャリアカウンセラーにしましょう。キャリチェンはあなたの転職を丁寧にサポートします。現在の職場の悩みや転職先に関する不安など、一緒に解決していきますので、是非気軽に相談してくださいね。