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固定残業代があるのはホワイト企業?ブラック企業への転職回避術!

固定残業代制を導入する企業が増えている今、転職準備の段階でその制度について詳しく知っておく必要があります。

これは求人者と雇用側とで起こる、残業代に関するトラブルの要因となることが多いからです。

せっかく働いたにもかかわらず超過残業代が支払われず、泣き寝入りをすることのないようにしましょう。

転職先がきちんとしたホワイト企業なのか、それとも悪質なブラック企業なのかあらかじめチェックする方法を、そのメリットもあわせて解説していきます。

目次

固定残業代とは?

固定残業代とは、みなし残業と呼ぶこともあります。

労働基準法では、労働時間に応じた給料を支払う義務について規定されています。

標準労働時間を超えて仕事をした場合、基本給にプラスして、残業した時間分の割増分の給料が支払われる制度です。

例えば固定残業代、みなし残業代などといった時間外労働代を含んだ給与額が表記されてあると、

◎月給制 

月給が250,000円の場合、固定残業代35,000円/20時間相当分を含む。

20時間を超える残業代は追加で支給。

◎日給制 

日給11,000円の場合、みなし残業代2時間分3,000円を含み、超過分は別途支給。

などのようにきちんと定められています。

もしここで金額や時間数、超過分支給についての記載がない場合は、企業側の方に責任があり、法律上の問題があります。

固定残業代は一般的な残業のように、定まった労働時間を超過したら、超過した時間の分だけ時間外労働代が加算されるというものではありません。

固定残業代は、仮に20時間の時間外労働代が含まれていると、その月にたとえ20時間の残業をしなかったとしても支払われるというものなのです。

ただ、固定残業代を取り入れている企業の数はまだまだ全体の割合としては少なく、認識の違いやみなし分の残業の常態化などのトラブルも多いため、制度を導入している会社はブラック企業ではないかという懸念がまだまだ持たれています。

固定残業代があるとホワイト企業の可能性は低い?

ホワイト企業は、労働基準法などの労働法を適切に遵守し、労働者を適切に扱う会社です。

そして、一般的にホワイト企業は、固定残業代制はないことが多いと言われます。

時間外割増賃金は毎月、予想される残業時間に対して労働者に支払われます。

残業があるものとしてみなされていた時間を超えたら、企業はその分の賃金を支払う義務があります。

しかしブラック企業の大半は、想定された残業時間を超過しても固定残業代分しか支払わないということが多く、労働者とトラブルがよく起こります。

​みなし残業はブラック企業に乱用されやすい制度ゆえ、ホワイト企業は制度を導入していることが少ないとされています。

固定残業代制があると、​みなし残業代を導入した時間分の残業がいつの間にか常態化していたり、雇用側が定額残業代だとしてしまうことがあったりするために、トラブルに発展してしまうことがあります。

みなし残業のある会社へ転職する時は、その会社が制度を適切に運用できているかどうか、十分に調べる必要があるでしょう。

ところが、ホワイト企業とブラック企業の見分けは難しく、​みなし残業代、固定残業代制があるかないかだけでは、正しく判別できません。

なぜなら制度を定めている企業であっても、みなし残業時間を超過した分の給料をきちんと支払っているホワイト企業もあるからです。

ホワイト企業を見極めるポイントは以下の4つです。

  • 給与形態に関する事項が明示されているか
  • 固定残業ありきの給与形態でその時間分の残業が常態化していないか
  • 基本給が同業他社よりも低くないか
  • 労務管理がしっかりとされているか

ホワイト企業の特徴は、就業規則や労務管理がきちんとされていて、なおかつ労働者にもそれが周知されているということです。

残業に関することは、就業規則で就業時間、時間外の労働、給料などが各会社で定められています。

ホワイト企業であるかどうかを確かめるには、これらのことがきちんと行われているか確認しておくのが大事で、後になって「こんなはずではなかった」なんてないことのないように気をつけましょう。

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固定残業代制の労働者のメリット

固定残業代制は適正に運用されれば、労働者にとって次のようなメリットがあります。

メリットがあるからこそ、導入している企業への転職も検討の対象になるものです。

導入されている会社で働くことは、労働者にとって具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

生活費を安定して稼げる

固定残業代制では、残業時間の増減の影響を受けずに残業代が固定されるため、月給が下がらないのが労働者にとってのメリットです。

例えば、会社によっては仕事の進捗状況や業績、繁忙期などにより、予測不可能な残業時間が増減することがあります。

みなし残業があれば、「月によっては残業が少ないために生活が不安になる」という心配がありません。

残業をしなくて定時で上がればみなし分だけ得をする

​みなし残業はたとえ残業がなくても、一定の給料を支払ってもらえます。

残業をしなくて早く帰れるのに残業代がもらえるというのが大変良いところです。

労働者は就業時間内の業務効率を上げて、自ら労働時間を短縮する努力をすることによって、定時で上がれば時間外労働代込みの給料をもらえるわけですから、その分自分の儲け分と言えるでしょう。

つまり​みなし残業制は、就業時間内に効率よく業務を行った労働者がそれだけ報われるという制度でもあると考えてください。

ノルマをこなせなくても給料が変動することはない

労働者の自己判断によって進めたほうが合理的な仕事の場合、会社の規定よりも実働時間が長い場合や、逆に短い場合がどうしても出てしまいます。

それを全て所定の労働時間を働いたものとして給与に反映されるのが固定残業代制で、場合によっては仕事のノルマを期限内にこなせなくても、給料が変動することはありません。

始業から終業までの時間や休憩の時間まで全て自分で決めることができて、次第によっては仕事が一段落つけば、大きな休みもとることができます。

時間に縛られないで自分のペースで仕事の予定をたてられるのが、最大のメリットです。

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固定残業代が違法か確認するにはどうすればいい?

みなし残業は基本3種類存在しますが、大前提として、固定残業代は3つの厳格な決まりがあります。

1.個別の合意又は周知があること

2.残業の対価として支払われていること

3.固定残業代以外の部分と明確に区別できること です。

これら3つの前提に立った上で、以下3種類の残業代の種類があります。内容について理解した上で、自分自身の残業代について見直してみると良いです。

①固定残業代

固定残業代には、2種類あります。ひとつ目は、固定残業代が基本給に組み込まれている場合です。

その場合は、固定残業代込みで「基本給」となります。ふたつ目は、固定残業代が「手当て型」としてついている場合です。ひとつ目とは違い、基本給は基本給で存在し、残業代は基本給に付随する形でついています。

その場合「●●時間分の固定残業代が●●円」と求人票に表現されています。ただし、どちらの場合の固定残業代としても、「固定残業代を超えて働いた分の残業代を支給しない場合には違法」となりますので、ご注意ください。

②事業場外労働みなし労働時間制

事業場外労働みなし労働時間制とは、従業員の業務が会社の外で行われるために、会社が従業員の労働時間を把握することが難しい場合に、あらかじめ決められた時間働いたとものみなす制度です。

こちらの残業代の種類は「外回り」が多い職種に適用されることが多いです。この残業時間のポイントは「労働時間に必要な時間」も、労働時間として見なされる点です。

通常の労働時間制では9時から18時までというように、始業や終業の時間が就業規則などで定めるべきものです。事業場外みなし労働時間制は、このような「会社により行うべき労働時間の管理」の「例外」な制度です。

いったん会社が導入すれば、あとは従業員がどのように働こうが、労働時間とみなした時間で働いたことになります。

③裁量労働みなし労働時間制

裁量労働制とは、労働者へ労働時間の配分などを委ねる制度のことです。もともと労働基準法では、1週40時間までの労働と決められています。その範囲内におさまるように、労働者が労働時間を決めて働く方法です。裁量労働制は2種類の裁量労働制があります。

ひとつ目が「企画型裁量労働制」です。特に管理部門側の職務(企画職など)に適用されています。時間単位での成果が見えにくいため、裁量労働の対象となっています。ふたつ目は「専門型裁量労働制」です。業務の遂行方法に具体的指示ができないもの、かつ具体的な職種に限って適用されます。

まとめると、裁量労働制とは業務過程や時間では、成果について判断しかねる仕事に適用されています。

固定残業代が違法か計算する方法は?

基本給と固定残業代がはっきりと区別されていること

大前提として、固定残業代である旨を就業規則に記載する、または社員全員に周知しなければいけません。また、基本給と固定残業代は別々で設定されなければいけません。理由としては、基本給がはっきりしていないと、残業代の計算が出来ないからです。

・就業規則に、残業代支給の旨が記載されているか確認すること

就業規則に、自社の残業代規則について記載されている旨をきちんと確認しましょう。労働基準法で「時間外労働には割増賃金を支払わなければならない。」と定められている以上、労働基準法の規定が適用されます。理由は、労働基準法よりも法令の方が上位の基準となるためです。

雇用契約や就業規則に明示されていること

会社が残業させる、いわゆる『法定労働時間』を超えて労働者を働かせる場合、会社と労働者の間で『36協定』という書面による協定を結び、所定の労働基準監督署への届出をしなければなりません。

「割増賃金はきちんと支払っている」という会社の場合でも、この36協定の届出を行わずに時間外・休日労働に従事させる行為は「労働基準法違反」になります。

・残業代に割増賃金がつけられていない

法定労働時間(1日8時間または週40時間)以上の労働には、労働基準法により、割増賃金を払わなければいけないという規則があります。また、割増賃金として、通常賃金の1.25倍払わなければいけません。こちらは時間外、休日及び深夜の割増賃金(第37条)によって決まっています。

・残業代が最低賃金を下回っている場合の対応
残業代も賃金である以上、最低賃金を上回らなければいけません。そのため、企業が労働者を雇用して給料を支払う場合、最低賃金法が定める「最低賃金」の金額以上の賃金を支払うことが義務とされます。

・固定残業時間が45時間を上回っている場合

上記でも説明しましたが、基本給と固定残業代は別々で設定されなければいけません。また、1か月あたりの残業時間の上限は45時間とされています(労働基準法第36条第4項)。したがって、固定残業代として45時間を超える時間を設定している(例えば、60時間分の残業代を定額で支払う)場合、違法とされる可能性が高いでしょう。

〈参考〉【弁護士監修】固定残業代とは?違法な固定残業代のポイント7つと取り戻す方法

(ホワイト企業で)固定残業代制(みなし残業制)を導入している会社はある?その目的は?

結論として、ホワイト企業で固定残業代(みなし残業制)を導入している会社はあります。ですが、数少ないです。

最近ではトヨタ自動車が入社10年目の社員で希望者を対象に、この固定残業代制を導入しました。ちなみに残業代は一律17万円というかなりの高額です。また、LINE株式会社では、固定残業代として約8万円(残業時間30時間ほど)で設定されているそうです。

まだ多くの企業が「ホワイト企業」かつ「固定残業代」という制度ではありませんが、徐々にそのような企業が増えていることは確かです

固定残業代があるメリット

固定残業手当の導入による一般的なメリットとしては、不公平感の解消です。例えば、同じ業務をしているAとBで、Aのほうが業務をはやく終わらせていたとします。その場合は、Aのほうが生産性高く働いているということになり、A自身も必要以上に残業代をもらっていることになります。

このような観点から、生産性高く働くためには、固定残業代という考え方はメリットと見なされます。また、次に従業員観点・企業観点でのメリットを見ていきましょう。従業員観点のメリット(残業しなくても残業代がもらえる)として、以下のようなものがあります。

・生産性を上げることで、従業員側は多めに残業代をもらえることになる

逆に、生産性の低い従業員は労働時間も圧迫することになる。

・仮に、設定以上の残業が発生した場合、きちんと超過分の残業代が払われる

・先の予定が計算しやすくなる(固定残業時間を超えたとしても、追加で支払われるだけで、お給料が減るわけではない)

固定残業代は一見すると、メリットがないように思われます。ですが、上記のようなことや、生産性を上げるという観点では「仕事の早い従業員は早く仕事を終えられて、一定の残業代をもらえる」というメリットもあります。

まとめ

雇用関係において​、みなし残業代をめぐるトラブルはとても多い案件です。

特に​みなし残業代のシステムは複雑でわかりにくいため、互いの思い違いの他に、企業側の圧力で残業代の未払いなどの問題に悩む労働者も少なくありません。

固定残業代制をとり入れているのに超過分の時間外労働代を支払わない会社は、法律に違反していて、ブラック企業と言えるでしょう。

転職は、希望先が固定残業代を導入している企業ならそのメリットや制度の内容などを十分に把握して、ブラック企業の可能性はないか理解してから行ってください。

その際は転職のプロである転職エージェントのアドバイスをしっかり聞いて、自分の希望する待遇をうけられるホワイト企業の転職先を見つけましょう