唐突ですが質問させてください。あなたの会社はどれくらいボーナスが出ますか?この記事を見ている方の中にはボーナスが全くないと言う方もいるかもしれません。
そこで今回は、ボーナスの有無によるメリット、デメリット、ボーナスのない会社の特徴、ボーナスなしでも所得を向上させる方法をご紹介します。
就活生の方はこれからの人生を決める重要な指針となってきますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそもボーナスとは?
まだボーナスをもらったことのない、就活生や新入社員の方向けに「そもそもボーナスとは何か」解説しましょう。
一般的なボーナスというのは、夏(6月・7月・8月)と冬(12月・1月・2月)の年2回、給料2ヶ月分のお金が会社(社長)の計らいで、余分にもらえる制度のことです。会社によってボーナスの時期や回数、値段は異なりますが、多くの会社は夏と冬の年2回ボーナスが出ます。
会社によっては夏季賞与、冬季賞与と呼ばれます。このボーナスがあるかないかによって、大きく年収や生活水準が変わってくるのです。
例えば、年2回(7月と12月がボーナス月)ボーナスがある会社に勤めて月に23万円(手取り20万円)もらっている方を例に出すと、ボーナスがある7月と12月は毎月の手取額(20万円)に加えて、40万円がボーナスとしてもらえるのです。
ボーナスがある月は、60万円の収入を得ることになるわけです。自分の給料が上がれば上がるほどボーナスも増えていくのが嬉しいポイントです。
ボーナスの注意点
夢のようなお金が一気に手に入るボーナス制度ですが、いくつか注意点があります。まずボーナスは、税金を差し引いた額なので額面全てもらえるわけではないこと。会社の経営が傾いてくるとボーナスが減額、ひどい場合には全カットもあり得ることです。
また、入社して1年目は夏季ボーナスをもらえません。というのもボーナスは正社員として働いて、6ヶ月経過後からもらえるようになります。新人が入社するのは4月なのでボーナスは10月以降、つまり冬ボーナスからでないともらえないのです。
ただ嬉しいことに、会社によっては夏季ボーナスとして5万円程度のボーナスをもらえる場合もあるので、歳の近い先輩社員に新人のころの夏季ボーナスについて聞いてみましょう。
ボーナスなしは法律違反ではない
ボーナスがないことは、法律違反ではありません。労働基準法でボーナスの支給が義務つけられているわけではないため、ボーナスを支給しなくても、企業側は問題がないのです。
ボーナスの支払い義務が生じることも
就業規則や賃金規定などで、従業員にボーナスの支給を明言しているような場合には、企業は従業員に対してボーナスの支払い義務が生じます。
ボーナスがない会社の特徴
当たり前の話ですが、日本にはボーナスがある会社とない会社があります。あなたの会社はどちらに当たるでしょうか?
実は、就業規則に「賞与の有無」に関する記載がなければ、ボーナスなしでも違法ではないのです。ここからはボーナスとは何か、ボーナスのない会社、雇用形態の特徴を解説していきます。
ボーナスなしの特徴1「非正規雇用」
ここからはボーナスなしの会社、職業の特徴を解説していきます。
1つ目は「非正規雇用」です。結末からいうと、契約社員、パート、アルバイトはボーナスがもらえません。会社によっては正社員だけでなく契約社員、パート、アルバイトなど様々な雇用形態の人が働いているでしょう。その中でボーナスをもらえるのは責任の重い仕事を振られる正社員だけなんです。
ただ絶望する必要はありません。近年ボーナスをもらえるのが正社員だけという風潮は少しずつ崩れていっています。非正規雇用でも責任のある仕事はありますからね。
会社によって非正規雇用の方に対してもボーナスを支給する場合もありますし、2020年4月から施行された「同一賃金同一労働法」によって”非正規雇用にボーナス支給”という会社も増えてきています。
一概に非正規雇用でもボーナスがないとは言えなくなったので、働き方の自由度が増していますね。
ボーナスなしの特徴2「年俸制」
ボーナスのない会社の特徴2つ目は「年俸制」です。一般的な企業は毎月一定額の給料が発生し、年2回のボーナスがあるという給与形態をとっていますが、「年俸制」という給与形態が存在します。スポーツ選手でよく聞く言葉ですね。年俸制は一言で表すと「成果主義」です。
自分の1年間の活躍に応じて、翌年1年間の給料が決まります。国の法律で労働者には毎月1回給与を与えなくてはいけないので、年俸制は1年でもらえる金額を12等分、14等分にしてもらえます。
「年俸1億円」とニュースで耳にして憧れを抱いたことがあるかもしれませんが、残念ながら多くの場合、ボーナスはこの年俸額に含まれています。別の言い方をすると、ボーナス込みで年俸1億円ということです。
ただ会社によっては年俸額を16等分にして12回各月に支払い、残りの4ヶ月分をボーナスとして夏と冬にくれる場合もあります。
ボーナスなしの特徴3「労働組合がない」
ボーナスのない会社の特徴3つ目は「労働組合がない会社」です。まず労働組合の説明からしましょう。
労働組合とは社員が有志で結成する団体で、会社(社長、幹部)から理不尽な命令をされた際に集団で相手取るために作られます。
労働組合がない会社ということは、会社からの理不尽な命令に逆らえないといっても過言ではありません。上記の理由から労働組合のない会社はボーナスがない可能性が高いです。
もしも同僚にボーナスなしに不満がある方がいるのであれば、協力して労働組合を立ち上げ、会社にボーナスの要求をしてみても良いかもしれません。滅多にない経験ですし、何より交渉に成功した際の応酬がはずみます。
ボーナスなしの特徴4「ボーナス支給実績がない」
ボーナスなしの会社の特徴4つ目は「ボーナス支給実績のない会社」です。
会社の採用ページや説明会資料に「ボーナス(賞与)実績」が書かれていない場合は、ボーナス支給がない可能性が高いです。就活生に売り込む材料としてボーナス支給実績は欠かせないものです。
嘘をつくわけにもいきませんから、そんな重要な要素であるボーナス支給実績をサイトや説明資料に書かないというのは、ボーナスがない証拠と言えるでしょう。
ボーナスなしの特徴5「基本給が高額」
ボーナスなしの会社の特徴5つ目は「基本給が高額の会社」です。一般的な会社の初任給は、20万〜25万円程度と言われています。そんな中いきなり初任給で30万円もの高額な給料をもらえる会社の場合、ボーナスがない会社の可能性があります。よほどの大企業でもない限り初任給が30万円近くになることは滅多にあり得ません。
基本給が高額に設定されている会社はボーナスをカットし、ボーナスに当てるはずの金額を毎月の給料に分散しているので、毎月の給料が高くなるという仕組みです。
ボーナスがない理由
ボーナスがない会社は、なぜボーナスを出さないのでしょうか?ここからはいくつかのケースに分けて、ボーナスがない理由を解説していきます。
もともとボーナス分を毎月の給与に組み込んであるから
年俸制や基本給の高い会社は、ボーナス分の金額をもともと組み込んでいる場合が多いです。一般的には、ボーナスは月給の2ヶ月分です。
ボーナスが支給される企業では、ボーナスを月給の4ヶ月分だと計算し、年収を12ヶ月+4ヶ月の16ヶ月で割って、月給+年2回のボーナスとして配分します。
しかし、年収が高く設定されている企業では、年収を12ヶ月分で割り、月給が設定されます。ボーナスが支給されない代わりに、月給が高いため金銭面での心配は低くなるでしょう。
インセンティブが出る
ボーナスの代わりに、インセンティブ制度を設けている企業もあります。特にベンチャー企業に多いです。
インセンティブは、個人の実績によって賞与が出る制度です。つまり結果を出した人だけがもらえる賞与ということです。
反対にボーナスは、会社の業績によって個人の金額が決定する上に、支給される時期も決まっています。
インセンティブ制度は、個人の仕事の成果によって賞与の金額が決まるため、実力が評価される機会が増えます。そのためモチベーションに繋がりやすいという特徴があります。
インセンティブ制度を設けている企業では、一律のボーナスがない代わりに、成果を出した分だけ賞与がもらえるインセンティブ制度を導入しているところも。
成果を出せる人はモチベーションが上がっていいですが、成果が出せない人は給与に直結するため、精神的に追い詰められる可能性も。自分に合った給与形態の企業を選ぶことが大切です。
経営(景気)状況が悪いから
「前までボーナスを支給していたのに急にボーナスがなくなった!」それは会社の経営状況または景気が悪くなったからでしょう。ボーナスというのは、会社の経営状況がよくないともらえないので割り切りましょう。
ボーナスがない場合の影響
これまでボーナスがない会社の特徴を説明してきましたが、ボーナスがないと人生にどんな影響があるのでしょうか?ボーナスがある会社とない会社で比較してみましょう。
年収に差が生じる
同じ手取り20万円の方でも、ボーナスの有無で年収に100万円近い差が生じることがあります。
例えば給料2ヶ月分のボーナスがもらえる会社だと、年2回で80万円の差。給料3ヶ月分のボーナスがもらえる場合、120万円の差が生じます。
もちろんボーナス金額は毎月の給料が増えれば増えるほど上がるので、将来さらに年収の差がつくことになります。
出費が重なる長期休みにお金の余裕が生まれる
ボーナスがもらえる夏と冬は、ちょうど夏休みと冬休みが重なりますよね。夏休みは旅行、冬休みはクリスマスや年末とお金を使うシーンが多くあります。
そんな時期にボーナスがもらえると、お金に余裕ができて嬉しいですよね。もちろんボーナスをとっておくことで貯金に回すこともできますし、ローンに充てることもできます。
ボーナスなしで毎月同じ給料をもらうだけだと貯蓄面で厳しくなってくるため、この点ではボーナスありの会社の方が得することになります。
金額の大きな買い物がしづらい
車や家電など数十万〜数百万円の買い物をする際、ボーナスがあるとないとでは、気持ちに大きな差が生まれますよね。
ローンを組む際は「ボーナス利用月」というボーナスのある月にいつもより多く支払うことができる制度があるので、やはりボーナスがあった方が何かと便利であると言えます。
ボーナスなしの会社を選ばないための対処法
先述しましたが、社会人全員がボーナスをもらえる訳ではありません。ここからは、ボーナスなしの会社を選ばないための対処法をお伝えします。
ボーナスの有無を人事部に確認する
求人広告に「ボーナスが何ヶ月分か書かれていない」「ボーナスの有無がわからない」ボーナスの有無やその金額は、入社前に人事部に直接確認しましょう。
人事部にボーナスを尋ねるのは「お金のことばかり考えている人だ」「条件面ばかり気にする人だ」「条件で企業を選んでいる人」と思われるのではないか、と心配になってしまうかもしれません。
ですが、面接で給与面を尋ねるのは問題ありません。重要なのは聞き方です。「賞与はいくらですか?」と食い気味に効いてしまうと、「条件ばかり気にしている人」という悪い印象を与えかねません。
企業側から給与の話があった場合にはそのタイミングで、「参考程度に、過去の賞与について詳しく伺いたいです。」のように前置きをした上で聞くのがいいでしょう。
さらに、給与の話がない場合には、求職者から尋ねても問題ありません。「年間の給与の目安はどれくらいになりますか?」のようにざっくりとした聞き方をして、後ほど月給からボーナスを計算するのがおすすめです。
\転職活動で給与を聞くコツ/
転職サイトや口コミで情報収集をする
人事部に直接問い合わせることができない場合は、転職サイトや転職の口コミサイトで情報収集をするのも手です。転職サイトでは、推定年収の欄をチェックし、それが本当に合っているのかを口コミサイトで確認すると、より正確な情報が手に入るでしょう。
ただし、インターネットの情報は誰でも書き込める分信憑性が低く、実際とは異なる情報が載っていることも多数。インターネットの情報を鵜呑みにせず、実際に企業の人事部に問い合わせる方が確実な情報を得られます。
ボーナスなしの会社を選んでしまったら
ボーナスがない会社でも、上述の通り様々な形態があります。もともとボーナス分の金額を毎月の給料に分配している会社もあれば、ただただボーナスが出ない会社もあります。
ここからは、ボーナスがないと困るあなたに読んでほしい項目が続きますのでぜひ注目してください。
ボーナスなしで所得を向上させるには
これまでボーナスの有無による人生への影響を解説してきましたが、この記事を読んでいる方の中にはすでに手遅れだよと思う方がいるでしょう。
「内定先がボーナスなしの会社だった」「入社してからボーナスがないことに気付いた」そんなあなたに、ボーナスなしで所得を向上させる方法をご紹介します。決して法には触れない健全な方法ですので、ぜひ最後までご覧ください。
副業をはじめる
ボーナスがないということは、収入源が毎月1回の給与のみということになります。さらに収入を増やしたければ、副業をはじめてみてはいかがでしょうか?
近年、働き方改革によって、「定時の後は副業に充ててよい」という考えの会社が増えてきています。おすすめは在宅でできる作業です。
ライターやパッキング、仕分けなどが良いでしょう。体を動かす肉体労働は定時後、または休日に行う副業としては健康面から考えておすすめできません。
資産運用をはじめる
この記事を読んでいるあなたは、資産運用という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
貯蓄や投資といった、ただお金を貯めるだけではない、お金を貯めて増やしていく経済活動になります。資産運用と聞くと「難しそう」「怪しそう」といったイメージを持ちがちですが、意外ととっつきやすいのです。
資産運用は主に、安定性に優れた貯蓄(ローリスクローリターン)と利益を産むことに特化した投資(ハイリスクハイリターン)があります。
あなたが一度聞いたことがある名前を出すと、積立金や財形貯蓄といったものが貯蓄、株式投資が投資の部類に入ります。
現在お勤めの会社ではボーナスもでない、副業もできないという方はぜひ資産運用に力を入れてみてください。
ボーナスなしで給与を上げるには?
成果主義の会社に転職する
先ほど会社によって給与体系が異なると言いましたが、会社によっては成果を出せば出すほど、給料が増える成果主義の会社があります。
インセンティブとも呼ばれ、基本給にプラスして数十%給料が上乗せされる場合もあれば、完全歩合制のように、成果がでたら高額な給与が、成果を出せなければ低い給与になる会社もあります。
不動産や保険会社、医療機器業界や広告業界などの営業職は、インセンティブ制度を取り入れている会社が多いです。いずれにせよ、ボーナスに期待できないのであれば、自分の力で稼ぐのが1番早いですよね。
役職につける会社に転職する
日本のほとんどの企業が年功序列で、年齢を重ねないと役職に就くことができません。そのため、若いうちは優秀で実力があっても、給料が上がらないということもしばしば。
若くても裁量を与えられ、役職につけるチャンスがある企業もあります。若いうちから役職が与えられる企業で働くことで、高年収を期待できます。ただし、役職による責任や仕事量だけを与えて給料は変わらないという企業もあります。役職だけで企業を選ばないように注意しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?ボーナスの有無は生活面に大きな影響を与えます。
ボーナスがあるとないのとでは、入社して2年で年収100〜200万円は差がついてしまうので、ボーナスの存在はなかなか侮れません。就活生のあなたは会社選びの軸の1つに「ボーナスがある会社」を加えてみても良いでしょう。
もしも現在の会社にボーナスがないことに困っているのであれば、我慢してそのまま働き続けるか、副業、資産運用、転職等、能動的に動くかのどちらかになるでしょう。
もちろんボーナスがなくても基本給が高い、年俸制というシステムをとっている会社もあります。一度しかない人生、あなたの心のままに生きてみてはいかがでしょうか。