就職活動や転職活動で必要になる履歴書には、免許・資格を記入する欄があります。英検や自動車の運転免許など、資格を持っている方はこの欄に名前を書くことになりますが、実は書き方にいくつかポイントがあります。この記事では、免許・資格欄の正しい書き方と、意外と知らない正式名称を解説します。就活・転職を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
履歴書に免許を書く時のルール
履歴書に免許・資格を書く際は、下記の6つのポイントに注意しましょう。
・免許と資格の名前は正式名称を記入する
・仕事に関連するものを優先的に書く
・合格、取得を使い分ける
・和暦、西暦は他の記入欄と統一し、時系列順に記入する
・最後に「以上」と書かない
・免許、資格を持っていない方は「特になし」と記入する
免許と資格の名前は正式名称を記入する
英検や自動車の運転免許は長いため、原付免許や、自動車免許という風に普段は省略して読み書きされることがほとんどです。ただし、履歴書に書く際は正式名称を記入しなければなりません。ここでは運転免許15種の正式名称を紹介します。
免許の略称 | 免許の正式名称 |
普通 | 普通自動車第一種免許 |
準中型 | 準中型自動車第一種免許 |
中型 | 中型自動車第一種免許 |
大型 | 大型自動車第一種免許 |
大特 | 大型特殊自動車免許 |
原付 | 原動機付自転車免許 |
普自二 | 普通自動二輪車免許 |
大自二 | 大型自動二輪車免許 |
小特 | 小型特殊自動車免許 |
普二 | 普通自動車第二種免許 |
中二 | 中型自動車第二種免許 |
大二 | 大型自動車第二種免許 |
大特二 | 大型特殊自動車第二種免許 |
引 | 牽引免許 |
引二 | 牽引第二種免許 |
自分がどの免許を持っているかわからなくなってしまった場合は、免許証の番号下にあるオレンジ色の枠内に書いてあります。所有している免許には略称が書いてあり、持っていない免許にはハイフンが書いてあります。また、オートマ、マニュアルに関してはかっこで追記しておきましょう。
▼記入例:普通自動車第一種運転免許(AT限定)
よくある免許の正式名称
英検や漢検、宅建など、他の資格も記入する場合は、全て正式名称で書かなければなりません。ここでは、履歴書の免許・資格によく書かれるものの正式名称を紹介します。
免許の略称 | 免許の正式名称 |
英検 | 実用英語技能検定〇級 |
漢検 | 日本漢字能力検定〇級 |
TOEIC | TOEIC Listening&Reading Test 〇点 |
FP | 〇級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
簿記 | 日本簿記検定〇級日本商工会議所簿記検定〇級 |
宅建 | 宅地建物取引士 |
秘書検定 | 秘書技能検定〇級 |
MOS Word | Microsoft Office Specialist Word |
MOS Excel | Microsoft Office Specialist Excel |
教員免許(幼稚園) | 幼稚園教諭(一種・二種・専修)免許状 |
教員免許(小学校) | 小学校教諭(一種・二種・専修)免許状 |
教員免許(中学校) | 中学校教諭(一種・二種・専修)免許状(教科) |
教員免許(高等学校) | 高等学校教諭(一種・専修)免許状(教科) |
仕事に関連するものを優先的に書く
履歴書に書ける免許・資格を何個も持っている場合は、仕事に関連するものを優先的に選びましょう。運送業であれば自動車の運転免許、不動産関係であれば宅建など、各業界の知識・技能を有している証明になり、採用担当者からの評価が高くなります。
また、英検、漢検は2級(高校卒業レベル)からが就活・転職で書けるレベルと言われています。資格の中でも、等級によっては評価が下がるため、注意しましょう。
後ほど解説しますが、免許・資格は取得した順に書くのが決まりです。ここでいう優先度は、記入する免許・資格を表しているのであって、記入順ではありません。業務に関連しない資格は、よほど珍しくない限り、面接官の目を引かないため、覚えておきましょう。
合格、取得を使い分ける
資格の記入欄は、合格、取得を使い分ける必要があります。例えば英検や宅建は合格、運転免許やTOEICは取得といった使い分けをしましょう。
もしも仕事に関連する免許・資格であれば、勉強中でも記入して良いです。応募する企業の業界に関する知識を得ようとしているアピールに繋がります。ただ、実際に取り組んでいないことを勉強中と記入して評価を得ようとすると、虚偽の申告になり、バレた時に即刻不採用になってしまうので注意しましょう。
勉強中の資格の書き方
年 | 月 | 免許・資格 |
2020 | 7 | 日本漢字能力検定2級 |
2021 | 4 | TOEIC Listening&Reading Test 〇点 |
宅地建物取引士の資格取得に向けて勉強中 |
勉強中の資格は免許・資格記入欄の最下部に書くようにします。年月は記入しなくて大丈夫です。もしも試験を受ける日が決まっているのであれば、そちらもあわせて記載しておきましょう。どんなに長くても、免許・資格は正式名称を書くというルールに注意する必要があります。
和暦、西暦は他の記入欄と統一し、時系列順に記入する
年 | 月 | 免許・資格 |
平成28 | 3 | 実用英語技能検定準1級 |
2020 | 7 | 日本漢字能力検定2級 |
2021 | 4 | TOEIC Listening&Reading Test 〇点 |
上記のような免許・資格欄を見てみると、和暦と西暦が混ざっていることがわかります。履歴書では、和暦・西暦どちらでも良いので、全ての記入欄で統一することが重要です。
例えば、学歴・職歴の欄に入学年度(入社年度)を和暦で記入したのであれば、その履歴書の年月日を記入する欄、全て和暦で統一するということを徹底しましょう。また、取得した順に免許・資格を記入していくことに注意が必要です。取得日がバラバラだと、視認性が悪くなってしまいます。
最後に「以上」と書かない
学歴や職歴では、「以上」という単語を記入欄の下に書きます。これは第三者による改善を防ぐという意味も込められています。しかし、免許・資格の記入欄に「以上」は必要ありません。
免許、資格を持っていない方は「特になし」と記入する
免許・資格を持っていないからといって記入欄に何も書かないのはNGです。履歴書を受け取った採用担当者が、書き漏れだと勘違いする可能性があるため、必ず記入しておきましょう。
免許・資格欄を書く際の注意点
ここでは、免許・資格欄を書く際の注意点を解説します。どれか1つ漏れてしまうと、履歴書を見た採用担当者からの評価を下げる可能性があるため、最後までチェックしておきましょう。
【大前提】嘘はつかない
免許・資格欄に限らず履歴書全体に当てはまることですが、虚偽の記載は絶対にしてはいけません。例えば英検3級を2級と偽る、これから試験を受ける資格を取得したことにして記載するといった行為はNGです。虚偽の記載であることが企業側にバレた場合、内定取り消しになる可能性があります。履歴書は入社後も保管されるため、入社後に虚偽の申告が発覚して解雇になる可能性もあります。必ず事実のみを書くようにしましょう。
ペーパードライバーでも書いて良いのか
答えはイエスです。ペーパードライバーでも、運転免許を持っていることには変わりませんので記載して構いません。ただ、運転免許を書いた以上、採用担当者は自動車を運転できる人材だと思って採用しているため、車での営業を任されるかもしれません。入社までに運転の練習をしておくことをおすすめします。
もし直近の運転状況を質問された場合は、正直にペーパードライバーであることを伝えましょう。ここで無理をしてしまうと、実際に業務で困るのはあなた自身ですし、営業車で事故を起こし、第三者を巻き込んでしまうかもしれません。ただペーパードライバーであることを伝えるだけでは評価を落としかねないので、「しばらくの間ハンドルを握っていなかったので、運転感覚を取り戻すために最近、家族、友人に付き添ってもらい練習をしています。」といった補足ができると、評価が極端に下がることはなくなります。
正確に記入する
上記の虚偽の記載に関連しますが、履歴書は正確性が重要です。特に取得年月を記載する免許・資格欄は、うろ覚えで適当な数字を書いてしまうと虚偽の記載になることがあるので、取得年月が怪しい場合は、必ず確認しておきましょう。取得年月は合格証や各ライセンスカードに記載されています。
業務に関係のない免許・資格は他の欄に記入する
免許・資格欄には、業務に関連するものを優先して書くべきです。例えばIT企業に応募する際、ITパスポートは面接官の目を引いても、世界遺産検定は評価が変わらない場合があります。
業務に関係のない資格は、自由記入欄や趣味・資格欄に記入しましょう。好きなことに関して資格をとると、物事に対する好奇心と、向上心をアピールできます。また、面接官が同様の趣味を持っていると、話が盛り上がり、面接が和やかな雰囲気になるというメリットもあります。
あまりにも業務とかけ離れた資格を記載するのは注意が必要です。例えば、IT企業へ応募したにもかかわらず不動産系の企業で役に立つ宅建士を書くと、面接の際に「なぜその資格を持っているのにうちを受けたのか」と質問される可能性があります。適切な返答が思いつかない場合は、記載する資格を取捨選択して、余計なやり取りが発生しないよう注意しましょう。
履歴書に書くと評価が高くなる可能性のある資格
さまざまな免許・資格がある中で、選考を有利に進めることのできるものが一定数存在します。それが業務に関連したもの、パソコンスキル系、語学関係、国家資格の4つです。
業務に関連した資格・免許
重ねての説明にはなりますが、応募先企業の業務に関する免許・資格を有していると、選考が有利になる可能性が高まります。入社後に宅建士の資格を取ってもらう不動産会社に、宅建士を持った状態で入社すれば、会社としては試験を受けてもらう工数がかからず、応募者も空いた時間をプライベートに充てられるため、双方にメリットがありますよね。
未経験職へ転職する場合でも、業務に関する基礎知識を持っているだけで、採用担当者からの評価は変わってきます。
パソコンスキル系
現代日本において、パソコンスキルはどの会社でも活きる力です。MOSはエクセルやワードの使い方を把握している証明になりますし、パソコン上で製図・設計を行うCADを取得していれば、アパレルや建設、機械業界で重宝されます。
もし履歴書に書く免許・資格がない場合でも、「エクセル、ワード、パワーポイントの基礎的な使い方がわかる」と口頭で伝えるだけでも、選考の際に判断材料になるため、面接の時は意識してみましょう。
語学関係
英検1級〜2級、TOEIC600点以上といった一定の語学力を有している証になる資格を持っていると、外資系企業や、海外の社員と働くことが多い企業で重宝されます。
企業によっては求められる語学力が高く、TOEIC700点以上が当たり前といった場合があるため、事前に各企業が求める語学レベルを調査しておきましょう。
国家資格
教員免許や公認会計士といった国家資格は、過去の職歴の証明になるのでおすすめです。取得難易度の高い資格ほど、採用担当者からの評価は高くなります。
ただ、資格とは全く別の職業に応募した場合、その理由を深掘りされることが予想されますので、対策しておきましょう。
まとめ
履歴書に免許・資格を書く際は、下記の6点に注意しましょう。
・正式名称を記入する
・仕事に関連するものを優先的に書く
・合格、取得を使い分ける
・和暦、西暦は履歴書全体で統一し、時系列順に記入する
・最後に「以上」と書かない
・免許、資格を持っていない場合は「特になし」と記入する
免許・資格は選考で有利にはたらく可能性のある要素です。つまらないミスで評価を落とさないよう入念にチェックしておくのがおすすめです。
また、虚偽の記載はバレた時に非常にデメリットが大きいため、いい加減なことは記載せず、正しい内容を書きましょう。
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