TOEICは「Test of English for International Communication」の略称で、国際コミュニケーション英語能力テストのことです。
日本で最も知名度の高い英語能力をはかるテストで、転職活動対策の一環として、TOEIC高スコアの取得にのぞむ社会人の方は多いでしょう。
グローバル化が進む日本において、今後、ビジネスパーソンにはどんどん語学力が求められることは明らかです。
語学力が求められる外資系企業やグローバル企業はもとより、これからは日本企業においても語学力は欠かせないスキルになります。
そのため、語学力を証明できるTOEICで高いスコアを取得していれば、履歴書に記載すると転職で有利になる可能性は高いです。
そこで、本記事では履歴書で有利にはたらくTOEICスコアや英語力をアピールできる記載方法を解説していきます。
目次
履歴書のTOEICスコアを記載すると有利になるのは本当?
少し古いデータにはなりますが、TOEICを運営している国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が2013年に実施した「上場企業における英語活用実態調査」によると、約75%の企業が英語を業務で使用、約60%の企業が雇用するにあたって、TOEICを参考にしていることがわかりました。
そのため、グローバル化がさらに進んだ現在では、さらに多くの企業で英語力が重視されているといえましょう。
さらに、外資系企業ではTOEICでハイスコアが応募条件となることも多いです。
もし、入社希望者がふたりいて、語学力以外のスキルや評価が同等なら、TOEICスコアが高いほうが優先されますよね?
そのため、履歴書に記載できるTOEICスコアを持っていれば、転職では有利になるといえるでしょう。
企業が履歴書で目安とするTOEICスコア
履歴書にTOEICスコアを記載できれば転職に有利になる、と一口にいっても、とりあえず記載すれば有利になるわけではありません。
希望する企業が求めている語学レベルを上回るスコアを取得していることが、記載できる条件です。
そのため、あまりに低いTOEICスコアを記載しても、「この人の英語力では業務を任せることは出来ないなぁ…」とマイナス評価になる可能性もあります。
TOEICスコアにかかわらず、「貿易事務経験1年以上」という条件が記載されていた場合、ポテンシャル採用もあるので一概には言えませんが、基本的には未経験の方は応募しませんよね。
そこで、どの程度のスコアを取得していれば履歴書に記載できるのか、その目安について紹介します。
英語を使う仕事でなければ600点以上
特に日常業務に英語を必要としない企業の場合、記載してもよい目安のスコアは600点以上です。この理由は、TOEICの平均点が600点くらいだからです。
600点以下ではマイナス評価にはならないものの、あなたのアピールにもなりません。
もし、TOEICスコアを記載しなければならない欄がある場合は、空欄で提出するのは避けた方が良いです。
その際には、低スコアであっても履歴書には記載し、引き続きスコアアップを目指して勉強を継続するという前向きな姿勢を見せましょう。
英語を使う仕事であれば750点以上
外資系企業などを希望する場合は、最低でも750点は必要です。
外資系企業や海外とのやり取りが発生する部署では、日常的に業務で英語を使用します。メールやミーティングの議事録、社内で使用するドキュメントがすべて英語であるため、日常会話以上の英語力がないと業務に支障が出るとみなされます。
日系企業であっても、グローバル化やダイバーシティが進んでおり、社内公用語に英語を採用している企業もあります。
その場合、あなたに求められる語学力は外資系企業・グローバル企業と同レベルと考えておいた方が賢明です。
さらに、他の応募者と差をつけたい場合は800〜850点以上を目指すのが良いでしょう。
履歴書には2年以内のTOEICスコアを記載しよう
TOEICスコアに有効期限はないので、いつ取得したものであっても記載して問題ありません。
ただ、転職活動で履歴書にTOEICスコアを記載して提出するのであれば、2年以内の点数を記載するのがおすすめです。
なぜなら、企業は現在のあなたの英語力を知りたいのです。
あまりに昔に取得した点数だと、「10年前に取得していたのはわかるけれど、今は英語使えるの?」と思ってしまう可能性もあります。
企業の中には「直近1年の取得スコアに限る」という条件を設定していることもあります。
そのため、応募条件を満たしていることを伝えたかったり、自分の強みとしてアピールしたかったりする場合は、定期的にTOEICを受験し、最新のスコアにしておきましょう。
履歴書へのTOEICスコアの書き方
ハイスコアを持っていても、正しく記載できていなければ採用担当者の印象は下がってしまいます。英語力以前に、「履歴書もきちんと書けないのか」と思われてしまうのはもったいないです。
ここでは、履歴書へのTOEICスコアの正しい書き方と注意点を紹介していきます。
資格の欄に書く
履歴書にTOEICスコアを記入する際は、資格の欄です。
年 | 月 | 免許・資格 |
2005 | 1 | 普通自動車第一免許 取得 |
2010 | 7 | 秘書技能検定2級 取得 |
2015 | 8 | 実用英語技能検定1級 取得 |
日付・テストの正式名称・スコアの順番で書く
履歴書に記載すべきTOEICスコアの内容は以下の3つです。
- 受験した日付
- テストの正式名称
- スコア
2022年2月 TOEIC Listening & Reading Test 800点 |
2022年2月 TOEIC Speaking & Writing Test 700点 |
平均点以下では書かない方が無難
TOEICスコアを持っていても、低いスコアなら書かないほうがよいのは、前述した通りです。企業がTOEICスコアを参考にするのは、高い英語力を持っている人を求めているからです。
そのため、TOEICスコアが500点以下など、平均よりも低いスコアならと記載しないほうよいでしょう。英語力がないと思われてしまい、マイナス評価になりかねません。
TOEICスコアをもっていなくても履歴書で英語力のアピールする方法
TOEICスコア以外にも、英語力をアピールできる資格や、留学などの海外経験という実績はあなたの強みになります。
TOEICスコアをもっていなくて受験が間に合わないという方や、TOEICスコアとかけ合わせでアピールしたいという方は、ぜひ記載しましょう。
続いては、日本で知名度の高い英語の資格や、英語力のアピールになるものをご紹介していきます。
実用英語技能検
実用英語技能検定は英検と呼ばれており、年3回実施される英語検定試験です。
日本の文部科学省が後援しているので信頼度の高い検定です。
高校や大学での入試で活用されるだけでなく、海外留学時、教員採用試験時に優遇されるなど、学生にメリットが多いのが特徴です。
もし、転職で英語を活用した仕事に就きたい場合は一般的に2級以上が求められています。
とはいえ、TOEICと比較すると、英検で取得した級について企業から言及されることはあまりありません。
TOEFL
TOEFLは「Test of English as a Foreign Language」の略称で、TOEIC同様に英語力をはかるためのテストです。TOEICとの違いは、TOEICがビジネスに特化、TOEFLはアカデミックに特化、という点です。
そのため、TOEFLは海外の大学入試などに活用されることが多いです。
ただ、転職活動に役に立たないかと言えば全くそんなことはありません。
120点満点中の85点以上を取得していれば、英語力は高く評価されますし、入社後のキャリアアップの強い武器になります。
Linguaskill Business
Linguaskill Businessはもともと「BULATS」というビジネス英語試験です。
日本ではまだ認知度が低いかもしれませんが、ビジネス英語力をはかるテストとして世界中で採用、日本企業においてもグローバル人材育成として人材の長所と短所の把握のために活用されています。もし、テストを受ける機会があった方は、B1レベル以上であれば記載して損はないでしょう。
留学経験
一般的に履歴書に記載する留学経験は、留学期間が1年以上の場合とされています。
語学留学と呼ばれるものは、正式には「留学」ではなく「語学研修」に分類されます。
そのため、学歴欄には、1年以上の期間にわたる「正規留学」「交換留学」を書くと良いでしょう。
ただ、自己PRとして記載したいのであれば、留学先でどのようなことを学び、何をスキルとして得て、今後の仕事にどう生かせるのかを具体的に記載してください。
企業はあなたの英語力を知りたいので、留学経験があるというだけでは、「それで英語はどの程度使えるの?」という疑問を抱かせてしまう可能性があります。
ワーキングホリデー経験
ワーキングホリデーを終えて就職活動をする方も多いので、履歴書に記載することで高評価につながることもあります。
留学経験同様に、どのような目的で渡航したのか、どのような経験をし、何を身につけたのかを記載することは、企業へアピールになるからです。
実務経験
英語力の証明としてTOEICやTOEFLといったスコアは大変有効ですが、あなたに英語を使った実務経験があれば、ぜひ自己PR欄に記載しましょう。
希望先の求人内容と今までのあなたの業務内容が類似していれば、即戦力になることをアピールできます。
海外の会社との電話対応やメール対応、会議資料や社内資料の翻訳業務など、英語の使用頻度や場面を具体的に伝えることで、採用担当者もあなたの活躍がイメージしやすくなります。
履歴書へTOEICスコアを記載するときの注意点
最後に、履歴書にTOEICスコアを記載するときに注意すべきポイントを2つ、ご紹介します。
採用基準に満たない場合は記載しない方が賢明
TOEICスコアが採用基準に設けられていない場合は、履歴書に記載するTOEICスコアは600点以上を目安としましょう。
平均点以下、もしくは同程度のスコアを書いても英語力のアピールにはなりません。
また、TOEICスコアが採用基準を下回っている場合は、仮に平均点以上であっても、やはり記載しない方が得策です。
ウソのスコアはNG
ウソのTOEICスコアを提示することは可能ですが、絶対にやめましょう。
企業によっては資格の証拠となる証明書の提出を求めることがありますし、入社後にTOEICの受験を課せられる場合もあります。
ウソはだいたいバレますし、経歴詐称として信頼を失うことになります。
転職を有利に進めたいがために虚偽のハイスコアを記載するのは絶対にNGです。
まとめ|履歴書でTOEICスコア以外の資格も取得して英語力をアピールしよう
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、履歴書に記載できるTOEICスコアや書き方、英語力のアピール方法をまとめてご紹介してきました。
本文中でもお伝えしましたが、TOEICスコアは、企業の採用基準がなければ600点以上が目安です。そのため、これから受験するという方も、TOEICスコアで英語力をアピールしたい人は、まずは600点以上を取ることを目標にしてください。
ただし、スピーキングとライティングに関しては、TOEIC で能力をはかることはできません。そのため、TOEICスコアが高いからといって、ビジネス英語が使えるわけではありません。
そこで、他の応募者と差をつけたい場合は、TOEFLなどの他の英語の資格や、どのような場面でどのくらい使えるのか、スピーキングとライティングのスキルについても具体的に説明出来るようにしましょう。
今回の記事を参考に、TOEICスコアや英語力を正しく履歴書に記載し、希望する企業に自分の能力をしっかりアピールしてくださいね。
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