少し前まではしっかりこなせていた仕事。気が付けば細かいミスや失敗を起こすようになった方も多いのではないでしょうか。
「どうしてこんなところでミスをしてるんだろう?」「こんな失敗今までじゃあり得なかったのに」など、些細なミスを起こしてからというもの、自分の仕事に対する姿勢について疑念の目を持っている方も少なくないかもしれません。
その些細なミスや失敗は、もしかするとケアレスミスが原因かもしれません。
今回は、今までならミスなくこなせていた仕事でも、気付けば小さなミスを起こすようになった方へ、ケアレスミスの可能性と原因、ケアレスミスを起こしやすい人の特徴と対処法を紹介します。
この記事を通じて、ミスや失敗を減らすきっかけに役立ててください。
目次
ケアレスミスとは
ケアレスミスとはケアレスミステイクの略称で、不注意や慌てている状態、そそっかしさから小さな失敗を招いてしまうという意味があります。
もともと人が持つ能力や知識の不足が招く失敗ではなく、気持ちや意識の低下によって起きてしまう未然に防げたミスのことを指します。
知識不足などからの原因ではないため、なぜ細かなミスを発声させてしまうのか原因を知り、改善していくことが望ましいと言えます。
ケアレスミスが起きてしまう主な原因
ケアレスミスはどのような原因によって起きてしまうのでしょうか。
ここではケアレスミスを引き起こしてしまう大きな原因として、
- 最終チェックをしていない
- 作業に対する勘違い
- 仕事への慣れや横着、慢心など
- 過去のミスのトラウマ化
の4つについて解説します。
原因を知ることでケアレスミスを未然に防げるようになりますから、ケアレスミスを多発してし悩んでいる方は、自分に当てはまるものはどれかチェックし改善に努めましょう。
最終チェックをしていない
ケアレスミスが起きてしまう原因として考えられるのが、「最終チェック」を行っていないという原因です。
記事を書く仕事であっても資料を作成する仕事であっても、自分で作成したものからミスを見つけ出すのは難しいことがあります。
これは「自分が1から作ったからこそ全て把握しているに決まっている」といった慢心や、「自分で作ったうえで見直しもしてるんだから大丈夫」といった惰性が絡んでいることによって、見つけにくいと考えられます。
対して、同僚の書類や記事をチェックする場合は、初めて目を通す物であるためにミスを見つけやすく、最終チェックを任された立場といった背景から、「ミスを見つけてあげなければならない」といった責任感があるからこそ見つやすいと考えられます。
このように、自分の作り上げた物に対する惰性や安心感などから、細かい最終チェックを行わず、ミスが発生している可能性があります。
作業に対する勘違い
仕事を任され得るうえでは、作業工程をメモしたり、打ち合わせなどのスケジュールをメモしたりする方も多いでしょう。
しかし、メモを取っている間に脳内で勘違いを起こしてしまい、勘違いをしたまま記憶し、そのまま作業やスケジュールへと反映させてしまい、ミスを引き起こしてしまうことがあります。
これも一種のケアレスミスと言え、メモを取ることなど、別の作業に集中している中で知らないうちに脳内が勝手に思い込んでしまうことが原因とされています。
仕事への慣れや横着、慢心など
慣れた仕事であれば、今までこなしてきた実績もあり、自分にも自信を持っているものです。
しかし、そのような状況や心理が怠惰や慢心を引き起こし、ケアレスミスを招いている可能性も考えられます。
「今まで失敗せずやってこれたんだからできるに決まってる」
「誰だって簡単にできる作業なんだからできる」
など、作業自体を見つめているのではなく、その工程や過去の実績を見つめ、慢心してしまうのです。
この場合もケアレスミスのひとつの原因として考えられます。
過去のミスのトラウマ化
対して、過去に仕事でミスや失敗を引き起こしたことがトラウマとして心の奥底に傷として残ってしまい、その失敗によって起きた結果が怖くてケアレスミスを引き起こしている可能性も考えられます。
この場合は、過去に失敗した自分を強く思い出してしまうことが原因で、「あのときのように失敗したらどうしよう」と気持ちが過去の失敗に集中し、仕事自体に目も向けていないためにケアレスミスを引き起こすのです。
ケアレスミスを生んでしまう人の特徴
ケアレスミスを起こす人にはどういった特徴があるのでしょうか。
ここでは気を付けるべき特徴として、
- 慌てている人
- 緊張しがちな性格の人
- だらしない人
- 自己管理ができない人
の4つについて解説します。
慌てている人
仕事を抱え、マルチタスク化する人に多いのですが、慌てている人はケアレスミスを起こしやすいと考えられます。
というのも、マルチタスク化したことによって、あらゆる仕事をテキパキとこなそうとするのですが、こなすだけに集中してしまい、細かいミスには気付きにくいという特徴があるのです。
仕事をテキパキと効率よくこなすことも重要ですが、まずはミスがないかを細かくチェックできる時間も確保することも大切です。
緊張しがちな性格の人
緊張しがちな性格の人は、失敗できないといったプレッシャーが大きすぎるあまり、気持ちに負け、ケアレスミスを引き起こしてしまう可能性があります。
- 「失敗したって次からは気を付ければいい」
- 「失敗しないようにチェックする時間をしっかり作ろう」
- 「失敗したことはなぜそうなったかをメモしておこう」
など、失敗を起こしたとしても次にどのような行動を取ればいいのかを明確にすることによって、大きなプレッシャーから解放され、ケアレスミスを防ぐことができます。
だらしない人
緊張から丁寧に仕事をしすぎるあまり、失敗を恐れてケアレスミスを引き起こしてしまう人がいることに対して、全体的にだらしなく、最後まできっちり完遂しないだらしない人も、ケアレスミスを引き起こしやすいと言えます。
だらしない人がケアレスミスを起こしてしまう原因は、チェックの甘さ、仕事に対する責任感の低さ、怠惰など、ミスを引き起こしてしまう原因全てが詰まっているから。
きっちりと最後まで丁寧に仕事をしようという意識が低いことにより、「ここまでできたんだしこれで提出してみよう」といった適当とも言える仕事内容が、最終的にミスを生んでしまうのです。
仕事への責任感、ミスを起こしたことで仕事全体がどうなってしまうのか、そのままの性格でいて会社に損害などの影響はないかをしっかりと考え、行動や気持ちを改める必要があります。
自己管理ができない人
社会人になったのにも関わらず、夜遅くまでゲームをしたり、スマホを見たりする人も多いのではないでしょうか。
1人暮らしを始めた方の場合だと、自己管理を徹底するのが難しいときなども少なくありません。
しかし、そのままの状態を続けていれば、睡眠不足や体調不良を引き起こし、ケアレスミスを頻発させてしまう可能性が一気に高くなってしまいます。
好きなことを存分に楽しむのは休日のみと決まりを設ける、平日は22時までに休むといったスケジュール管理を整えることで、ケアレスミスを防げるようになります。
今日からできる!ケアレスミスを防ぐ方法
ケアレスミスを引き起こしてしまう人の特徴や原因を踏まえ、未然にケアレスミスを防ぐために取り入れたい対処法はあるのでしょうか。
ここでは、今日からできる対処法として、
- 仕事に対する真摯さを持つ
- 危機管理能力を持つ
- 体調管理を整える
- 最終チェックを怠らない
- ダブルチェックをお願いする
の5つについて解説します。
仕事に対して真摯な対応をする
中途半端な気持ちで仕事をしていては、どうしても注意力が散漫してしまい、ケアレスミスを引き起こしてしまいます。
上述したように、ケアレスミスは気持ち1つで未然に防げる細かなミスです。
そのため、仕事に対して真摯な気持ちを持ち、丁寧に進めるよう意識しましょう。
真摯な気持ちを持つためには、「自分がミスをしたことで時間が掛かってしまい他の作業が進まない」といった、会社やオフィス全体の状況を、俯瞰してみることで改善できるようになります。
だらしない気持ちを持っていたと自覚できたのであれば改善は目の前です。
危機管理能力を持つ
細かなミスが発生すると、最初のころは許していた上司や同僚も、何度も繰り返すことによって呆れてしまったり、「この人じゃ心配だな」と、不安が生じたりして、人間関係の悪化に結びつく可能性があります。
失敗をすることによって、同僚や上司はどう思うか、どのような可能性があるのかを想像し、危機管理能力を高めるように努めましょう。
あまり深刻にイメージを膨らませると危機管理能力が強すぎるあまり、プレッシャーとなってケアレスミスを引き起こす場合もありますから、
- 失敗したら誰かの作業が増える
- 自分の失敗によって迷惑が掛かる可能性がある
といったイメージまでに留め、仕事をしている以上はその可能性のなかにいることをしっかりと受け止めて作業を進めるようにしましょう。
体調管理を整える
上述したように、社会人になって1人暮らしをして間もないころだと、仕事から帰宅したあとは自分の時間として、夜遅くまでゲームをしたり、スマホでSNSを覗いたりすることがあるでしょう。
しかし、その生活を繰り返していれば、睡眠不足から体調不良へとつながり、万全の体調で仕事を進めることができなくなってしまいます。
寝不足のまま出社しても、猛烈な眠気があなたを襲い、仕事への集中力の低下、危機管理能力の低下など、すべてにおいて気持ちが低下してしまい、結果的にケアレスミスを引き起こしかねません。
このようにならないためにも、自分で規則正しいスケジュールを作成し、そのルールを遵守し、ケアレスミスを未然に防げるように努めましょう。
最終チェックを怠らない
自分の作った資料を見る目が甘すぎてケアレスミスを未然に防げない可能性も考えられます。
この場合は、少し時間をおいてから資料をチェックする、実際に印刷してみて、違う視点から資料をチェックしてみるなど、あらゆる方法を使って最終チェックするようにしましょう。
そうすることで、新しい発見に気付きやすくなり、ミスをうまく見つけ出せるようになります。
ダブルチェックをお願いする
自分で作成したことによって、どうしてもミスに気づけないことがあります。
また、急ぎで資料を用意しなければならないけれど、自分では見つけられる自信がないと言った場合は、同僚にダブルチェックをお願いしてみましょう。
自分以外の人にチェックしてもらうことで、自分では見つけることのできなかった
- データの誤入力や変換ミス
- 使うべきデータの間違い
など、細かなものをしっかりとチェックしてもらえるため、自分で見るよりも確実にミスに気付いてもらうきっかけにつながり、ミスのない完璧な仕事ができるようになります。
ケアレスミスは未然に防ぐことができる 意識と行動を改善し丁寧な仕事をしよう
ケアレスミスは、意識の変化とちょっとした行動によって未然に防げることがわかってもらえたと思います。
また、生活リズムを規則正しくしたり、危機管理能力を高めたりするだけで防げることから、ケアレスミスを起こしがちな人の特徴によって、適した対処法があるということもわかりました。
ケアレスミスとは些細なミスであり、仕事がわからない、できないといった背景から起きるものではありません。
しかし、未然に防げたミスが何度も繰り返されてしまえば、上司をはじめ同僚からも「ミスの多い人」といったレッテルを貼られてしまい、仕事を任せてもらえなくなったり、人間関係が悪化したりする可能性もあります。
未然に防げる細かなミスだからこそ、ミスを起こさないといった意識を強く持ち、スムーズに仕事が進むよう、この記事をきっかけにケアレスミス対策のヒントに活用してくださいね。