再就職手当をご存知でしょうか?再就職手当は、退職した後早期に就職を促すための国の制度です。「どんな人がもらえるのか、自分は対象になるのかよくわからない」という方もいるでしょう。
今記事では、再就職手当の受給額や受給条件、必要書類や申請方法について紹介します。
再就職してしまった後からでは間に合わないので、損をしてしまう可能性があります。今記事でしっかりと再就職手当について事前に勉強しておきましょう。
目次
再就職手当とは?
再就職手当とは、失業保険給付の受給期間に再就職が決まった場合、受け取ることのできる手当です。
一定の要件を満たすと、失業後に失業保険を受け取ることができます。人によっては「せっかく失業保険がもらえるなら、満額受け取ってから再就職をしよう」と考え、失業期間が長くなってしまうことがあります。
このような事態を防ぎ、早期に再就職するよう促す制度が再就職手当なのです。
再就職する際の雇用形態は、正社員である必要はありません。契約社員や派遣社員、アルバイトやパートでも条件を満たせば再就職手当の受給対象になります。
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再就職手当でもらえる金額や計算方法
再就職手当はいくらもらえるのでしょうか?計算方法やおおよその受給できる金額についてご紹介します。
再就職手当の計算式
再就職手当の支給額の計算式は以下の通りです。
支給残日数×基本手当日額×給付率 |
支給残日数は、失業保険の支給可能な残りの日数のことです。また、給付率は支給の残日数によって異なります。
・支給残日数が2/3以上ある場合 給付率70%
・支給残日数が1/3以上、2/3未満の場合 給付率60%
計算式を見てわかる通り、出来るだけ早期に再就職した方がより多くの再就職手当を受給することができます。なお、支給残日数が1/3未満の場合、給付はありませんのでご注意ください。
基本手当日額には上限がある
給付額の公平性の観点から、以下の通り、基本手当日額は年齢ごとに上限額と下限額が設けられています。
・59歳以下 6,120円・60歳以上〜64歳以下 4,950円 |
※2021年8月1日からの変更内容です。
基本手当日額は毎年見直しがあります。受給を考えている方は、厚生労働省のホームページやハローワークにて確認をするようにしましょう。
具体的な支給額の例
ここからは、具体的な支給額を見ていきましょう。失業手当の給付日数が90日で、基本手当日額が5,000円のケースを例にご紹介します。
・給付残日数が80日で再就職した場合
5,000円×80日×70%=280,000円
・給付残日数が50日で再就職した場合
5,000円×50日×60%=150,000円
支給額は以上のようになります。
再就職手当はいつから受け取れる?
再就職手当は、再就職先に入社後、ハローワークに必要な書類を提出してから約1週間後に一括で振り込まれます。
入社してから手続きする必要があるため、最短だと入社後おおよそ1ヶ月で受け取ることができます。
手続きが遅延したり、書類に不備があったりすると支給が後ろ倒しになってしまいます。早めに受け取りたい場合は、流れを理解しミスなく書類を準備するように心がけましょう。
再就職手当は一括での支給となるため、失業保険のように定期的に支給されるものではありません。勘違いしないように注意してください。
また、再就職手当をもらうためには、失業保険を受給していることが前提です。失業給付を受給するには離職前の2年間の間に、通算12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要です。
この要件を満たしていないと、失業保険も再就職手当も受け取る事はできないので、注意しましょう。
再就職先に入社後、ハローワークに必要な書類を提出してから約1週間後に一括で受け取りが可能。最短で入社後おおよそ1ヶ月で受け取れます。
再就職手当の受給条件
再就職手当を受給するためには、どのような条件があるのでしょうか。受給するタイミングによりますが、大きく分けて8つの条件があります。
ここでは受給に必要な条件のうち、重要なポイントをいくつかご紹介します。再就職手当をもらえないという事態を防ぐために、しっかりとチェックしておきましょう。
待機期間の満了
まず、押さえておくべきポイントは「待機期間が満了している」ことです。失業保険を受給するためには、受給手続きをした後、待機期間を7日間経る必要があります。
仮に、待機期間である7日間のうちに企業から内定をもらい再就職先が決定すると、手当てを受給することができません。
失業保険の支給残日数が1/3以上
2つめに押さえておくべきポイントは、「失業保険の支給残日数が1/3以上」あることです。
所定の給付日数の1/3未満の場合、再就職手当を受給することはできませんので注意してください。
なお、所定日数としてカウントされるのは、就職日前日までの日数となります。
\失業保険受給の条件とは/
再雇用ではない
いわゆる出戻りと呼ばれる、同じの会社へ再度雇用されるケースでは再就職手当の支給はありません。
再雇用だけではなく、退職した前の会社と密接な関わりがあると認められる場合には、同様に再就職手当の支給は得られません。
再就職手当を検討している場合は、念の為、再就職先が退職した会社と密接な関わりがないかチェックしておくと良いでしょう。
雇用保険に加入する見込み予定
再就職先で雇用保険に加入する見込みがあることが、再就職手当を受ける条件の1つとなっています。有期雇用で1年間の契約の場合はもらえないので注意しましょう。
また、派遣社員の場合は、「1年を超えて勤務することが確実であること」が再就職手当を受け取る条件になっています。これは、契約書に「更新の可能性あり」と記載があれば認定されることがあります。
1年未満の契約で、更新がない短期の場合は支給対象外になるかもしれないのでハローワークでの確認が必要です。
フリーランスになる場合も、再就職手当は受け取れます。しかし、必要書類となる個人事業主の開業届を税務署に提出しなければ、再就職手当を受け取れません。
過去3年以内に受給していない
過去3年以内に、再就職手当や常用就職手当などを受け取っていると支給を受けることができません。過去に手当を受け取ったことがある場合は、いつ頃受給したか確認しましょう。
受給資格決定の前に内定していない
受給資格が決定する前に、企業から内定をもらっている場合には支給の対象から外れてしまいます。そのため、再就職手当をもらいたい方は就職活動の時期に注意が必要です。
再就職手当の申請方法
最後に、再就職手当の申請方法を紹介します。再就職が決まったからといって、自動的にもらえる手当てではありません。いくつかの手続きと書類を準備する必要がありますので、漏らさずに手続きしましょう。
まず、再就職が決まったら、再就職手当を受け取るためにハローワークへ報告にいきましょう。ハローワークへ報告に行くと、手続きの案内を受けます。案内に従って、採用証明書や申請書などの必要な書類を準備します。
再就職後に、就職先にて「再就職手当支給申請書」の必要事項を記載してもらいます。必要書類を揃えてハローワークに提出すれば、再就職手当の申請が完了します。その後、ハローワークで受理されれれば、約一週間で指定の口座へ振込されます。
再就職が決まったら、忘れずにハローワークに報告に行くようにしましょう。
再就職手当は、再就職したら自動で振り込まれるわけではありません。ハローワークへ報告に行き手続きを行いましょう。
まとめ
再就職手当とは一体どんな制度なのか、支給金額や計算方法、具体的な支給額の例、いつから受け取れるのか、再就職手当の受給条件、再就職手当の申請の仕方など紹介しました。
再就職手当を受給するには、失業保険の支給残日数が1/3以上あることや再雇用ではないこと、過去3年以内に受給していないことなど、さまざまな条件があります。
すべての条件を満たさないと受給できないため、しっかり把握して損しないようにしましょう。
また、自分が受給条件に当てはまるのかきちんと知りたい方は、ハローワークで確認するのがおすすめです。気になる人はハローワークに連絡しましょう。
\ハローワークとは/