30代も半ばとなり、このままでいいのか?スキルアップのために転職をしたい…と思う人も少なくありません。ある程度社会人としての経験を積んだので、キャリアアップを目指したり、新しく職場環境を変えたいと誰でも一度は考えることです。しかし、35歳という年齢の問題があります。『35歳転職限界説』や『35歳の壁』など聞いたことあるし、実際のところどうなの?と思うでしょう。そこでこの記事では、35歳の転職が難しいと言われている理由や転職活動でしてはいけないNGな行動などをご紹介していきたいと思います。転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
35歳で転職はもう手遅れ?
35歳の転職は全然手遅れではありません。新しい事にチャレンジすることに年齢制限はないです。しかし現実的には難しいかもしれません。35歳の転職を成功させる秘訣があり、きちんと理解をして実践することで転職成功率が上がるでしょう。後ほど、35歳の転職でとってはいけないNGな行動をご紹介していきたいと思います。その前に転職成功者の年齢割合を見ていきましょう。
『転職成功者の年齢割合』
『転職成功者の年齢割合』を2021年と2020年とで比較してみるとこのようになりました。
25〜29歳の割合が1.7%上がり、それ以下は全て下がりました。
25〜29歳の割合が増加した要因は、2020年に新型コロナウイルスの影響で求人をストップしていた会社が新卒採用や中途採用の活動を再開したことが考えられます。
2021年 | 2020年 | |
24歳以下 | 9.2% | 9.4% |
25~29歳 | 40.5% | 38.8% |
30~34歳 | 23.3% | 23.4% |
35~39歳 | 12.5% | 12.8% |
40歳以上 | 14.6% | 15.5% |
【参考】DODA:転職成功者の平均年齢調査
https://doda.jp/guide/age/#movingPosition09
35歳女性が転職した理由
厚生労働省が発表している令和3年の上半期雇用動向調査結果の概要で『35歳女性が前職の会社を辞めた理由』が数値化されていました。主な理由は以下の通りです。
24.9%の「その他個人的な理由」が圧倒的に多く、その次に9.7%の「出産・育児」、9.5%の「会社の将来が不安」、9.4%の「職場の人間関係」が上位でした。
また女性の「出産・育児」で退職した欄をみると35〜39歳が一番多いことがわかりました。これは女性の社会進出や晩婚化、高年齢出産が影響していると言えるでしょう。
*仕事の内容に興味を持てなかった:2.1%
*能力・個性・資格を生かせなかった:7.9%
*職場の人間関係が好ましくなかった:9.4%
*会社の将来が不安だった:9.5%
*給料等収入が少なかった:6.1%
*労働時間、休日等の労働条件が悪かった:6.6%
*結婚:0.7%
*出産・育児 :9.7%
*介護・看護:0.0%
*その他の個人的理由:24.9%
*その他の理由
→定年・契約期間の満了:10.6%
→会社都合:4.2%
→その他の理由(出向等を含む):8.2%
30代後半の転職成功者の賃金の変化
また35〜39歳の転職成功者の転職後の賃金の変化についても見ていきましょう。
2021年上半期と2020年上半期の1年間で増減の差はありますが、毎年「増加」または「変わらない」の方が多いので、賃金面では安心と言えるでしょう。
1割以上の増加 | 1割未満の増加 | 変わらない | 1割未満の減少 | 1割以上の減少 | |
2021年上半期 | 23.7% | 14.3% | 33.4% | 9.2% | 18.3% |
2020年上半期 | 27.8% | 11.5% | 28.7% | 5.9% | 25.6% |
【参考】厚生労働省:令和3年上半期雇用動向調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-1/dl/kekka_gaiyo-04.pdf
35歳の転職が難しい理由とは?
『35歳転職限界説』によって求人が少ない
先ほどの転職成功者の年齢割合でも分かるように20歳後半〜30歳前半が6割を占めており、35歳になると12.5%とガクンと下がっていました。その理由として言えるのは『35歳転職限界説』があるからです。みなさん1度は聞いたことがありますでしょうか。最近では高齢社会などからその説は崩壊、薄れつつあるとも言われていますが、実はまだ根強く残っている会社がほとんどです。なので35歳を過ぎると一気に求人が減ってしまいます。
35歳以上となると、年下が上司となり、気遣いや言葉遣いで衝突するケースや社内の年齢的なバランスから、採用を遠ざける企業も多くあります。実際の求人情報に【30代前半まで】と記載している会社は少なくありません。35歳で転職活動を開始する人は事前に把握しておきましょう。
年齢や職歴に合ったスキルが求められる
35歳の転職となると年齢や職歴に合ったスキルが求められます。スキルとは「能力」や「資格」のことです。今まで自分がどのようなポジションでどのような仕事をしていたかを考えて、希望する会社でどのように活かすことができる能力かを具体的に説明する必要があります。特に35歳にもなると自己分析をしっかり行うことが重要です。希望する会社が求める人物像に合わせたスキルや実績をアピールすることも可能です。
また、入社を志望する会社の情報収集は必須で、多くの会社の採用面接で「なぜ当社を選んだのか」という質問がされます。きちんと答えることができるように会社のことをしっかり理解しておきましょう。もし自己分析や企業研究を怠り、給与や待遇が良いからといって転職してしまうと、労働環境が悪く、残業続きで精神的にやられる可能性があります。何度も転職ができる20代とは異なり、転職成功率が低い35歳の場合は、きちんと会社の情報収集を徹底する必要があります。
35歳の転職でとってはいけないNGな行動
前職の会社を退職してから転職活動を始めること
今の会社に在職しながら転職活動をするのは大変だから、会社を退職して転職活動だけに専念しようと思うかもしれません。しかし、それはNGな行動です。先が決まっていない状況で退職するのはやめましょう。特に不況が予想される時期や将来の見通しが立たない時期は避けましょう。実際に新型コロナウイルスの影響で企業の採用が一時ストップしました。
突然、会社を退職し、収入がゼロの状況で転職先が決まらないと、精神的に追い詰められてしまう可能性が高いです。それこそゆとりのある転職活動をすることができなくなります。「早く転職しないと。」と焦った挙句、きちんと理解していない会社に急いで転職してしまうと入社後にミスマッチが生じてしまいます。なので、前職の会社を退職してから転職活動をするのはやめましょう。
1人で転職活動をする
1人で転職活動をするのはNGです。転職サイトやハローワーク、フリーペーパーなど自分探し、履歴書や職務経歴書の作成、企業研究、面接連絡など…1人でするには限界があります。いっぱいいっぱいになって精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。
そこで『転職エージェント』を利用してみましょう。転職エージェントは求職者と会社をマッチングさせるプロであり、転職エージェントには以下のサービスがあります。
*求職者が求める条件を明確化
*転職サイトなどに出回っていない、非公開求人の紹介
*業界や企業について、独自の情報を提供
*キャリアや市場価値をプロの視点で見定めてくれる
*求職者にマッチした企業紹介
*気兼ねなく悩み相談や質問ができる
*履歴書や職務経歴書の添削
*面接対策
*面接日程の調整
*給与や待遇面、入社時期などの交渉
*就職後のアフターフォロー
また転職エージェントは人材が採用された際に、会社から成功報酬を得ることができる形になっているので、転職者は無料で利用できます。
転職に必要なノウハウを教えてくれたり、転職活動を総合的にサポートしてくれます。しかし、転職エージェントにすべて任せきりにするのはやめましょう。担当者と合わないことや担当者によって業界の得意不得意があります。なので同時に2.3社の転職エージェントに登録をしながら、自分に合った転職エージェントを見極めていく必要がありますので注意しましょう。
なんとなく転職活動をしている
35歳の転職でNGな行動は、特にこれといった理由がなく転職活動をしていることです。「将来こういう事をしたい!」などの明確な将来のビジョンやキャリアプランを立てずに転職活動をしている人は要注意です。
何度も述べていますが、「とりあえず今の会社より給与が高いから。」という理由で転職先を決めて入社してしまうと、労働環境が悪く残業続きで精神的に疲れてしまう可能性が多いにあります。正しい職場選びをするためにもきちんとした転職理由を考える必要があります。今一度、自分が考えているキャリアプランやビジョンは何なのかを再認識し、転職活動で具体的に説明できるようにしておきましょう。
偉そうな発言や出しゃばった態度
これは、採用面接時や入社後になりますが、偉そうな発言や出しゃばった態度はNGな行動です。確かに35歳という社会人としていろんな経験が豊富であることは間違いないでしょう。しかしそれらを自慢げに語ったり、前職の会社はこうだったと比較するような発言は避けましょう。35歳で転職するということは、年下の上司がいる場合も多いにあります。前職の会社で部下を持っていたとしても転職先の会社では新人ですから「年下でも上司は上司」と割り切り、気遣いや言葉遣いに気をつけましょう。コミュニケーションを適度に取り、人間関係の構築に努めることが大切です。
35歳の転職を成功させる秘訣
事前に家族やパートナーに相談する
35歳といえば、結婚をして子どもがいる人や結婚を考えているパートナーがいる人もいるでしょう。また両親も若くなく、家族のサポートが必要になってきます。
35歳の転職を成功させる秘訣として、「家族やパートナーに相談する」ことです。子どもがいる場合は養っていかないといけませんし、結婚を考えている場合はこれから生活を共にするので、事後報告はトラブルの原因になります。転職を考えている初期段階から、家族やパートナーに相談しておきましょう。自分の将来やキャリアプランについてきちんと相談し、理解を得てから転職活動を開始しましょう。
経験がある業界・業種を中心に活動する
20代であれば未経験の業界・業種でも吸収力と素直さが買われ、ポテンシャル採用がされる可能性が高いです。
逆を言えば、35歳は今までの経験や実績、スキルをすぐに活かすことができる業界・業種であれば、即戦力として採用される可能性が高いということです。
このことから、35歳の転職で成功させる秘訣は、経験がある業界・業種を中心に活動することです。また、もし未経験の業界・業種に採用されたとしても、年収が今までより下がる場合がほとんどです。一方、経験がある業界・業種に採用されると早くから会社に貢献することができるので、キャリアアップが可能になります。年収が上がることも期待できます。
まとめ
今回は、35歳の転職が難しいと言われている理由や転職活動でしてはいけないNGな行動などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
35歳になると求人情報が一気に減り、転職が難しいのは事実でした。しかし、その事実をきちんと受け止め、難しい理由を理解し、成功に向けて行動することが重要であるとわかりました。転職活動でしてはいけないNGな行動や成功する秘訣をしっかり理解した後は、実践してみましょう。
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