気持ちを切り替えることを難しいと考える人も多いのではないでしょうか。上司や同僚から指摘されても、すぐに気持ちを切り替えてしまえば「反省していないのではないか」と受け取られる可能性もあります。では、気持ちを切り替えることはどうして必要とされているのでしょうか。この記事では、気持ちを切り替える重要性とメリット、その方法を解説します。
目次
気持ちの切り替え、どうして必要なの?
仕事やプライベートなど、あらゆる環境のなかで自分らしく生活していると、どうしてもミスを起こしたり失敗を招いたり、ときには人との衝突を招いてしまったりと、予想外の出来事が起きることも少なくありません。当然、予想外の出来事ですから、未然に予測することはできず、自分にとっても大きなストレスとなる場合があります。しかし、いつまでもトラブルや当時の気持ちを引きずっていても、なにも解決しません。人生は有限です。生まれた以上はいつかどこかで死を迎えます。それなのに、気持ちを切り替えずいつまでもクヨクヨと落ち込んでばかりいては、楽しめるはずの時間をも費やすことになります。また、どんよりした空気は周囲にも強く影響します。仕事で注意されたことをいつまでも引きずっていれば同僚や上司に重苦しい空気を引きずらせ、集中力の欠如や周囲の人も沈んだ気持ちになってしまいます。そういった事象をすべて考慮し、気持ちの切り替えは人生において非常に重要なことだと考えられます。
気持ちの切り替えがうまくできない人の特徴
うまく気持ちの切り替えができない人は、どのような特徴を持ち合わせているのでしょうか。特徴すべてが悪い効果をもたらすわけではないものの、実際に気持ちの切り替えを妨げている可能性がありますから、まずは自分にどのような項目が当てはまるかをチェックしていきましょう。
「すべき」「でなければならない」と考えてしまう
気持ちを切り替えられない人の多くは、自分の思考において非常に強い理想を持っている傾向にあります。たとえば、「●●すべき」や「●●でなければならない」など、自分に課せる目標へのこだわりが強いなどです。本来なら3日後までに終わらせれば良いタスクでも、自分が引き受けたことによって「早めに終わらせた方が上司も喜ぶはず。なら、今は多少無理をすべき」などです。こういった自分への目標管理が人よりも高くあることで、自分を苦しめていることに気づけなかったり、無理がたたって無気力を生んでしまったりします。また、「すべき」「でなければならない」と考えてしまう人ほど完璧主義とも言えます。完璧主義な人は自分のことを顧みずにひたむきに努力する傾向にありますから、気持ちの切り替えを妨げている原因と考えられます。
諦めることができない
気持ちが切り替えられない人は、ひとつのことに執着しやすく、諦めが悪いといった傾向にあります。自分なりのこだわりが強く、またそのこだわりに人一倍自信を持っていることから、指摘されたり注意されたりすると、深く落ち込んでしまい引きずりがちです。生きていれば失敗はつきものです。また、そんな失敗を経てあらゆることを知り、学んでいきます。そうとはわかっていても、自分のこだわりが強いからこそ、うまく気持ちを切り替えられないでいるのです。
溜め込む癖がある
気持ちの切り替えができない人は自分自身に溜め込んでしまうといった傾向もあります。人に打ち明けることができず、どんどん自分のなかに溜め込み、いつしか爆発して無気力を招いてしまうのです。あらゆる人に相談し、多くの意見を取り込むことで新しい糸口が見つけられるのに、「自分のことを話しても迷惑なだけだろう」と悲観視することから、相談できずにいるのです。
ネガティブ
気持ちが切り替えられない人はネガティブな思考を持っていると考えられます。いつまでも引きずりやすく落ち込みやすいといった傾向は、ネガティブな思考、つまり悲観的な思考が隣にあるからです。悲観的な思考はひとつの些細なミスでも大きく捉えてしまい、自分を追い込んでしまいます。深く考えれば考えるほど自分を追い込み、今までの努力すら否定したくなってしまいます。そういったネガティブな思考も、気持ちを切り替える妨げになっている可能性があります。
気持ちを切り替えることで得られるメリット
気持ちを切り替えることで得られるメリットとはどういったことがあるのでしょうか。気持ちを切り替えることでメリットが得られるなら、率先して導入したいと考えられるはず。ここでは気持ちを切り替えることで得られる具体的なメリットについて3つ解説します。
気分が前向きになり、人間関係が穏やかになる
気持ちを切り替えられると、些細なことで落ち込んだり引きずったりする時間が少なくなります。その結果、気分が前向きになり、いつでも明るい気持ちで仕事に取り掛かることができます。そういったクリーンな気持ちは周囲にも良い影響を与えるため、いつまでも引きずっていたときと比べ、明らかに職場の空気感も良いものへと変化します。
生産性がアップする
「覆水盆に返らず」ということわざがあるように、なってしまったことに対していつまでもクヨクヨと考えていても、結果を覆すことはできません。そのような思考は自分を追い詰める原因となるため、作業効率も低下してしまいます。気持ちが切り替えられるようになると、目前のことに集中しやすくなり、作業効率、生産性ともにアップすると考えられます。
新しいことにチャレンジしたいと思える
ネガティブな思考がいつも自分の隣にいると、いつまでも新しいことにチャレンジできず、向上心や好奇心までも削ぎ落としてしまいます。「失敗を経験しても、それは自分の経験値となりスキルになる」と気持ちを切り替えられるようになると、失敗を恐れることなく新しいことにチャレンジしたいと思えるようになります。その結果、生産性もアップし、自分のスキルアップにもつながるのです。
今すぐ取り入れるべき 気持ちの切り替え方
気持ちを切り替えられるようにするためには、どのようなアクションを起こせば良いのでしょうか。今日からできる方法として6つの方法を解説します。
体を動かす
心と体どちらにも効果的な方法として、体を動かすといった方法があります。汗をかくことで体内からデトックスができ、また汗をかいたことで熟睡できるようにもなります。つまり、体を動かすことは、全身に効果的な改善を図ることができるのです。体を動かしている間は余計な事を考えずに済むため、強制的に心をリセットできます。いつまでもクヨクヨと悩んでいる環境から抜け出したい、速やかに気持ちを切り替えたいと考える人は、率先して体を動かす習慣を設けると良いでしょう。体を動かすといっても、無理な運動ではなく、簡単なランニングや自宅でできるストレッチなども効果的です。
親しい人と話す・出掛ける
自分の気持ちがうまく切り替えられず「このままでは絶対に良くない」と気付いているのであれば、気の知れた人とある時間を過ごしてみるのも効果的です。家族や親戚、甥っ子や姪っ子など、大人も子供も関係なく、身近な人と話したり出掛けたりする時間を作ってみましょう。時間が経過するごとに、いろんなことを話し合い、どういったことで悩んでいるのか、どういった毎日を過ごしているのかが垣間見えてきます。そうした時間を意識的に取り入れることで、自分だけの感情に押しつぶされることもなく、あらゆる視点から自分の立場を考えられるようになります。また、話す時間を設けることで深く悩んでいたことから無理矢理遠ざけることもできますから、自宅に帰ったときには冷静に考え直すこともできます。できることであれば電話やLINEなどではなく、会って表情を見て会話しましょう。そうすることで、自分の表情に気を配りながら話すことができます。
質の良い睡眠を心掛ける
良質な睡眠が取れていなければ、気持ちも滅入りやすく体調不良を引き起こしかねません。気持ちの切り替えを目的とする場合は、寝具を新しいものに交換したり、洗濯や日当たりの良い場所に干したりして、心地良く眠れる環境作りを徹底しましょう。脳をしっかり休めるためには質の良い睡眠が欠かせません。長期間敷きっぱなしにしていた布団などは一度天日干しをしたり、パリッとしたシーツなどを敷いたりして、サラサラで心地良い睡眠を取り入れましょう。
心地よいバスタイムを設ける
気持ちの切り替えをしっかり行いたい場合は、心身共に深くリラックスできるバスタイムも効果的です。好きな香りの入浴剤を取り入れたり、アロマキャンドルを焚いたりして入浴するのも良いでしょう。リラックスできる最適な温度は40℃前後と言われていますから、少しぬるめのお湯にじっくりと浸かり、半身浴すると効果的。また、香りも自分好みのものを取り入れることで、飽きずにのんびり浸かることができますから、入浴剤の香りにもこだわりましょう。あまり長くお風呂に浸かれない場合は、発汗作用のある入浴剤を選びましょう。15分ほど浸かっているだけで徐々に汗をかくことができるため、体内のデトックス効果を得ることもできます。
本・映画・音楽を楽しむ
気持ちを切り替える方法としてはほかにも本や映画、音楽を楽しむといった方法もあります。現在ではスマホやタブレットなどで簡単に本が読める電子書籍などもありますから、夕食のあとやバスタイムなどで簡単に読むことができます。本屋に出かけるのも良いでしょう。本屋がおすすめする本を手に取って読んでみたり、インスピレーションが働いた本を手に取って読んでみたりするのも気持ちの切り替えには効果的です。他にも映画や音楽もおすすめです。何度見ても感動する映画やストレス発散ができるアクション映画なども、視聴後の気分がすっきりと晴れるため効果的です。音楽においても、現在ではあらゆるサブスクリプションサービスがありますから、自分の好きなアーティストだけを集めてプレイリストを作ったり、気分の上がるものだけを集めたりしても良いでしょう。
日記を付ける
日頃自分が行っていることを、簡単に日記にまとめるのもおすすめです。気持ちの切り替えとどういうつながりがあるのかというと、日記を付けて日頃の努力を客観視することで、いつでも簡単に自分の頑張りに触れることができるからです。つまり、毎日忙しくしていても、日記を開くだけで自分の努力に触れ、褒めることができるということ。自分の頑張りは自分が一番よく知っています。他人に評価されなくても、自分が頑張ったと思えば頑張っているのです。そんな日々の積み重ねを日記によって振り返ることで、クヨクヨする必要がないことに気づけます。そのうえ、「明日も明日なりに頑張ろう」と気持ちが前向きになりやすいのです。日記を付ける習慣がない人や、わざわざ手帳を買うつもりがないといった場合は、スマホなどにあるメモ帳機能や日記アプリなどを導入し、簡潔に毎日の振り返りを行いましょう。そうすることで、寝る前の5分で一日を振り返ることができ、またいつでも日々の積み上げを実感できるようになり、簡単に気持ちを切り替えられるようになります。
まとめ
いつまでもクヨクヨした気持ちを引きずっていれば、自分だけでなくあらゆる人へ悪影響を及ぼしてしまいます。しかし、上手に気持ちを切り替えられるようになれば生産性アップにもつながり、同僚や上司との人間関係も健やかなものへと変えてくれます。どことなく気持ちが不穏な空気に苛まれたときには、本記事で紹介した方法を取り入れ、これからのあなたの考え方を前向きになるよう意識的に行動しましょう。一週間でも続けると、気持ちが前向きになったことにより想像以上に心が軽くなったことに気付くはず。そして、今までの自分は想像以上に考えすぎていたことを認識するはずです。この記事を通じて、これからのあなたがバイタリティに溢れ、楽しいと実感できる人生を送れることを祈っています。