転職に伴って引っ越しをする場合、どのくらいの費用を用意しておけば良いのでしょうか?この記事では引っ越しにかかる費用の相場や、最大限コストを減らす方法、トラブルを避けるために確認しておきたいことを解説しています。引越しの際に、絶対に損したくないという方はぜひ参考にしてください。
目次
転職に伴う引っ越し費用はどのくらいかかる?
転職に伴う引っ越し費用は自己負担なのか、会社負担なのか、単身者か、家族連れか、などの要素によってかなり変動します。数万円で収まる場合もあれば、数十万円かかってしまうこともあります。
引越しにかかる費用は会社負担?
答えは「会社による」です。引越し費用を全部負担してくれる会社もあれば、半額、一部負担、全額自己負担という会社もあります。会社説明会や採用面接の時に聞いておくことをおすすめします。もし直接聞きづらい場合はメールで質問したり、転職エージェントを利用している人は、転職エージェントに代わりに聞いてもらうのも良いでしょう。なお。以下のケースでは会社が引っ越し費用を出してくれることが多いです。
引っ越し費用を会社が出してくれるケース
中途採用面接に合格し、来月から転職先企業の東京オフィスで働くはずが、会社都合で別の勤務地へ変更になってしまった。このような場合は、会社側で引っ越し代を負担してくれるケースが多いです。
引っ越し費用が自己負担のケース
よく考えれば当たり前ですが、勤務地が遠方になることがわかっている場合、引っ越し費用は自己負担です。例えば東京在住の人が転職活動に成功して、勤務地が福岡の企業へ転職することになったとします。福岡で働くことが前提で選考に進んでいるので、普通に考えれば全額自己負担です。引っ越し手当等のある会社でない限り、引っ越しにかかる費用は自己負担になります。
家賃6ヶ月分確保しておくのがおすすめ
いずれの場合でも引っ越し先物件の家賃6ヶ月分のお金を用意しておくと安心です。引っ越し先の物件が家賃6万円であれば、6ヶ月分の36万円を用意しておくのです。というのも、引っ越し自体は家賃の4ヶ月〜5ヶ月程度のお金があれば可能ですが、突発的な出費が発生した時のために6ヶ月分用意しておくと対応ができるからです。
引っ越し費用の内訳
引っ越し1つとっても様々な出費が発生します。ここからは引っ越しに伴う出費の内訳を解説していきます。
初期費用(前家賃・敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料)
引っ越しにかかる費用として真っ先にあげられるのが、初期費用です。主に前家賃、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料の5つから構成されます。順番に解説していきます。
前家賃
前家賃は支払うタイミングが異なるだけで、世間一般的な”家賃”と同じものを指しています。前家賃は家賃1ヶ月分を目安として、入居する月の家賃を前払いで支払うのです。1月いっぱいで今の家を退去して、2月1日から入居するのであれば、2月分の家賃を前払いします。もちろん次に家賃が発生するのは3月分からなので、安心してください。「月初めではなく中旬から入居する場合は損してしまうのではないか」と思うかもしれませんが、日割り家賃という計算方法があり、損することはありません。入居する日付に合わせてその月の家賃は減額されます。ただ前家賃が発生する場合、次の月の家賃も前払いしなくてはならないケースが多々あります。初期費用を抑えたい人は月初めから入居できるよう契約を進めると良いでしょう。
敷金
敷金とは、契約を終えて部屋を退去するときにかかる原状回復費用に充てられるお金のことです。家賃1ヶ月分が目安ですが、原状回復にかかった費用が安ければその分差額が戻ってきますし、原状回復に要する費用が敷金を上回ってしまうと、差額を追加で払わなければなりません。部屋をどれだけ汚さず、傷をつけずに使えるかがポイントとなってきます。実は敷金が不要の物件も多く存在し、その分初期費用を抑えることができます。ただ上述のように、退去時にかかる原状回復費用を全額自己負担することになり、退去時にお金がかかるので注意しましょう。
礼金
礼金はその部屋を有する”大家”に対して払うお礼の気持ちを込めたお金です。家賃1ヶ月分が目安で、敷金と異なるのは、退去時にそのお金が返ってくることはないという点です。敷金同様、礼金が不要の物件も増えているため、初期費用を安く抑えたい人は礼金なし物件を探すと良いでしょう。
仲介手数料
仲介手数料は物件の案内や、契約の手続きを行った不動産会社に支払うお金です。家賃の50%〜100%(+消費税)が相場となっており、法律で上限が「家賃の1ヶ月分」と決まっているので、それ以上負担することはありません。物件紹介会社によっては、仲介手数料が不要というケースもあり、初期費用を抑えたい場合は仲介手数料無料の会社で契約の手続きを進めると良いでしょう。
火災保険料
火災保険料は火災、水漏れなどのトラブルに備えて加入する必要のある保険です。単身者で1万5千円、ファミリー世帯で2万円程度かかります。基本的に不動産屋が紹介する保険会社に入れば良いですが、個人で選んだ保険に加入しても問題ありません。ただ保険の加入は必須なので、加入証明を求められる可能性があります。
その他の初期費用
その他にかかる初期費用として”鍵交換費用”、”消毒費用”などがあります。どちらも相場は1万円〜2万円程度です。新築物件でない限りは、自分が引っ越す前に住んでいた人がいます。入居時に渡された鍵を退去時に返さなくてはいけませんが、鍵を複製していた場合、いつでもその家に入ることができてしまいます。前の居住者の住居侵入を防ぐために必要なのが「鍵交換費用」です。また前の居住者が使った部屋を丸ごと消毒するために必要な費用が「消毒料」です。実はどちらも必要ない場合は、初期費用から削ることができるので、希望する人は不動産屋に前もって言っておきましょう。
退去費用
引っ越しにかかるのは入居に必要な初期費用だけではありません。退去する場合にも出費が発生します。上記の”敷金”の項でも軽く触れましたが、退去時には部屋を入居した時の状態に戻す原状回復作業が必要となります。床や壁紙、設備の状況に応じて原状回復費用が決まります。この原状回復費用を退去費用と言います。入居時に敷金を払っていた場合は、その敷金から退去費用が差し引かれますが、退去費用が敷金よりも高かった場合は追加でお金を払わなければいけません。また、敷金不要の物件の場合、退去費用を全額負担することになるので、必ず覚えておきましょう。
最大限コストカットするためのポイント
ここからは引っ越しにかかる費用を最大限カットするためのポイントを解説していきます。転職に伴って引っ越す人はもちろん、普通に引っ越しを考えている人も参考になることばかりなので、ぜひ覚えておきましょう。
転職先に引っ越し手当、住宅手当、社員寮があるか確認する
転職に伴い引っ越しをする際、できるだけ出費を抑えるために下記のことを確認しておきましょう。
引っ越し手当の有無
転職先の企業の各種手当を調べてみましょう。その中に引越し手当があった場合は、どれくらいの費用を負担してくれるのか確認してみましょう。3割でも負担してくれるのであれば、かなり自己負担分が軽減されます。引越し費用が30万かかったとして、企業が3割負担してくれれば、自己負担額は21万円で済みます。この差は大きいですよね。
住宅手当の有無
住宅手当とは、毎月発生する家賃の補助金のことを指します。家賃6万円の家に住むとして、会社が月2万円の住宅手当を支給してくれたら実質家賃4万円になります。転職先企業に引っ越し手当はないが、住宅手当はあるという場合、その後の生活が少し楽になるので、住宅手当の有無は確認しておきましょう。
社員寮の有無
社員寮がある場合、通常の物件に引っ越すよりもかなりお得に入居することができます。敷金礼金、仲介手数料は不要ですし、最低限の家具がついている場合もあります。また家賃も1万円台〜4万円が相場のため、引っ越し後も出費を抑えることができます。門限があったり、人の連れ込みを禁止する場合があったりと、寮によって独自のルールがあるので、そちらを確認してから決めるようにしましょう。
同じ物件でも複数会社に問い合わせる
WEBサイトで物件を探していると、同じ物件を扱う会社が複数ある場合ってありますよね。希望する物件を扱う会社が複数存在するのであれば、全ての会社に初期費用はいくらか確認しましょう。その中で一番安い初期費用を提案してきた会社、または他社よりも安くしますという会社があれば、その会社と連絡を取り続けて契約まで進めましょう。この作業を相見積もりと呼び、引っ越しの費用を抑えるために必須の作業となります。全ての会社に確認するとは言っても、不動産のWEBサイトからボタン1つでメールを送れるので、そこまで大変な作業ではありません。
削れる費用はとことん削る
上述したように敷金礼金、鍵交換、消毒料金は削ることができます。またフリーレントと言って、前家賃が無料になるケースもあります。ただこれらの削れる費用の中にはリスクが付き纏うものもあるため、不動産屋と相談しながら削れるところはとことん削っていきましょう。初期費用で削れる費用は以下の通りです。
リスクはあるが削れる費用
・敷金
・鍵交換
・消毒
リスクなしで削れる費用
・礼金
・前家賃(フリーレント)
引っ越しのシーズン(3・4・9・10月)を避ける
新社会人が引っ越しをする3月・4月、人事異動が発表されて異動者が引っ越しをする9月・10月は避けておくのが無難です。引っ越し業者が高くなる他、値切り交渉が難しくなります。あなたがどれだけ値切ろうとしても、物件のオーナー(所有者・大家)に「他の人が値切らずに契約してくれるのでお断りします」と言われればそれまでです。これらの時期を外すことで、あなたと物件のオーナーの関係は逆転します。物件は住んでくれる人がいなければオーナーは赤字です。多少値切られても住んでくれる人がいればオーナーは黒字なので、値切り交渉がしやすくなります。
なるべく引っ越し業者は使わない
引っ越し先、荷物量にもよりますが、引っ越し業者を頼むと大きなコストがかかります。相場としては1万円台後半から7万円です。一方、レンタカー屋でバン1台を1日借りて自力で引っ越しをした場合、レンタカー代金1万円、ガソリン代5千円と、1万5千円で済みます。家族や友人に手伝ってもらい、お礼としてご飯をご馳走したとしても2万円はかからないですよね。
転居先の自治体の補助制度を確認する
転居先の自治体によっては引っ越しに伴う補助金が支給される場合があります。特に子育て世帯や新婚世帯、ひとり親世帯、高齢者、障害者世帯は補助金の対象になる可能性があります。必ず転居先の自治体ホームページへアクセスして、引っ越しに関する補助金(助成金)情報を調べておきましょう。
転職に伴い引っ越しする際のポイント
転職に伴って引っ越しをする際に抑えておきたい重要ポイントを解説していきます。これらを知っているのと、知らないのとでは大きな差がありますので、最後までチェックすることをおすすめします。
引っ越しより先に転職活動を終わらせる
大前提として、引越しより先に転職活動を終わらせておきましょう。同時並行でこなすのは時間的にも金銭的にも余裕がなく、おすすめしません。先に引っ越し作業を進めても、選考に通過しなければ引っ越す意味がありません。転職活動終了後に物件探しを始めるというのが引っ越しのセオリーです。
入居日から働き始めまで余裕を持たせておく
入居日と転職先で働き始める日は、1週間程度開けておくことをおすすめします。トラブルで入居日が遅れたり、ライフライン(電気・ガス・水道)の開通が間に合わないケースが予想されるからです。前の居住者の退去が後ろ倒しになって、あなたの入居日が後ろにずれ込むこともあります。
ライフライン(電気・ガス・水道)の手続きは念入りに
入居当日から電気・ガス・水道の3種のライフラインが使えるように手続きをしておきましょう。これらの手続きをどれか1つでも忘れていると、不便な思いをすることになります。
引っ越しに必要な手続き
現住所と、引っ越し先で行わなければならない手続きを時系列順にまとめました。
引っ越しが決定したら行う手続き
・会社の退職手続き
・賃貸物件の解約手続き
・駐車場の解約手続き(該当者のみ)
・引っ越し業者への手続き(該当者のみ)
・学校の転校手続き(該当者のみ)
引っ越し1ヶ月前から行う手続き
・インターネットの解約、契約手続き
・火災保険の住所変更手続き(該当者のみ)
引っ越し2週間〜1週間前に行う手続き
・転出届(県内の別自治体や県外へ引越しする場合)
・印鑑登録の住所変更(登録者のみ)
・国民年金の住所変更(該当者のみ)
・国民健康保険の住所変更(加入者のみ)
・検診補助券の交換(該当者のみ)
・児童手当(該当者のみ)
・保育園・幼稚園の転園手続き(該当者のみ)
・要介護・支援認定の住所変更(該当者のみ)
・ペットの登録事項変更(該当者のみ)
・ライフライン(電気ガス水道)の解約、契約手続き
・郵便局への住所変更手続き
・固定電話の変更手続き(該当者のみ)
・携帯電話の住所変更手続き
引っ越し当日に必要な手続き
・ガス・水道の停止立ち合い
・退去立ち合い
・電気・ガス・水道の使用開始、立ち合い
引っ越し翌日以降の手続き
・転入届(該当者のみ)
・マイナンバー住所変更
・転居届け(市内で引越しする場合)
・国民健康保険
・国民年金
・児童手当(該当者のみ)
・学校の転入手続き(該当者のみ)
・ペットの登録事項変更(該当者のみ)
・原付バイクの住所変更(該当者のみ)
・車庫証明(該当者のみ)
・免許証の住所変更(該当者のみ)
・自動車の住所変更(該当者のみ)
・本籍地変更(該当者のみ)
・クレジットカード、銀行口座の住所変更
まとめ
いかがだったでしょうか?転職に伴う引っ越し費用は、大体引っ越し先家賃の6ヶ月分を準備しておくと賄うことができます。また転職先企業の手当によっては、かなりお得に引っ越しをすることができるため、必ず確認しておきましょう。引っ越し費用をできるだけ安くするために、「手当の確認」「相見積もり」「不要な費用を削る作業」の3つは必ず行いましょう。転職先で良いスタートが切れるように、ライフライン(電気・ガス・水道)の開通手続きは入念に済ませ、新生活の準備をしておきましょう。
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