IT業界は十数年前から、企業数や業界規模がどんどんと拡大しています。
ここ数年でもIoTやAIが加速度的に発展しており、今後も成長していくことが予想されています。
そんなIT業界に転職したいという方も多いですが、未経験者だと履歴書や面接でどのような志望動機を提示すればよいのか疑問を感じるものです。
この記事では、志望動機の書き方や、IT業界が求める人物像、具体的な例文を紹介しています。
中途はもちろん、未経験者や新卒の方にも参考になるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ちなみに、IT業界の転職について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
\IT業界の現状とその将来性とは未経験者が今から転職しても間に合う?/
目次
IT業界とは
「IT」は”Information Technology”の略称で、情報工学や情報通信技術の意味です。
主にコンピュータやインターネットを使用し、情報技術を活用したサービスを提供する人々の社会を「IT業界」と呼びます。
IT業界の5つの業種
IT業界は「インターネット・Web業界」「通信業界」「ソフトウェア業界」「ハードウェア業界」「情報処理サービス業界」の5つの業種に分類されます。
インターネット・Web業界は、インターネットを利用したサービスの提供や、企業のWebサイトやインターネット広告の制作などを行う業種です。
ネットショッピングサイトやSNSサイトの運営も該当し、私たちの日常生活に一番身近なIT業界と言えるでしょう。
通信業界は、インターネットサービスを利用する際に必要となる通信インフラの保守や運用を行います。
固定回線を設置して利用するWi-Fiや、携帯電話やスマートフォンの通信など、今や私たちの生活になくてはならない存在ですね。
広義では、テレビやラジオなど放送業やSNSなどのデジタルプラットフォーム事業も含まれます。
ソフトウェア業界は、パソコンやスマートフォンなどを動かすプログラムのオペレーティングシステム(OS)や、ユーザーが直接操作できるアプリケーションソフトの開発を行います。
OSはMicrosoft社のWindowsやAppleのMacOs、スマートフォンであればAppleのiOSやGoogleのAndroidでお馴染みですね。
アプリケーションソフトはオフィスソフト、ゲームソフト、セキュリティソフト、勤怠管理ソフトなど、内容は多岐にわたります。
ハードウェア業界は、パソコンやスマートフォン、その周辺機器など、コンピューターを内蔵する機械や設備の「視覚化された部分」の企画製造を行います。
最近では、家電にもIT技術が活用されていて、外出先から自宅の空調を操作したり、庫内の食品を管理する冷蔵庫などの開発も進んでいます。
情報処理サービス業界は、主に企業が情報処理システムを導入する際のサポートを行います。
企業の経営課題を見つけ、改善策を提案するコンサルティング業務から、適したハードウェアやソフトウェアの選定、必要であればソフトウェアの開発を行うことも。
そのため、ITに関する幅広い知識と経験、コミュニケーション能力が必要となる業種です。
IT業界の4つの職種
IT業界の職種は「開発職」「マネジメント職」「営業・コンサルティング職」「マーケティング職」の4つに分類されます。
開発職は、エンジニアやプログラマー、Webデザイナー、など、システムの開発に携わる仕事です。IT系の仕事といえば、この開発職をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
システムエンジニア(SE)は、クライアントの要求を元にシステムの設計、製造からテストまで、一連のシステム開発を行います。
アプリやゲームなどのプロダクトから、サーバーやネットワークなど運用や保守を行うエンジニアまで扱う分野は様々です。
プログラマー(PG)は、SEから指示されたシステムの仕様を元に、プログラムのコーディングをメインに行うことになります。
Webデザイナーは、その名の通りWebサイトなどのヴィジュアルデザインを主に担当します。フリーランスで活躍される方も多いですね。
マネジメント職は、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなどと呼ばれる職種で、プロダクトを開発するためのプロジェクトのスケジュールや人員の管理を行います。
クライアントとの交渉も担うため、対人折衝力が重要となり、プロジェクトメンバーを統率するリーダーシップも必要で、システムエンジニアとして経験を積んだ後に就くことになります。
営業職は、文字通り自社が開発した製品の売り込みを担当します。未経験からIT業界の転職を目指す場合、コミュニケーション能力に自信がある方は、狙い目の職種です。
IT系営業職の上位には、ITコンサルティングと呼ばれる職種があり、クライアントが抱える問題を抽出するところから、改善策のシステムを提案までを行います。
幅広いIT知識と豊富な経験が必要となりますが、IT業界の中でも高収入な職種と言われています。
マーケティング職は、市場調査を行い消費者のニーズの分析し、そのデータを元に販売・集客・宣伝の戦略を立てる職種です。
WebサイトやSNSを駆使して集客を行い、Web広告の運用やSEO対策(検索エンジンの最適化)を行うのもこの職種の管轄です。
ビッグデータを扱うデータ分析のスペシャリスト、データアナリストという選択肢も。
文系でも諦めないで!理系でなくてもIT業界で働けます
自分は「理系」じゃないから、IT業界で働くなんて無理…と諦める必要はありません。
IT業界に開発職のイメージを持つ人は多いですが、実際には営業やマーケティングなど、対人折衝力が必要となる場面も多く、実は「文系」の能力が必要とされる仕事もたくさんあるんです。
仮にエンジニアになったとしても、システムは一人で作るのではなく、チームで協力して作ることになります。
プロジェクトメンバー間でスムーズに意思の疎通を図る必要があるため、コミュニケーション能力が非常に重要です。
社内でのコミュニケーションに限らず、様々な業種のクライアントと交渉をする立場になれば、交渉力や営業力も必要ですよね。
採用する側も、既存社員にはない強みを持った転職者を求めていることが多いため、理系文系に拘らず、自分の得意分野でどのように企業に貢献したいかをアピールできるといいですね。
懸念する人が多いであろうプログラミングに関しても、その実体は「言語」です。
私たちが普段使用している日本語や英語などの言語と同じように、文法などの基本的な約束事は、理系でなくとも理解することは可能です。
確かに数学的な知識が必要になることもありますが、入社後の研修制度が充実している会社も多いので、仕事をしながら学習を進めても間に合います。
IT系は技術の進歩が非常に激しいので、転職後も常に学習をし、自分の知識や技術をアップデートし続ける必要があります。
その点では、理系文系を問わず、皆同じ土俵に立っているとも言えるでしょう。
\技術職の仕事内容とは?/
その志望動機、ちょっと待った!IT業界の志望動機NG例文3つ
IT業界の志望動機を述べる際に、悪い印象を与えてしまうNG例文を3つ紹介します。
・例文1
「現代ではどのような業界でもITに関する知識が求められており、将来的にもこの傾向はますます強くなると感じています。ですので、私もITについての知識や技術を学び、経験を積んで手に職をつけたいと考え、貴社を志望しました。」
この例文では「ITの知識が求められている」という一般論が述べられているだけで、自分がどの分野に興味関心があるのか、どのように社会に貢献していきたいのか、ということが書かれていません。
さらに、志望先の企業を踏み台のように利用しようとしているようにすら見えます。
志望動機には「なぜその会社を志望しているか」「入社後に自分が貢献できること」を伝えるようにしましょう。
・例文2
「私は家庭の事情により転勤ができないため、在宅ワークができる仕事を探していました。
また、未経験で入社しても成長できる環境で働きたいという想いから、研修制度が充実しているという点に魅力を感じ、貴社を志望しました。」
社会全体でワークライフバランスを見直す動きがみられ、「在宅で仕事ができる」ことや「研修制度が充実している」点など、企業を選ぶ上で福利厚生も重要なポイントではあることは間違いありません。
しかし、福利厚生にばかり焦点を合わせると、企業側からすればただ楽をしたいだけで仕事をやる気がないのでは?」とみなされてしまうのでNGです。
志望する会社の業務内容について言及し、その仕事内容自体に魅力を感じていることをアピールしましょう。
・例文3
「私は以前から貴社のアプリの大ファンで、いつか貴社で働くことが私の夢でした。
貴社のアプリの斬新なアイデアとブランド力は唯一無二の存在感を放っていて、他社の追従を許しません。
そんな貴社のアプリの魅力をより多くの方に伝えられるよう、アプリ開発に貢献したいと考え貴社を志望しました。」
志望先の会社が大好きだということは伝わってきますが、魅力的な製品を開発している会社には多くの求職者が応募をするため、その中でいかに差別化を図るかが重要です。
その会社に入社するために自分が努力してきたことをアピールして、どのような価値を提供できるのかを具体的に伝えるようにしましょう。
IT業界はどんな人に向いている?求められる人材とは?
IT業界は理系でなくても働くことができると紹介しました。
ここでは、実際に企業が求める人材について解説します。
まず、自発的に学習する姿勢と熱意があり、ITそのものに関心が高い人を採用する側は求めています。
IT業界は技術の進歩が早いため、教えられることを待っていては仕事についていけなくなってしまいます。
ただでさえ人材育成は時間とコストがかかるもの。採用する側も、成長意欲の高い人を雇用したいと考えるのは当然の流れですね。
また、エンジニアというとマイペースに仕事ができるというイメージを持つ人が多いですが、実際には社内外問わず密なコミュニケーションが必要とされる場面が多くあります。
職種によって程度の差はありますが、人当たりの良さやコミュニケーション能力の高さは重宝されるでしょう。
IT業界に向いている人は、「生産性を高める」ことや、「課題を解決する」ことが好きな人です。
スマートなシステムをいかに効率よく開発できるか、ということを追求する仕事なので、論理的思考力や分析能力が高い方はその能力を遺憾無く発揮できるでしょう。
性格面では、楽観的で大らかな性格の人が向いています。
IT業界はじっくり腰を据えて考えることの多い仕事なので、短気で感情的になりやすい人だと作業効率が下がってしまいがち。
アクシデントが発生してもどんと構えて冷静に対応できる能力は大きな強みになります。
他にも、自分でも作ってみたいアプリやシステムがある!という人は、仕事で学んだことをプライベートにも活かせるのでモチベーションを維持しやすいでしょう。
\文系が就職するなら?/
IT業界の志望動機を作成する時に書くべきこと
それでは、志望動機を作成する時のポイントを解説していきます。他の業界の試験や面接にも使えますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
IT業界を選んだ理由
まず、なぜ他業界ではなくIT業界を選んだのか、理由を説明しましょう。
IT業界の特徴としては下記が挙げられます。
・ハードウェアを除き、基本的には「物」ではなくサービスを提供している
・IT業界が作成するものは社会に役立つものであり、その重要性は年々高まっている
・成長中の業界であり、将来性がある
・発展途上の為、新規技術が次々に登場している
・変化が多く、刺激的な環境である
・コロナ禍においても、比較的需要の落ち込みが無く、むしろ需要は高くなっている
ここら辺の特徴を挙げながら、自身の過去の体験や将来設計と、IT業界を志望する事となったきっかけを紐づける事が出来れば理想的です。
その企業を選んだ理由
続いて重要なのが、なぜその企業を選んだのかです。
新卒でも中途でも、文系でも理系でも、挑戦できるIT業界の企業は多々あります。
中には、同じようなサービスを提供している企業もあるでしょう。
面接で聞かれるのは「なぜ他社ではなくうちなのか」です。
まず知っておくべきこととして、一口にIT業界といっても、提供するサービスは様々です。
インターネットを活用してサービスを提供する会社、通信インフラを提供する会社、ソフトウェアやハードウェアを作成する会社、クライアントの情報システムを担当する会社などです。
志望する企業がどんなサービスを提供しているのか、そもそも自身は何がしたいのかをまず考えましょう。
そして、具体的に志望する企業が提供しているサービスを調べ、興味が湧いた会社の面接を受けると熱意が伝わりやすいです。
もちろん、企業の特徴は提供するサービスだけではありません。社風や福利厚生、働き方等も差別化できる大きな点です。
入社後貢献できること
企業は、業績を好転させるために採用を行っています。
自分を採用することで、どのようなメリットがあるのかを、面接で説明する事が必要です。
後述する、IT業界が求める人物像から、自分が持っているスキルや資格などがあればアピールしましょう。
文系出身の未経験者、例えば即戦力でシステムエンジニアとして働きたいと言っても、面接官から本気度を疑われる可能性があります。
そのような場合は、「将来御社でシステムエンジニアとして、〇〇のサービスに携わりたいので、現在必死に勉強をしている。」という風に、将来の目標と共に、現在の努力を伝えると、説得力を上げることができます。
IT業界が求める人物像
続いて、IT業界が求める人物像について紹介していきます。プログラミング能力やシステム構築の知識があるに越したことはありません。
しかし、新卒や未経験者/文系の方の転職でも、求める人物像を知り、その能力をアピールすることで、十分IT業界に入ることができます。
IT業界は成長産業ですが、人材不足の実態があり、必要なスキルは入社後でも努力次第で身につける事が出来るからです。
分析能力と論理的思考能力
システムは論理的に構成されています。システム設計を理解し、改善または自身で作成する際には論理的思考能力は必要不可欠と言えます。
また、IT業界の営業ではクライアントの課題を見つけ、それを自社のシステムなどで解決する事を提案します。
その際にもクライアントが抱える事情を正確に分析し、それを解決する道筋を論理的に示す必要があります。
コミュニケーション能力
IT業界は個人ではなく、チームで仕事をする機会が多いです。プロジェクトを成功することでチームとして評価されるため、個人の仕事ぶりよりもチームの成果がより重要視されます。
実際の業務のイメージとしても、営業担当とシステムエンジニア、プログラマ、事務、またそれらを統括する立場の人などと連携しながら業務を進めます。
コミュニケーション能力はチームで働くうえで必須と言えるでしょう。
学習能力がある
IT業界は非常に変化の多い業界です。今日の常識が明日通じない、明日には新たな仕組みが構築されていることもあります。
そんな中で必要なのは、継続的に知識を得ようとする学習能力です。
学習能力とは、学校の勉強ができればいいというわけではなく、コツコツと努力をする姿勢と学んだことを活かしていくことです。
勉強するのが好きという方は向いているともいえるでしょう。
IT業界の志望動機例文3つ
IT業界の志望動機の例文を紹介します。書き方等、参考にしてみてくださいね。
また、IT以外の業界も含めた転職活動での履歴書の書き方についてはこちらにありますので、良かったらこちらもご覧ください。
\転職活動での履歴書の志望動機の書き方、場面別の例文を紹介!/
未経験の場合
私が御社を希望したのは、以前勤務していた会社で、企業の生産性がシステム一つで変わることに感銘を受けたからです。そして、そんな社会を変える仕組み作りについて私自身が関わりたいと強く感じた事がきっかけです。
御社は業界の中でも、刷新的なシステムを数多く生み出しており、中でも〇〇は後発企業をものともしないベストヒット商品となっています。
私も社会発展に大きく貢献する、貴社のそんなシステム作りに是非携わりたいと思っています。
今までIT業界に勤めた経験はありませんが、御社のサービス開発はJAVAだと伺っておりますので、現在少しでも理解できる様に猛勉強中です。
Webディレクターの場合
私は人事担当者として〇年間、採用業務、人事労務業務、庶務業務のほか、CMSを用いた自社サイトの更新業務を担当してきました。
サイト更新業務の仕事は特に楽しく、通信教育でWebマーケティングの分野を現在も勉強中です。そんな中で、貴社のWebディレクターの求人を見つけ、このチャンスを逃したくないと思い、応募しました。
求人要項に「メンバーを指揮し、プロジェクトを成功に導ける方」とありました。私はこの業界の経験はありませんが、今まで人事担当として年齢や立場に限らず、多くの社員とコミュニケーションを取り、時には指導する事もありました。この経験は貴社でも必ず役に立つと確信しており、今回志望させていただきました。
Webデザイナーの場合
私は御社の「スピード感を優先する」という社風に惹かれ、Webデザイナーとして勤務したい、と考え志望しました。
Webデザイナーを希望したのは、昔から美術が得意で、漫画やアニメを見ても、物語よりも見た目の方に興味が向いていて、それを自分で作り出したいと考えたためです。
私は自身の性格を、考えるよりもまずは行動してみる性格だと分析しています。前職でも、基本的にはスピード重視で業務を行ってきました。
もちろん、仕事となれば最低限の段取りや相手の都合などは考える必要がありますが、特にこの業界ではスピード感は重要だと思っています。御社の社風であれば、私の能力を100%発揮でき、貢献できると考えています。
まとめ
いかがだったでしょうか。IT業界は成長産業で国も力を入れている業界です。一方で人手不足が深刻ということもあり、転職先としては選択肢が比較的多いという側面もあります。
ただ、未経験者の中途の方や新卒の方にとっては未知の領域という場合も多いでしょう。
また、多くの求人の中、自身が応募する企業はどこがいいのか悩む方も多いと思います。
キャリチェンではIT企業とのつながりもあり、詳しい専門スタッフもいます。良かったらお気軽に相談してみてくださいね。