本記事を読んでいる方の中には、下記のような感情で悩んでいる方も多いのではないでしょか。
「虚しさで何も手につかない」
「悲しいのか辛いのかいまいち言語化できない」
「思い当たることがないのに気持ちが落ち込む」
人は生きている中で様々な感情を抱きます。その中の一つが「虚しい」という感情ですが、最近ではこの「虚しい」という感情を抱く人が多いように見受けられます。
新型の感染症によって日常の生活が激変した現代社会の中で、テレワークや外に出られないなど、人との繋がりがなく精神的に不安定になる人も多いでしょう。
人はいろいろな感情や気持ちを抱いて生活していますが、虚しい気持ちで心がいっぱいになってしまうと、何も手につかくなり日々の生活もままなりません。
本記事では、虚しいという言葉の意味や、虚しい気持ちから開放されるための6つの方法について詳しく解説していきます。
本記事で解説する内容を実践して頂ければ、自分の気持ちに整理がつき、より前向きに生活できるでしょう。虚しい感情で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
虚しいの意味
まずは虚しいという言葉の意味について理解しましょう。
「虚しい」とは「虚ろ(うつろ)」と書きます。この文字は「空っぽで何もないさま、形だけで中身がないこと」「無価値である」を表す言葉です。
他にも「残念、悔しい」の意味で使われることもあります。
肉体がそこにあるけれども、精神的にどこか遠くへ行ってしまい、空っぽになっているような感情をイメージするとわかりやすいでしょう。心が揺すぶられるものが何もない状態を指します。
虚しいは、基本的にマイナスの感情を表す言葉で、そこにあったものがなくなってしまった時に使う言葉といえます。
虚しい気持ちは、いつも前向きで笑顔に見える人でも、ふっと時には感じる気持ちです。誰でもがふとした瞬間に抱く感情なので、落ち込みやすく悩みがちな人というわけではなくても、虚しい気持ちになることはあります。
虚しい気持ちになることがあるからと言って、落ち込みやすい人、精神的に弱い人、メンヘラな人だと認定されるわけではないので、安心してくださいね。
虚しい感情は誰でも持つことがあると自覚し、「誰でもそんな感情を持つこともあるなぁ」と受け入れた上で、そこからどのように進むべきかを考えることが大切です。
ここからは虚しいについてより詳しく知るために意味が似ている言葉の違いについて解説します。
- 虚しいと悲しいの違い
- 虚しいと空しいの違い
- 虚しいと儚いの違い
虚しいと悲しいの違い
上記で解説した「虚しい」という言葉はマイナスのイメージで使われる言葉でした。似たような言葉で「悲しい」という言葉がありますが違いは何でしょうか?
それは、失う中身があるかどうかです。「悲しい」はプラスの感情がマイナスに転じた時の感情であることに対し「虚しい」は「精神的に」失うものがない時に発せられる言葉です。
虚しいと空しいの違い
虚しいと空しいは意味が同じで、漢字が異なる言葉です。
どちらも同じように、心が空白になり充足感が得られない感情です。
強いて違いがあるとすれば「虚しい」の方は精神的な空虚感を表す時に使うことが多いということでしょう。
虚しいと儚いの違い
虚しいと儚いの違いは使い方の違いです。
虚しいと儚い、どちらも物事や気持ちがなくなってしまうことを表していますが、
「儚い」はプラスのイメージでもマイナスのイメージでも使われます。
一方「虚しい」はマイナスのイメージでしか使われません。
虚しいを使う具体的な文章例
虚しいを使うときは、心が落ち込んでしまい、精神的に空っぽになってしまった状態を表現します。
たとえば「元気だった叔父は去年、妻を亡くしてから日々を虚しく生きている」「3ヶ月後新店舗を開店する前に、施工業者にお金を持ち逃げされて、自己破産した店長は虚しく見えた」「病気になって5年が経ち、死期も迫った時に、人生を振り返りなんて虚しい人生だと嘆いた」
このようにプラス→マイナスの感情に動いている時に虚しいを使います。
誰もがふとした瞬間に感じる気持ちで、虚しいと感じるのは悪いわけでも恥ずかしいわけでもありません。
ここからは、虚しいとはどのような状態なのか、より詳しく説明していきます。
虚しいとはどのような状態?
ここまで虚しいという言葉の意味について解説してきました。しかし、みなさんはこのように思うのではないでしょうか?
「言葉はわかったけど実際はどんな感情?」
「言葉じゃわかんないよ具体的に教えて?」
このような疑問に回答していきます。
虚しい状態になると起こる心の状態の例は下記の通りです。
- 無気力になる
- 人と比べてしまう
- 満足感を得られない
- 不安を感じてしまう
- 喪失感がある
それぞれについて解説します。
無気力になる
虚しい状態の時には、アドレナリンやドーパミン、セロトニンといった体内の伝達物質が不足します。この「伝達物質」が減少することで、無気力状態になり、うつ病へと発展するのです。
人によっては何もする気が起きなくなり、ベッドから起き上がるのも億劫になってしまうでしょう。そのため、できるだけ早く無気力状態を脱出し、自分自身を取り戻す必要があります。
人と比べてしまう
虚しい状態の人は常に、人と自分を比べてしまっています。
人生を台無しにしてしまう習慣は自分と他人を比較することです。他人と比較してしまうと「自分は必要ない人間である」という感覚に陥り、虚しくなってしまうでしょう。
また、現代ではSNSの普及により各個人が強制的に比較されるような仕組みができてしまいました。
世界には自分より優れている人間は数多くいます。そのような「すごい人」と比べることは、自己肯定感を低下させ、虚しい気持ちを強くしてしまうでしょう。
また、身近な人間であっても「隣の芝は青く感じる」ことが多く、自分に価値がない人間だと感じ、自己を保てなくなります。
満足感を得られない
何をやっても満足感を得られないと、虚しさを感じてしまいます。この状態は、仕事ができるエリートに多い傾向です。
人は簡単に超えられる壁を超えたとしても満足感は得られません。仕事ができるエリートは基礎スペックが高いため、なんでもそつなくこなし、簡単に壁を乗り越えてしまうでしょう。
努力せずとも超えられる低い壁ばかりでは満足感は得られません。
不安を感じてしまう
虚しいという感情は「不安感」を発生させます。
人間は緊張、不安、恐怖の感情を持った時に、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されることで「逃避」の行動を選択します。
狩猟時代の敵に遭遇したら「すぐさまその場から逃げろ!」という
シグナルの名残と考えるとわかりやすいでしょう。
つまり不安感は自分は何をしてもダメだと感じる負のループに入った時に「その感情から自分から早く脱出しろ」という本能の警告なのです。
喪失感がある
虚しいという感情は、合わせて喪失感を発生させます。
もともと、そこにあったものがなくなってしまったという感覚によって空虚な感覚に陥ってしまうのです。
喪失感は時間によって解決することが多いですが、長い時間をかけなければなりません。
虚しいという感情や喪失感を強く感じる状況に居続けてしまっては時間をかけての解決が難しいため、その感情を感じる場所から物理的に距離を置くといいでしょう。
虚しさを感じやすい人の特徴
喜怒哀楽が激しい
虚しさを感じやすい人の特徴に、感情の喜怒哀楽が激しいという事が挙げられます。「嬉しい」「悲しい」「辛い」など、非常に感受性が豊かなゆえに、マイナスな気持ちも感じやすいのです。
何かちょっと気に触ることを言われたり、落ち込む出来事があったりすると、落ち込んでしまいすぐに虚しさを感じてしまいます。
また、「あなたはいつも楽しそうでいいね」と言われたとします。何も気にしないタイプの人であれば、「自分はいつも楽しそうに見えているんだ!嬉しいな!」と感じるでしょう。しかし、感受性が高いタイプの人であれば、「自分は人に比べて苦労していないんだ、何もしていないからだ。」と卑屈に捉えてしまうでしょう。
同じ出来事でも、人それぞれ感じ方や捉え方によって異なります。虚しさを感じやすい人は、感受性が高いために多くの感情を感じるのです。
劣等感を感じやすい
虚しさを感じやすい人は、自分と人を比べる癖があります。常に自分と人を比べて、自分の欠点を見つけようとします。人と比べて自分のいいところやできることを見つけようとする人は、虚しさを感じにくいです。しかし、虚しさを感じやすい人は、人のいいところと自分の悪いところを比べて、すぐに落ち込んでしまいます。
「あの人は身長が高くてスタイルがいいから何を着ても似合う。私は身長が低いからなんでも似合わない」
「あの人は仕事ができて、上司にも認められているのに、自分は…」
のように人と自分を比べて劣等感を感じがちです。劣等感を抱くことは悪い事ではありません。劣等感を感じたとしても、そこから成長するにはどうしたらいいのか、その方法を考えることで成長できます。
物事を卑屈に考えがち
物事を卑屈に考えがちという特徴があります。
例えば、いつも時間に余裕を持って仕事の締め切りを守っているとします。余裕を持って仕事をこなしている事は素晴らしいですよね。そんな中、いつも締め切りギリギリで仕事を終わらせる人がいたとします。
一般的には余裕を持って仕事を終わらせることが素晴らしいのですが、「ギリギリでも仕事ができる人の方が時間を有効活用しているようで優秀そう」と卑屈に考えてしまうのです。
物事は考え方次第で、よくも悪くも捉えられます。卑屈に考えるのではなく、できるだけ前向きな考え方をする癖をつけるといいでしょう。
承認欲求が強い
承認欲求が強い人は、「いつも注目されたい」「誰かに認められたい」「必要とされたい」「好かれたい」などの感情が他の人に比べて強いのが特徴です。承認欲求は人は誰しも備わっている感情ですが、その感情が強すぎると「虚しい」「辛い」などのマイナスな感情で支配されてしまい、心身に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
虚しいと感じる瞬間6選
現代社会の中で虚しいと感じる機会は多いのではないでしょうか?
具体的に「虚しい」と感じる瞬間は大きく分けて6つです。
- 眠れない時
- 挫折した時
- 人との差を感じた時
- 将来が不安な時
- 無駄な時間を過ごした時
- 何かを失った時
それぞれについて解説していきます。
眠れない時
なかなか夜寝付けない時に、ふと虚しい感情に襲われる方も多いでしょう。
眠れない時にはいろいろな感情が渦巻いて頭の中が活発になります。そんな時、焦って「眠ろう」としても余計に眠れません。
自分の感情が整理できずにいると「こんな自分はだめだ」という感情が大きくなってしまい、さらに虚しい気持ちになってしまいます。
挫折した時
何か物事を諦めたりする時に虚しいという感覚になります。
例えば、自分が努力して成し遂げたことを簡単に達成してしまう人や、上には上がいると感じてしまった時に
挫折を感じます。
挫折は「虚無感」を感じる一番身近な出来事といえるでしょう。
人との差を感じた時
挫折した時と同じように、「あの子はすごいのに自分はどうしてこんなにできないんだ…」と他人との差を感じた時に虚しさを感じます。
同僚が自分よりも出世してしまい、年収や評価において自分の立場が低いと感じた時。さらに友達のSNSに恋人との楽しそうな写真や豪華な料理をアップしているのに、自分は何もしていない時などに、虚しいという感覚を持ってしまう人が多いでしょう。。
人との比較で、「何をやっても人よりも劣っている」と感じた時に「虚しい」が生まれてきます。
将来が不安な時
自分の未来が不安になる時に虚しさを感じます。
「大学に受からなかったらどうしよう」
「就職できなかったら奨学金が返せない」
「結婚できなかったらどうしよう」
このような不安を持っていると虚しいという感情が出てきます。
将来のことは誰にもわかりませんが、真面目な人ほど将来について考えてしまい不安に感じてしまいます。
無駄な時間を過ごした時
前日に夜更かしをして、夕方まで寝てしまったなど、休日を無駄にした経験は誰にもあるのではないでしょうか。
「休日を無駄にした」など、大切な時間を無駄に過ごしてしまった時に虚しい気持ちになります。
何かを失った時
自分の大切なものを失った時に虚しさを感じます。
大切な人を亡くしたり、ペットを亡くしたりした瞬間には頭の中が空っぽになり、虚しい感情になってしまうでしょう。
最近では「◯◯ロス」という表現も使われるようになり、大好きだったドラマが終わってしまうなども虚しさを感じる瞬間です。
仕事での虚しさを克服するための考え方
他人と自分を比較しない
人は誰しも誰かと比べて、落ち込んだり卑屈になったりするものです。人と比べる事で、劣等感や優越感を感じたりする事はあります。
他人と比べて自分の価値を確かめるのではなく、「自分は自分でいいんだ」と自分を認めてあげることで、虚しさを感じる事は減るでしょう。
相手からの見返りを求めない
相手からの見返りを求めないというのは、「相手に過度な期待をしない」という意味です。相手に期待をして、その期待が裏切られると、期待していた分、心苦しい気持ちになりますよね。
「プレゼントをあげたのに、お礼がない」「仕事を手伝ってあげたのに、見返りがない」のように考えると、「自分は何も価値がない人間なんだ…」と虚しさを感じてしまいます。
誰かに何か価値を提供する際には、「私が〇〇してあげたのに、見返りがない」と考えるのは辞めて、「見返りがあったらラッキー」くらいの気持ちを保つのがいいでしょう。
自分の価値観を大切にする
物事を考える際に、他人の価値観をものさしにしていませんか?他人の価値観を優先してばかりいると、常に人と比較することになります。人は自分以外の人にはなれません。
他人の価値観を取り入れることは大切ですが、他人の価値観に振り回されて自分の価値観の軸がブレてしまっては、マイナスな気持ちになるだけです。
「自分はこれでいいんだ」「自分は自分だから他人の価値観に振り回される必要はない」「自分の仕事のやり方はこれでいいんだ」と自分の軸を大切してください。自分の価値観を大切することで、自然と自信が出てくるでしょう。
結果だけを見るのを辞める
仕事では、結果が求められます。結果だけが求められるが故に、結果を出すまでの過程は重視されないことが多いです。
どんなに努力したとしても結果が出なければ、社会的に認められないでしょう。反対に、努力していないように見える人が結果だけ出しているのを目の当たりにすると、「自分の方が努力しているのにどうしてあの人の方が結果をお出せるんだ…」と虚しさを感じてしまいますよね。
他人は結果しか見てくれないかもしれませんが、自分では結果だけではなくその過程もしっかり見るようにしましょう。たとえ結果が出なかったとしても「自分なりに頑張ったから大丈夫」「頑張った過程を自分が自分で認めてあげよう」と考えるようにすると、仕事のモチベーションも保てるでしょう。
虚しい気持ちから開放される6つの方法
「虚しい」気持ちから解放される6つの方法は下記の通りです。
- 熱中できるものを見つける
- 人と比べない
- 新しいことを始める
- 自己分析をしてみる
- 好きなことをしてリフレッシュする
- 友人に話を聞いてもらう
それぞれについて解説します。
熱中できるものを見つける
虚しい気持ちを脱却するためには熱中できることを見つけましょう。
具体的には、自分が楽しく没頭できることを見つけることができればなお良いでしょう。
・スポーツをやってみる
・趣味に没頭する
・資格勉強をしてみる
人によって熱中できるものは異なるため、まずはいろいろなことにチャレンジしてみましょう。過去の自分は何かに熱中していたかもしれません。過去の自分を振り返ってみるのもおすすめです。
人と比べない
虚しい気持ちから開放されるには「人と比べないこと」が重要です。
自分は自分、他人は他人と考えることで人と比較しないような気持ちを作ることができます。
ポイントとしては、目に見える結果だけでなくその結果を出した人の過程に目を向けてみましょう。
自分だけ頑張っているだけでなく、結果を出した相手も自分より頑張っている部分を知ることが重要です。
新しいことを始める
虚しいと感じる原因を取り除く方法として、新しいことを始めるのも1つの手です。
自分の視野が広がって、自分の価値が上がるのでおすすめです。
・旅をしてみる
・ボランティア
・読書 など
海外から入ってきて日本ではまだ始めている人が少ないことなど、これまでに馴染みのない目新しいことを初めて見るのもおすすです。
自己分析をしてみる
虚しい感情に支配されてしまう人は自己分析をしてみましょう。
虚しい感情をなくすには自分自身を知ることも大事です。
自分は何が好きで何が嫌いなのか?を知っておくことで自己肯定感が下がるような発言をする人とは距離をとったりできるので防衛策にもなります。
本当の意味で自分を理解できている人は多くありません。「自分はこういう人間だ」と胸を張って言えるようになるためにも自己分析はおすすめです。
好きなことをしてリフレッシュする
好きなことをしてリフレッシュするのも大切です。
虚しいという感情を、抱いている人の中には1日の中で仕事しかしていない状態の人がいます。
仕事が大好きなことであれば問題ありませんが、嫌々仕事をやっている人も多いでしょう。
好きなことをして、リフレッシュすることで「虚しい」感情から開放され、楽しい・嬉しいという感情を取り戻せます。
友人に話を聞いてもらう
虚しいと感じる時には友人に話を聞いてもらうのも有効な方法です。
虚しい気持ちは人とのつながりが切れているときに感じやすくなります。友人に話を聞いてもらい、人との繋がりを再認識してみましょう。
実際に虚しい理由を言葉にすることで自分の内面も整理できます。
まとめ
本記事では、虚しいという言葉の意味や、虚しい気持ちから開放される脱するための6つの方法について解説しました。
虚しいという感情は心の中が空っぽになってしまう感覚で、生活がマンネリ化していて刺激がない時や、人との繋がりを感じられない時、自分の価値がわからない時などに陥ってしまいます。
虚しい感情は放っておくと、さらに悪化してしまいます。
虚しさを感じた際には放置せずに、本記事で解説した6つの方法を実践してみましょう。