転職活動などで提出する履歴書。これまでの職歴や経験、特技などを記載し、自分の魅力が企業とマッチしているかを判断してもらうための書類です。しかし、なかにはついペンが止まってしまうような、書きにくい項目もいくつか存在しています。ここではそんな書きにくい項目の1つとして、多くの人を悩ませる「性格欄」の書き方について紹介します。これまでの履歴書と違い、より魅力的な一枚に仕上げるコツとともに解説します。
目次
採用担当者がチェックしている履歴書のポイント
履歴書を通じて採用担当者が知りたいと考えていることは4つの項目です。
- 自分を客観的に把握できているか
- 業務に活かせる長所があるか
- 業務に支障のない短所であるか
- 企業との相性
これまでの職歴や経験などを把握するだけでなく、どのような人なのか、企業にとって業績や事業部内でもプラスに働く人材であるかなどをチェックしていると考えられます。そのため、性格欄ではどれだけ自分を把握しているか、そのうえで企業とのマッチ度を考慮し、どのようなアピールができているかなど、自分のなかで「自分像」を明確にしたうえで記入することが大前提です。
採用担当者も納得!履歴書の「性格」の書き方
どのような判断をしているかを知ることがポイント
採用担当者は履歴書からどういった判断をしているかを知ることが大前提です。なぜなら、採用担当者の意図とは関係のない内容を充実させても、
- 企業をリサーチできていない
- 自社でなくても良いのでは?
- 企業と応募者のマッチ度を考慮していない
- 待遇に魅力を感じているだけなのでは?
といったネガティブな印象を与え、書類選考の通過が困難になるからです。採用担当者は企業の顔として人材を発掘するプロ。採用担当の人材を把握する視点・思考が、企業にプラスとなるかマイナスとなるかを分けるのです。そういった背景を理解したうえで、以下の項目を意識しながら性格欄を埋めるよう心掛けましょう。
Q.自分の性格についてどのように把握しているか 真面目好奇心があるか意欲・積極性誠実さコミュニケーション能力責任感体力柔軟性 |
自分の性格について数種類チョイスすると性格欄を書きやすくなります。
具体例を盛り込む
履歴書に自分の性格について記入する場合、アピールにつながる項目は、以下の項目を意識したうえで記入することが大切です。
- 具体性を取り入れる
- 仕事につながるポイントを織り交ぜる
- 内容を充実させる
- 短所はポジティブな印象で返す
例えば、長所が「明るい」だったとしましょう。しかし、性格欄もある程度のスペースが設けられているため、「明るい」のひと言では余白ができ、内容が薄い履歴書となってしまいます。履歴書を作成する際に心掛けたいことは、性格をもとに具体性や仕事につながるポイントを織り交ぜること、そして履歴書の項目に内容の充実を心掛けることです。「明るい」のひと言では応募者のアピール内容として不足していますから、ここでもしっかり内容を充実させることを意識して記入することがポイントです。性格が「明るい」方の場合、以下のように記入することで、上記3つのポイントを取り込んだ性格欄を作成できます。
例)長所・短所 私の長所は明るい性格であることです。これまでの職歴でも常に笑顔でいること、どんなときでも笑顔を忘れないことを意識してきました。その結果、当時の上司や顧客からも評判が良く、「あの人がいることで商品の相談がしやすい」と仕事に良い影響をもたらし、結果、顧客からの相談・契約更新は名指しで指名されることが多くありました。ただ、明るさが裏目となり「しっかり考えていないのでは?」と捉えられることがありますが、メモを取ること、相手の目を見て耳を傾けること、最後まで話を伺うなどといった工夫を取り入れ、「明るさ」を持ち味としたうえで、丁寧な対応ができるよう心掛けています。 |
このように、明るさという性格ひとつを取っても、明るさという長所が
- どのようなメリットを生んだのか
- 短所はどのような工夫を持って対策したのか
などを盛り込むことで、性格に紐付く企業へのアピールが可能になります。また、具体性を取り入れることで、応募者であるあなたが性格を把握していること、そのうえで長所・短所をどのように活かせるかをイメージしやすくなります。つまり、性格欄は入社後の応募者の働き方をイメージさせる重要な項目なのです。これらを理解したうえで書き進めることで、これまでとはひと味違った、魅力的な履歴書が作成できるようになります。
応募企業につながる内容を盛り込む
例えば、上記の「明るさ」が長所だった場合の例文として上記に例を挙げました。この場合、明るさが長所であると受け止めた応募者は、コミュニケーションを円滑にするため常に笑顔でいることを心掛けたと話しています。つまり、これまでの職業に自分の長所を当てはめたことで結果を出してきたのです。例の場合は、商品に対する相談や契約更新を名指しで受けている背景から、営業職だったと理解できます。自分の長所や短所を理解することは、結果を出すための工夫を見つけ出すことと等しくあります。性格欄を書く際も、具体性だけでなく応募する企業とのマッチ度について意識して記入するよう努めましょう。
ガッカリされる履歴書の「性格」の書き方
どのような履歴書だとNGとなるのか、採用担当者がガッカリする履歴書の書き方について学んでいきましょう。自分自身の性格について洗い出すことと同じように、これまでの履歴書の欠点についても洗い出し、改善を図りましょう。
PREP法を取り入れていない
性格欄と一口に言っても、書き方によっては人柄が浮き彫りになる重要な項目です。上記の例文を見てみましょう。
例)長所・短所 私の長所は明るい性格であることです。これまでの職歴でも常に笑顔でいること、どんなときでも笑顔を忘れないことを意識してきました。その結果、当時の上司や顧客からも評判が良く、「あの人がいることで商品の相談がしやすい」と仕事に良い影響をもたらし、結果、顧客からの相談・契約更新は名指しで指名されることが多くありました。ただ、明るさが裏目となり「しっかり考えていないのでは?」と捉えられることがありますが、メモを取ること、相手の目を見て耳を傾けること、最後まで話を伺うなどといった工夫を取り入れ、「明るさ」を持ち味としたうえで、丁寧な対応ができるよう心掛けています。 |
この内容はある法則によってまとめられています。それがPREP法です。PREP法とは
Point | 結論・要点 |
Reason | 理由 |
Example | 具体例 |
Point | 結論・要点 |
と、それぞれの英単語の頭文字を取った総称です。PREP法はビジネスシーンでは好まれる文法で、「結果から述べられていることで内容が理解しやすい」といったメリットがあります。結果から述べることで、それまでのプロセスをイメージできるため、初対面の人にも過不足なく伝えられます。さらに、相手の記憶にも残りやすいといったメリットもあるため、採用担当者によるあなたへの印象も強く残せると言えます。これまでの性格欄をチェックしたら、一度PREP法にあてはめて書いてみると良いでしょう。
応募企業に関係のない内容を盛り込んでいる
自分をアピールしたい、または早く就職に就きたいといった理由から、応募企業とは関係のない内容を性格欄に書いていませんか?保有するスキルを取得するため、どのような事柄があったかを、性格を紹介するつもりで記入しても、企業にとって使用頻度の少ない資格について書き連ねても、採用担当者の心には響かないと考えられます。そういった点を考慮したうえでこれまでの履歴書について見直してみると、履歴書の改善点が速やかに見つけられます。
短所をネガティブに記載している
短所と聞くとどうしてもネガティブな印象を与えてしまいます。しかし、働きたい企業に応募したのに、ネガティブな印象をわざわざ与える必要はありません。短所について自分自身でネガティブに捉えているのなら、日常生活のなかで改善を図る努力を意識的に行いましょう。意識的に改善ができたときは、性格欄に長所と合わせて短所をポジティブに言い換えてアピールできるようになります。
乗り越えることが困難な短所を記載している
これまで短所を克服できるよう工夫を取り入れてきたけれど、なかなか改善されないといった内容の場合は、記載しないことが大切です。なぜなら、自分自身で改善できない短所を理解している場合、周囲に迷惑をかける可能性や、業務に支障をきたす可能性があるからです。自分自身の性格について自分自身でもデメリットと感じている場合は、正直に書くのは控えましょう。
自分の長所を見つける3つの方法
履歴書に性格を書こうと思っても、なかなか自分では見つけにくい場合もあります。「短所だけはたくさん理解しているけど、自分の長所ってなんだろう?」と、性格について疑問符が浮かぶ場合は、以下の3つのポイントから性格を洗い出してみましょう。
前職などで上司・先輩に言われたことを書く
これまでの職歴のなかで上司や先輩から受けたFB(フィードバック)があるのであれば、それらから自身の長所を洗い出すと良いでしょう。転職活動や就職活動では自己分析を行う機会があるかと思います。その際、自身の経験を洗い出すなかで、上司からのFBで嬉しかったこと、先輩からのFBで頑張ろうと思えたことなどを合わせて思い返してみましょう。これらのエピソードをメモ用紙などに簡潔にまとめることで、履歴書を作成する際に、考えながらではなく、洗い出したエピソードから記入することができます。自己分析のタイミングで長所を抽出しているため、どんな書類にも各エピソードが活かされ、悩むことなくスムーズに履歴書を作成できます。
前職の人と比べてみる
自身の長所を洗い出すには、前職で関わってきた人と自分を比べてみる方法も効果的です。他人と自分を比べてみることで、自分の短所だけでなく、長所までも把握できるようになります。また、短所が見つかったときも、どのように改善していくかが明確にしやすく、改善点を意識的に取り組めば、短所を把握したなかでどのような活動をしてきたのかをポジティブに紹介できるようになります。前職で同僚に対して思っていたことなどを振り返ってみることで、自分の長所に気付きやすくなります。
これまでの経歴から洗い出す
これまでの経歴から長所を洗い出す方法もおすすめです。職場で依頼されたプロジェクトや、携わってきた業務などから、自分の得意なものを思い返してみましょう。なぜ当時の上司は自分にプロジェクトを任せてくれたのか、なぜ、業務を任せてくれたのかを振り返って考えてみると、自分の長所に気づけるはずです。ただし、具体的な話をするばかりに意識が向いてしまうと、ダラダラとまとまりのない文章になってしまいます。採用担当者にどんな長所を伝えるべきか浮かばない場合は、まずはこれまでの経歴を振り返り簡潔にまとめましょう。そのうえで、どのエピソードが企業にマッチしているかを照らし合わせ、履歴書に記入すると、簡潔にまとめられているため、あなたをイメージしやすい内容に仕上がります。
まとめ
履歴書には自分のアピールポイントをふんだんに書く必要があります。そういった事情を知っているからこそ、「どう書けば良いのかわからない」「自分の長所ってなんだろう?」と迷う原因にもなります。しかし、本記事で紹介したポイントを活用することで、これまで以上にスムーズに履歴書を作れるようになり、さらに、これまでよりも充実した内容の履歴書を提出できるようになります。履歴書はあなたを知ってもらうため、そして企業にマッチしているかを採用担当者にチェックしてもらうための重要な書類です。これらのことをしっかりと意識し、適当な内容で埋めることのないよう、丁寧に書き進めてくださいね。
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