これまでの経験や培ってきた能力を活かして、クリエイティブ関係の企業へ転職を希望する方も多いでしょう。クリエイティブな企業へ転職をする場合、履歴書と同義でもあるポートフォリオが重要になります。この記事では、ポートフォリオの詳しい内容や、作り方、採用担当者が見ている部分について解説します。今後の転職活動がより有利に働くようしっかりとチェックしましょう。
目次
ポートフォリオとは?
ポートフォリオと一口に言っても、その意味は職種によってさまざま。具体的には3つの業種によって異なります。
職種 | ポートフォリオの内容 |
金融系・投資系 | 投資家が保有する金融商品一覧を指し示す言葉 分散投資を目的とした金融資産の組み合わせをひとまとめにしたものを指す |
教師などの教育系 | 教師などが担当する生徒それぞれの成長記録をまとめたものを指す 試験での成績や日々の活動レポート、学校生活で撮影された写真や動画などを記録するために使われる |
クリエイター系 | クリエイターの制作物をまとめたものを指す クリエイターの履歴書のより細かくしたものでもある |
この記事では、クリエイター系にまつわるポートフォリオをテーマに考えていきます。
ポートフォリオが転職に大切な理由
ポートフォリオがクリエイティブ関係の企業にとって、どれだけ重要かを考えたことがありますか?上述したように、クリエイターの履歴書とも言えるポートフォリオは、ほかにも自身の経歴やスキル、能力を言葉で説明するよりもわかりやすくアピールするための資料とも言えます。どんなことができるのかを志望動機や面接時に伝えようとしても、うまくまとめられずにただ思いついたことを話していては、採用担当者も大切な部分を聞き取ることが困難です。また、あらゆる経験、スキル、能力を保有する場合、決められた時間内にアピールすることも困難です。ほかにも、ポートフォリオの中見に触れることで、応募者の人となりに触れることもできます。作品やスキル取得までに得た経験や失敗などに触れることで、どんな人であるかを知る材料ともなり得ます。そういった背景から、ポートフォリオという存在は応募者の魅力やスキル、人柄を判断しやすくするプレゼン資料とも言えるのです。
採用担当者はどこを見ている?ポートフォリオにおける5つのポイント
ポートフォリオについて理解が深まったところで、次は採用担当者は、ポートフォリオのどこにフォーカスしているのかについて学んでいきましょう。採用担当者はどこを見るのか押さえておくことで、面接時の自己PRがよりスムーズに進められ、入社後のビジョンをより明確にイメージさせることができます。
どれくらいの期間で制作されたものか
採用担当者は、ポートフォリオから
- いつ
- どこで
- なにを
- なぜ
- どのように
といった5W1H基準で判断していきます。5W1HとはWebライターなど文章を書く人が記事を作成するなどと言った場合に意識する項目です。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- なにを(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
といったそれぞれの頭文字を取って5W1Hと呼ばれています。ポートフォリオの内容も、この5W1Hをベースに作成することで、入社後どのような働き方ができるのか、どういったメリットが企業に起こるのかなどを総合的に判断します。
5W1H | ポートフォリオに記載すべき内容 |
いつ(When) | 制作物についてはそれぞれ案件別で制作期間を書きます。短期の案件であればアウトプットに用いた期間やスピードなど、長期案件である場合には、どういった業界に通ずる内容であるか、豊富な知識や経験があるかなどについてチェックしています。 |
どこで(Where) | 案件ごとに、何人で行ったのか、どういったポジションで行われたのかについて書きましょう。案件の規模によっては、ご自身のポジションをアピールするきっかけとなります。 |
誰が(Who) | 自分の役回りなどについて書きましょう。「誰が」の項目は、「どこで」の項目と合わせて書くことで、分かりやすくアピールできます。 |
なにを(What) | 制作物を作成するにあたって、どういったツールを用いたかについて書きましょう。PhotoshopやCanvaなどのツールも、どれくらいの期間使ってきたのか、どれくらいまで理解しているのかなどを明確にすることが大切です。 |
なぜ(Why) | 制作物を作成するにあたって、ご自身が何を担当し、どうして栄作物を作るに至ったか経緯について書きましょう。 |
どのように(How) | 制作物がどういった成果・実績につながったのかを書きましょう。受賞したことや、給与がアップしたこと、役職が上がったなど、細かく書いていくことが大切です。 |
転職活動者必見!採用に近づくポートフォリオの作り方
転職活動とは何社も応募し、面接を経て入社となります。何度も同じようなポートフォリオを提示していても、企業にマッチする人材であるかを判断できなければ採用へと結びつけることは難しいでしょう。ここでは採用に近づけるポートフォリオの作り方について解説します。
経験してきた案件をあぶり出す
まずはこれまでに経験してきた案件をあぶり出してみましょう。先ほどもお話ししたように、クリエイティブ関係であっても、求める人材やスキルなどは企業によって異なるため、それぞれの企業にマッチする人材であるようポートフォリオも差別化を図ることが重要です。ご自身が自慢できるスキルだとしても、企業によってはあまり使わないであろう補欠ポジションだったスキルが優遇されることもあります。パズルのピースのように、企業のカラーに合わせて自分の経歴や案件、スキルなどをあてはめて作成しましょう。
読みやすくわかりやすい構成を作成する
自分の話しやすいようにポートフォリオを作っても、採用担当者が内容を理解し、入社後のイメージに結び付けられなければ全く意味がありません。そうならないよう、ポートフォリオの作り方も、構成を練って作成することが大切です。
ポートフォリオの構成例 | |
表紙 | ポートフォリオの表紙にデザインの決まりはありません。自分をアピールできるデザインや、制作物の内容に合わせたデザインを用いて、統一感を出すと良いでしょう。 |
自己紹介 | これまでの経歴や制作物を作成するにあたって使用したツール、その他保有スキルや能力について1ページほどでまとめましょう。 |
実績紹介 | 案件、制作物ひとつに対して1〜2ページを使って説明します。画像や箇条書きなどを用いて説明文をまとめることで、内容が読みやすく受け止めやすくなります。 |
紙とWeb、どちらがマスト?
紙のポートフォリオとWebサイトを使ったポートフォリオ。どちらかを選ぶ必要はあるのでしょうか。結論からいうとどちらも多分に活用できることから、両方作っておくことをおすすめします。というのも、Web上で企業へ応募した際、「あらかじめ制作物として提示できるものはありますか?」と問われることがあります。この場合、紙のポートフォリオのみでは、プリンターからスキャンしなければならないなど、スムーズに提出することができません。そういったときのために、Webサイトを使ったポートフォリオも有効です。また、Webサイトのポートフォリオのみであっても、面接時など、直接採用担当者と会う場合は不向きです。紙のポートフォリオはご自身をプレゼンするための資料ともなり得ますから、柔軟に対応できるよう、どちらも用意しておくことをおすすめします。
ポートフォリオ作成における注意点
ポートフォリオを作るにあたって、いくつかの注意点を理解しておきましょう。
制作物所有者へポートフォリオ掲載可能かを確認する
どれだけ自身が携わってきた制作物であっても、その著作権は依頼主である企業や個人に帰属していることがほとんどです。そのため、制作物の産みの親であっても、現在所有する企業や個人へ「自分の実績としてポートフォリオ内に掲載しても問題ないか」について確認しましょう。なかには案件依頼を受けた際に、工程や作業内容、関わった人に関しては口外しないといった約束を取り交わしているケースもあります。あとあとあなたが知らないうちに契約違反を犯さないためにも、ポートフォリオ掲載に関する可否を確認しましょう。
Webサイトを使ったポートフォリオの注意点
Webサイトを使ったポートフォリオの場合だと、お互いにコンタクトが取れる環境でなければ提示することができません。転職エージェントなど、転職活動を主とするサイトを利用していればリンク共有はスムーズに行えますが、基本的には連絡を取り合うツールがなければ困難です。Web上にポートフォリオがある場合には、どういった内容であるか、具体的な内容を提示したうえで、こちらのメールアドレスを伝えましょう。
面接時、ポートフォリオを使ってアピールする4つの方法
採用担当者へポートフォリオを使ってアピールする場合に取り入れるべきポイントについて解説します。各項目を意識してポートフォリオを作成し、プレゼンできるようになれば採用までのチャンスをぐっと近づけることができます。ポートフォリオの作り方に悩んでいる人も、採用の可能性を高めたい人も、しっかりとチェックしていきましょう。
ポートフォリオの内容をしっかりと把握する
これまでに説明してきたポートフォリオの作成手順を踏まえても、実際に完成したものに目を通さなければピンポイントで採用担当者に魅力を伝えることは困難です。採用担当者に「なにについて話していたの?」といった印象を与えないよう、ポートフォリオが完成したら、実際にプリントアウトしたり、Web上で確認したりして内容について問題ないか確認してみましょう。
- 一方的なアプローチ内容になっていないか
- 企業の求める人材であるかを伝えられているか
- 面接時、どういったプレゼンを行うことでポートフォリオが引き立つか
など実際に起こりうる可能性を考慮して、細かく確認していきましょう。
プレゼンに必要な時間を考慮する
ポートフォリオの内容が充実していても面接時間はあらかじめ決められています。そういった分け与えられた限りある時間のなかで、どれだけポートフォリオを有効的に活用できるかを考えなければなりません。そういった意味でも、プレゼンに必要な時間をあらかじめ設定し、そのなかでどのような質問が来ても対応できるよう、質問内容の洗い出しと、回答例をいくつか作っておくと良いでしょう。面接のイメージトレーニングを重ねることで、適切に自身をアピールできるようになります。
オンライン面接の場合は画面共有の許可を得よう
コロナ禍といった世界情勢から、オンライン面接を実施する企業も少なくありません。オンライン面接の場合は紙のポートフォリオでもWebサイトを使ったポートフォリオも共有可能にはなりますが、事前にいくつか注意したい項目があります。紙のポートフォリオの場合であれば、パソコン内部に印刷前のデータが収納・すぐ出せる状態であるか、紙・Webサイトどちらのポートフォリオに共通する注意点として画面共有が可能か確認することが大切です。面接における資料の提出やポートフォリオの提出を促された場合にすぐ対応できるよう、あらかじめオンライン面接での画面共有可否について確認を取っておきましょう。
まとめ
クリエイティブ関係の仕事に就いてきた方にとって、ポートフォリオは履歴書の細分化が行われた貴重なプレゼン資料です。ついアピールしたいことばかりが先行して作成しがちですが、企業の求める人材であるか、企業が求めるスキルを持っているかを応募する企業それぞれで作成することが重要です。また、ポートフォリオは見やすいだけでなく、プレゼン資料として活かせるよう、時系列にまとめておくことも大切です。あらゆるポイントを本記事でしっかりと掴み、採用につながるポートフォリオを作成してくださいね。
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