面接で突然、「好きな言葉を教えてください」と質問されても「好きな言葉なんて考えたこともない」「言葉によってマイナス評価につながるのではないか」と感じる方もいるでしょう。
そこで本記事では、面接官が「好きな言葉」について質問する理由や、答え方を解説していきます。面接での質問に対する回答は、相手の意図を汲む内容であることが大切です。
「好きな言葉」について聞かれた場合の回答例もご紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
面接で「好きな言葉」を聞く理由とは?
面接官があなたの好きな言葉について質問する意図は、「好きな言葉」を通して自分の職場にマッチする人材なのかを確かめるためです。
具体的に4つ説明していきますので、しっかりチェックして、面接官の質問の意図を汲んだ回答ができるよう準備しておきましょう。
人柄を知りたい
「好きな言葉」を通して面接官が知りたいのは、あなたの人柄です。「好きな言葉」からどのようなことを大切にしているのかを知ろうとしています。
面接で聞かれる「好きな言葉」とはいわゆるあなたの座右の銘です。
そのため、「この漫画の〇〇のセリフがかっこいい」「アニメのこのシーンのセリフが気に入っている」という意味でのではありません。
面接官が「好きな言葉」から知りたいのは、あなたが何を好きかではなく、あなた自身の考え方や生き方です。
そのため、あなたの生きざまや考え方に影響を及ぼしたような言葉を答える必要があります。
価値観を知りたい
面接官は「好きな言葉」を質問することで、あなたの価値観を知りたいと考えています。
理由は、企業の理念や社風や求めている人物像にマッチするかを知りたいためです。
企業には「ミッション・ビジョン・バリュー」などといった、ベースとなる考え方をもっています。
そのため、応募者の「好きな言葉」のもつ意味が、企業の目指す方向と一致している人材を欲しいと思っているので、どんな言葉でも良いのではありません。
また、一般的に有名な言葉だったり、前向きと解釈されている言葉が、全ての企業で受け入れられるというわけでもありません。
たとえば、多様性や働き方の自由を謳っている企業に対し、「私は某CMの『24時間戦えますか』が好きです」と答えてしまうと、「うちの会社とは合わないな」と思われるばかりか、自社の風土や理念を理解できていないと判断される危険性があります。
ですから、希望している企業の社風に合うか、ポリシーや理念なども事前に調べ、「好きな言葉」が示唆する内容が相反するものではないか確認しましょう。
説明力を知りたい
面接官は「好きな言葉」を質問することで、あなたの「相手の意図を汲み、わかりやすく説明する力」を知ろうとしています。
人柄や価値観を説明する能力を試されてることを認識しておけば、事前にしっかり準備することができますよね。
わかりやすく説明する方法としておすすめなのがPREP法です。
PREP法とは以下の頭文字を取った言葉です。
Point :結論・主張 Reason :理由 Example:具体例・理由に説得力を持たせるための事例 Point :結論・主張 |
たとえば、あなたの好きな言葉が「有言実行」だったとしましょう。
その回答をPREP法にあてはめると、次のようになります。
Point:私の好きな言葉は「有言実行」です。 Reason:なぜなら、私はこれまで有言実行することで、さまざまな目標を達成してきたためです。 Example:たとえば「半年以内にマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)の資格を取る」という目標を決めた際、上司との面談だけでなく、自分のTwitterやFacebookで宣言しました。その結果、宣言通り、私は半年以内にMOSを取得しました。上司に個人的に宣言するだけでなく、SNSを通して幅広く発信したことで、私は自分のモチベーションを維持することができたと考えています。 Point:これからも、私は自分で決めたことをやり遂げるために自分のモチベーションを自分の力でコントロールし、御社に貢献していきたいと思っています。 |
いかがでしょうか。
面接の場で求められる説明力は「結論ファースト」「明確でわかりやすいこと」です。
ぜひPREP法を活用してみてくださいね。
面接で「好きな言葉」を聞かれたときはチャンス
実は、面接で「好きな言葉」を聞かれるのはあなたをアピールするチャンスでもあります。あなたがどのような言葉を選ぶか、どのように答えるかなどで、企業に良い印象を与えられるかどうかも変わってきます。
そこで、具体的にどのような点がチャンスなのか、どのように答えれば良いかを解説していきます。
人生経験を語ることができる
前述した通り結論ファーストがわかりやすいので、最初に「好きな言葉」を伝え、その言葉を選んだ理由につなげます。なぜその言葉を選んだかをしっかりアピールしましょう。
その際、具体的なエピソードを加えると効果的です。あなたの人生経験から、その言葉を好きになった理由を伝えることで、あなたの人となりを示すことができます。
人生経験の内容によっては、面接官が興味をもって話題が広がる可能性もあります。
志望動機につなげることができる
「好きな言葉」を述べる際には、志望動機を絡めたほうがよりアピールすることができます。なぜなら、面接官の質問の全てのベースにあるものは、「会社にとってプラスになる人材かどうか」「どのくらい本気で志望しているのか」です。
そのため、「好きな言葉」が会社の理念やビジョンにそっていると、面接官に与える印象も違ってくるはずです。
たとえば、市場の成長スピードに追い付け、追い越せを理念にしている企業の場合だと、「巧遅は拙速に如かず(仕事の出来がよくて遅いよりは、出来は悪くても速いほうが良い)」はニュアンスが近しくなります。
ジャンルの選択肢が多い
「好きな言葉」に対する答えの選択肢は幅広く、「考えたこともない」という方でも探す当てはいくらでもあります。
後述しますが、ことわざや慣用句、四字熟語に故事成語などは仕事やビジネスに役立つものが多くあるので、ビジネスパーソンにとっては面接問わず刺さる言葉はたくさんあるでしょう。他にも、偉人の名言や映画のワンシーンなど、「好きな言葉」のジャンルの選択肢は非常に多様です。
面接で答える「好きな言葉」の探し方
「好きな言葉」がない、言葉の探し方がわからない…という方は、ぜひ、以下の方法を参考にして、自分の考えにあった言葉を探してみてください。
四字熟語
面接の場で自身の考えや価値観を示す「好きな言葉」としておすすめしたいのは、四字熟語から探す方法です。
四字熟語は自然現象に基づいたものが多く存在し、自分を自然のように常に変化や進化していくものと解釈すると、自ずとしっくりくるものが見つかりやすくなります。
ことわざ
ことわざには先人の知恵や思考が多く取り込まれており、成功の秘訣や過去の失敗を戒める格言が揃っています。
そのため、ビジネスに役立つものが多く、社会人の多くはことわざから「好きな言葉」や座右の銘を見つけています。普段の生活のなかで、ことわざを使って会話をする機会はそうそうないと思うので、これを機に探してみることをおすすめします。
偉人の言葉
歴史上の偉人や成功者の言葉から探すのもおすすめです。
ネットなどではあらゆるジャンルの偉人による名言が紹介されています。
自分の生き方や考え方にぴったりくるもの、今後困難にぶつかった時に奮い立たせる力になりそうなものを見つけてみてください。
その際にも、なぜその言葉を選んだのかを明確にしておくことを忘れずに。
面接で答えるおすすめの「好きな言葉」
最後に、面接官から「好きな言葉」を聞かれた時、上手に答える例を4つのジャンルで紹介していきます。あなたが面接でアピールしたいことにマッチしているものを、探してみて下さいね。
努力に関する言葉
①石の上にも三年という。しかし、三年を一年で習得する努力を怠ってはならない。(松下幸之助)
②目標を達成するには、全力で取り組む以外に方法はない。そこに近道はない。(マイケル・ジョーダン)
③努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。(王貞治)
④もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。(渋沢栄一)
⑤天才とは努力する凡才のことである。(アインシュタイン)
⑥粉骨砕身(力の限り努力すること。また、骨身を惜しまず一生懸命に働くこと。)
⑦孤軍奮闘(一人で難事業に向かって鋭意努力すること。)
⑧一芸は道に通ずる(一つの芸道について奥義を究めた者は、他の分野にも通じる道理を身につけているということ。)
⑨夜明け前が一番暗い(苦しい状況から抜け出す前が一番苦しく、それを乗り越えれば事態は良くなること。)
⑩七転び八起き(何度失敗してもくじけないこと。倒れても何度も立ち上がるさま。)
感謝に関する言葉
①この日光、この雲のない青空があり、生きてこれを眺めることのできる限り、私は不幸ではない。(アンネ・フランク)
②心の中で感謝するだけなら、本当の感謝ではない。自分は行動の中で感謝を示そう。(ミゲル・デ・セルバンテス)
③一期一会(一度きりの出会いを大切にすること)
④恩沢洪大(物事を指南してくれたことに対する感謝。その人間性に対する感謝の言葉。)
⑤情けは人のためならず(人に対して情けを掛けることは、巡り巡って自分に良い報いが返ってくるという意味)
行動に関する言葉
①暗いと嘆くより、あなたが進んで明かりを灯しなさい。(マザー・テレサ)
②私の成功のもとはただひとつ。決して言い訳を受け入れなかったこと。(フローレンス・ナイチンゲール)
③自分が何者であるかに固執しなければ、自分がなり得る最高の自分になれる。(老子)
④案ずるより産むが易し(始める前はあれこれ心配するものだが、実際にやってみると案外簡単にうまくいくものだの意。)
⑤思い立ったが吉日(何かしようと思い立ったその日が物事をするのに良い日と考え、すぐに行動に移すのが良いという意。)
継続に関する言葉
①上手昔より上手ならず(物事が上手な人はもともと上手な訳ではなく、それ相応の努力を積み重ねた結果という意。)
②千里の道も一歩から(どんな大事業も手近なところから始まることのたとえ。)
③雨垂れ石を穿つ(どんなに小さな力でも、根気よく続けていればいつか大きな成果が得られるということ。)
④私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることです。(トーマス・エジソン)
⑤進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。(福沢諭吉)
⑥繰り返し行うことが、われわれの本質である。ゆえに、美徳は行為ではなく習慣なのである。(アリストテレス)
⑦常に継続してやっていれば、素晴らしいことが出来るようになる。(ジョージ・ワシントン)
⑧水滴石穿(一滴の水でも同じ場所に落ち続ければ硬い石にも穴を開けられることから、小さな努力を継続することで大きな目標を成功に導けるを意味。)
⑨駑馬十駕(才能の無い者でも努力を継続することで成功出来ること。)
⑩臥薪嘗胆(目的を達成するためにあらゆる苦難に耐え、努力を重ねること。)
まとめ
いかがでしょうか。
今回の記事では、面接で「好きな言葉」を質問する理由や答え方、「好きな言葉」の探し方についてお伝えしてきました。
「好きな言葉」はあなたの価値観や人柄を表します。
そのため、志望する企業の社風や理念にマッチしているかどうかを、今一度見直すことも大切です。
また、自分の「好きな言葉」がないという方は、本記事で紹介した「好きな言葉」の探し方や回答の仕方を参考に、自分が伝えたい内容にもしっくりくる言葉を見つけてみてください。そして、面接での受け答えは、PREP法を活用すればスムーズに相手に伝わります。
「好きな言葉」を武器に、自信をもって面接にのぞんでくださいね。
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