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月残業100時間は違法!体調に与える影響と対処法を解説

「最近残業ばかりで辛い」「残業するのは普通」など残業に対するイメージは人それぞれです。

しかし、残業も1ヶ月で100時間を超えれば確実に体に影響が出ます。時間を気にせずに残業していると、気づいたら過労死ラインまで働き続けている可能性があり、非常に危険です。

本記事では、残業100時間超える危険性と体への影響、実際に辛くなった時の対処法を分かりやすく解説していきます。

目次

残業100時間は危険!その理由

あなたは月に何時間残業すると過労死してしまうか知っていますか?

過労死とは、業務における過重な負荷による脳・心臓疾患や強い心理的負荷による精神障害を原因とする死亡や疾患のことを指します。

過労死ラインは厚生労働省が定めており、「1ヶ月の残業100時間以上」もしくは「2〜6ヶ月の残業時間が平均80時間以上」とされています。

月に22日働いているとした場合、1日あたり約4〜5時間の残業を続けていると過労死してしまう可能性があるということです。

過労死ラインはあくまで平均数字ですので、たとえそれ以下だとしても「残業100時間なんて普通だよ」「上司も残業しているのに、自分だけ帰れない」など、自分の体のことを考えずに我慢して働き続けるのはやめて、すぐにでも対処する必要があります。

日本でも残業時間に関する条約が定められており、月45時間以内・年360時間以内までを基本としています。繁忙期などの特別な事情があった場合でも、厚生労働省が定めた過労死ラインを超えることは認められていません。

つまり、月に残業100時間以上させるのは違法だということです。

残業の上限は原則45時間、残業100時間は労働基準法違法であり、過労死ラインを超える

残業100時間の実態とは

残業100時間を超えると生活はどう変わるのでしょうか。

上記したように、1ヶ月あたり残業100時間を超えるということは、1日あたり4〜5時間残業し続けると到達する計算になります。

1日に換算するとあまり大したことないように見えるかもしれませんが、体には確実に疲労やストレスが蓄積されているので、注意が必要です。

実際に残業が100時間を超えている人はどのような1日を送っているのか紹介します。

6:30 起床、朝食、準備

7:30 出勤

9:00 仕事

12:00 昼休憩

13:00 仕事

18:00  残業時間

23:00 退社

24:00 帰宅、夕食、お風呂

25:00 就寝 

通常8時間の労働に加え、残業が5時間あることで早くても毎日23時までは仕事しなくてはいけません。残りの11時間程度で自分の生活(お風呂や食事など)を送る必要があるため、自分の趣味の時間や友人とご飯に行く時間は残っていないのです。

さらに、睡眠時間も毎日5〜6時間しか取れない状況なので、休日に睡眠時間を取るしか休養が取れず、休日も自分の時間を過ごすことはできない生活を送ることになります。

では次に、普通のサラリーマンと残業が100時間を超えているサラリーマンの給料の差を見ていきましょう。

左側の給料は20代の平均給料と平均残業時間です。右側は残業時間が満額出た場合


残業時間が45時間未満の方

残業時間が100時間以上の方

基本給

30万円

30万円

残業代

3万円

20万円

手取り

25万円

40万円

残業時間が100%出ている場合で、法律通りの残業時間をこなしている方と残業100時間こなしている方との給料差は手取りで15万円でした。

この15万円を高いと感じるか安いと感じるかはあなた次第ですが、自分の体や時間を犠牲にしてまで仕事をする必要はないです。

しかも、残業100時間を超えることが慢性化している会社であれば、満額残業代を支払ってくれる会社ばかりではないでしょう。給料に捉われず、自分の時間を大切にできる仕事であることが大切です。

残業100時間を超える原因

なぜ残業しなければならないのでしょうか。残業時間が100時間超えるような状況を生み出す原因は大きく分けて3つあります。

  • 会社内の人員不足や習慣によるもの
  • 繁閑の差が激しい
  • 残業が多い業種

まず一つ目ですが、よくある残業の原因として、会社内の人員不足や習慣によるものがあります。

「単純に人手が足りないから帰ることができない」「残業すること自体が当たり前になっている習慣」など社内での問題によるものです。

単純な人手不足の場合は人を雇えば解決しますが、残業が慢性化してしまっている状況は改善することが難しく、労働者の負担はどんどん重くなってしまいます。

二つ目は、繁閑の差が激しい場合です。通常はそこまで過度な残業を強いられることはありませんが、繁忙期になると残業時間が100時間を超えるほど忙しくなってしまいます。

主に納期が近い場合や商品・サービスのリリース前など期日があるものを扱っている業種によくある傾向で、1年を通して1〜2ヶ月は残業時間が増加します。繁忙期が長い企業は注意する必要があるでしょう。

三つ目は、残業が多い業種です。広告代理店やシステムエンジニアなど常に忙しい業種・職種では残業が慢性化してしまう傾向にあります。上司や先輩も残業することに慣れてしまっているため、辛い状況になってしまっても「みんな一緒だよ」と話を聞いてもらえないケースも多々存在します。

残業100時間の健康への影響

残業時間が100時間を超えると、必ずと言っていいほど体に異変が起こります。もし何も感じなかったとしても体には確実に疲れが蓄積されているのです。

ここからは、残業が与える健康への影響を解説します。

過労死の危険性 

まず残業100時間を超えると、厚生労働省が定めた過労死ラインに到達するため、過労死する危険性があります。

もちろん個人差はありますが、過度な労働は体に悪影響を及ぼし、病気のように体を蝕んでいきます。

過労死の怖いところは、人によっては体に異変を感じることなく、いきなり倒れてしまいそのまま寝たきりになってしまうことです。残業が続いてしまう状況では、何よりも先に自分の体調に気を配り、少しでも異変を感じたらすぐに対処することが重要になります。

うつ病への危険性が高まる

過度な労働は体だけではなく、心にも悪影響を及ぼし、うつ病になるリスクが高まります。

うつ病の大きな原因は、睡眠不足やストレスです。毎日残業させられるストレスと帰宅後も充分な睡眠が取れない状況が慢性化することで、心身が回復せず限界を迎えてしまい、うつ病になってしまいます。

対策方法としては、以下のようなことが起こったら休むことです。

  • 日中ぼーっとする時間が増えた
  • 仕事中いつもはしないような些細なミスが増えた
  • 人の話が入ってこない
  • 意味もなく体が震える

いつもとは違う体の異変を察知して、しっかり休息をとるようにしましょう。

体調への悪影響

残業時間が100時間を超えると、体調に異変が起こります。

最初は耳鳴りや寝つきが悪くなる程度の些細な異変ですが、残業が毎日続くことで異変はさらに悪化していき、過食や不眠症、立ちくらみなどを引き起こします。

原因は体内の自律神経が乱れ、体内リズムが崩れることです。過度な労働が体内の信号を狂わせ、正常な判断ができなくなっており、体に直接悪影響が出ている状態になります。

少しでも体調が悪くなったら、すぐに病院に行って検査してもらうことが重要です。

残業100時間を越えている場合にやるべきこと

残業時間が100時間を超えている場合には、必ず対処しなければなりません。

具体的にどうすればいいのかをわかりやすく解説します。

休職や退職を考える

真っ先に考えるべきなのは、休職や退職です。

繁忙期があるような会社ではなく、残業が慢性化している会社であれば、働き続けている限りずっと体に悪影響を与え続けることになります。

体調を崩してからでは遅いので、自分の体を守るために勇気を持って退職という選択肢を取るのも大事なことなので、一度考えてみてはいかがでしょう?

労災保険の申請をする

会社員は必ず労災保険という保険に加入しています。

過度な残業のせいで、体調を崩してしまったり、入院したりした時に労災保険に申請するようにしましょう。

条約通りの残業時間であっても、業務に起因して生じた負傷や疾病であれば、申請を認められるので、長時間の残業からの体調不良であれば申請が通る確率は非常に高いです。

労災保険の概要についてはこちら

労働条件相談ほっとラインに相談する

残業が条約違反の場合や残業代が支払われていない場合には、「労働条件相談ほっとライン」に相談するようにしましょう。

「労働条件相談ほっとライン」とは、厚生労働省が委託している会社で、労働基準法違反による問題を解決に導いてくれる専門家です。

相談自体は無料で行うことができ、名前を出したくない方は匿名でも相談できるので、もし少しでも今の労働状況に疑問を感じている方一度相談してみましょう。

労働条件相談ほっとライン 
電話番号:0120-811-610
相談時間:平日17時〜22時、休日・祝日  9時〜21時
※12月29日〜1月3日を除く

労働条件相談ほっとラインの詳細はこちら

労働基準監督署に相談する

月の残業時間が100時間を超えているということは、違法ということです。

思い切って、労働基準監督署に相談するというのも1つの手になります。

労働条件相談ほっとラインとの違いは、アドバイスや情報提供だけでなく、会社に対して直接調査を行ってくれたり、指導してくれたりしてくれることです。

必ずしも動いてくれわけではありませんが、タイムカードやPCログなどの証拠を持参することで、動いてくれる可能性が格段に上がるので、直近の残業した証拠は取っておくようにしましょう。

労働基準監督署の電話番号を調べる

まとめ

いかがだったでしょうか。

残業時間が1ヶ月で100時間を超えるということは、自分の心身に確実に悪影響を与えています。最悪の場合、過労死してしまう可能性まであります。

自分に何かあってからでは、取り返しがつかないことになってしまうので、自身に少しでも異変を感じたらすぐに対処することが重要です。

最後に自分を守ることができるのは自分だけになるので、会社に言うことが怖いからと我慢せずに小さな勇気が自分の人生を守ることに繋がります。長時間による残業が辛い場合には、労働基準監督署や労働条件相談ほっとラインに相談しましょう。