履歴書を書く際に、必ず書かなければならないのが学歴・職歴。職歴欄には、正社員として勤めた期間を書くと思われがちですが、これまでの経歴に、契約社員時代のことは記載すべきなのでしょうか?この記事では、契約社員の履歴書の書き方を解説します。ケース別に解説しているので、ご自身の境遇と合致するものがあれば、ぜひ参考にしてください。
目次
契約社員の履歴書はどう書く?
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職歴 | ||
2013年 | 4 | 株式会社〇〇 入社(契約社員として) |
前提として、契約社員でも経歴にはその旨を記載しましょう。書き方としては、入社年月と会社名の後にかっこ書きで記載すれば大丈夫です。非正規労働期間が長く、イメージを低下させる情報は書きたくない場合でも、必ず記載しましょう。正社員と偽れば経歴詐称ですし、何も書かなければその間何をしていたのか厳しい質問をされることになります。正社員の経歴がないと選考が不利になると思って嘘を書くと虚偽の申告となり解雇や採用取り消し、損害賠償にまで発展するケースがあるため、注意しましょう。
雇用形態は記載する
なぜ正社員だけでなく契約社員でも職歴に書くのでしょうか?それは雇用形態が採用に大きく関わるからです。正社員と非正規社員では、任される仕事と裁量、それによる責任の大きさが異なります。例えば正社員を5年間していた方と、契約社員を5年間経験した方では、どうしてもスキルや知識に開きがある可能性があります。採用担当者が正社員の経験が5年ある方を中途採用して、実は非正規社員だった場合は、期待値と実際の能力に差が生じるのです。
各雇用形態の違いと特徴
各雇用形態の違いと特徴を解説します。採用担当者が正社員と非正規社員をどのように区別し評価するのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
正社員の特徴
正社員は雇用期間に定めのない雇用形態で、フルタイムで働くのが基本です。基本は8時間ですが、企業によっては時短勤務や時差出勤が認められているため、プライベートとの両立を目指せます。長期雇用を前提として労働契約を結び、会社の業績が悪化しない限りは契約を打ち切られる可能性が低いため、正社員は社会的信頼を評価されることが多いです。そのため、住宅や自動車のような金額の大きな買い物をする際は、正社員の方がローンを組みやすいです。後述する契約社員、派遣社員、パート・アルバイトと比較すると、仕事の裁量が最も大きく、責任が1番伴う契約形態です。企業や配属先によっては、転勤や異動が頻繁にある場合があります。その分、住宅手当や交通費といった各種手当や賞与・退職金、社会保険、といった福利厚生は充実しています。
労働者からすると、安定的な雇用がメリットで、企業側からすれば、ゆっくり人材育成に時間を割けられるため、将来的な業績に繋がりやすいです。しかし、簡単には解雇できず、一人前になるまでにコストを割き続けなければなりません。途中で退職されてしまうとかけたコストが無駄になってしまう懸念点もあります。
非正規社員の特徴
非正規社員とは雇用期間が定められている雇用形態です。正社員と大きく違う点が、この雇用期間の有無で、仕事の裁量、責任、待遇に差が生じる原因です。非正規社員は、大きく分けて「契約社員」「派遣労働」「アルバイト・パート」の3つに分かれます。この3つも詳しくみていくと、企業と直接雇用契約を結ぶ「直接雇用」に該当する「契約社員」「アルバイト・パート」と、会社を1つ経由して雇用契約を結ぶ「派遣雇用」に「派遣社員」に分かれます。
非正規雇用契約は各種手当や賞与が与えられない場合が多く、雇用者からすると人件費を削減できるのがメリットです。
契約社員の特徴
契約社員は、雇用期間が定められる有期労働契約です。一般的に3年間が契約期間とされており、5年間就業を続けると、雇用先企業と労働者が双方に合意すれば雇用期間のない契約へ移行できます。実績・業績があれば契約が延長される可能性がありますが、企業の期待値に見合う働きができなかった場合は契約が終了となり、自ら次の就業先を探さなくてはなりません。契約社員は正社員と同様の仕事を任せながら、給与・賞与は正社員よりも抑えられるため、企業からすると人件費がカットできるというメリットがあります。繁忙期に合わせて即戦力となる人材を雇える点もメリットです。
派遣社員の特徴
派遣社員は、雇用先と就業先が異なる雇用形態で、一定の期間が過ぎると、就業先で延長して働くか、別の就業先へ赴くことになります。就業先が異なると、トラブルに巻き込まれるのではないかと心配する方もいらっしゃいますが、さまざまな規定が用意されています。派遣社員からすれば、就業先での契約期間が終わっても、雇用先から新たな就業先を紹介してもらえるのが契約社員と違う点です。ただし、前述の通り、雇用先と就業先が別なので、退職する際は2つの会社と日程を調整しなければなりません。
雇用側からすれば、専門的なスキル・知識を身につけた即戦力の労働者を手間をかけずに集められるのがメリットです。保険や手当、税金の計算が正社員の対応ほども負担になりません。ただ、就業先が一定期間で変わるため、その都度育成が必要なのがデメリットです。
パート・アルバイトの特徴
パート・アルバイトは学生(高校生以上)、社会人にかかわらず契約できる労働形態です。仕事の裁量が限られ、社会的な責任は他の雇用形態と比較して少ないのが特徴です。ただし、その反面福利厚生は限られ、交通費や社会保険といった最低限のものしか適用されません。勤務時間はシフト制であればかなり柔軟に設定できるのがメリットで、2〜3時間のような時短勤務や8時間勤務、残業や夜間手当目当てで12時間といった、ライフスタイルやスケジュールに合わせて労働時間を変えられます。
契約社員の職歴
ここでは、契約社員の職歴の記入例を解説していきます。前提として、「契約社員」「契約社員として」といった文言の記載を忘れないようにしましょう。
在職中の場合
在職中の場合は、会社名と、契約社員であることの明記をして、次の行に「現在に至る」「以上」と書きます。現在に至ると記載することで、この応募者は現在もこの会社に契約社員として勤めているとわかります。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社(契約社員) |
現在に至る |
自己(会社)都合退職の場合
契約満了の前に退職した場合は、入社と記載した行の1つ下に退職した旨を記載します。自己都合なのか会社都合なのかは明記した方が、面接に進んだ時に説明がしやすくなります。
また、契約の満了前に退職すると、面接にて「なぜ前の会社をやめてうちに来ようと思ったのか」「前の会社で得たこと」といった質問をされる場合があるため、必ず回答を考えて準備しておきましょう。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社(契約社員) |
2022年 | 1 | 自己都合(会社都合)により退職 |
契約満了の場合
契約が満了した場合は、入社の次の行に契約満了により退職した旨を記載します。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社(契約社員) |
2022年 | 3 | 契約期間満了により退職 |
正社員登用された場合
契約社員として働いていると、実績が評価されて正社員へ登用される場合があります。正社員登用の場合は、入社の次の行に「正社員として登用」と記載します。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社(契約社員) |
2022年 | 4 | 同社に正社員として登用 |
派遣社員の職歴
派遣社員は、契約社員と違って雇用先と就業先が異なるため、どちらの会社名も記載しておくのがポイントです。
在職中の場合
在職中の場合は、まず雇用先の会社名を記載します。入社ではなく「登録」という表現が好ましいです。次の行に就業先の会社名と職種を記載する形になります。契約社員の場合と同様、「現在に至る」「以上」と続けて書きましょう。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇に派遣社員として登録 |
株式会社△△に事務職として勤務 | ||
現在に至る | ||
以上 |
自己(会社)都合退職の場合
自己都合、または会社都合で退職する場合も、途中までの書き方は同じです。現愛に至るを、退職した旨に書き換えます。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇に派遣社員として登録 |
株式会社△△に事務職として勤務 | ||
2021年 | 3 | 自己都合(会社都合)により退職 |
契約満了の場合
契約期間満了の書き方は、自己都合・会社都合退職とほとんど同じです。契約期間満了で退職するのと、自己都合、会社都合で途中退職するのは、捉えられ方がまるで変わってくるので、必ず「契約期間満了」と記載しましょう。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇に派遣社員として登録 |
株式会社△△に事務職として勤務 | ||
2021年 | 3 | 契約期間満了のため退職 |
正社員登用された場合
正社員として登用された場合も、これまで同様に就業先を記載した行の1つ下に明記します。雇用先か、就業先か、どちらに正社員として登用されたのかをハッキリさせるために、会社名は記載しましょう。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇に派遣社員として登録 |
株式会社△△に事務職として勤務 | ||
2021年 | 3 | 株式会社△△に正社員として登用 |
正社員の職歴
正社員として働いていた期間の職歴を書く際は、これまでの記載に比べればかなりシンプルになります。直接雇用なので、雇用先と就業先が一緒ですし、かっこ書きで契約社員と書く必要もありません。また、契約期間がないため、契約満了による退職がないのも特徴です。
在職中の場合
在職中であれば、記載はシンプルに入社年月と会社名、現在に至るという表記だけで構いません。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
現在に至る | ||
以上 |
自己都合退職の場合
自己都合で勤めていた会社を退職する際は、「一身上の都合により」とぼかして書いても問題ありません。退職理由は人それぞれで、中には履歴書の学歴・職歴欄に書ききれないほど複雑な事情である場合があります。履歴書ではシンプルに書いておき、面接で聞かれた時は、しっかり退職理由を答えましょう。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
一身上の都合により退職 | ||
以上 |
会社都合退職の場合
会社都合で退職になった場合は、きちんとその旨を明記しておきましょう。自己都合による退職か、会社都合による退職かによって、採用側の捉え方が全く違ってきます。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
会社都合により退職 | ||
以上 |
退職予定の場合
現在勤めている会社を辞める予定があり、その日付や時期が決まっているのであれば、必ず記載しておきましょう。採用側からすると、「いつ頃から働けるのか」が気になっています。3月に退職であれば、4月からは入社してもらえると、選考の際に判断材料になるため、必ず記載しましょう。
2019年 | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
2022年3月に同社を退職予定 | ||
以上 |
まとめ
正社員、契約社員といった雇用形態にかかわらず履歴書の学歴・職歴欄には、経歴をしっかり記載しましょう。正社員と非正規社員では、一般的に仕事の裁量や責任の重さに差があり、知らないまま採用してしまうと採用側の期待値と、実際の実力が釣り合わないことがあるからです。
契約社員であれば「契約社員として」、派遣社員であれば雇用先と就業先の2つの会社名を書くといった工夫が必要です。
自己都合なのか、会社都合なのか、契約満了によるものなのか、退職理由は、採用担当者の捉え方を変えるため、必ず記載しましょう。
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