面接ではどの質問もハキハキと受け答えすることが基本。ところが、答えに困る質問、俗に言うキラー質問と呼ばれる質問や、想定外の質問を投げかけられると、「そうですねー」と、考えながらこのような相づちを打つ応募者も少なくありません。面接での応対では応募者が入社後にどのような対応・言動ができるかを判断しています。そのため、これらは避けるべき言動と考えられます。考え方を変えれば、面接の受け答え次第で好印象にもなるということ。では、どのような受け答えが望ましいのでしょうか。
目次
面接時の「そうですね」は知らずのうちに減点対象になり得る
面接の際、答えにくい質問や突拍子もない質問を投げかけられると、つい日常的な相づちが出てしまうことがあります。「そうですね」はビジネスシーン、特に入社後を想定するための面接では使用を控えるべき相づちと考えられます。なぜなら、相づちは会話において必要不可欠なコミュニケーションのひとつであり、ビジネスシーンでは避けたい相づちを取り入れてしまうと、
- 社会人としての教養ができていない
- 入社後の顧客への対応に不安がある
など、入社後の働き方に小さな不安を抱える原因となるからです。企業はできるだけ優秀であり、即戦力となり得る人材を探しています。資格やこれまでの職歴、経験が非常に魅力的でも、言葉遣いや相づちに社会人としての意識が低いと判断できる不安要素があれば、採用することは難しいと言えるでしょう。あなたが採用担当者の立場になって考えてみるとわかりやすいです。どれだけ魅力的な経歴を持つ応募者が面接に来ても、相づちが「そうですね」や「えっとですね」といったビジネスシーンにはふさわしくない言葉を使っていれば、「即戦力にはならないかもしれない」と感じてしまうはずです。このように、優秀であっても社会人として基本的なマナーができていなければ採用は遠のいてしまうのです。
面接での「そうですね」を防ぐ4つの方法
面接での言葉遣いに気を付けるためには、どのようなポイントを取り入れると良いのでしょうか。ここでは、
・普段の話し方から気を付ける ・録音して話し方を観察する ・声を出すことなく回答できるクセを付ける |
上記の3つについて解説します。
普段の話し方から気を付ける
突拍子もない質問を投げかけられることの多い面接。どれだけ事前に質問内容を把握し、回答を準備していても、予想外の質問を投げかけられることも可能性のひとつとして考えられます。そういった場合に、「そうですね」といった言葉を使えば、愛成すイメージを植え付けかねません。どんな窮地にたった場合であっても、ビジネスシーンに適した言葉遣いができるよう、普段の話し方から気を付けるよう心掛けましょう。友人と話すときや現職の上司と話すときなど、日常生活の話し方を見直してみましょう。
録音して話し方を観察する
友人や家族から協力を得られる場合には、実際に面接同様の状況を作り出し、録音して話し方を観察してみるという方法もあります。面接で質問されると思われる質問内容を10種類ほど用意し、ランダムで質問してもらうようにしましょう。もちろん、回答しにくい質問をいくつか入れておくと、より自分の話し方やクセに気付くことができ、改善点が見つかりやすくなります。
声を出すことなく回答できるクセを付ける
回答を考える際、つい声や息が漏れるといったクセがある場合には、それらを出すことなく回答できるクセを付けましょう。たとえば、回答しにくい質問を投げかけられ、「そうですね」と言葉に出てしまう状況に陥った場合は、少し考えたあとに「申し訳ありませんが、現段階では回答しかねる質問でございますので、のちほどお時間いただき、その際に回答する形でもよろしいでしょうか?」といったひと言を回答できるように準備しておきましょう。想定外の質問=少し時間をもらえないか打診する、このようなクセを意識することで、「そうですね」を回避し、状況に合わせた回答が可能であることも、アピール要素につながります。
「そうですね」が与える採用担当者への4つの印象
「そうですね」を回答の節々に使うことで、採用担当者は応募者にどのような印象を持つのでしょうか。回答する当人としては一生懸命、最適な回答を絞り出そうとしていても、それらの言葉によって思いがけないマイナスな印象を与えてしまうことがあります。ここでは、採用担当者が抱く応募者への具体的な印象についてご紹介します。
事前予測・事前準備に欠けている
面接での回答の際、「そうですね」を口にすると決断力が欠けていると判断されることも少なくありません。というのも、採用担当者が質問する可能性のある質問は、ネット検索することでおおよそ予測、準備することができます。また、応募書類内の各項目から質問を繰り出すこともあるため、それらの質問を事前に予測できていないとするのなら、転職活動期間中になにを行ってきたのだろう?といったマイナスな印象を持つケースがあります。少なくとも、応募書類に記載した全項目はスムーズに回答できるよう準備をする、ネット検索などを用いて、面接ではどのような質問を受けることが多いのかをリサーチ・準備しておくことで、事前予測・事前準備に欠けているといったマイナスな印象を防ぐことができます。
頼りない
「そうですね」といった言葉は採用担当者に対して頼りない印象を与えることも少なくありません。何事も回答する場合は「はい、そちらの件については……」と、相手の話に一度回答し、そのうえで質問に対する回答を述べると、適切な対応ができる社会人といった印象を与えられます。
優柔不断
レストランのメニューを見ながら、「どれにする?」「そうだなぁー」といった会話であれば、日常的であり、また考える時間をつなぐ言葉として使って問題ありません。ただし、面接は今後のあなたを左右するビジネスシーンのひとつ。日常会話をつなぐ、または考える時間をつなぐ言葉である「そうですね」は避けるべきです。レストランのメニューを決める際も、友人が何分も「えーっと」と悩んでいれば、「いい加減早くしてよ」「優柔不断だな」といった印象を持つはず。面接はビジネスシーンです。「そうですね」を多用すれば、優柔不断といった印象を簡単に与えてしまうのです。あなたの性格・素性をまだ知り始めた段階だからこそ、印象はプラス・マイナスどちらにも傾いてしまうのです。
状況に見合った対応力に欠けている
質問に対して考える時間を「そうですね」でつなぐと、状況に見合った対応力に欠けていると判断されることも少なくありません。というのも、面接はビジネスシーンのひとつであり、これから自社に入社する人材を探すシーンです。資格や経験といった応募書類から判断できる即戦力だけでなく、素質や性格などから判断できる即戦力も当然判断要素のひとつとして基準に入れています。そのため、「そうですね」を多用した場合、「顧客や上司、先輩などの人間関係に対してもそれらの言葉を多用するのではないか」といった不安が生じるのです。つまり、応募書類では即戦力だと判断できても、素質や性格は即戦力には値しないと判断されるのです。面接は企業への採否を決めるシーンであり、そのためには応募者の素質や性格などを判断基準にしていることも受け止める必要があります。
好印象を手にする!今すぐできる3つの表現
「そうですね」を多用しないためにも、普段からビジネスシーンでの会話に注意することが重要だと考えられます。しかし、「そうですね」を多用せず、ビジネスシーンを好印象にする言葉などはあるのでしょうか。実は、普段私たちが多用する言葉を含め、3つの方法を取り入れることで採用担当者を含めたビジネスシーンにおいて好印象を与えられるようになるのです。その言葉は以下の3つになります。
・はい、仰る通りでございます ・左様でございます |
「はい」
誰かの呼び出しに応対するとき、誰かに何かを渡すとき、インターホンが鳴ったときや電話に出るときなど、日常生活では聞いたり実際に使ったりすることの多い「はい」という言葉。多岐にわたって使い回せるため非常に便利な言葉と言えます。ビジネスシーンや面接においても「はい」は効果的です。というのも、面接では採用担当者側が応募者に質問を投げかけ、
- どのような回答ができるのか
- どういった対応ができるのか
をチェックします。「最適解を出さなければ」という考えに執着すると、どうしても「質問に対する返事」を忘れてしまいがちです。質問に対する返事とは、質問を投げかけた人に対して「はい」と一度返事をし、そのあと回答を述べることを指します。学校の授業でも、先生から出題された際、生徒が挙手をし、先生が生徒を指したら、まずは「はい」と答え、その後「○○です」と回答します。このように、採用担当者が自分に質問を投げかけたことに対して、受け止めたことを表現するために「はい」と伝え、その後「その権については」と回答すると、非常にスムーズな受け答えができるため、
- 落ち着いた対応ができる
- 社会人として申し分ない対応力がある
- 臨機応変に対応できる素質がある
といった複数の好印象を与えます。
「仰る通りでございます」
「そうですね」を使わずに、「仰る通りでございます」または「仰る通りです」といった回答も意識的に取り入れましょう。「仰る通りでございます」や「仰る通りです」は「はい」同様にビジネスシーンで使うことの多い言葉です。「仰る通りです」の使い方としては、採用担当者や相手の意見・質問を受け止めた意思表示+肯定したいときに使います。「仰る」は「言う」の尊敬語です。そして「その通りです」の意味合いを持つ「通り」を合わせた敬語であるため、ビジネスシーンには最適な口語と考えられます。
「左様でございます」
「そうですね」の代替として「左様でございます」もビジネスシーンには最適です。「左様でございます」も「仰る通りでございます」同様、相手の意見や質問に納得したうえで使いましょう。ただし、相手によっては仰々しい印象を与えてしまうことがあります。仰々しいとは大袈裟といった意味があります。つまり、丁寧な言葉遣いを使おうと必死になるあまり、やや丁寧な印象が大袈裟に伝わってしまう可能性があるということです。そのため、「左様でございます」は企業のトップが面接に在籍し、トップが直々に質問を投げかけた際や、堅い仕事を主とする企業面接などに用いると良いでしょう。いずれにしても、面接の際の採用担当者の印象や企業の印象から、アットホームな印象を受けたり、あまり堅苦しい言葉はふさわしくなさそうだと感じたりしたときには、「左様でございます」よりも「仰る通りです」や「はい」と回答してから、用意していた回答を述べると良いでしょう。
日常的に気を付けることが大切
本記事では、面接の回答において使いがちな言葉「そうですね」に関する疑問や言い換え表現についてご紹介しました。回答しにくい質問のときこそ、「そうですね」や「えーっと」などが口に出ることがあります。しかし、考える中でそれらの言葉を使うと、採用担当者側は
- 優柔普段
- 頼りない
- 対応力や決断力に欠ける
など、マイナスな印象を持つことが理解できたかと思います。応募者の意欲や即戦力、能力を判断すべきタイミングであるのに、言葉遣いで減点になればもったいないと言えるでしょう。「そうですね」や「えーっと」などを使わないためには、言い換え表現を取り入れ、今日からでも意識的に取り入れていくことがポイントです。意識的に言葉遣いを変えていくことで、面接だけでなく、ビジネスシーンなど多岐にわたって社会人らしい対応が可能になります。言葉遣いも企業の一社員として働くための即戦力であり、能力です。その点をしっかりと受け止め、改善を図ることが重要だと言えるでしょう。本記事を通じて、面接が無事に成功し、採用につながるよう応援しています。
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