仕事をしていると、いつからか上司や同僚の顔色をうかがうようになり、本来の能力が発揮できなくなったり、働き方に萎縮したりすることはありませんか?
人の目が気になることで、自分らしく働けなくなる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、人の目が気になるあまり、思うように仕事ができないと悩む人や、周囲の本音が気になってしまう人へ、人の目が気になってしまう原因と対処法について解説します。
今後の生き方や働き方を少しでも快適にするヒントとして役立ててください。
目次
人の目が気になるのは「自意識過剰」のせい?
人の目が気になり、本来ならできていた仕事がうまくいかなくなったり、萎縮したりするのは、もしかすると「自意識過剰」な気持ちが原因かもしれません。
自意識過剰と聞くと「プライドが高いということ?」と感じてしまう人もいるでしょう。
「自意識過剰なつもりはまったくないんだけど……」と思う人のために、自意識過剰の本来の意味を解説します。
自意識過剰とは?
自意識過剰とは他人にどのように思われているのかを強く気にしすぎる症状のことを指します。
他人の顔色や評価に過剰なほど臆病になるため、冷静になって振り返ったときに、「そこまで気にする必要あったのかな?」と困惑してしまうほど。
自意識過剰が心を蝕むことによって生き方にも影響が出始め、最終的にはうつ病などの心の病につながる可能性もあります。
自意識過剰と被害妄想の違いは?
自意識過剰と混同されがちな言葉として「被害妄想」という言葉があります。
では、自意識過剰と被害妄想にはどのような違いがあるのでしょうか。
自意識過剰とは、周囲の目や思っていること、顔色などに対して過剰なほど臆病になってしまうことを指します。
これに対して被害妄想とは、実害がないのにも関わらず、同僚や知人が楽しそうに話しているだけで、「馬鹿にされている気がする」「陰口を言われている気がする」と、負の感情で心を押し潰す状態を指します。
たとえば、自分と仲の良い同僚が、別の同僚に呼ばれるのを見たとしましょう。
別の部屋に移動し、少しの間出てこなかった場合、普通の人であれば「大事な話かな?」「なにかあったのかな?」と思う程度です。
被害妄想を抱く人の場合、「絶対に私の悪口で盛り上がっている」「私のことをバカにして楽しんでいる」と、たちまち負の感情が沸き起こり、苛立ちが止まらなくなったり、激しい怒りが込み上げたりします。
要するに、自意識過剰は「他人の目を気にしすぎてしまい、うまく行動できなくなってしまう」といった程度で済むものであり、対して被害妄想の場合は、勝手な思い込みによって感情が激しく掻き乱され、相手に対して失望したり怒ったりするといった負のスパイラルが生まれるという違いがあります。
人の目が気になってしまう原因
ではなぜ人の目を気にするようになってしまうのでしょうか。
ここでは人の目を気にしてしまう原因として、
- 他人の評価を強く気にしてしまう
- 嫌われることが怖く八方美人になっている
- 自分に自信がない
- 自意識過剰が原因で周囲に監視されているような気がする
- ネガティブ
- 自分を認められない
- 完璧主義
- 仕事に対してトラウマがある
の8つの項目について解説します。
具体的な理由がわかれば対策の方法が見つけやすくなりますから、原因を探るためにもしっかりとチェックしていきましょう。
他人の評価を強く気にしてしまう
周囲が自分のことをどのように思っているかが気になるからこそ、人の目が気になると言えます。
周りにとって役に立っているのか、自分の仕事は周りに対して良い結果を与えられているかなどを強く気にしすぎているからこそ、人の目を気にしてしまうのです。
丁寧に仕事をしていたつもりでも、「実はミスが多いと思われているのではないか」
「もしかすると自分の仕事のせいで、余計な作業を誰かにさせていたのかもしれない」など、ちょっとしたことが気になってしまう人もいるでしょう。
しかし、他人は他人なりに自分のことで精一杯。あなたが思う以上に、同僚は他人の評価よりも、自分の評価や頑張りを維持しようと必死なのです。
嫌われることが怖く八方美人になっている
人の目が気になってしまう原因として、
- 他人に嫌われることに敏感
- 嫌われないように接する
- 本音を隠す
といった弱さが関係しています。
この弱さが、どんな人にも嫌われないようにするため、あなたを八方美人にさせているのです。
八方美人の人は、できるだけ本音を隠しながら、周囲に良い印象であろうと努力します。
これにより、かえって「自分らしさがなく、どんな人にもいい顔をしている」と、嫌われる結果につながってしまうのです。
自分に自信がない
自分を褒めることができず、自己肯定感が低い人も人の目が気になってしまう原因のひとつ。
自己肯定感が低すぎると、自分のことを認められないばかりか、卑下してしまうなどの自分を追い込む結果につながり、「自分には存在価値などない」と悲観するようになります。
自分に自信がなくなると、人の意見ばかりに気を取られてしまうため、周囲と違う行動や言動をしていないかが気掛かりとなっり、いつも不安を感じながら人と接するようになるのです。
自意識過剰が原因で周囲に監視されているような気がする
上述したように、自意識過剰が起因となり、周囲から監視されている気分に陥る人もいます。
仕事ができない人間だと思われていないか、足を引っ張る存在だと言われていないかに気を取られ、昨日までできていた仕事もなぜか急にできなくなるなど、行動にまで障害が及ぶケースもあります。
ネガティブ
ネガティブに物事を捉える人も人の目が気になる原因のひとつです。
些細なことが気掛かりとなるため、仕事も人間関係もうまくいっているのにもかかわらず、「実は自分は嫌われているのかも」「当たり障りのない会話で手短に済ませようとしているのではないか」と、マイナスな方へと深く考え込むことも少なくありません。
完璧主義
「できるに決まってる」「できて当然」など、自分のなかのハードルを、知らないうちに高く設定してしまう完璧主義の人も、人の目が気になる原因のひとつです。
周囲の期待に応えなければならない、必ず成功しなければならないなど、「~しなければならない」があまりに強すぎるために、人の目が気になってしまうと言えます。
仕事に対してトラウマがある
過去に起こしたミスがトラウマ化したことにより、ミスへの恐怖心から人の目を気にしてしまう原因になるケースもあります。
ある程度の月日が経っているのにもかかわらず、過去のミスがトラウマ化しているために、周囲から「あの人のことだからまた失敗しそう」などと思われていないか不安になってしまうのです。
失敗したとしても、原因を追求し、未然に防ぐための対処法を得て、今後気を付ければ良いだけです。
けれども、当時の記憶があまりにつらく悲しい記憶として残っている場合は、どうしてもその壁を乗り越えられず、人の目を気にしてしまうようになるのです。
人の目を気にしないための対処法
できることなら人の目を気にせず、自分らしくいきいきと仕事をしていたいもの。
ここでは、人の目を気にしないための方法として、
- 自分を認める・頑張りを褒める
- 自分の気持ちを大切にする
- 考えすぎない
- 嫌われる勇気を持つ
- 友人に相談する
- 音楽や映画を楽しむ
- 匿名で相談してみる
の7つについて理由とともに解説します。
あなたの性格や状況に合うものを、今夜からでも実践してみましょう。
自分を認める・頑張りを褒める
自己肯定感の低さが影響し、人の目が気になってしまう場合は、「自分を認めること」「自分を好きになること」に意識を向けましょう。
というのも、自分の頑張りは自分が1番知っているはずです。
どれだけ遅くまで仕事をしていても、それは自分の意思でやり遂げようと思って頑張ったからではないでしょうか。
どれだけ忙しい日が続いても、朝は毎日決まった時間に起き、準備をし、会社に出勤してきたはず。
この繰り返された毎日は、あなたが仕事から逃げず、しっかりと向き合っていたからに他なりません。
同僚や上司も、言うタイミングがないだけで、実はあなたの頑張りは見て、肌で感じ取っています。
あなたの頑張りがあるからこそ、仕事は無事に遂行できています。
今までのあなたの頑張りをこのタイミングでしっかりと見つめ直し、頑張りを「自信」という盾に変える意識改革を行いましょう。
自分の気持ちを大切にする
人の目を気にするあまり、自分の意見を言えずにいる人も多いでしょう。
けれども、あなたの感じたことや思ったことは、素直に口にすべきです。
人に流されてそのままにするのではなく、「それは違うと思う」と意思表示を行うことで、自分自身を保つきっかけとなり、人の評価よりもありのままでいることの大切さに気づけるようになります。
考えすぎない
上述したように、人の目を気にする最大の理由は、他人の意見や評価を過剰に気にしているから。
他人がどう考えていようと、あなたはあなたです。
誰かの意見に囚われ、あなたらしいパフォーマンスができなくなるのなら、それは自分よりも他人の言葉を優先していると言えるのではないでしょうか。
他人からの評価を気にしても、人間はよっぽどの事がない限り本音など話すことはありません。
嘘か本当かもわからない周囲の評価を気にするよりも、自分らしくいること、自分の時間を大切にすることの方が、よっぽど建設的と言えます。
嫌われる勇気も持つ
他人と自分の意見が食い違い対立したとしても、その場所だけがあなたのステージではありません。
もっと言えば、その人に嫌われたからと言って人生が終わるわけではありません。
あなたの理解者は、必ず近くにいるはずです。
誰かに嫌われてしまっても、それがきっかけとなり、新しい物語が始まる可能性もあります。
大切なのは、自分の意見をしっかり持つことです。
嫌われる勇気を持ち、自分に素直に生きるよう心掛けることも大切です。
友人に相談する
親しい友人がいるのなら、人の目を気にしすぎている性格について相談してみましょう。
友人だからこそ知っているあなたの素性や性格、良いところやだめなところも全部見てきたうえで、今のあなたに最適なアドバイスをくれるかもしれません。
相談を持ちかけず、ただ食事に誘っただけでも、気心知れた友人は、あなたから放たれるネガティブな空気を感じ取ってくれるはずです。
友人があなたにアドバイスをしたときはしっかりと耳を傾け、嫌な事を言われても「この機会が私を新しくさせてくれるんだ」と、真摯な気持ちで受け止めるようにしましょう。
音楽や映画を楽しむ
ヒューマンドラマやキャリアウーマンなどを題材にした映画を観るのもおすすめです。
自分の環境に類似した映画を観ることによって、今のあなたに必要な行動パターンを複数教えてくれる可能性があります。
また、音楽を聴きながら歌うのも、幸せホルモンが分泌されるというデータがあり、沈んだ気持ちにはとても効果的です。
音楽や映画は現実逃避ができるきっかけにもなるため、心身ともにリフレッシュできます。
匿名で相談してみる
どのような対処法もイマイチピンと来ない場合は、厚労省が運営する相談窓口などを活用するのもおすすめです。
自分の状況や気持ちを話すことで、抱えていたモヤモヤが晴れるだけでなく、専門知識を持つ相談員の適切なアドバイスによって、今後の行動をより快適なものにしてくれる可能性があります。
Google検索することで、多くの相談窓口がありますから、チャットやメール、電話など、状況や気分に合わせて活用してみましょう。
他人の評価をよりも自分らしく生きることが大切
人の目が気になる原因は、自意識過剰や、人の意見に流されてしまいがちな優柔不断な性格、お人よしな性格が災いとなることがわかってもらえたかと思います。
けれども、周囲の人とうまくやっていこうとするやさしい気持ちは、あなたの持って生まれた長所でもあります。
どうしても人の目が気になってしまう場合は、
- 自分自身の頑張りを認める
- 自分を褒めてあげる
- 他人は他人であり、自分は自分でいい
と、あなたらしく生きることを重点に置き、仕事をこなすようにしましょう。
どうしてもつらく苦しいときは、今回紹介した対処法を用いて、うまくリフレッシュすることも大切です。
この記事を読むことによって、あなたの悩みが少しでも解決できることを祈っています。