自分よりも優秀な人を見たり、自分よりも楽しそうにしている人を見かけたりすると、どうしてもやってしまうのが「人と比べてしまうこと」。
職場のなかでも、自分よりスムーズに仕事ができる人や、テキパキとソツなく作業を進める同僚がいると、「どうして私はこんな風にできないんだろう」と比べてしまうこともあるでしょう。
人と比べてしまうと、自分のできないところや現状への不満が浮き彫りになり、どんどん落ち込んでしまいます。
この記事では、人と比べてしまう主な原因と、人と比べないために取り入れたい方法を解説。
全部読み終えた頃には、「ちょっと考えすぎていたかも」と気持ちが軽くなるような内容にまとめたので、ぜひこれからの生き方のヒントに役立ててください。
目次
人と比べてしまうのはなぜ?
仕事をソツなくこなせる人を見たり、自分よりも充実した生活を送っている人を見たりすると、どうしても自分と比べてしまい、強い劣等感に苛まれてしまうもの。
どれだけ頑張って仕事をしていても、簡単にこなせる人を目の当たりにしてしまうと、自分の頑張りを否定された気になってしまいますよね。
では、どうして人と比べてしまうのでしょうか。
ここでは人と比べてしまう人の原因として、
- 理想が高い
- プライドが高い
- 自分に自信がなく謙虚過ぎる
- 優柔不断な部分がある
- 他人の良さを見つけるのが上手
- 自分の頑張りを振り返っていない
6つの特徴について解説します。
理想が高い
自分の掲げる理想が高く、完璧主義の性格の人は、人と比べてしまうことがあります。
というのも、完璧主義の人や理想が高い人はどんな些細なことに対しても、「できて当たり前」と言った高めのハードルを、知らずのうちに自分で課していることがほとんど。
完璧ではなくても、失敗せずに丁寧に仕事ができれば良いといったゆるやかな考えではなく、白か黒かで判断しがちな人ほど、人と比べてしまうと言えます。
プライドが高い
人と比べてしまう人は、自分と比べたことによって良さを見失い、さらには卑下し、できなくて悲しいという感情をあらわにすることがあります。
このような場合、実はあなたが知らないだけで、プライドを高く持ち、神経質に考えてしまうことが挙げられます。
プライドが高く神経質な人は、他人よりも劣っている自分の短所を見つけると、次第に気持ちが沈み、「なんで私はできないんだろう」と落ち込んでしまいます。
プライドが高いと言われて「そんなはずはない!」と驚く人もいるかもしれませんが、プライドが高いからこそ人と比べ、傷つく必要のないところまで介入し、傷ついてしまうのです。
自分に自信がなく謙虚過ぎる
理想が高い人やプライドが高い人とは逆に、自分に自信がない人も人と比べてしまいがち。
幼少期に人から褒められることが少なかった人によく見られる特徴で、たとえ他人から褒められても親切心として受け取ることができず、かえって冷やかされているのではないかと感じ、落ち込んでしまうこともあります。
優柔不断な部分がある
自分の置かれている状況と異なる人を見ると、劣等感に苛まれる人も、人と比べている原因のひとつです。
たとえば、ご自身の「独身」というスタンスを楽しむ傍ら、結婚した友人のSNSや子供を抱いた年賀状を見ると、ひどくさみしい気持ちになってしまい落ち込んでしまう経験はありませんか?
このように、自分の立場はそれなりに心地良く感じていたはずなのに、人の幸せを見聞きしたときに、なぜか比べてしまい、「結婚したいな……」「温かい家庭が欲しいな……」と感じるといった優柔不断さが人と比べてしまう原因につながることがあります。
他人の良さを見つけるのが上手
職場の同僚がテキパキと仕事をこなしている姿を見て、「いいなぁ……あんな風になりたいな」と思い、自分と比べてしまう人もいるでしょう。
このように、他人の普段の姿から良いところを見つけるのがうまく、影響を受けやすい人も、人と比べてしまう些細な原因になることがあります。
自分の頑張りを振り返っていない
仕事がデキる人を間近で見ることにより、自分のこれまでの頑張りを振り返って褒めていない人も、人と比べてしまい傷が付く原因になります。
確かに、仕事に煮詰まっている自分のそばで、マルチタスクを淡々とこなす同僚を見ていると、その人の良さばかりが目に付き、仕事にならないといった状況に陥るときもあるでしょう。
しかし、そればかりに集中してしまうと、自分の仕事が進まなくなり、さらには「ここには自分の居場所すらない……」と、もっと深く落ち込んでしまう原因になり、職場も人間関係も嫌気が差してしまいます。
人と比べないための方法
人と比べないためにはどのような方法があるのでしょうか。
できるなら人と比べずに、気持ち良く仕事を進めたいですよね。
ここでは人と比べないために取り入れたい方法として、
- 人には人の頑張りがあることを忘れない
- 他人と自分は違うことを忘れない
- 気持ちを素直に打ち明けてみる
- 羨ましいあまり、けなしたり傷つけることはしない
- 情報を取り入れすぎない・信用しすぎない
- 自分の頑張りや長所を認める
の6つについて解説します。
人には人の頑張りがあることを忘れない
人と比べてしまうということは、自分よりも優れていると感じる対象となる人がいるから。
しかし、その人は生まれつきそのポテンシャルや能力を持っていたのでしょうか。
大きな壁や困難を乗り越え、たくさんの苦労をしてきたからこそこなせるのではないでしょうか。
人より優れている部分があると言うことは、それだけその人が苦労したり、頑張ったりしてきたから。
何もしないで確立したものではないことを心に留めておくことで、「この人がこんなにすごいのは、たくさんの苦労をしてきたからなんだろうな」と、柔軟に捉えられるようになり、自分への劣等感ではなく、尊敬の念を持てるようになります。
他人と自分は違うことを忘れない
名字が違えば生まれてきた場所が違います。当然、そうなれば親も違いますし、育ってきた環境も違います。
このように、育ってきた環境が違えば、経験することも学ぶことも多種多様で、それぞれ違うことに長けていることを理解しましょう。
そうすることで、いくら自分よりも優れた人が自分の前にいたとしても、「あの人はあの人。私は私で良いところがある」と素直に受け止められるようになり、人と比べることがそこまで重要ではないことに気づけるようになります。
気持ちを素直に打ち明けてみる
あまりに他人が優れている能力を持っているのなら、素直に褒めてみるのもおすすめです。
人の魅力を自分のなかに閉じ込めたままでいると、いつの間にか嫉妬心やひがみなどの悪い感情を生み、どうしてもその人に対して苦手意識を持ってしまいます。
たとえばそんな素敵な能力を持っている人が同僚だった場合、嫉妬心やひがみの気持ちが湧いてしまえば、職場内での環境も悪くなってしまいます。
そうならないためにも、「あなたのその能力、本当うらやましいと思うよ」と、素直に打ち明けてみましょう。
打ち明けたことによって、もしかすると、その人がなぜここまで仕事ができるようになったのか、過去の辛い話や経緯などを話してくれ、新たな一面を知るきっかけになるかもしれません。
また、褒められたことによって『私のことをしっかり見てくれる人はいるんだ』と、その人もまた、あなたの良いところを教えてくれるきっかけにつながるかもしれません。
人の良さを受け止め、本人に口にすることは、実は良い方向へ進むことの方が多いのです。
自分のなかで他人の良さが嫉妬心に変わり始めたら、褒め言葉として相手にぶつけてしまいましょう。
きっと、あなたのモヤモヤした気持ちも、相手の笑顔や、あなたへの思いがけない褒め言葉のお返しによって、解消される可能性があります。
羨ましいあまり、けなしたり傷つけることはしない
自分よりも優れている人と自分を比べたことによって、劣等感や妬みなどを感じてしまうことがあります。
しかし、人には人の、自分には自分の良さがあることを認め、陰口をたたいたり、傷つけたりすることはやめましょう。
そのようなことをしても、相手と自分との人間関係が悪くなるだけでなく、うらやましいことが相手に悪い方向となって伝わり、あなたはただのイヤな人として映りかねません。
本来はそんなことをしたいわけではなかったのに、人と自分を比べたことによって、自分の人格をゆがませてしまう原因になってしまいます。
ですから、どれだけ魅力的な人だったとしても、傷つけることはせず、自分の良さについてもしっかりと目を向け、自分を褒めるクセを付けましょう。
情報を取り入れすぎない・信用しすぎない
友人が更新したSNSやブログなどを見ると、どうしても自分の生活や人生と比較してしまい、劣等感に押しつぶされてしまうことがあります。
これは、あなただけでなく、言わないだけで実は多くの人が経験し、乗り越えています。
SNSやブログはいろんな人がいろんな意図を持って運営しています。
グチを吐くためのツールにする人もいれば、日記として自分に起きた良いことを記録として残す人もいます。
そのため、どれだけきらびやかな写真や内容が載っていたとしても、誰かに自慢したくて更新したつもりがない人だっているのです。
その人にも思い出となる1日だったからこそ更新している、といった背景をおおらかに捉えてあげることで、人と比べる機会を減らせるようになります。
また、情報を取り入れすぎたことによって、不要な情報までも脳に取り込んでしまい、より強い劣等感に押しつぶされてしまうこともあります。
SNSやブログの情報が自分にとってツラい結果を招くと感じた場合は、
- SNSなどを見ないようにする
- SNSなどの情報を鵜呑みにしない
- きらびやかな日もあれば、ツラい日も当然ある
といった誰しもが経験することを、もっと広い視野を持って感じるようにしましょう。
自分の頑張りや長所を認める
人と比べたことによって、自分の悪いところが浮き彫りになってしまいます。
しかし、あなたが生きてきた人生の中で、短所だけで生き延びてきたのでしょうか。
あなたの良さによって、誰かを助けたり、笑顔にしたりすることはなかったでしょうか。
このように、相手の良さだけに目を向けてしまうと、自分のことを大切にできなくなり、自分の良さを見失ってしまう可能性があります。
人と比べたときは、同時に自分の良さや頑張りを見つける工夫をしてみてください。
そうすることで、たとえ他人に自分の持っていない良いところがあったとしても、あなたはあなたなりの良さがあり、自信となっていることに誇りを持ち続け生きていくことができます。
あなたにはあなたの良さが必ずありますから、決して忘れることはないようにしましょう。
劣等感と向き合うことが大切 気分が落ちたらリフレッシュを取り入れて
今回は人と比べてしまう人の特徴と、比べなくなる方法を紹介しました。
どうしても優秀な人を見ると、自分と比べてしまい、悲しくなったり、落ち込んだりしてしまうことがあるでしょう。
しかし、いろんな人がいればいろんな経験によって良さや性格が磨かれ、今の魅力があるのではないでしょうか。
もちろんそれはあなたにも同じことが言え、あなたが知らないところで、実はあなたに対してうらやましいと感じたり、ステキだなと感じていたりする人がいるのです。
しかし、ねたみやひがみから感情的な行動を取ってしまえば、イヤな人としてのレッテルを貼られてしまい、そんなうらやましさもなくなってしまうでしょう。
そうなってしまえば人間関係が悪化し、仕事だってやりにくくなってしまいます。
あなただけじゃなく、いろんな人がいろんな人と比べては、うらやましいと感じています。
このような背景を知り、もっと心おおらかに暮らせるよう、自分の良さを見つめ、大切にしましょう。
この記事を通じて、これからのあなたの生き方が、もっと生きやすく心地良く暮らせるようなヒントにつながればうれしいです。