最近耳にすることが多くなった「自己実現」という言葉ですが、具体的にどういった意味を持っているのでしょうか。
漢字から想像すると、自分の成長や成功させるといった意味を想像しがちです。
ところが、「自己実現」は漢字からイメージした意味をそのまま使用する人が増え、本来の意味とは異なったまま、あらゆるシーンで使われているといった背景があります。
この記事では自己実現の本来の意味と合わせて、自己実現を果たしている人の特徴と、自己実現させるための方法について解説。
記事を通じて、仕事をするうえで必要な自己実現のヒントとして役立ててください。
目次
自己実現とは?
自己実現という漢字を読むと、漢字の意味から想像し、「自分の目標を達成するための言葉」といったイメージを抱く人も多いかもしれません。
本来の自己実現の意味には「ありのままの自分(状態)でいること」といった意味があります。
要するに、自分の目標達成といった意味の言葉ではなく、自分らしい生き方するためといった意味合いがあるのです。
自分のなかの短所や気になるコンプレックスをも認めながら、自分らしく生きることを「自己実現」と言います。
職場などで「仕事を通して自己実現するための努力をする」という言葉を聞くと、自己実現の意味をわかった今こそ「なかなか難しいのではないか……」と感じてしまうでしょう。
仕事における自己実現も、自分を助けるきっかけとなり糧となります。
自分に素直に生き、人のために尽くすことができるのであれば、実現は可能だと言えるでしょう。
自己実現を果たしている人の特徴
自己実現とは「自分の意思を大切にし尊重する」といった意味があることがわかりました。
では、具体的に自己実現を果たせた人にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは自己実現を果たせた人に共通する項目として、
- 自分の気持ちを素直に受け止めている
- 視野を広く持ち合わせている
- 行動力がある
- 発想力が豊かである
の4つについて解説します。
自己実現のためのヒントになりますから、理解を深めておきましょう。
自分意思を素直に受け止めている
社会に出るとどうしても自分の意思を口にできなかったり、心にしまったりする機会が多いもの。仕事をするうえでもやりたい仕事があるのにもかかわらず、それでは生活できないと感じ、全く違うジャンルの仕事に就く人も少なくありません。
自己実現を果たしている人は、自分のやりたいことにがむしゃらにチャレンジします。たとえやりたいことを続けて、食べられない時期があったとしても、後悔せず、「きっと花開くときが来る」と信じ、一生懸命もがき取り組みます。
このように、自分のやりたいことを素直に受け止め行動している人は、自分の強みになることを知っていて、より充実した暮らしができることを知っているのです。
視野を広く持ち合わせている
どれだけやりたい仕事のためにこれから生きていきたいと言ったとしても、家族や周囲の協力がなければ進むことができない日も当然あります。自己実現を果たしている人は、自分の意思だけでなく、周囲の意見にも耳を傾けるおおらかさを持っています。
また、自分の意思だけで突き進んでしまえば、周囲が見えなくなり、どのように進んで良いのか迷ってしまうことを知っています。
自己実現を果たしている人ほど、周囲の意見にも耳を傾け、視野を広げることで、自分がどのように進めば良いのか、さらには自分が社会に取ってどのように役立てるのかを知ることができるのです。
行動力がある
自分の意思に忠実で、かつ周囲の意見に耳を傾ける視野の広さを持ち合わせていても、行動力が伴わなければ実行に移すことができません。自己実現を果たしている人は、行動力も抜群に長けています。
周囲の意見を見聞きしたり、自分で考えついた答えを見つけたりした場合は、すぐに行動に移し、結果を求めます。それがたとえ周囲から見ると無駄なことであったとしても、「これは必要ないこととして記憶しておこう」と、ポジティブに切り替え、次へと突き進んでいくことができます。
発想力が豊かである
自分の意思に忠実に、なにかを始めようとしても、今までのやり方や似たような会社を建てようとすれば、結局は従来の会社と変わらず、類似したものが生まれるだけ。
自己実現を果たしている人は発想力が豊かでいつでも新しいなにかを生み出すことができます。
周囲の意見に耳を傾け、視野を広く持ち合わせているからこそ、どんなことが求められているのかに敏感。だからこそ、スピーディーな行動力で新しいものを次々と生み出すことができるのです。
自己実現におけるメリット・デメリット
自己実現は自分の人生を豊かなものにし、さらには協力してくれた家族や周囲の人も幸せにしなければなりません。
ただ、自己実現をするうえでは、メリットもデメリットも存在していることを理解しておかなければ、後々窮地に立たされることになってしまいます。
ここでは自己実現をするうえで知っておく必要のあるメリット・デメリットについて解説します。
メリット①モチベーションの向上
自己実現におけるメリットひとつめは「モチベーションの向上」です。
会社に属していればやりたくない仕事で数日を終えてしまう可能性がありますが、自分のやりたいことで人生を突き進めるようになるからこそ、自分らしく生きることができ、毎日がやる気に満ちあふれ、明日も頑張ろうと思えるのです。
メリット②充実した毎日を過ごせる
自分の好きなことができていることにより、毎日が充実するといったメリットもあります。
自分で選んだ道であるからこそ納得して生きているため、不満を感じることはほとんどありません。
学生の頃の夏休みを思い出してみてください。
好きなことをして過ごしたことにより、あっという間に夏休みが終わったという経験はありませんか?
宿題もやらずに過ごしてしまったがゆえに、夏休み最終日に家族総出で宿題をこなしたという人も多いのではないでしょうか。
このように、実個実現を果たし、社会に出てもやりたいことを仕事にすることで、学生の頃の夏休みと同じように、充実した日々を過ごすことができ、あっという間に月日が流れていきます。
デメリット①頑固になってしまう
自己実現を取り入れるうえでは自分のやりたいことにこだわりを持つことが強くなります。
そのため、自分の意見を曲げられない、他人の意見を聞きたくないといった状況、いわゆる頑固になってしまう可能性に注意する必要があります。
上述したように、自分のやりたいことを実現するためには、家族や周囲の人の協力がなくては実現は不可能です。
しかし、自分のやりたいことにこだわりを持ちすぎるあまり、家族や周囲の人と意見が食い違い、頑固になってしまう可能性があります。
自己実現を成功させるためには、自分の意見と同様に周囲の意見にも重要だと言えるでしょう。
デメリット②やりたいこと=経済的に疲弊する場合も
自分のやりたいことをやるために起業したとしても、最初の頃はもうけがほとんどなく、経済的に疲弊してしまうことがあります。
貯蓄を崩し生活することも予想されるため、自己実現にはそれ相応の費用が掛かることも頭に入れておかなければなりません。
自己実現をするために取り入れるべき方法
ここでは自己実現を叶えるための方法を紹介します。
これからのあなたのヒントになる可能性がありますから、しっかりと熟知するようにしましょう。
自分の長所を知る
自己実現を図るためには、自分のやりたいことや長所を明確にすることが重要です。
とにかく自由に生きたいがために、やりたいことが不明確なまま行動してしまえば、費用も時間もロスさせる原因となりかねません。
自分はどんなことをして暮らしていきたいのか、どんなことをすると幸せを感じられるのかをしっかりとイメージすると同時に、家族を不幸にさせず、安定した暮らしが望めるのかといった将来性を考えましょう。
スキルアップを目指す
長所を知るだけでなく、スキルアップできるのかについてもしっかりと考慮すべきです。
自分のやりたいことだけを続けていても、スキルアップが望めなければお金を稼ぐことはおろか、安定した暮らしを続けることもできません。
やりたいことをしたいのなら、その先にはスキルアップがあるのかを明確にする必要があります。
目標を明確にする
冒頭で自己実現の意味を紹介しましたが、自己実現を成し遂げるためには、自分の人生における目標を明確にすることが必要不可欠です。
目標がなければ趣味か仕事かの間がぼやけてしまい、本腰を入れることが難しくなってしまいます。
やりたいことで暮らしていくのであれば、明確な目標を持つことが大切です。
また、どれくらいの期間で目標を達成できるのか、ある程度の期間を設けることもやる気につながるため、効率よくスキルアップを目指せるようになります。
些細なことでも行動にうつす
周囲の意見に「それはいい案だ!」と感じたり、自分の気持ちに変化が起きたりしたときは、些細なきっかけでもいいので行動に移すようにしましょう。
その理由は、新しい発見ができるだけでなく、視野が広がるきっかけにつながるなど、自己実現におけるヒントが習得できる可能性があるからです。
小さいことだとしても面倒くさがらず、実際に動いてみることでわかる可能性を大切に行動することが大切です。
努力を怠らない
自己実現を成し遂げるためには、どうしても自分の意見と周囲との意見がマッチしないこともあります。
「どれだけ頑張れば日の目を浴びるの?」など、現実を知っているからこそ冷たい言葉を言われることもあるかもしれません。
なりたい自分を明確にし、そのために行動するということは、少なからず時間や人の気持ち、お金などを犠牲にしなければならないときが必ずあります。
そこで腐ることなく、どんなことを言われても努力を継続することが、自己実現につながるのです。
成功することだけを考えるようにする
やりたいことを取り入れ、実際にそのために時間を費やすようになれば、不平不満を感じ冷たい言葉を掛けてくる人が増えていきます。
そんな状態が続くようになれば、「本当にこのままで良かったのだろうか」「この道を選んで良かったのだろうか」と、自分の行動に疑問を感じてしまうときが必ず来ます。
そんなときは批判をしっかりと受け止めつつも、成功することだけを考えるようにするべきです。
ここまでやったのだから後戻りはしない、絶対にこの道で頂点を取るなど、高い意識を常に持ち進んでいくことで、周囲の目も変わり、あなたの行動を後押しするサポーターとなってくれるでしょう。
周囲の意見に対してはしっかりと耳にし参考にするけれど、「成功」に対しての意識だけは頑固でいたほうが良いと言えます。
自己実現=自分を大切にすること
自己実現できるようになることで、やりたくないことを押しつけられる社会に携わらなく済みます。やりたいことを突き進んでやることによって、自分の生き方を尊重し、充実した日々を暮らせるようになるでしょう。
気をつけなければならないことは、やりたいことを生きがいにして暮らすということは、その世界に通用する人間にならなければならず、そのためには
- クリエイティブな発想
- 徹底した行動力
- 常にスキルアップを求める姿勢
といった人間性の進化と、
- 周囲の意見を聞く耳を持つこと
- 視野を広く持つこと
- 少なからず犠牲にするものがあること
のメリットとデメリットを納得したうえで進めなければなりません。
ときに冷たい意見を言われ、傷つく日が来ることもあるでしょう。
しかし、その言葉に屈することなく、成功するといった強い意志を持つことで、自己実現を成し遂げることができるはずです。
自己実現は良いことも悪いこともあるものの、そのなかで得られるものは非常に価値があると言えます。
これからのあなたの人生が、より華やかに暮らしやすくなるよう、この記事を役立ててください。