履歴書に書く学歴は、スムーズに入学から卒業までいけば問題ありませんが、人によっては、編入や休学・中退といったさまざまなケースがあります。この記事では、パターン別に正しい学歴の書き方を解説します。記事の後半では職歴の書き方も解説しているため、就職活動中、転職活動中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
正しい学歴・職歴の書き方
学歴・職歴の書き方にはさまざまなルールがあります。はじめに、履歴書がどのようなレイアウトなのか確認しましょう。
▼記入例
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
2010 | 4 | 東京都立中央高等学校 普通科 入学 |
2013 | 3 | 東京都立中央高等学校 普通科 卒業 |
2013 | 4 | 〇〇大学△△学部〇〇学科△△専攻 入学 |
2017 | 3 | 〇〇大学△△学部〇〇学科△△専攻 卒業 |
職歴 | ||
2017 | 4 | 株式会社〇〇 入社(従業員数300人) |
賃貸物件の営業を担当 | ||
2019 | 4 | 広報課へ異動。ホームページの更新やパンフレット作成を担当 |
2021 | 3 | 一身上の都合により退職 |
以上 |
学歴・職歴欄はひとまとめになっており、自分で学歴・職歴という文字を記載しなければなりません。年代の古い順に書き出し、最後には「以上」と記載します。以上は付けなくてもあまり影響はありませんが、採用担当者に正しく経歴を伝えるために付けておきましょう。
<h3>新卒や職務経歴が少ない場合は中学入学から</h3>
学歴はどこから書き始めるべきなのかという疑問を抱く方は少なくありません。一般的には中学校入学のタイミングか、高校入学のタイミングのどちらかです。
職歴のない新卒就活の学生や、職歴が少ない転職希望者は中学校入学から記載しましょう。
職務経歴が多い場合は高校入学から
職務経歴が多い場合は高校入学から記載しましょう。中途採用の場合、学歴よりも、これまでどのような業務に携わってきたかのほうが注目されます。アピールポイントを増やすためにも、高校入学から記載して、学歴欄を縮め、職歴にウェイトを割きましょう。
編入した場合の書き方
入学時と異なる学科に編入した場合や、他の大学へ編入学した場合は、下記のように大学入学の1行下に記載します。他大学へ編入した場合、元いた大学は中途退学扱いになりますが、履歴書に「中途退学」と記載すると編入した意図が伝わりづらくなるため、省略しています。
▼記入例
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
2010 | 4 | 東京都立中央高等学校 普通科 入学 |
2013 | 3 | 東京都立中央高等学校 普通科 卒業 |
2013 | 4 | 〇〇大学△△学部〇〇学科△△専攻 入学 |
2015 | 4 | 〇〇大学◇◇学部△△学科〇〇専攻 編入学 |
2017 | 3 | 〇〇大学◇◇学部△△学科〇〇専攻 卒業 |
休学した場合の書き方
健康上の問題等で休学をした場合は、理由を添えて入学と卒業の間の行へ差し込みます。健康上の問題が原因で休学した場合、採用担当者にあまりポジティブには捉えてもらえないので、完治している場合は、その旨を必ず記載しましょう。
▼記入例
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
2010 | 4 | 東京都立中央高等学校 普通科 入学 |
2013 | 3 | 東京都立中央高等学校 普通科 卒業 |
2013 | 4 | 〇〇大学△△学部〇〇学科△△専攻 入学 |
2年次に、病気療養のため1年休学(現在は完治しています) | ||
2018 | 3 | 〇〇大学◇◇学部△△学科〇〇専攻 卒業 |
留年した場合の書き方
留年した場合も、休学した時と同様、入学と卒業の間の行に留年した旨を記載します。留年はネガティブな要素なので、その失敗を、これからの人生にどのように活かしていくか説明できるようにしておきましょう。採用担当者を納得させることができれば、留年が原因で選考に落ちる可能性は低くなります。
留学した場合の書き方
留学した場合も、休学した時と同様、入学と卒業の間の行に留学した旨を記載します。どれくらいの期間、どの国、どの大学へ行っていたのか明記するようにしましょう。
▼記入例
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
2010 | 4 | 東京都立中央高等学校 普通科 入学 |
2013 | 3 | 東京都立中央高等学校 普通科 卒業 |
2013 | 4 | 〇〇大学△△学部〇〇学科△△専攻 入学 |
2015年4月から2016年3月までアメリカ 〇〇大学へ留学 | ||
2018 | 3 | 〇〇大学◇◇学部△△学科〇〇専攻 卒業 |
中退した場合の書き方
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
2010 | 4 | 東京都立中央高等学校 普通科 入学 |
2013 | 3 | 東京都立中央高等学校 普通科 卒業 |
2013 | 4 | 〇〇大学△△学部〇〇学科△△専攻 入学 |
2015 | 3 | 〇〇大学◇◇学部△△学科〇〇専攻 中途退学(金銭的な事情のため) |
中退した場合は、大学名〜専攻名の後に、中途退学と記載します。その際、必ず理由をつけておきましょう。中退は金銭的事情や健康的な問題、介護といったやむを得ない事情もあれば、社会的責任を負って中退を余儀なくされることもあります。採用担当者は中退の理由に着目するため、かっこ書きで理由を書きましょう。
履歴書に学歴・職歴を書くときのポイント
ここでは履歴書に学歴・職歴を書く際のポイントを解説します。選考で評価を落とさないために必要な要素ですので、ぜひ最後までチェックしてください。
嘘を書くのはNG
前提として、履歴書に嘘を書いてはいけません。大学名くらい嘘を書いてもバレないと思っていても成績表の提出を求められます。バレた時に学歴詐称で解雇、採用取り消しになる可能性があるため、絶対にしてはいけません。
また、うろ覚えの入学・卒業年月を書いてしまうと、場合によっては虚偽の申告になってしまいます。解雇、採用取り消しにならない場合でも、仕事に対する姿勢が甘いという評価を受ける可能性があるのです。
例えば、うろ覚えの内容を記載して、面接で虚偽であることが判明した際、あなたは嘘をついたつもりはなくても、採用担当者からすれば、何かネガティブなことを隠しているのではないかと疑ってしまいます。また、単純な記載ミスだったとしても「確認作業を怠った」「曖昧な内容を書く責任感のない人」といったネガティブな印象を採用担当者に与え、この人とは仕事をしたくないと思われる可能性があるのです。
このような小さなことでも、仕事に対する考え方が履歴書に出てしまうので、日頃から注意しましょう。
学歴は正式名称で書く
中学、高校、大学といった学歴を履歴書には書くことになりますが、全て正式名称で書かなければなりません。地元の学校に進学するのではなく、社会に出るので、「市立(区立)〇〇中学校」などと記載してはいけません。公立の場合は、「〇〇市立(区立)△△中学校」という風に、どこの市区町村に該当するのか記載しましょう。
普段言い慣れている「高校」という言葉は、「高等学校」という正式名称で表記しなければなりません。公立の場合は、「東京都立」「神奈川県立」といった地区名も記載しましょう。私立の場合は、「私立〇〇高等学校」という表記で大丈夫です。また、高校によっては普通科以外にも、調理科や英語科が置かれている場合があります。出身高校に学科が複数ある場合は、学校名と学科名を記載しましょう。
普通科しかない高校であれば、学科を省略しても構いません。ただし、省略できるのは全日制の普通科の場合です。定時制や通信制の普通科の場合は学科名を明記する必要があります。
大学の場合は、長くても学校名、学部、学科、専攻を省略せずに書きましょう。学部までしか書かないのと、専攻まで書くのでは、採用担当者に与える印象がまるで異なります。
例えば、「〇〇大学 工学部」とだけ記載するのと、「〇〇大学 工学部 交通機械工学科 航空宇宙専攻」と詳細に記載するのでは、採用担当者が得られる情報に大きな差があります。応募者が大学で何を学んできたのか把握しやすいのは後者の学科・専攻まで書くほうです。
同じ学歴でも、詳細に書くことで、この人に面接を組んで話を聞いてみたいという意志を抱かせることができます。
学科に関して予想される質問を考えておく
学科がより専門的なものや、珍しいものほど、大学で何を学んできたのか、何を研究しているのか質問されることが多くなります。自分が学校で何を学んできたのか、論理立てて説明できるように練習をしておきましょう。
また、大学で学んだ内容と応募先企業の業務内容がかけ離れている場合、ほとんどの場合で「大学で学んだことを弊社で活かせますか」という質問をされます。例えるならば、文学部からIT系、法学部から介護職といったケースです。このような質問をされて、回答に詰まってしまうようであれば「業界研究が足りない」「入社前後のギャップを理由に早期離職に繋がりそう」という評価を受けて、選考通過の可能性が低くなります。前もって回答を準備しておきましょう。
大学で専攻した内容とは違う進路へ進んだとしても、企業は即座に落とすことはありません。大学で学んだ内容を活かせる業界に進まず、全く未知の分野へ就職を希望するのには、それなりの理由があるはずです。その理由を説明して、採用担当者が納得すれば、大いに選考通過の可能性が高まります。
入学・卒業年月早見表
※早生まれは前の年に含みます
1998年生まれ(平成10年) | 1999年生まれ(平成11年) | 2000年生まれ(平成12年) | 2001年生まれ(平成13年) | |
中学校卒業 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3月 |
高等学校入学 | 2014年4月 | 2015年4月 | 2016年4月 | 2017年4月 |
高等学校卒業 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
大学現役入学 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | 2020年4月 |
4年制大学卒業 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 |
学歴を書く際は、記載する年月に誤りがあってはいけません。入学・卒業年度の早見表を参考に、正しい数値を記入しましょう。早生まれは1年前の数字を参考にしてください。例えば2000年1月〜3月に誕生日がある早生まれの方は、1999年生まれの入学・卒業年度を参考にしてください。
職歴は会社名以外の情報も記載する
職歴は会社の正式名称を記載して、社員数や簡単な業務内容、異動情報を記載しましょう。履歴書による書類選考の段階では、よほど有名な会社名でなければ、採用担当者は応募者の特徴を掴めません。
前職(現職)でどのような業務を遂行し、役職はどこまで上り詰めたのか記載することで、採用担当者へ「自分がどういう経歴をもつ人なのか」わかってもらいやすくなります。他の応募者と差別化できるポイントにもなるので、注意しましょう。
学生の間は職歴がない
職歴とは、社員として実務を担当した期間を指すため、学生であるうちは職歴に書けることはまずありません。インターンやアルバイト経歴を書いてしまうケースがありますが、それらは職歴ではないので、自由記入欄に記載しましょう。もしも、インターン、アルバイトの業務内容が応募先企業の業務に関連するものであれば、積極的に自由記入欄や自己PR欄に記載しましょう。他の応募者との大きな差別化ポイントになります。
また、職歴がない場合には「なし」と書きましょう。職歴に何も書かなかった場合、書き漏れだと思われてしまうことがあります。特に学生の方は「なし」と記載することを忘れないようにしましょう。
まとめ
履歴書に書く学歴は、中学校入学または高校入学から順に記載していきます。基本的に入学と卒業で1セットですが、編入、留学、休学といった出来事があった場合は、入学と卒業の間にその旨を書く1行を差し込みましょう。
中退は中途退学と表記して、理由を付け加えておきましょう。あまりポジティブな印象を抱かれない中退ですが、金銭的な事情や介護といったやむを得ない事情であれば、採用担当者も納得できます。
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