これから転職活動を始めようとしたときに、web適性検査を受験するように言われることがあります。現在のweb適性検査で主流なのが、リクルート社が実施している「SPI」。
SPIを受ける方法は、テストセンターと呼ばれるテスト会場でパソコンを使って行われる形態や、webで受験する方法などがあります。
最近では自宅で受けれるweb受験が多くなってきているようです。SPIの受験で多くの方が苦手とされる分野の一つが非言語。つまり、計算問題です。
今回は、SPIの出題の中にある計算問題に焦点を当てて、その難易度や出題の範囲・対策を紹介します。計算問題を解くときのコツやポイントについてもお伝えするので、受験前にチェックしてみましょう。
\Web適正検査とは/
目次
SPIは難しい?難易度と求められること
SPIという名前を聞くと、なんだかとても難しいテストを受けなくてはいけないのか、と弱腰になってしまう人もいるかもしれません。まずは、SPIの難易度や求められることをチェックしてみましょう。
難易度は高くない
難易度は、中高生の基礎的なレベルです。そのため、基礎的な学力が備わっていれば十分対応可能です。
ただ、解き方のコツが分からないと問題を解くのに時間がかかってしまったり、誤答になってしまったりします。
スピードと正確性が求められる
SPIには回答の時間制限があります。そのため、制限時間を気にしてしまい、焦りからミスをしてしまうこともあります。
問題に慣れておくことで解き方のコツを知り、スムーズに問題を解いていけるようにしましょう。
SPIの非言語の出題範囲
SPIの非言語は、数学や論理を問われる問題が出題されます。非言語の主な出題分野と頻出している分野を把握し、今後の対策に役立てましょう。
主な出題分野
推論
少ない情報の中から、必ず正しいと言える事柄を見つけ出します。前提となる知識が無くても解ける問題です。公式を覚えていなくても、図式に表して整理すれば解けます。
場合の数
コインを連続して投げた時に裏か表のどちらが出るか問う問題や、図形の塗分け方に何通りの方法があるかを問う問題が出題されます。
確率
トランプの山からカードを引いた時に少なくとも1枚が条件に合う確率を求めたり、サイコロを複数回振ったときの確率を問われたりします。
集合
問題文がどのような集合を示しているのか、ベン図やカルノー表を用いて解く問題です。
損益算
営業職や、経理などのバックオフィスで働く際に使える重要な計算です。原価・定価・売価などの用語を理解し、割引や割り増しの計算を用いて解きます。
代金の清算
「支払いを同額負担する問題」と「お金の貸し借りを含む問題」の2種類に分類されます。また、2種類を混合した問題も頻繁に出題されます。
速度算
AとBの2人がマラソンコースを走る際に、先に出発したAにBが追いつくのは何分後かを計算で求めるような問題が出題されます。
表の読み取り
表から情報を読み取り、情報を整理して計算する問題です。
分割払い
商品を分割払いするときに、総支払額を1としてそれに対する割合を計算で求める問題です。
割合
割合は文章問題で出題されます。ア~エの選択肢はすべて問題文で、それぞれの答えを求めさせるのではなく、4つの選択肢の中から問題の構造が似ているのはどれか選ぶという形で問われます。
頻出する問題
推論
ミスをすること無く、かつ素早く解いていくことが理想です。しかし、ややこしい問題が多いため、ミスを無くすことを意識して取り組みましょう。ミスを防ぐために、情報を図式化したりパターンを整理したりすることが有効です。
表の読み取り
ペーパーテストかテストセンターの場合、筆算を正確に行いましょう。WEBテスティングの場合は、電卓を正確に扱い、素早く正確に解きましょう。複雑な計算が多いためケアレスミスをしやすいです。ここでは、時間が多少かかっても正確さを大事にしたいところです。
確率
Aが起こる確率=Aが起こる場合の数/全ての場合の数という、数の意味が理解できていれば簡単に解くことができます。
割合
ある割合の中の、更にある割合を求める場合は、割合×割合をします。たとえば、対象全体の中の高校生の割合が30%で、高校生の中の男子の割合が70%のとき、対象全体から見たときの高校生の男子の割合は、
式が0.3×0.7=0.21
答えが21%
となります。
苦手な場合は、図に書いて整理して解くと良いでしょう。
代金の清算
3、4人がお金を出して商品を買い、割り勘するという問題です。一人当たりの支払い額を求め、貸し借りのある場合はそれぞれいくらの貸し借りがあるのかを整理すると分かりやすいです。
頭の中だけでは混乱しやすいので、貸し借りの金額をメモして整理するのがおすすめです。
SPIの計算問題の対策
次に、これからSPIの対策を始めようとしている方に向けて、おすすめの対策方法を3点紹介します。
実践問題を繰り返す
SPIは問題形式に慣れることがとても大切です。まずは、問題集を解く実践的な練習をすることが、基本の対策となります。問題の形式に慣れていないと、どうしてもSPIに苦手意識をもってしまいやすいです。
SPIはインターネット上で無料で問題が公開されています。自宅で問題集を解き、移動中やスキマ時間には、インターネットやアプリの問題に取り組むと良いでしょう。
実践問題を繰り返し出題形式に慣れることで、構成や解答の方法を把握することができます。ミスすることがないように、問題集を購入して繰り返し練習をしましょう。
反復練習をする
SPIの問題形式を把握するために、反復練習が有効です。1冊の問題集を何度も解きなおしましょう。実際のテストに出てくる値はその都度変わります。しかし、問題の傾向をおさえておくことで、テスト本番は数字を頭の中で置き換えるだけで正答できます。
反復練習は苦手意識をもっている方にとくにおすすめです。練習を重ねておけば、問題を見てすぐに答えが思いつくようになり本番でもスピーディーに解答することができるでしょう。
実践の練習を行う
SPIは、制限時間が短く設定されています。この制限時間に慣れるための実践練習が必要となります。まず、問題を解くときに1問あたりの時間を決めて取り組みましょう。そうすることで、集中力を高められ勉強を進めやすくなります。
1問あたりの時間は、自分の感覚で自由に決めましょう。だんだん短くしていくことで、本番に近い短い時間に慣れることができます。時間に追われすぎて焦ることないように注意が必要です。
勉強をたくさんして内容はよく把握していても、制限時間を意識して焦ってしまうと本来の力が十分に発揮できません。普段の勉強の時から時間を区切り、試験同様の緊張感をもって取り組みましょう。
問題集を1冊購入し、何度も繰り返し解くことが大切です。1問ごとに時間を設定し、時間内に解くことができるように練習することで、本番もスピーディーに解き進められます。
SPIの計算問題を解くコツとポイント
文章問題から素早く題意を読み取ることが、計算問題を解いていく上でのコツになります。問題全体を把握するために、問題文から読み取って分かったことを表やグラフに整理して解くと良いでしょう。
SPIは、途中の計算式やメモは評価されません。自分の分かりやすいように考え方をメモして素早く解くのがポイントです。
時間が限られているので、最短で答えを出していくこともポイントとなります。不必要な計算をしなくて済むように、問題の形式にはよく慣れておきましょう。最短で答えを求めるためには、公式を整理して頭に入れておくことも大事です。
SPIの計算は、苦手意識をもつ人が多くいます。計算問題は苦手だからといって、他の分野をたくさん学習してカバーすることはおすすめできません。総合得点を上げるためには、苦手分野を勉強したほうが良いためです。SPIでは得意分野を伸ばすよりも、苦手分野を減らしていくことを意識しましょう。
まとめ
web適性検査である「SPI」の計算問題は難しいのか?その難易度や、SPIの非言語の出題範囲と対策について紹介しました。SPIの難易度は決して高くなく、中高生の基礎的なレベルです。そのため、基礎的な学力が備わっていれば十分に対応可能なものです。
しかし、解き方のコツが分からないと問題を解くのに時間がかかってしまったり、誤答になってしまったりするので、実践的な練習を繰り返し問題に慣れておくことが大切です。
また、回答には時間制限があります。練習のときからタイムを測り、時間内に問題が解けるようにしておくことでスムーズに行えるようになるでしょう。