企画職と聞くと新商品を開発して、新しいことをどんどん考えていくクリエイティブな部署というイメージがあるかと思います。ファッション・アパレル・化粧品業界の企画職は、華やかなイメージから新卒生や転職活動でも人気の仕事です。
しかし、「実際どんな仕事内容なのかかわからない」「アイデアを考えるのは大変なのでは」思う方もいることでしょう。今回は、企画職とはどんな仕事をしているのか、必要なスキルや、やりがいについて紹介していきます。
目次
企画職とは?その仕事内容
企画職の仕事は、企画を作る前に消費者分析や市場調査などのマーケティング活動を行います。
マーケティング調査や分析から消費者のニーズを読み取り、自社の製品やサービスの開発・販売促進・広報活動を行います。
企業によってはマーケティングをコンサル会社に委託することもあります。そのため、企画職の中でも所属する部署によって仕事内容が異なるため、求人票はしっかり確認するようにしましょう。
それでは、企画職の主な3つの仕事内容を紹介していきます。
商品企画と開発
マーケティング調査を元に、新しい商品を考え出したり既存の商品を改良したりします。
たとえば、企業の商品・サービスのコンセプトを一から考えます。
そして、その一から考え出した商品・サービスを量産していくオペレーションを構築し、生産や販売するためのコストを算出し、予想される利益を考えまとめます。
商品企画では、アイデアを生み出すために試行錯誤の連続です。企画が承認されるまでにも、関係部署や管理職の承認が得られなかったり、社内事情で実現不可能と判断されてしまったりしてきついと感じることもあるようです。
販売促進
マーケティング調査を基に営業戦略を立て、販促ツールの制作をします。販売促進は、営業担当者を支えることが仕事です。
いくら商品企画が良いものであっても、販売促進企画が上手くいっていないと消費者の手に商品・サービスが届きません。そのため、キャンペーンやイベント、サンプル配布、クーポンなどを企画し、消費者の購買意欲を高めます。
営業戦略の成果が結果として出るまでには、かなりの時間がかかります。想定通りの成果を上げられるかどうかプレッシャーや不安を感じることもあるようです。
広報
マーケティング調査を基に、商品・サービスの売り上げを伸ばすための方法を考えることが広報の仕事です。
消費者に自社の製品・サービスの認知度を上げるためには、いつ、どこに、どのような広告を出せば、ターゲットの消費者の目に留まるかを考えます。
そして、外部の広告代理店とやりとりを行い、広告を打ち出していきます。世の中へ情報発信する仕事のため、誤った情報を記載してしまうと会社へダメージを与えてしまうことにもなります。そのため、ミスのないようにという緊張感を感じる仕事です。
企画職の仕事は、マーケティング調査から消費者のニーズの読み取り、商品企画と開発、商品を売るための販売促進、売り上げを伸ばすための広報活動などを行います。
企画職に求められるスキル
花形部門である企画職は、事務職や営業職と比べ、幅広い能力が求められます。企画職に就くのに資格は必要ありませんが、業界のトレンドをよく理解したうえで以下の6つのスキルを身に付けることが大切です。
調査能力
商品企画や既存の商品の改良では、まず調査を行います。現代社会の多種多様な商品・サービスの中で自社の製品・サービスが消費者に選ばれるためには、消費者のニーズを理解する必要があるからです。
リサーチをすることで消費者のニーズを理解し、商品開発や改良に活かすことができます。そのため、企画職には精度の高い調査を行える力が必要となります。
単純に情報を集めるだけでなく、必要な情報を素早く正確に収集し、すぐに行動に移せる能力があると良いでしょう。
企画提案力
企画職には企画提案力も欠かせません。
相手を賛同させるような企画提案力がなければ、せっかく練ってきた企画を実現することができないでしょう。
企画提案を成功させるためには、聞き手を魅了する必要があります。聞き手を魅了するために、「相手が求めているもの」や「相手側の課題」「相手の立ち位置」などを踏まえてプレゼンすることが大切です。
また、企画提案はプレゼン準備が8割を占めます。「情報の精査」「資料を作成」「魅力的なプレゼン」の3つを繰り返し行うことで、企画提案力が身に付きます。
プロジェクト進行能力
企画職では、並行していくつかのプロジェクトを担当することがあり、それらを進行していく力が求められます。
仕事をしていくうえで、全体像を把握し、社内・社外の人とやり取りを行い、問題点があればヒアリングを行ったり、解決策を提案・決断したりする必要があります。
小さなことにも目配りができ、先を見通すプロジェクト進行能力を備えていることで、プロジェクトの結果を出すところまで導いていくことができます。
コミュニケーション能力
企画職は会社内だけでなく、会社外の人とも関わりをもつ仕事です。そのため、コミュニケーション能力は必須の能力です。
さまざまな人と関わる中で、小さな認識のズレが生じることがあります。コミュニケーション能力が高ければ、その認識のズレを最小限に留めることができるでしょう。
また、認識がズレていると企画が思うように運ばなくなってしまいまうので、コミュニケーションをとって円滑に企画を進めていける力は大切です。
ロジカルシンキング能力
企画職では、相手を論理的に納得させて動かす必要があります。そのため、ロジカルシンキング能力は仕事の性質上、必要となる能力です。
企画職は、タスクが複雑であることや金額の規模が大きいこと、関係者の数が多いことなど、考えなければいけない課題が多くあります。
これらを論理的に整理したうえで企画を提案しないと、なかなか提案が通らず先へ進めないということが起こってしまいます。
パソコンスキル
企画職には以下のパソコンスキルも必要なスキルです。
Word
基本的な使い方ができれば問題ないでしょう。書式設定や画像や表の挿入等が求められます。
Excel
マーケティング調査ではExcelの出番が多くなるため、基本的な使い方に加えて高いスキルが求められます。ピボットテーブルやスライサーを用いて、データ分析をする力、見やすい資料・グラフの作成、編集(軸のオプション・表示形式など)する力、関数を用いて効率よく操作する力などが必要となります。
PowerPoint
企画を提案する際にプレゼン資料を作成する必要があるため、基本的PowerPointの操作が必要です。
Access
Excelと連動してデータベースを管理する際に、操作する必要があるでしょう。
企画職のやりがい
最後に、企画職のやりがいを3つ紹介します。
アイデアを生み出す楽しさ
企画職のアイデアはマーケティングデータを軸にするとはいえ、新しいアイデアを考え出すという楽しさがあります。
自分の発想力を発揮する場面でもあり、新たな企画を創り出す場面でもあります。仕事に対して、好奇心をもって取り組みたい人におすすめの仕事です。
商品がヒットしたら喜びが大きい
自分の考えた企画が採用されたときには喜びも大きく、企画職としてのやりがいを感じられます。
とくに、商品企画は自分のアイデアが世の中に形として創り出せるという達成感を味わうことができます。
外部と関わるチャンスが多い
企画職は、さまざまな部署・社外の関係者と関わる仕事です。外部の人と接することで、経験を積むことができたり、さまざまな分野に興味をもったりすることができるのもメリットでしょう。
企画職は、一からアイデアを生み出すという楽しさ、世の中に自分のアイデアを表現できたという達成感、社外の人とのかかわりから得られる広い視野は、他の仕事では得られない特別なものとなるでしょう。
まとめ
企画職の具体的な仕事内容や求められるスキル、やりがいなどを紹介しました。
企画職はマーケティング調査を元に、新しい商品を考えたり既存の商品の改良をしたりするのが主な仕事です。自分のアイデアが形となる企画職は、とてもやりがいがあるでしょう。
ただし、商品開発の経験が求められる場合が多く、未経験での転職は狭き門です。未経験から企画職に就きたいという方は、業界知識があることをアピールできる同じ業種内での求人を探してみましょう。
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