営業職は成果がわかりやすく、やりがいがあります。ですが、ノルマ達成へのストレスが溜まったり長時間労働になったりと、大変なことが多い職業です。
営業職をしていると、営業職が向いていないと感じることや他の職業に転職したいと感じることが多いのではないでしょうか。
今回は営業職から他の職種に転職したいと考えている方に、営業職を辞めて他の職種に転職したいと感じた時に考えてほしいこと、そして営業職からのキャリアチェンジにおすすめの職種を紹介します。営業職を辞めたいと感じている方、必見の記事です。
目次
営業職から転職したい理由を明確にする
転職する際はいずれも転職したいと考えている理由を考える事が大切です。
営業職から転職したい理由を明確にすることで、このまま営業職を続けるべきか、それともキャリアチェンジするべきか、とキャリアプランが明確になります。
まずは営業職から転職したいと思った理由をはっきりさせましょう。
ノルマが厳しい
成果主義で、ノルマが厳しい営業職。成果主義なので、プロセスが見てもらえない事が多く、ノルマの厳しさからストレスとプレッシャーを感じる事が多い仕事です。
数字でノルマが出される上に達成できないため、成果を出せない場合は辛いと感じる事が多いでしょう。
出典:キャリチェン体験談
人間関係に問題がある
職場の人間関係、顧客との人間関係に問題がある場合は、職場を辞めることで問題が解決する事もあります。
営業職の場合、職場の人間関係だけではなく、顧客との人間関係に問題があることが転職のきっかけになることも多いため、注意しましょう。
出典:キャリチェン体験談
激務をやりたくない
営業職は顧客に合わせて動く仕事なので、激務になりがちな仕事です。特に女性の場合は、出産と子育てなどのライフステージに合わせて、仕事のやり方を変えたい方が多いですよね。
「営業職を離れて、ワークライフバランスを取れる他の職種につきたい」と考える女性は多いです。特に、営業職から事務職へ転職を考える女性は多くいます。
出典:キャリチェン体験談
頭を下げるのが辛い
営業職は、理不尽な事に頭を下げなければいけない事もあります。自分が悪いわけではないのに、頭を下げなければいけないのは、ストレスが溜まってしまいますね。
出典:キャリチェン体験談
雑務が多い
営業職は、クライアントとコミュニケーションをとるだけではなく、他にも電話対応や書類作成など様々な雑務をこなさなければいけません。
自分で段取りを立てて、スケジュール管理をするのが苦手な人には難しいでしょう。同時にいろいろな仕事を処理するのが苦手な方にも向いていません。
商品や商材に魅力を感じられない
魅力を感じない商品を取り扱っていませんか?自信を持っておすすめできない商品を人におすすめするのは気が引けますよね。
自信を持って営業ができない商品を取り扱っている場合には、違う商品を取り扱っている会社に転職することで問題が解決する場合もあります。
取り扱っている商品が嫌いなのか、それとも営業職が嫌いなのかを明確にする事が大切です。
営業で身についたスキルは他の職種でも活用できる
営業職で身につけた様々なスキルは、他の職種でも活かせる汎用性の高いスキルです。
自分の得意なスキルを把握することは、転職をする上で大切な事です。自分はどの能力が身についているのか、自分の最も得意なスキルは何かしっかり考えましょう。
《営業職で身につくスキル》
- コミュニケーション力
- トラブル対応能力
- 企画力
- 提案力
- スケジュール管理能力
- ビジネススマナー
特に、営業職は高いコミュニケーション能力をつけられる職種です。コミュニケーション能力はどの職種に転職しても役立つスキル。
どんな職種でも、コミュニケーション能力の高い人は歓迎されます。
コミュニケーション能力の中でも「相手の意見を聞き出す力」「自分の意見を伝える力」「相手の話を理解する力」は特に重宝されるでしょう。
営業の現場経験がある転職は有利?
営業は上下関係やノルマが厳しい上に、予測不能なトラブルが起きやすい職種です。厳しい職種だからこそ、社会人的な基礎力や様々なスキルが身につきます。
営業の現場で様々な経験を積んだ経験がある人は、他の職種についてもその経験を生かすことができるとみなされるため、転職に有利だと言えます。
営業職から転職可能な職種
営業職としてのスキルを活かせる、営業職からの転職におすすめな職種を紹介します。
別会社の営業職
「営業職という職種が合わないのか」「今の会社が合わないのか」と、自分が営業職を辞めたいと思っている理由をしっかりと考える事が重要です。
営業職と言っても、様々な業界と職種があります。営業職から他の職種へ転職したいと考えていても、職場環境や担当する商材を変えることだけで解決する場合もあります。
また、企業や業界によっても営業のスタイルや営業の方針が異なるため、今の会社で営業が合わないと思っていても、他の企業に転職して営業職をやってみたらうまく行ったという場合も多いのです。
同じ営業職でも、管理職となり部下を育成する立場を目指すのも一つの手です。マネジメントする立場になって、キャリアアップを目指すのもおすすめですよ。
販売職
営業職と販売職はどちらも物を売るという点では同じ職種です。営業は新しい顧客を獲得し商品を販売しますが、販売職は獲得済みの顧客に対して購入サポートをする仕事です。
販売職は、営業職のように顧客に売り込みをするのではなく、顧客の買い物のサポートをする仕事。顧客を新規開拓するのが苦手と言う方は、営業職よりも販売職の方が向いているでしょう。
マーケティング職
マーケティング職はコミュニケーション能力と論理的に伝える力、さらに情報収集能力が必要とされる職業です。
また、マーケティング職は市場と顧客、商品の事について詳しく知っている必要があります。営業職として、日々顧客のニーズと向き合ってきた経験をマーケティング職として活かす事ができるでしょう。
カスタマーサポート職
カスタマーサポート職は、顧客からの問合せにメールや電話で対応する仕事です。クレーム対応や問合せへの対応を行う場合もあります。顧客とコミュニケーションを取りながら、顧客のニーズを把握し、サポートする力が求められます。営業職で身につけたトラブル対応能力やコミュニケーション能力を活かす事ができるでしょう。
事務職
事務職は、会社の社員がスムーズに働けるようにサポートをする仕事です。事務職と一口に言っても、一般事務、経理事務、営業事務など様々なものがあります。事務職は仕事をコツコツ進められる力、人をサポートする力、対応力、パソコンスキルが求められます。
営業職と違い、事務職はわかりやすい成果がでないためつまらないと感じてしまうこともありますが、ノルマがなくなったことで仕事が楽しくなったと感じる人も多いです。
企画職
企画職は、消費者の動向や市場の動向をリサーチする事が重要な職業です。クリエイティブなアイデアが重要だと思われる企画職ですが、リサーチに基づいた根拠が大切な仕事で、顧客や市場のニーズを捉えて商品を企画する力が必要とされる職業です。
顧客のニーズをとらえてそれに合わせた商品を提案していた、営業職としてのスキルを活かせるはずです。
バックオフィス
バックオフィスは企業の中で、顧客と直接やり取りしない部門のことです。具体的には、人事・経理・法務・一般事務(庶務)などの職種を指します。バックオフィスは営業職と同じく、人とコミュニケーションを取りながら仕事を進められたり仕事のやりがいを感じられたりする職種です。営業職で培ったコミュニケーション能力を生かすことができます。また、営業職のように売上に直結するわけではないものの、サポートすることで売上や収支に貢献することができるのがバックオフィスの魅力です。
営業に向いていない人の特徴
営業職が向いていない人は以下のような人です。
✔︎人見知り
✔︎話を聞くのが苦手
✔︎自分の意見を伝えられない
✔︎見た目に無頓着
✔︎連絡をこまめにできない
✔︎言われたことしかできない
✔︎気持ちの切り替えが苦手
営業職は新しい出会いが多い仕事なので、人見知りの人は向いていません。
また営業職は話が上手でないとダメだと思われがちですが、それ以上に相手の話を聞く力が必要です。
また、聞いているだけではダメで、相手に合わせながらこちらの要望をしっかりと伝えなければなりません。
こまめな連絡をして、信頼関係を築くことも重要なので、このような総合的なコミュニケーション能力がない人は営業職には向いていないでしょう。
また、言われたことしかできないような人は営業職に向いていません。お客様から要望や要件が出て来てからでは遅いのです。お客様が潜在的に持っている課題やニーズを読み取り、先回りして提案する必要があります。
営業職は人と接する仕事なので、気持ちの切り替えが苦手な人も難しいでしょう。仕事ですから失敗することや気持ちが沈むこともあります。ですが、そのままお客様と接すると、その気持ちが伝わってしまうのです。
もしこれらに該当するような性格で、営業職をしているのであれば転職をおすすめします。なぜなら、人には向き不向きがあり営業が向いていない人がいるのも当然です。
そのまま続けていてもキャリアにはならず、むしろずっとやりたくもない営業でしか働けなくなってしまう可能性もあります。仕事は営業だけではありませんから、自分に合った仕事を見つけることが重要です。
\営業職が辛いなら/
営業からの転職を考える理由と転職する人の割合
営業からの転職理由は、以下のようなものがあります。
✔︎年収をアップしたい
✔︎幅広いキャリアを身につけたい
✔︎スキルアップしたい
✔︎ほかにやりたいことが見つかった
✔︎ノルマがきつい
✔︎コミュニケーションが苦手
✔︎休日にしっかり休める仕事がしたい
営業としてのキャリアを伸ばしたり、別のキャリアを積んで幅の広い人材を目指す人などさまざまです。
営業がツラいところは、定時外や休日でも仕事になることが多いところです。スマホやパソコンがあればいつでもどこでも仕事ができてしまいます。プライベートとの境目がなくなってしまい、営業職が嫌になってしまった人も多いでしょう。
ですが、全ての営業がそうかと言われればそういうわけではなく、大手の営業は残業時間に厳しくなってきていますし、業界によっては土日はしっかり休める営業もあります。結局は働く会社次第で変わります。
営業はどんな業界でも必要な仕事です。
そのキャリアを生かして、同じ営業職で業界を変えるパターンが多く見られます。
働く業界によって年収がある程度決まるので、同じ営業職を続けながら年収アップを狙う方法です。
では、営業から他の職種に転職することは難しいのかと言うと、そんなことはありません。営業から異なる職種への転職は全体の約30%ということなので、少数派であることは事実ですが、実際に存在しています。
営業の仕事は、さまざまなことに応用できるコミュニケーションスキルや調整能力が身につく仕事なので他の職種への転職でもキャリアを生かせるでしょう。
引用:リクルートキャリア【転職決定者データから見る】2020中途採用市場 中途採用においては「越境採用力」もカギに
営業の経験で身につくスキル
営業の経験で身につくスキルは、以下のようなものがあげられます。
✔︎ヒアリング力
✔︎課題発見力
✔︎コミュニケーション能力
✔︎提案力
✔︎調整力
✔︎スケジュール管理能力
✔︎情報収集能力
営業はコミュニケーション能力が大切だと言われます。たしかにその通りなのですが、これは半分正解で半分間違いです。
もっとも重要なのは「ヒアリングして→課題を発見して→相手に合わせてコミュニケーションを取りながら解決策を提案する」という流れです。
この一連の流れがコミュニケーション能力と呼ばれているのです。営業の仕事はいろいろな関係者と連携して行う必要があるので、調整力やスケジュール管理能力が磨かれます。
自分の周りだけでなく、全体を把握できる視野が大切です。これらをうまく連携させるには、普段の何気ない会話からヒントを得たり、業界のトレンドを知っておいたりするなど情報収集能力が大切です。
こういったマネジメントスキルや情報へのアンテナはどんな仕事をするにも役に立つため、営業から転職できる仕事は多くあります。
\営業職に必要なスキルとは?/
営業から転職する際の志望動機のまとめ方
転職する際の志望動機について、営業から営業、営業から異業種のパターンごとに例文を交えて解説します。
営業から営業への転職
営業の経験を生かして、サービスや商品の魅力を伝えられることをアピールしてください。
<例文>
営業の役割は魅力的な商品を世間に知ってもらうことだと思っています。
それはどんなサービスや商品でも同じことです。
貴社の○○という商品にとても魅力を感じ、この商品を世にアピールしたいと思いました。
別の商品を扱っていた経験を生かし、客観的な視点を持って貴社に貢献したいと考えています。
営業から異業種への転職
営業の経験を、視点を変えて生かすことをアピールしましょう。
例文では事務職への転職を想定したものを記載しています。
<例文>
営業では事務職の方々にたくさんのサポートを受けてきました。
裏方の仕事にも魅力を感じたので、今回営業職を希望しています。
営業では常に相手の方の潜在的なニーズに気づけるように注意していました。
このスキルは事務職でも役立つと考えていて、相手の要望を先回りして解決できるような仕事をご提供します。
営業から転職する際に有利になる資格
転職には資格があるとアピールをしやすくなります。転職する業種によって必要な資格は違いますが、持っていると多くの業種に役立つ資格をご紹介します。
✔︎日商簿記
✔︎TOEIC
✔︎MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
簿記は経理をする人に必要だと思われがちですが、仕事をする上での大切なお金の基礎知識が詰まっているので社会人なら誰しもが取るべき資格です。TOEICは英語力をアピールできるので、ますますグローバル化が進む現代では役に立つでしょう。
MOSはWordやExcelが使えるアピールになります。今はパソコンでWordやExcelを使わない方が珍しいので、苦手だと言う人も基礎から勉強するつもりと思って挑戦してみてください。必ず仕事で役に立ちます。
\営業職に必要なスキルとは/
営業から異業種へ転職する際のコツ
営業から異業種へ転職するコツは、今までのキャリアを新しいキャリアにどうやって生かせるかをアピールすることです。
中途採用は新卒採用と違い、将来性に期待して採用されることはほとんどありません。即戦力として企業に提供できる価値をアピールしましょう。
希望する職種によって具体的なアピールポイントは変わりますが、基本的にはマネジメント能力をアピールするのが良いでしょう。
中途採用では、マネジメント力に期待して採用されることが多いです。最近ではあえて異業種からマネジメントができる人材を採用する場合もあります。
未経験だからこそ、見える視点や発想に期待しているからです。
ほかにも、事務職に転職するなら営業の立場がわかるので相手の視点に立った仕事ができるとか、IT業界に転職するなら関係者とのコミュニケーションスキルを生かせるなど、どういった価値を提供できるかという点を考えてください。
上司と揉めずに営業から転職して会社を辞める方法
上司ともめずに転職するには、まずは転職が決まったら早めに退職の意思を伝えることです。法律では2週間前に退職の意思を示せば問題なく退職できると決まっています。ただし、2週間では引き継ぎなどを考えると期間が足りません。
退職する1カ月前には退職することを伝えてください。退職する理由は、まったく畑違いの業界や職種へ転職することにした、と伝えればOKです。
まったく違う仕事がしたかったと伝えれば、無理に引き止められることは少なくなります。
もしも近しい職種に転職するとしても、わざわざどんな仕事に転職してかどうかを調べられるようなことはほとんどありません。
もし同業他社への転職を指摘(競業避止義務違反)されても、法律で職業選択の自由が認められているので問題ありません。
それでも引き止めて来たり、時期を考えてほしいと言ってくる場合も考えられますが、転職をするんだと言う決意をしっかり持つことが重要です。
気持ちが揺らぐようだと、上司ももしかしたら残ってくれるかもしれないという期待感を持ってしまい、いざ辞める時にもっともめやすくなってしまうでしょう。
ハッキリとした退職の意思を伝え、スッパリと諦めてもらうのがもめずに退職をするコツです。
営業からの転職を目指す方へのアドバイス
営業職は幅広い分野に応用できるスキルや経験が身に付きます。営業として仕事をしていると、当たり前のようにできていることが、実はすごいことだったりするのです。
中途採用では、マネジメント力に期待している求人がたくさんあります。それだけマネジメントができる人は少ないということです。
営業の仕事は、マネジメント力に直結するスキルが身についているので、自信を持ってアピールをしましょう。営業はどんな仕事にも必要です。
とにかく営業は辞めたいんだということでなければ、好きな商品やサービスの営業を目指すと言うのもありです。営業ができるなら仕事には困りませんので、自信を持って新しいことにチャレンジしてみてください。
転職で迷ったらプロに相談
「なんでもいいから営業職ではなく別の職種に転職したい」と転職を焦ってしまうと、自分に合わない職種や職場を選んでしまい、転職を繰り返すことになってしまいます。
まずは、営業職を辞めたい理由を明確にし、自分に合う職種や職場を探すことが大切です。
「営業職を辞めずに他の会社に転職したい」「営業職を辞めてキャリアチェンジしたい」など迷っている事があれば、キャリアカウンセラーに相談してください。キャリチェンなら、あなたの転職活動をしっかりとサポートします。是非気軽に相談してくださいね。