「退職代行を使うとトラブルって起こる?」
「退職代行でトラブルが起こる原因は?」
「退職代行を使ったのにトラブルが起こるのはいやだ」
退職代行を使って現在の会社を退職したい方は、このような疑問を抱えているのではないでしょうか?
退職代行を使えば安心して退職ができると思っていても、どうしても最悪の事態を考えてしまいますよね。トラブルが起こったという噂も聞くと、利用する前にトラブルが起こりやすいのか把握したいですし、原因を知っておきたいでしょう。
そこでこの記事では、退職代行でトラブルが起こる原因をご紹介し、回避する方法や依頼する前に確認しておくべきことなども解説していきます。
目次
そもそも退職代行でトラブルは起こる?
そもそも退職代行でトラブルは起こるのか気になっている方も多いでしょう。結論から申し上げると、トラブルは十分に起こり得ることです。
退職代行に限ったことではありませんが、何事も100%うまくいく保証などありません。自分が退職代行を使ったからといって、スムーズな退職ができるかと言われると、少なからずトラブルのリスクも考えられます。
退職代行でのトラブルが起こる原因は主に以下3つです。
- 会社
- 依頼者
- 退職代行業者
それぞれ原因の内容が異なります。退職代行を利用する前に、起こり得る原因を追求し、事前に対策を打つことが重要なのです。
退職代行で起こるトラブルとは?会社側が原因の場合
退職代行で起こるトラブルの原因は、会社側が多いです。これには、退職代行を使って退職すること自体、会社側があまりよく思わないと考えられます。ここでは、会社側が原因の場合に発生する以下6つのトラブル事例をご紹介します。
- 給料を支払ってもらえない
- 有給休暇を消化させてもらえない
- 退職手続きに必要な書類を送付してくれない
- 前振りもなく上司や社員が自宅にくる
- しつこく電話をかけてくる
- 私物を送ってくれない
次から順番に解説します。
給料を支払ってもらえない
会社側に原因がある事例として、給料を支払ってもらえないことがあります。突然、退職したことに対して、このような嫌がらせをしてくることが多いようです。
そもそも、給料未払いをしてくるような会社は、退職代行を利用するしないに関係なしに、「辞めた」事実に基づいて嫌がらせをしてくるとも考えられます。
しかし、本来であれば従業員に対して給与を支払わないのはありえない行為です。働いた分の対価として、しっかりと給料を払うのが筋ですし、実際に労働基準法でも定められています。
《労働基準法第24条》
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
引用元:e-Gov法令検索「労働基準法」
このように、労働基準法24条で「直接労働者に、全額を支払わないといけない」と明記されています。退職代行が使われたことに腹を立てるのと、給料を支払わないのは全く別であり、支払わなければ労働基準法に違反していることになります。
もし、給料未払いで困っている方がいましたら、顧問弁護士がいる退職代行業者に相談しましょう。
有給休暇を消化させてもらえない
有給休暇を消化させてもらえないことも、会社側の原因として考えられるトラブル内容です。
退職代行を利用して会社をやめたいと考えている方の中には、退職日までに有給休暇を取得して退職したい方も多いはずです。しかし、給料未払いと同じ理由により、退職する腹いせに有給休暇を取らせてもらえない嫌がらせをしてくることが考えられます。
本来であれば、有給休暇の取得も労働者の権利として認められているものです。実際に、労働基準法でも明記されています。
《労働基準法第39条》
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:e-Gov法令検索「労働基準法」
このように、半年以上継続勤務しその8割以上出勤した労働者に対して、10日間の有給休暇を付与しなければなりません。もし、退職日までに有給休暇を取らせてもらえないのであれば、会社側は労働基準法のルールを破っていることになります。
有給休暇を退職日までに消化したいと考えている方は、顧問弁護士がいる退職代行業者に相談しましょう。
退職手続きに必要な書類を送付してくれない
会社側の原因でよくあるトラブルとして、退職手続きに必要な書類を送付してくれないケースがあります。
そもそも、退職後には「離職票」や「雇用保険被保険者証」などが送られてくるのが普通です。失業保険の手続きに必要な書類となるので重要なものとなります。
しかし、退職代行を利用して無事に退職できたとしても、その後会社から必要書類を送ってもらえないことがあります。そのような場合、退職はできたものの、結局は自分で会社へ問い合わせを行う必要が出てきてしまいます。
最悪の場合、自分で取りに行くようなことにもなりかねません。無駄な時間と労力を使うことになるため、退職業者に依頼する際には、あらかじめ相談しておきましょう。
前振りもなく上司や社員が自宅にくる
前振りもなく上司や社員が自宅にくるトラブルも、会社側が原因であると考えられます。退職代行業者の担当者が、自分の代わりに退職することを伝えた後、自宅に押しかけてきて説得しに来るパターンです。
「辞めるな」「辞めたら〇〇するぞ」と脅迫・懇願・説得してくることも十分ありえます。人手不足の会社や業務が忙しい時などに、やめられては困るといった心理で自宅へ押しかけてくるのでしょう。
そのようなストーカーまがいの行為をしても、ますます従業員の心は離れていきます。むしろ退職の決意が固くなるだけですし、「不退去罪」(刑法第130条)が成立する可能性があります。
《刑法第130条》
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
引用元:e-Gov法令検索「刑法」
実際に、会社の人が押しかけてきたという事例もあるため、もし、そのような事態となった場合、弁護士に依頼する方がいいでしょう。
退職代行の指示によると(旦那からの話) 旦那出来ること→スマホの電源落とすこと(上司と接触ないようにするため) 9時〜 退職代行が電話をする(旦那の元会社に)退職代行vs上司になる。 それからどうなるのか… まさか家まで突撃訪問来るとは思わなかった…。久々に怖くてパニくる (引用:Twitter) |
しつこく電話をかけてくる
退職代行を使って辞めようとする際、上司からしつこく電話をかけてくることがあります。
こちらも自宅に押しかけると同様に、辞められると困るからといった理由でしつこく引き止められるパターンです。
電話で「今やめられると人が足りなくてみんなに迷惑がかかる」「嫌なら部署を変えるから」など、なんとかしてあなたへ会社に残ってもらおうと必死に電話でアピールしてきます。しかし、このような言葉はほとんどその場しのぎと思っておくべきでしょう。
実際には、労働者には職業選択の自由がありますし、そもそも退職代行を使うようなことをしてきた会社側に問題があります。電話が来ても退職意思を曲げないようにすることが大切ですし、むしろ出る必要もありません。
しかし、実際にしつこく電話がかかってくる事例が多発しているため、もしも退職意思を伝えているのに過度な電話がくる場合は、弁護士に相談しましょう。
指定した日時で退職代行業者が職場に電話 ↓ 電話の内容、誰が出て対応したか、代理対応の様子などが逐一LINEで報告が来る(楽しい) ↓ リアルタイムで職場から鬼電が来るので代行にチクる(楽しい) ↓ 代理人通せと怒ってくれる(楽しい) ↓ 必要なやり取り全て文書で回答できて楽 (引用:Twitter) |
私物を送ってくれない
退職代行を使ったトラブルの中には、会社に置いていた私物を送ってくれないこともあります。この事例は、会社側が原因であり、本来であれば、退職後に自宅へ郵送で私物を送ってもらうのが一般的です。
しかし、私物を送ってくれない場合、自分で連絡して送ってもらうことになってしまいます。そもそも嫌がらせで送られない場合もあり、最悪の場合、捨てられている可能性も考えられます。
もし、私物を送ってもらえないのであれば、退職代行業者にその旨を伝えて、対策を考えましょう。
退職代行で起こるトラブルとは?依頼者側が原因の場合
退職代行で起こるトラブルの中には、あなたが原因となっているケースも考えられます。その場合、退職代行を利用する前にあなた自身で解決しなければなりません。ここでは、依頼者側が原因の場合に発生する以下4つのトラブル事例をご紹介します。
会社側が原因の場合に発生する以下のトラブル事例をご紹介します。
- 無断欠勤が横行していた
- 会社や上司にお金を借りている状態
- 規約違反を犯している
- 会社の私物を返却していない
次から順番に解説します。
無断欠勤が横行していた
これまで勤務してきた中で、無断欠勤が横行していた場合、トラブルになる可能性があります。そもそも無断欠勤は、社会人としてやってはいけない行為です。
退職代行業者を通して退職交渉を行っても、無断欠勤したという理由で拒否されることが十分考えられます。最悪の場合、明らかに会社側に不利益が生じたとみなされてしまい、懲戒解雇をされてしまう恐れもあるのです。
ただし、厳密にいうと「これをしてしまうと懲戒解雇される」といった内容はありません。労働契約法では、やむを得ない事由が無い場合において、懲戒解雇が適用されると明記されています。
《労働契約法第15条》
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
引用元:e-Gov法令検索「労働契約法」
無断欠勤が横行していたとなれば、会社によっては懲戒解雇の対象になりかねません。もし心当たりがある方がいましたら、あらかじめ退職代行業者に相談しておくと良いでしょう。
会社や上司にお金を借りている状態
会社や上司にお金を借りている状態だと、退職業者を通してもスムーズに退職ができないことが考えられます。理由は単純で、お金を返していないからです。
相手からすれば、貸したお金を返さずに辞めるのはありえないと感じるし、礼儀がなってないとみなされます。
そのような状態で退職代行業者が退職の交渉をしても、受け入れてもらえない可能性があるのです。まずはお金を返してから退職代行に依頼する必要があるでしょう。
規約違反を犯している
あなたが会社に対して規約違反を犯している場合は、スムーズに退職できない可能性が高いです。ここでいう規約違反というのは、会社の就業規則に違反していることやお金を横領したことが発覚したことなどが該当します。
そもそも、退職代行業者は依頼主側からの話しか聞くことができないため、退職の連絡を会社側へ行った際にトラブルが発覚するケースがあります。そうすれば、退職代行業者はトラブルに対応できないため、退職代行で失敗したことになります。
なお、失敗しただけでなくあなたが犯した規約違反によっては、更なるトラブルに発展する恐れがあります。もし、規約違反をしたことがある場合は、退職代行を依頼する前に弁護士に相談してみるのもありでしょう。
会社の私物を返却していない
退職代行で起こるトラブルとして、会社の私物を返却していないといった依頼者側の原因も考えられます。基本的に、会社の私物を借りた状態で退職するのは、失礼な行為に該当しますし、退職する前に返却しなければなりません。
もし、会社の私物を返却せずに退職代行業者を利用して退職しようとすると、会社側から「〇〇を返却してください」と指摘されることになります。結果的にスムーズな退職ができなくなってしまい、失敗となるのです。
もし、会社の私物を返却していない場合は、退職代行業者に依頼する前に返すようにしましょう。
退職代行で起こるトラブルとは?退職代行業者側が原因の場合
退職代行で起こるトラブルの中には、退職代行業者側に原因があることも考えられます。ここでは、退職代行業者側が原因で起こる以下3つのトラブル事例をご紹介します。
- 急に退職業者と連絡が取れなくなる
- 非弁行為をしてしまい退職が難航となってしまう
- 追加料金が発生した
次から順番に解説します。
急に退職業者と連絡が取れなくなる
退職業者に依頼している中で、急に退職業者と連絡が取れなくなる事例があります。料金を支払った後に連絡が取れなくなったり、退職を伝えてもらってから連絡がこなかったりなどが該当します。
このような場合、悪徳な退職代行業者に依頼したことが考えられますし、そもそも会社が存在していたのかも怪しいです。
仮に、連絡が取れなくなってしまうと、退職ができないといった最悪な事態にもなりかねません。
そのような事態にならないためにも、会社の評判や口コミ、退職届を提出したら終わりなのか、離職票をきちんと受け取るまでサポートしてもらえるのかなど。必ず事前に確認しましょう。
非弁行為をしてしまい退職が難航となってしまう
退職代行業者側の1番のトラブル原因と言っても過言ではないのが、非弁行為をしてしまい退職が難航となってしまうことです。
非弁行為とは、弁護士法に基づいて行う業務を、弁護士以外の人が報酬を得る目的で、弁護士にのみ認められている業務を行うことをいいます。
《弁護士法72条》
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用元:e-Gov法令検索「弁護士法」
退職代行業者の中には、報酬を得る目的で、非弁行為に当たる業者も少なからず存在します。そもそも退職代行業者は、非弁行為に該当する可能性が高いことでも有名です。
もし、あなたが依頼した退職代行業者が非弁行為を行ってしまった場合、当該業者を話し相手として認めず、会社側は拒否することもできます。そのような状態になると、スムーズな退職ができなくなってしまい、結果的に退職できずになる恐れも考えられるのです。
有給休暇の買取や給与未払いの件も解決したい方は、弁護士がいる退職代行サービスを利用しましょう。
追加料金が発生した
退職代行業者を利用した方の中には、追加料金が発生したケースがあります。この場合、利用する前に把握していた金額よりも高額になるパターンです。
自分の確認不足で引き起こるトラブルでもありますが、中には悪徳業者によって、オプションがかかることを言わない業者もあります。
そもそも退職代行業者の中には、追加料金が発生するところもあります。料金設定は各業者で異なるため、あらかじめ料金システムが明確になっている退職代行業者を選べばそのようなトラブルを避けられるでしょう。
退職代行のトラブルによって退職失敗した場合のリスク
退職代行でトラブルが起こる原因として、「会社」「依頼者」「退職代行業者」の3つがありますが、いずれにせよ退職代行に失敗するとかなりのリスクを背負うことになります。
事前に起こり得るリスクを把握することで、万全な対策を練られるようになります。ここでは、退職代行のトラブルによって退職失敗した際の以下3つのリスクをご紹介します。
- 退職自体できなくなる
- 会社から損害賠償を請求される可能性がある
- 社内でのパワハラやいじめなどが起こる
次から順番に解説します。
退職自体できなくなる
退職自体できなくなる場合があることも、トラブルによって考えられるリスクです。退職成功率100%を売りにしているところは、実績もキャリアもありきちんとした手続きで退職できますが、全ての業者が当てはまるわけではありません。
中には実績も知名度もなく、会社が存在しているのか疑問に思うところもあります。そのようなところに依頼すると、退職手続きに失敗してしまい、結果的に退職ができなくなることがあります。
主に、以下のような失敗事例が考えられます。
《失敗事例》
業者に依頼したが、その後進捗連絡がなく会社から電話が来るようになり、結果的に出社することになった。
このように、退職したくて業者に依頼したのにもかかわらず、退職できなくなるのは、精神的な負担が重くなります。そのような状態に陥らないためにも、実績のある退職業者に依頼するべきです。
大手退職代行業者の「辞めるんです」では、退職成功率100%の実績を誇り、スムーズに退職ができることに定評があります。退職業者に依頼してノーストレスで退職したい方にはおすすめできるでしょう。
会社から損害賠償を請求される可能性がある
退職代行でトラブルを起こした場合、会社から損害賠償請求をされることもありえます。この場合、無断欠勤や会社のお金を横領したなどの規約違反を犯した依頼者に問題あるパターンが考えられます。
しかし、突然退職されたことで「人手が足りなくなって会社に損害が出た」と理不尽な理由をつけられ、損害賠償請求が行われることも考えられます。
基本的には、法律にしたがって、正当な方法で退職した場合には、原則として会社側は損害賠償を請求できません。
ただし、契約期間の定めがある労働者の場合、やむを得ない事由がないにもかかわらず途中で職務を放棄すると損害賠償を請求される可能性があるのです。
実際に、過去に起きた事案で、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出たことがあります。
参照元:ケイズインターナショナル事件:平成4年9月30日東京地方裁判所判決
このように、労働者に責任が問われる事例も十分に考えられるため、注意しておきましょう。
社内でのパワハラやいじめなどが起こる
退職代行で失敗すると、社内でパワハラやいじめなどが起こる可能性もあります。この場合、退職代行業者が会社の弁護士に言いくるめられて退職に失敗し、再び出勤することになるパターンです。
その際に、退職代行を使って止めようとした行為に対して腹を立てて、必要以上に嫌がらせをしてくることが考えられます。
《嫌がらせの例》
過度な雑用・嫌味を言われる・必要以上にしつこく付き纏われる など
このような嫌がらせを受けた場合、今まで以上に精神的に辛い思いをしてしまいます。最悪の場合、うつ病や適応障害などの健康障害へ発展する恐れもあるのです。そのような状態にならないように、退職代行業者の実績を確認しておきましょう。
退職代行を利用して後悔したくない!トラブルを回避する方法
退職代行を利用するのであれば、トラブルなくスムーズに退職したいですよね。後悔することにならないようにするには、あらかじめトラブルを回避する方法を把握しておくべきです。
ここでは、退職代行を利用してトラブルを回避する方法を6つご紹介します。
- あらかじめ運営元を確認する
- 実際に利用したことのある人の口コミを見ておく
- 民間企業に依頼する場合は顧問弁護士の有無を把握する
- 退職代行にかけられる予算を決めておく
- 会社からお金や私物を借りている場合は返却しておく
それでは、回避方法を詳しく解説します。
あらかじめ運営元を確認する
退職代行でのトラブルを避ける方法の1つとして、あらかじめ運営元を確認する必要があります。退職代行業者の運営元には、主に以下3つが当てはまります。
- 弁護士
- 労働組合
- 民間企業
3種類の中で、会社と交渉ができるのは「弁護士」と「労働組合」です。そのうち、弁護士であれば金銭の揉め事にも対応できるため、どんな組織よりも対応できる幅が広いです。
一方、民間企業であれば、依頼する費用は抑えることができますが、非弁護行為は一切できないため、あくまで自分の代わりに退職する意思を伝えるのみとなります。
自分がどのような方法で退職したいのかを明確にしておき、運営元を確認しておきましょう。
実際に利用したことのある人の口コミを見ておく
退職代行業者に依頼する際、事前に利用したことのある人の口コミを見ておくことも大切です。検討している業者のホームページやCMや雑誌などで紹介されているのを見ても、本当にいいかどうかは判断できません。
中には、自分達のサービスの評判が悪いと認識しているのにもかかわらず、利用者を増やして利益を得るためにホームページの見栄えをよくしているケースもあります。実際に利用している人の声はリアルであるため、信憑性が高いです。
そのため、本当に自分に最適な退職代行業者であるかを判断しやすいでしょう。まずは、気になっている退職代行業者の口コミを確認し、利用者の評価を把握してみてください。
民間企業に依頼する場合は顧問弁護士の有無を把握する
民間企業に依頼する場合は、顧問弁護士に有無を把握していくべきです。顧問弁護士がいると、会社との交渉ごとはもちろん、金銭トラブルにも対応してもらえます。つまり、非弁行為のリスクを考えなくても良いということです。
仮に、有給休暇が取得できなかったり給与が未払いだったりする職場であれば、顧問弁護士がいる退職業者に相談すれば、スムーズに対応してもらえます。
安心して退職することができるため、民間企業に依頼する場合は、最適源顧問弁護士の有無の確認を行いましょう。
退職代行にかけられる予算を決めておく
退職業者いかけられる予算を決めておくのもトラブルを避けるためのコツです。民間の退職代行業者であれば、相場は3万円〜5万円、弁護士であれば5万円以上となります。
それなりにまとまった費用がかかるため、事前に準備しておく必要があります。あらかじめ退職代行にかけられる予算を決めておくと、余裕を持って依頼でき、経済的な面でのストレスを抱える必要はありません。
逆に、予算を決めずにいると、万が一失敗した際に経済的な負担を背負ってしまう可能性があります。そのような状態にならないためにも、あらかじめ費用を準備しておきましょう。
会社からお金や私物を借りている場合は返却しておく
退職代行に依頼する前に、会社からお金や私物を借りている場合は返却しておくべきです。お金も私物も、借りているのであれば返却するのが礼儀ですし、そもそも返却していないのにもかかわらず退職しようとすると、かえって反感を喰らう可能性があります。
スムーズに退職できなくなるほか、最悪の場合、退職できなかったりいじめやパワハラを受けたりするなど、トラブルに発展してしまいます。
スムーズな退職ができるよう、会社から借りたものは綺麗に返却してから業者に依頼しましょう。
そもそも退職代行が利用できない場合もある!利用できない人の特徴
退職代行業者を利用すれば誰でも退職できると思っている方もいますが、そもそも退職代行が利用できない場合もあります。ここでは、退職代行が利用できない以下3人の特徴をご紹介します。
- 有期雇用契約で勤めている人
- 公務員
- 職場内での金銭トラブルを抱えている人
次から順番に解説します。
有期雇用契約で勤めている人
有期雇用契約で勤めている人は、退職代行を利用しての退職は厳しいです。有期雇用契約とは、企業と労働者の間で、一定の期間を定めて労働契約を結んでいる人のことをいいます。
無期雇用契約の社員とは異なり、契約期間が定められているため、契約期間を満了しないと退職することは原則不可能です。
ただし、やむを得ない事情がある方は、特別に退職できるようになっています。実際に、以下の法律でも定められています。
《民法第628条》
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用元:e-Gov法令検索「民法」
このように、民法で明記されているため、仮に退職したいと思っている有期雇用契約社員の方は、民法628条を理解した上で退職代行業者の担当者に相談してみましょう。
公務員
公務員は、退職代行業者を利用しての退職はできません。民間企業とは異なり、国や地方自治体が退職の処理を行います。
そのため、退職代行業者に依頼したところで、退職願いを受け入れてもらえません。しかし、同じ公務員であっても、教員であれば退職代行業者を利用して退職できる可能性もあります。一度退職業者に相談してみるのもありでしょう。
職場内での金銭トラブルを抱えている人
職場内での金銭トラブルを抱えている人は、退職業者を利用して退職するのは難しいです。なぜなら、損害賠償や懲戒解雇などといったトラブルに発展する可能性があるからです。
ここでいう金銭トラブルとは、「職場にお金を借りている状態」や「過去に会社のお金を横領した」などが挙げられます。
もし、職場内での金銭トラブルを抱えているのであれば、この問題を一旦クリアにしてから退職代行業者に依頼するべきでしょう。
トラブルを避けることができる退職代行サービス3選
退職代行を利用してトラブルに合わないためには、事前に回避方法を把握しておき、対策を打つことが大切です。その1つとして、退職代行サービスのせんたくも重要になります。
日本には、数多くの退職代行サービスがあるため、どれを選べばいいか迷うでしょう。ここでは、トラブルを避けることができる退職代行サービス3社を、以下の順位でご紹介します。
- 1位:辞めるんです
- 2位:女性の退職代行【わたしNEXT】
- 3位:3位:退職代行は弁護士に!【弁護士法人みやび 退職代行サービス】
それでは、各サービスの特徴や口コミなども解説します。
1位:辞めるんです
1位の「辞めるんです」は、退職実績7,000件、退職率100%という実績を誇る大手退職代行サービスです。正社員や派遣社員、アルバイトでも同一金額で受けてもらえるため、安心感があります。
辞めるんですは、誰からの連絡にも困ることがないことが強みです。退職代行を利用すると、会社から自分のところに直接連絡がくることや、会社から親へ連絡がいき自分が退職した事を知られてしまうといった懸念点があります。
しかし、「辞めるんです」では、必ず会社に直接連絡をしないことと親への連絡もしないことを会社へ交渉してくれます。そのため、しつこい連絡が来ることはなく、身内に退職したことを知られて心配かけることもありません。
スムーズに退職ができるため、安心できます。さらに、24時間・365日連絡に対応していることも魅力です。基本的にLINEでのやりとりであるため、スキマ時間に相談できます。
スマホさえあればいつでもどこでも気軽に相談できるため、すぐに退職したいと思っている方にはおすすめできるサービスです。しかも料金も27,000円と相場よりも安く設定されているため、良心的な退職代行業者と言えるでしょう。
運営会社 | LENIS Entertainment株式会社 |
利用料金 | 27,000円(税込) |
対応エリア | 全国 |
相談方法 | LINE・電話 |
退職率 | 100% |
「辞めるんです」の口コミ・評判
退職代行を利用することに何も抵抗はなかったのですが、唯一心配なことは退職が親にバレてしまうことでした。無理を言って家を出て、絶対にうまくいくと豪語していたため、数年で退職したことを知られたくはありませんでした。「辞めるんです」では会社側に私や親に連絡が行かないように取り計らってもらえたので、非常に助かりました。両親には転職先が見つかり、落ち着いた頃に自分から伝えたいと思います。(引用:退職代行プロ体験談から引用) |
2位:女性の退職代行【わたしNEXT】
『わたしNEXT』は、女性退職代行サービス5冠を達成している実績がある女性専用の退職代行サービスです。セクハラやモラハラなどの女性特有の悩みに丁寧にサポートするため、女性から絶大な信頼があります。
女性の退職代行【わたしNEXT】は、女性ならではの悩みに対応してくれることです。
これまで女性の退職支援を行ってきた実績と高いノウハウにより、女性にありがちな悩みや不安などを解決に導いてくれます。
「男性社員からしつこくアタックされる」「上司に必要以上に触られる」などのトラブルに対して、迅速に対処しスムーズな退職をアシストします。
さらに、会社との交渉ができる点も魅力です。「わたしNEXT」は、労働組合が行う退職代行サービスであり、団体交渉権を利用できます。そのため、非弁行為のリスクがなく、有給休暇の消化や未払金などの対応も行ってくれます。
しかも、うまく転職が成功すれば最大5万円戻ってくる特典があるため、納得のいく退職ができ、転職時の心配も必要ないでしょう。
運営会社 | 合同労働組合「退職代行toNEXTユニオン」 |
利用料金 | 正社員:29,800円 / アルバイト:19,800円 |
対応エリア | 全国 |
相談方法 | メール / LINE |
退職率 | 100% |
「わたしNEXT」の口コミ・評判
依頼した翌日には施設に連絡してもらえ、すぐに辞めることができました。今までずっと仕事で悩んできたのでそのストレスがなくなってとても晴れやかな気分になりました。今思うともっと早く頼むべきだったと少し後悔しています。(引用:女性の退職代行「わたしNEXT」みんなの声) |
3位:3位:退職代行は弁護士に!【弁護士法人みやび 退職代行サービス】
弁護士法人みやびは、銀座を拠点としている大手弁護士事務所が運営する退職代行サービスです。民間の退職代行業者とは異なり、弁護士が対応するため、料金は高いですがその分、絶対的な安心感があります。
弁護士法人みやびは、非弁行為のリスクが全くないことです。弁護士が対応するため、有給休暇の取得や買取、給料未払いなどの交渉ができます。そのため、未払いである「残業代」「退職金」などがある方は、気軽に相談でき、対応してもらえます。
さらに、利用前に相談できることも強みです。LINEでの事前相談が無料で行えるため、退職代行業者選びに迷っている方も、とりあえず相談してみることができます。
事前相談すれば、対応のスピードや丁寧さなども把握できるため、依頼するかしないかの判断材料にもなるでしょう。
運営会社 | 弁護士法人みやび |
利用料金 | 着手金/55,000円(税込)、オプション費用/回収金額の20%(残業代・退職金の請求など) |
対応エリア | 全国 |
相談方法 | メール / LINE |
退職率 | 100% |
「弁護士法人みやび 退職代行サービス」の口コミ・評判
汐留パートナーズにLINEした弁護士って敷居が高いって思ってたけど、親身に話を聞いてくれた。代行実施日まで後1ヶ月1ヶ月頑張れば自由になれると思ったら気が楽になった!!アラフォーの転職はどうしよう?みんなどうやって探してるの?やっぱり求人サイトとかなのかなぁ~(引用:Twitter) |
退職代行業者に依頼する前にしておくべきこと
退職代行業者とのトラブルを避けるためにも、依頼する前にしておくべきことがあります。依頼前に、以下3点を確認しておくべきです。
- 有給休暇の残日数を把握する
- 就業規則はあらかじめ確認する
- 退職代行業者に依頼するお金を貯める
次から詳しく解説します。
有給休暇の残日数を把握する
退職代行を利用して会社を辞める際に、有給休暇を取得したい場合は有給休暇の残日数を把握する必要があります。
退職日が確定しなければ、退職日を記載する書類に確定した日付を明記できません。有給休暇の残日数を確認しておくことで、有給休暇取得分を考慮した退職日の算出ができます。
基本的には、給与明細で記載されていることが多いですが、もし有給休暇の残日数が不明であれば、会社に確認しておきましょう。
就業規則はあらかじめ確認する
退職代行業者に依頼する前に、就業規則をあらかじめ確認しておくべきです。なぜなら、就業規則には、退職する手続きのやり方や退職日などが記載されているからです。
確認せずにいきなり「やめたい」と申し出ても、就業規則通りではないとみなされ、退職自体を却下されてしまうことが考えられます。問題なく退職ができるように、就業規則は事前に確認しておきましょう。
退職代行業者に依頼するお金を貯める
退職代行業者に依頼するお金を貯めておくことも、業者に依頼する前に必要なことです。先述した通り、民間の退職代行業者は相場3万円〜5万円で、弁護士の場合は5万円以上となります。
いずれにせよ、まとまったお金がかかりますし、特にオプションなどもつけることを考えているのであれば、相場以上の費用がかかります。事前にお金を用意しておけば、経済的な負担を減らせるため、不安なく退職代行に依頼ができるでしょう。
まとめ
本記事では、退職代行でトラブルが起こる原因をご紹介し、回避する方法や依頼する前に確認しておくべきことなども解説しました。
退職代行に依頼しても、100%スムーズに退職できる保証はありません。「会社」「依頼者」「退職業者」それぞれに原因があり、思わぬトラブルになる可能性も考えられます。
ただし、事前にトラブルを回避できるように行動することは可能です。業務範囲を確認したり、あらかじめ評判や口コミを見ておいたりなど、トラブルのリスクを少しでも減らすことが大切でしょう。
そのためには、実績のある退職代行業者に頼めば安心して退職することが必要です。もし退職業者で迷っている方がいましたら、本記事でご紹介した3つのサービスを参考にしてみてください。