近年、正社員以外にも様々な働き方が増えてきましたよね。派遣社員、契約社員、アルバイトなど、それぞれの働き方に特徴があって給与の形態も変わります。この記事では契約社員の働き方が気になるあなたへ向けて、給与形態やメリット、デメリットを解説していきます。記事の後半では契約社員が給与を上げる方法も解説しているので、これから契約社員を目指そうとしている方はもちろん、現在契約社員として働いている方も必見です。
目次
契約社員の給与形態
契約社員の給与形態は以下の4種類があります。
・時給
・日給
・月給
・日給月給制
上記の4種の中だと”日給月給制”という言葉はあまり聞き馴染みがないですよね。上から順に解説していきます。
時給
時給制は1時間〇〇円という金額が決まっており、働いた時間に応じて給与が支払われます。派遣社員やアルバイトの経験のある方であれば馴染みがありますよね。労働基準法により、8時間を超える時間外労働や、深夜労働では1.25倍の時給になるよう、どの会社でも定められています。
時給制のメリット
時給制は働いた分の支払いがきっちりとされます。会社によって1分単位、30分単位とばらつきはありますが、勤務時間が8時間を超えると、超過して働いた分賃金が1.25倍になるのも嬉しいポイントです。残業時間同様に、深夜(22時〜29時)、休日に働くと賃金が1.25倍になります。これは労働基準法で定められているため、どの会社でも1.25倍になります。
時給制のデメリット
月給制と比較して、月毎に給与のバラ付きがあります。働いた分だけ賃金がもらえるため、土日祝日に休むと賃金は発生しませんし、他の月より2、3日短い2月は他の月よりも収入が減ります。
日給
日給制は日雇いの仕事に多い給与形態で、1日12,000円など、固定額が支払われます。大会やコンサートなどのイベントスタッフの経験がある方は日給を貰ったことがあるかもしれませんね。
日給制のメリット
日給制は1日の労働に対し固定額をもらえるので、仕事が早く終わっても満額もらうことができます。
日給制のデメリット
メリットで述べたことの逆で、どれだけ残業しても固定額しかもらえません。ただ日給の場合は残業代も加味して、少し高めの給与設定になっていることが多いです。
月給
あなたが正社員や契約社員であれば、私の会社は月給制だと思う方も多いでしょう。実はそういった会社のほとんどは、後述する日給月給制を採用しています。では月給制と日給月給制の違いは何かというと、遅刻、早退、欠勤がどれだけあっても固定額を支払うというのが月給制です。企業側からすると負担が大きいですよね。
対して日給月給制は、働いていない時間分の給料を減額することができます。「ノーワーク・ノーペイ」とも呼ばれ、遅刻、早退、欠勤した分、給料が減額されるのです。
月給制のメリット
毎月固定額が貰えるため、労働者側からすると遅刻、早退、欠勤をしても減給されません。31日まである月も、28日までしかない2月も、同じ金額を受け取ることができます。
月給制のデメリット
毎月固定額なので、残業が多かったり、深夜業務をしても、割増手当(1.25倍)が適用されず固定額しか貰えません。ただ多少は残業を見越して、その分の金額を月給に組み込んでいるケースもあります。
日給月給制
前述したように、月給制とされている会社のほとんどが日給月給制です。契約社員の多くは、この日給月給制に則って給料をもらっています。「ノーワーク・ノーペイ」の原則に基づき、遅刻、早退、欠勤など、働いていない時間分の給料が減額されます。
日給月給制のメリット
働いていない時間分減給されると説明しましたが、会社が休日と定めている日は関係ありません。あくまで労働日に限った話です。
時給制のように、残業、深夜作業、休日出勤に対しても給料が支払われますし、休日が多い5月や、28日しかない2月も、全ての月に共通して同じ金額がもらえます。
日給月給制のデメリット
これといったデメリットは特にありません。各給与形態の良いとこどりをしているからです。
契約社員の給与平均は23万円
女性求人サイト「とらばーゆ」によるアンケートの結果、女性契約社員の平均年収は275.5万円です。これを12ヶ月で割ると約23万円となります。ボーナスなしの単純計算で約23万円ですので、仮にボーナスが支給されるとすれば、毎月の給料はもう少し下がります。
契約社員の時給はどれくらい?
ボーナスなし、業種によるバラ付きがあることを前提として、時給1,437円となります。
上記の項で説明した毎月の給与平均23万円を、月に20日働くとして割り算してみましょう。1日あたり11,500円となります。8時間働くと仮定して1日あたりの給料を8で割ってみましょう。すると1時間あたり1,437円という計算になります。
もしも勤務時間が8時間よりも少なければ、時給はもう少し高くなります。
契約社員の定義
会社によって契約社員の概念は異なりますが、基本的には「雇用期間を定めている社員」と定義されます。会社によって契約社員、準社員、有期雇用社員など、呼ばれ方は様々ですが、いずれの場合でも雇用期間が決められていることが特徴です。雇用期間の上限は3年で、契約満了を期に、契約延長か契約終了か企業と相談することになります。後述しますが、同じ勤務先で5年働くことで無期雇用への転換も可能です。
派遣社員との違いは「契約相手」
契約社員と派遣社員の違いは契約する相手です。契約社員は就業先の企業と直接雇用関係を結びますが、派遣社員は派遣元会社と雇用契約を結ぶのです。いずれも雇用期間の定められている契約ですが、契約を解消されたら、一から職を探さなければいけない契約社員に対し、派遣社員は、派遣元が新たな契約先を探してくれます。
一方でキャリアビジョンが明確な方は契約社員がおすすめです。というのも契約社員の方が幅広い業務に携わることができたり、正社員になれる可能性があるからです。5年間同じ勤務先で働くことで無期雇用への転換を申し出ることができます。これを5年ルールと呼び、この申し出があれば企業は正社員として契約を結ぶことになります。
正社員との違いは「雇用期間」
正社員は一度採用されれば定年まで契約が続く無期雇用です。一方で契約社員は有期雇用となっており、上限が3年です。契約期間中に実績を残したり、ポテンシャルを発揮することができれば契約延長となりますが、目立った成果がなければ契約を終了されてしまいます。前述のように契約が延長され、計5年間同じ職場で働くことで、無期雇用を申し出ることができます。その申し出が受理されれば正社員雇用契約を結ぶことができます。クレジットカードや賃貸契約の審査をはじめとする社会的信用、収入面で正社員の方がメリットは多いですが、仕事の責任が重くのしかかります。その反面、契約社員として働くと勤務時間に融通が効くので、プライベートを充実させながら働くことができ、その気になれば正社員雇用の契約を結ぶことができます。
h4:契約社員とアルバイトの違いは勤務時間
契約社員もアルバイトも有期雇用なのは共通していますが、アルバイトの方が勤務時間が短く、仕事の責任が軽いことが特徴です。また日給月給制であることが多い契約社員に対し、アルバイトは時給制です。働いた時間分しか給与がもらえないため、毎月の給料にバラ付きがあります。
契約社員として働くメリット
ここからは契約社員として働くメリットを解説していきます。契約社員になろうか悩んでいる人は必見です。
基本的に副業可能
契約社員は基本的に副業することができます。正社員雇用契約を結んでいると、健康上の問題や情報漏洩の関係から副業が禁止されることが多いです。しかし契約社員は正社員よりも労働時間が短い傾向がある上、責任の重い仕事はある程度経験を積んだ人にしか振られません。副業が認められているため、空いた時間で副収入を得ることができます。
残業や転勤がない
契約社員は基本的に残業・転勤・休日出勤がありません。定時上がりができる上、時短勤務も選択できるのでプライベートを充実させることができます。育児や介護など、仕事とプライベートの両立を重要視したい人にはおすすめです。
少額だがボーナスが出る
会社によってボーナス支給の有無が異なりますが、契約社員でもボーナスがもらえることがあります。正社員ほどの額はもらえませんが、多少のボーナスをもらうことは可能です。
契約社員として働くデメリット
契約社員として働くのであれば、デメリットを把握しておくことをおすすめします。ここで解説するデメリットは3点です。
いつ雇用契約を切られるかわからない
契約社員は有期雇用なので随時契約を更新していく必要があります。5年ルールを用いるなどして、無期雇用が受理されるまではいつ契約を切られてもおかしくありません。特に3ヶ月や半年などの短いスパンでの更新は、人が足りなくなった場合に緊急の人手を必要としたケースが多く、契約が更新されず職を失ってしまうかもしれません。安定した収入を得ることができないことから、社会的信用が正社員よりも低く、クレジットカードの作成や賃貸契約、ショッピングローンなどの審査で不利になることもあります。
基本的に退職金はない
正社員であれば退職金がもらえますが、基本的に契約社員には退職金が与えられません。勤続年数にもよりますが、正社員であれば数十〜数百万円の退職金がもらえるところを、契約社員だと1円ももらうことができないのです。採用されるまでの過程で、退職金の有無について聞いておくと後からトラブルを防ぐことができます。
労働時間によっては社会保険の加入が義務付けられる
社会保険とは、健康保険と年金保険がセットになったものです。メリットとしては年金の額が増える、会社が一部保険料を負担してくれる点です。デメリットは手取り額が減ってしまうことと、ある程度の稼ぎがないと負担が増えることです。
契約社員は1ヶ月の所定労働日数と、1週間の所定労働時間が、同じ会社で働く正社員の4分の3以上であれば社会保険への加入が義務付けられます。またボーナス、残業代を除き、月額の賃金が8.8万円を超えるかつ、年収が106万を超えてしまう場合も社会保険加入が義務付けられます。
契約社員が給料を上げる方法
従来では契約社員が給料を上げるのは難しいとされていました。しかし同一賃金同一労働法の施行により、契約社員でも給料が上がりやすくなりました。ここからは契約社員が給料を上げる方法を解説していきます。
契約更新のタイミングで交渉する
契約社員が給料をあげるにはタイミングが重要です。何もないただの平日に給料を上げてくださいと頼み込んでも、拒否される可能性が高いです。そこで契約更新のタイミングを見計らいましょう。自分はこれまでどれだけの実績を積み上げて、どう貢献してきたのか、アピールポイントをまとめて契約元企業の担当者に伝えてみましょう。交渉が成功すれば、契約更新後の給料が上がっているはずです。
正社員雇用契約を結ぶ
5年間同じ勤務先で働くことで無期雇用、正社員雇用を申し出ることができる5年ルールを用いて、正社員になることで給料は上がります。基本給の向上だけでなく、会社によっては残業代、ボーナス、退職金を全て支給される可能性があるので、大幅な昇給が見込めます。
契約条件のよい企業への転職
もしも昇給交渉に失敗してしまったら契約更新が2年後で、とてもそれまで待てないという方は、より契約条件のよい企業へ転職するのもありです。
平均給料の高い業務
業務内容別に平均給料を見てみると、下記のようになります。
1位:管理業務(管理職)599.9万円
2位:専門・技術職(弁護士、医療従事者、エンジニア)448.0万円
3位:販売業務(接客、レジ打ち)333.0万円
東京都労働産業局より引用
契約社員で管理職に就くことは相当難易度が高いですが、現場で後輩を指揮したり、フォローをしている姿が評価されることで、管理職になるケースはあります。
また専門的な知識、スキルを要する専門・技術職も次いで給料が高いです。
まとめ
いかがだったでしょうか?契約社員は雇用期間の定めがあることが一番の特徴です。いつ雇用契約が終了するかわからず、社会的信用度が低いというデメリットはありますが、仕事とプライベートの両立、副業に力を入れたい人は契約社員がおすすめです。同じ勤務先で5年間働くと、5年ルールといって、無期雇用契約を申し出ることができ、安定した収入を得ることができるので、契約社員は選択の自由度が高いと言えます。正社員にこだわらずに生きていける時代ですので、ぜひあなたにあった働き方を探してみてください。
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