転職活動で面接を受ける機会も多いでしょう。その際に毎回毎回かさむのが『交通費』です。面接が一度で終わるのであればまだしも、面接が何度もある場合や自宅から面接会場が遠い場合は、交通費が痛いですよね…。在職していた会社をすでに退職して転職活動をしている人は収入がなく、キツいでしょう。「せめて交通費を支給してくれればなあ…。」と思う人は少なくありません。しかし、交通費を支給する企業側にはデメリットがあります。そこでこの記事では、交通費の支給の有無や支給する企業側のメリットとデメリット、支給される可能性が高い場合や支給方法についてご解説したいと思います。交通費の支給の有無が気になる方はぜひこの記事を参考にしてください。
目次
面接で交通費支給の有無は、企業により異なる
そもそも面接での交通費の支給は法律やルールで決まりがあるというわけではありません。なので交通費の支給は企業によってバラバラです。必ずしも交通費を支給されるとは限りません。支給される企業もあれば、支給されないつまり自腹という企業もあります。また、もし仮に交通費が支給された場合、支給されたからといって合格というわけでもありません。交通費の支給は合否に関係ないので、注意しましょう。他にも「2次面接から支給」や「最終面接のみ支給」といって条件を決めている企業もあるということを把握しておきましょう。
面接では交通費が支給されないのが一般的
先ほど面接で交通費の支給は企業によって異なるとご説明しましたが、基本的に「支給されない」と考えておきましょう。
「面接に呼んでいるのはそっち(企業)なのに交通費支給してくれないの?」と思っていると気分も下がってしまいます。元々「支給されない=自己負担」というスタンスでいて、支給されたらラッキーと思うと気分も上がるでしょう。そのため、遠方に住んでいる方は1社の面接のために毎回都会に出ると交通費もかさむので、同じ日の午前と午後に分けて複数社の面接を行うなどスケジュールを上手に調整して、効率よく行動することをオススメします。
企業側が交通費を支給するメリット
応募者を増やせる
企業側が交通費を支給すると、応募者を増やせるメリットがあります。交通費支給されるということは応募者からすると、とてもありがたいことです。「自宅から面接会場が遠いから、ちょっとなあ…。」と思い、応募することを躊躇する人も少なからずいます。交通費支給されると面接会場へ行くハードルが下がり、応募しやすくなります。応募者にとって交通費支給は魅力的なポイントで、応募者数が増えると企業側も優秀な人材に出会える可能性が高まるということです。他にも、近年のインターネットの普及により、面接の感想などがSNSで共有される場合もあります。交通費支給されることが共有されると、企業のイメージアップにも繋がるかもしれません。応募者にも企業側にもメリットがあると言えます。
入社意欲を高められる
交通費の支給は応募者の入社意欲を高めることができるというメリットもあります。交通費の支給がされると少なからず、応募者は企業に良いイメージを持つでしょう。特に入社を迷っている場合は、入社を決めるきっかけになる可能性もあります。
企業側が交通費を支給するデメリット
採用活動におけるコストがかかる
企業側が交通費を支給することでデメリットになる点は、コストがかかる点です。応募者の中には自宅から面接会場が遠いので、新幹線や飛行機を利用して面接に来ている人もいるかもしれません。新幹線や飛行機などは1往復でもそれなりの金額になります。特に新型コロナウイルスの影響で業績が悪化している企業はたくさんあり、できるだけ採用活動におけるコストを抑えたいのが本音でしょう。応募者全員に交通費を全額支給していると、企業側も大きな金銭的負担になってしまいます。採用活動におけるコストと企業の利益を調整しながら、長期的な目線で考えることも重要です。例えば「最終面接だけ支給」や「どのくらいの距離が離れている場合にだけ支給」など条件を付けることも大切です。
「交通費が支給される」という理由だけで応募する人もいる
これはメリットの反対で、「交通費が支給されるから」といって大して入社意欲がないのに関わらず、応募する人もいます。面接時に本当に入社したい気持ちがあるのかどうか、しっかり見極める必要があります。
面接で交通費が支給される可能性がある場合
最終面接の場合
たくさんの応募者が集まる一次面接では交通費を支給されることは基本的にないですが、人数が絞られた最終面接では支給される可能性があります。新型コロナウイルスのまん延防止のため、これまでの一次面接や二次面接はWEB面接だったかもしれません。しかし、最終面接はWEBではなく、対面で行うことが多いです。そのため、最終面接だけ交通費が支給されることがあります。
企業側は最終面接に進ませる人材を厳選しており、最終面接を受ける応募者数は一次面接ほど多くはないです。企業側は応募者に「ぜひ入社してほしい」という思いがあるので、最終面接で交通費を支給するのです。あくまで、最終面接で交通費が支給される可能性が高いということであって、必ずしも支給されるわけではないので、気をつけましょう。
応募者が遠方に住んでいる場合
応募者が遠方に住んでいる場合、面接を受けるために新幹線や飛行機を利用しなければならない時があります。この場合、交通費が支給されることがあります。新幹線や飛行機を利用しなければならないほど遠方に住んでいる場合は、交通費がそれなりに高いので一次面接から交通費が支給されることがあります。
面接で交通費が支給される3つの方法
全額支給
『全額支給』はその名の通り、上限なく面接会場に行くまでにかかったすべての交通費を支給する方法です。基本的に自分でかかった費用を申告するパターンが多いです。しかし、企業によっては領収書の提出を求める場合もあるので、注意しましょう。また、遠方に住んでいる応募者にもかかったすべての交通費が支給されるので、遠方から面接を受けるというハードルが下がるでしょう。
一律支給
『一律支給』というのは、全額でも上限があるというわけでもなく、応募者全員に決まった同一の金額を支給するという方法です。例えば「一律1000円支給」という場合は、応募者全員に1000円を交通費として支給するということです。つまり、自宅から面接会場まで1500円かかった場合、支給されなかった500円は自己負担ということになります。逆に一律1000円なので1000円を下回っても、1000円が支給されるということです。仮に交通費が800円かかった場合は、200円得をしたということになります。
一律1000円なのかどうか金額を決めるのは企業によってバラバラですが、自宅までの距離や交通機関に関わらず、全員同一の金額が支給されるので、ある意味平等であると言えます。
上限支給
『上限支給』は上限が決められており、上限金額内で実際にかかった交通費を支給する方法です。例えば「最大1000円まで」のように支給金額を決め、交通費が1000円を超えた分は自己負担になります。一律支給と似ていますが、異なるところは交通費が800円など1000円を下回った場合は1000円ではなく800円が支給されるというところです。一律支給と似ているので注意が必要です。
面接で交通費が支給されるか確認する方法
面接の詳細ページをよく読む
面接で交通費が支給されるかどうかを確認する方法は、求人票などの面接の詳細ページをよく読みましょう。もし交通費が支給される場合は企業にとってもアピールポイントになるので、求人票など面接の詳細ページに記載されていることが多いです。反対に交通費の支給の有無が記載されていない場合は、残念ながら支給される可能性は低いでしょう。先ほどもご説明しましたが、基本的に交通費の支給はないと考えて、もし面接で交通費が支給されたらラッキーというスタンスでいましょう。交通費の有無が気になる方は、求人票などを確認することをオススメします。
「面接時の持ち物は何ですか?」と問い合わせる
面接で交通費を支給されるかどうかどうしても知りたい…という方は、採用担当者に「面接時の持ち物は何ですか?」や「当日印鑑など必要ですか?」とそれとなく問い合わせましょう。もし仮に交通費が支給される場合は書類作成のため印鑑が必要になることが多いので、印鑑が必要かどうかを確認することで、間接的に交通費の支払いがあるかどうかを聞くことができるということです。
面接で交通費が支給される場合や支給の有無を確認する際の注意すべきポイント
直接、交通費の支給の有無を質問しない
直接、採用担当者に「交通費は支給されますでしょうか?」と質問するのはやめましょう。「交通費を期待して面接を受けるつもりだ。」と企業側にマイナスなイメージを与えてしまうかもしれません。交通費の支給有無がどうしても知りたい場合でも、直接問い合わせることは失礼にあたります。先ほどのご説明したように、持ち物の確認などであくまでもさりげなく聞くことがポイントです。
最安値を申告する
交通費が支給される場合は、自宅から面接会場までの最短距離でかかった交通費を申告しましょう。転職活動中は何社もの面接をハシゴしている場合もあり、交通費を算出することが難しいときもあるでしょう。そのような時は、自宅の最寄り駅から面接会場の最寄り駅までの公共交通機関を使ったと仮定して、交通費を計算しましょう。
噓はつかない
もちろん面接で嘘を言ってはいけませんが、交通費の申告の際にも水増し請求など嘘をついてはいけません。例えば、飛行機と長距離高速バスではかかる費用が大きく異なります。長距離高速バスで交通費を浮かし、申告の際に飛行機を利用したと嘘をついて多く交通費をもらったり、企業から交通費が支給されるからといって『グリーン車』や『ファーストクラス』などを利用したりすることはやめましょう。他にも路線を誤魔化して高い方の交通費を請求するなどあります。企業には自己申告なので、水増し請求してもバレないと思っていると大間違いです。領収書の提出を求められるかもしれませんし、もし水増し請求が発覚すると印象は言うまでもなく悪くなり、その時点で不合格になるでしょう。お金を誤魔化して報告するということは社会人として、むしろ人としても信用を失う行為です。信用がない人は当然、入社させるわけにはいきません。採用され内定が決定していても、嘘がバレて内定取り消しになる可能性も十分にあります。通常の範囲内の交通費を申告しましょう。
反対にあえて気を遣って、格安の交通手段を選ぶ必要はありません。一般的な交通手段で移動し、交通費は嘘をつかず、正直に申告しましょう。
まとめ
今回は、交通費の支給の有無や支給する企業側のメリットとデメリット、支給される可能性が高い場合や支給方法についてご解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
交通費を支給することは、応募者からすると面接を受けに行くまでにかかる費用がかからないというハードルが下がり、嬉しいことです。企業側もアピールポイントになり、応募者が増えるというメリットがあることがわかりました。一方で、応募者全員に交通費を支給していると、それなりのコストがかかることや交通費が支給されるという理由だけで面接を受けに来たり、本当に自社に入社したいかどうかが分からないというデメリットもあることがわかりました。応募者のことも企業のことも考えると、「最終面接まで進んだ人だけ」とか「一律支給」など条件をつけて支給することをオススメします。
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