就職活動や転職活動をしていると求人広告で「給料:固定給○○万円」と目にしたことはありませんか?
固定給と聞いて最初に「毎月どれだけ働いても貰える給料が同じ」と思い浮かぶ方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に求人票に固定給と記載されていたとしても支給される給料は、一定ではないケースが多いです。
今回は固定給制を導入している会社に就職してから後悔しないように、固定給について詳しく解説します。
この記事を読んで分かることは、以下のとおりです。
・固定給とは
・固定給のメリットデメリット
・固定給と歩合制や基本給の違い
・固定給でも賞与や残業代が貰えるのか
目次
固定給とは
固定給とは、貰える金額が変動しない給料のことです。
そのため、固定給は月単位の給料だけを意味するのではなく、時給や日給などの時間や日単位で給料が決まっている場合もあります。
毎月安定して貰える給料が固定給なので、給料のアップを考えているのであれば残業などの毎月変動する給料項目を上げるのではなく、固定給を上げることが大切です。
とくに、月給制を用いている会社で働いている場合は、固定給の中に含まれている「基本給」を上げていきましょう。
基本給とは、賞与や残業代の支給額を決めるためのベースとなる金額です。なので、基本給を上げることで年収アップに繋がります。
固定給に含まれる給料とは
毎月変動しない固定給に含まれている給料の種類を解説します。
固定給に含まれる給料は、以下のとおりです。
・本給(基本給)
・仕事給(基本給)
・役職手当
・その他各種手当
固定給のメインとなる「本給」
固定給の一部である「本給」は、毎年必ず上がる基本給です。
この「本給」は毎年上昇する給料なので、勤続年数に応じて上がっていきます。
毎年上昇する金額は、会社側が勝手に決めてよいものではなく、ある程度の金額は法律上で定められています。
そして、定められた金額を軸に役職や勤続年数、会社に対しての貢献度を総合して昇給額が確定するのです。
評価に応じて変動する「仕事給」
基本給の内訳としてもう一つあるのが「仕事給」です。「仕事給」は年に2〜3回程度社員の能力や実績を評価し調整されます。
「仕事給」は社員のグレードが高くなればなるほど、給料の変動幅が大きくなる傾向があります。
なぜなら、グレードが低い新人社員では実績を出すことが難しいため、他社員との大きな格差を付けないようにするためです。
また管理職などの役職を持つほどのグレードであれば、実績や評価に応じて、大幅に給料が変動するので、社員のやる気アップに繋がる給料項目と言えるでしょう。
まとめると、基本給は「本給」と「仕事給」の二つを合計した金額です。
先ほども説明したように、毎年の賞与と残業代のベースとされるのが基本給なので、基本給が少しでも変動すると年収に大きく影響されます。
そのため、年収アップを目指しているのであれば、基本給を上げることが一番の近道と言えるでしょう。
役職者のみが貰える「役職手当」
役職者のみが支給される「役職手当」も固定給の一部です。
役職に応じて変動はしますが、毎月変動する項目ではないので固定給の一部としてカウントされます。
「役職手当」とは、役職者として昇格し責任感のある仕事を任せられるようになると、会社から毎月貰えるようになります。
役職者で知っておくべきポイントは、重役と言われる役職者は時間外労働手当が付かないことです。
具体的には、労働基準法の「管理監督者」としてみなされる役職者のことを指します。
「管理監督者」には以下の条件があります。
(1) 重要な職務と権限が与えられていること
(2) 出退勤について管理を受けないこと
(3) 賃金面で、その地位に相応しい待遇がなされていること
引用:人事のミカタ(https://partners.en-japan.com/qanda/desc_304)
このように会社の中でも重要な権限が与えられ、会社の経営に直接携わっているような役職者は、一般的な社員または管理職とは給料形態が異なるので注意が必要です。
その他各種手当
会社から支給される固定給の中には、さまざまな手当が含まれています。
固定給に含まれる手当とは、基本給の他に毎月一定の決まった金額が支払われる給料のことです。先ほどの「役職手当」もこの手当の1つです。
各種手当は会社ごとに支給される項目が変わるので、一概に「○○手当が固定給の一部です」とは言えません。
紛らわしいですが、「時間外労働手当」のように毎月変動する手当ては、固定給としてカウントされないので注意が必要です。
自分が貰える手当が気になる人は、自分が勤めている会社に確認しておくと良いでしょ
う。
また、会社によっては手当てではなく、基本給の中に別途で含んでいるところもあります。
そのため、受け取れるはずの手当が、毎月の給料に記載されていない場合も合わせて会社に確認すると良いです。
多くの会社で導入されている手当は、このようになっています。
手当の名称 | 詳細 |
住宅手当 | 会社に勤めている社員の住宅費用を一部会社が負担するためにある手当です。会社によって受け取れる金額は変わります。また賃貸住宅か戸建てなのかでも受け取れる金額が変動するケースも多いです。 |
皆勤手当 | 皆勤手当とは、働いている社員が一定の期間遅刻や欠席がない場合に支給される手当です。皆勤手当は、採用することで社員の仕事に対するモチベーションアップがアップのために導入している企業が多いです。 |
家族手当 | 家族手当とは、結婚しているか社員を対象に支給している手当です。社員に配偶者や子供がいる場合に、養っている家族の人数に応じて生活費を一部会社が支援してくれます。 |
資格手当 | 資格手当とは、仕事に活かせる資格を取得することで会社から毎月支給される手当のことです。基本的には、資格の難易度に応じて資格手当で貰える金額が上がります。 |
地域手当 | 地域手当とは、特定の地域に勤務していることで会社から支給される手当です。接客業など地方と都心で仕事の忙しさが変わる職種によくある手当で、場所によって不平等が生まれないように手当を支給しています。 |
休んだら固定給は減る?
結論から言うと、一日でも欠勤をすると固定給から減額がされます。
なので、長期間の欠勤をした月は固定給があったとしても、貰える給料は少ないです。
また、遅刻や早退だとしても基本給から勤務しなかった時間分が引かれます。
他にも、電車の遅延や自然災害で遅刻や欠勤した場合に関しても、会社側が給料をその分引いても法律上問題ありません。
欠勤・遅刻・早退で会社側と従業員側どちらにも非がない場合に関しては、会社側の判断になりますので会社側の判断に委ねましょう。
自己都合で休んだとしても有給休暇を使用する場合は、固定給から減額されることはありません。固定給を引かれたくなければ、有給を使いたいと会社側に頼んでみるのも良いです。
固定給の決め方とは
固定給は、「基本給」「毎月一定額支給される各種手当」の合計金額となります。
そのため、仕事で実績を出すことができたり、自分の能力が評価されたりすると基本給が上がりやすくなります。
また、毎月どのくらいの手当が支給されるかによって「毎月一定額支給される各種手当」の金額が変わります。
そのため、固定給を上げたければ仕事で実績を出して会社から評価されることと、受け取れる手当ができる限り多い企業に勤めることが大切です。
固定給の種類
固定給の種類は必ずしも基本給などの月給制の種類だけではありません。
固定給の種類は以下のとおりです。
・時給制:1時間当たりの給料が決まっていることから固定給とみなされます。
・日給制:1日当たりの給料が決まっていることから固定給とみなされます。
・週給制:1週間当たりの給料が決まっていることから固定給とみなされます。
・年俸制:1年当たりの給料が決まっていることから固定給とみなされます。
上記のように、ある一定の期間での給料が決まっている場合も、固定給としてみなされるので、覚えておきましょう。
固定給のメリット
固定給のメリットは、安定した給料だということです。
どんなに仕事でミスをしたり実績を思うように出すことができなかったりしても、責任のある役職者でない場合は、大きく変動することなく毎月ほぼ一定の固定給を貰うことができます。
また、夏季休暇や冬期休暇、ゴールデンウイークなどの会社が設けている長期休暇があったとしても、減額されずに支給されるのもメリットの1つです。
固定給のデメリット
固定給のデメリットは、働いている従業員のモチベーションが低下してしまう可能性があることです。
固定給とは、個人の実績が良くても大きく変動することはありません。
そのため、働いている社員からすると、どんなに頑張っても給料が変動しないので、モチベーションが下がってしまう可能性があります。
固定給と違う意味の給料制度
固定給とは真逆の意味を持つ給料制度もあります。それが「歩合制」「完全歩合制」です。
「歩合制」「完全歩合制」とは、簡単に説明すると仕事の成果に応じて貰える金額が大きく変わる給料制度です。
仕事で成果が出せる人は、安定している固定給よりも「完全歩合制」を選ぶ人も多くいます。
こちらでは、「歩合制」「完全歩合制」について固定給との違いを詳しく解説します。
歩合制とは
歩合制とは、仕事の成果に応じて支給される給料のことです。原則、歩合制は固定給があって別途支給される給料となります。
しかし、いくら実績重視の給料制度だとしても、「労働基準法」により、最低賃金以上の給料は必ず支給する必要があります。
また、歩合制を導入している企業の目的は、従業員に仕事のモチベーションを上げてもらうことです。
固定給のみの会社であれば、どんなに頑張っても給料が大きく変動するケースは少ないですが、歩合制であれば実績が直接給料に関係します。
そのため、先輩後輩関係なく実績を出している社員ほど、給料が高いという現象が社内でおきるでしょう。
完全歩合制とは
完全歩合制とは、固定給が給料の中に入っていなく、歩合のみで支給される給料形態のことです。
固定給が給料の中に含まれていないため、最低賃金の給料が保障されていないのが特徴となります。
つまり、どんなに頑張って働いたとしても、実績が出なければ給料は一銭も支給されないということです。
この完全歩合制は、最低賃金の支給がなくても「労働基準法」では問題はありません。なぜなら、主に個人事業主での働き方になるからです。
会社に属して働くような働き方では「完全歩合制」は導入されることはありません。
固定給制でも残業代はもらえる?
固定給制でも残業代は支給されます。
固定給とは、あくまで毎月一定額の決まった給料項目のことで、残業代は別で変動給として支給されるので安心してください。
しかし、見込み残業のように最初から一定金額の残業代が固定給の中に含まれている場合もあるので、自分が勤めている会社の就業規則から確認しておきましょう。
固定給制でも賞与はもらえる?
固定給制だとしても、残業代と同じように賞与も受け取ることができます。
しかし、賞与に関しては会社の方針や雇用形態によって支給されない可能性があるので、会社の労働条件通知書や就業規則を確認しておきましょう。
固定給についてのまとめ
今回は、固定給についてまとめました。
固定給とは、「基本給」と「毎月一定額支給される各種手当」を足した金額のことを言います。
そして、「基本給」には本給・仕事給があります。
・本給:毎年上がる基本給の一部で、勤続年数に応じて上昇する傾向がある項目
・仕事給:基本給の一部で、仕事での評価や実績を参考に、毎年2~3回ほど見直しされる項目
また「毎月一定額支給される各種手当」の主な種類は、以下のとおりです。
・住宅手当:会社に勤めている社員の住宅費用を一部会社が負担するためにある手当
・皆勤手当:働いている社員が一定の期間遅刻や欠席がない場合に支給される手当
・家族手当:結婚しているか社員を対象に支給している手当
・資格手当:仕事に活かせる資格を取得することで会社から毎月支給される手当
・地域手当:特定の地域に勤務していることで会社から支給される手当
固定給に含まれる手当は、会社ごとに違うので、詳しく知りたい場合は就業規則を確認してみましょう。
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