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「ご都合のよろしい」とは?正しい使い方や敬語を徹底解説

普段何気なくメールや会話で使用している「ご都合のよろしい」というフレーズ。

特に、ビジネスシーンでは、社内外問わずに色々な方へ予定を伺う際に使われていると思います。

今回の記事では、「ご都合のよろしい」の意味や正しい使い方、ビジネスメールでの例文を紹介していきます。

ぜひ参考にして、「ご都合のよろしい」の理解を深めるだけでなく、あらゆるビジネスシーンでスムーズに使えるようになりましょう。

目次

「ご都合のよろしい」とは?

「都合」とは、「つごう」と読み、「ものごとを行う際の事情」や「ものごとを行えない理由」「やりくりをすること、工面すること」を意味します。

この「都合」の頭に「ご」と丁寧語をつけた言葉が「ご都合」となります。

そのため、「ご都合のよろしい」の使い方としては、相手に予定を確認する場面で使われます。

たとえば、「ご都合のよろしい時間をお伺いしてもよろしいでしょうか」などの言い方はよく見聞きしますよね。

取引先や目上の方に対して、スケジュールが合うかどうか聞く場合に活用されるフレーズです。

「ご都合のよろしい」の敬語表現3つ

まずは、相手に都合が良いかどうかを尋ねる際に使える、敬語表現を3つにまとめました。

使うシーンや相手との関係性によって最適なものを選べるとよいでしょう。

1.「ご都合はよろしいでしょうか」

1つ目は、「ご都合はよろしいでしょうか」です。

「ご都合はよろしいでしょうか」は「ご都合はいいですか」の敬語表現。

相手に日時や場所を決めてもらう場合と、あらかじめこちらが決めた内容を提示し、対応可能かどうかを確認する場合の両方に使用できるフレーズです。

基本的に丁寧な言い回しなので、誰に対しても使えるオールマイティな表現。

ビジネスシーンで大活躍する言葉なので、いつでもサラッと口から出るようにマスターしましょう。

例文貴社に来週月曜にお伺いする件ですが、何時頃ならご都合がよろしいでしょうか。
来月の定例会もいつも通り第1月曜日で予定しておりますが、ご都合はよろしいでしょうか。
来週末までに修正した提案書をいただければありがたいのですが、ご都合はよろしいですか。

2.「ご都合はいかがでしょうか」

2つ目は、「ご都合はいかがでしょうか」です。

「ご都合はいかがでしょうか」は「ご都合はどうですか」の敬語表現。

「ご都合はいかがでしょうか」は相手に日時を決めてもらう場合と、こちらからの提案を相手に示し、対応可能かどうかを確認する場合の両方に使用できる言葉です。

「ご都合はいかがでしょう」は前述した「ご都合はよろしいでしょうか」と、使われる場面は同じですが少しニュアンスが変わってきます。

「いかがでしょう」は相手に意見を求める言葉で、「よろしいでしょうか」は許可を求める言葉です。

そのため、どちらを使うべきか迷った際には、「どうですか」「いいですか」のどちらなのかを思い返しましょう。

そうすることで、相手に聞きたいのか、相手に許可を取りたいのか、状況によって適切な方を選べるようになるでしょう。

来月の5日に取引様向けセミナーを開催いたしますが、ご都合のほどいかがでしょうか。
一度貴社にお伺いし〇〇様にお目にかかりたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。
半期に一回のカンファレンスにて貴社にご登壇頂きたく、〇月△日のご都合はいかがでしょうか。

3.「ご都合のいい日を教えていただけますか」

3つ目は「ご都合のいい日を教えていただけますか」です。

これは「ご都合のいい日を教えてください」の敬語表現。相手の予定を聞いてから、その予定にこちらの予定を合わせる場合に使用します。

主にいくつか候補日をもらうなど、スケジュール調整に余裕があるときに用いられる表現です。

こちらが「相手に合わせる=下手に出ている」表現なので、取引先のお客様や目上の方に使うのがおすすめです。

弊社は来月下旬なら空いておりますので、ご都合のいい日を教えていただけますか。
セミナーの開催日まであまり日がないため、勝手ながら以下の日程のなかで貴社のご都合のつく日をご教示いただければ幸いです。
次回の定例会について、ご都合の良い日時を2、3教えていただけると幸いです。

「ご都合のよろしい」の言い換え表現と例文

「ご都合のよろしい」には類語表現もあります。例文とあわせて紹介していきますので、場面や相手によって使い分けられるとよいでしょう。

ご面倒でなければ

「ご面倒でなければ」は「面倒でなければ」に「ご」を付けて丁寧に表現しています。

相手の都合だけでなく、相手にかかる手間や負担を配慮し、何かをお願いするときに使うことが多いです。

自分が依頼することで相手の負担が増える場合、「ご面倒でなければ」を使うと良い人間関係を保って、コミュニケーションを取ることができますよ。

<例文>
ご面倒でなければ出張の際には一度、弊社にお立ち寄りいただけませんか。

差し支えなければ

「差し支え(さしつかえ)」とは「都合の悪い事情」「支障」を意味します。

つまり「差し支えなければ」とは、「都合の悪い事情がなければ」という意味。

「ご都合がよろしければ」は相手の「都合」を聞いていますが、「差し支えなければ」は相手の「悪い事情」の有無を聞いて、それをもとに判断してくださいという意味が含まれています。

言葉自体は敬語ではありませんが、相手に判断をゆだねて、相手の都合を最優先にしている配慮を含みます。そのため、取引先や上司など、目上の方にも使える言葉です。

<例文>
・差し支えなければお客様のお名前とご年齢をお伺いしてもよろしいでしょうか。
・差し支えなければ、この後5分ほどお時間よろしいでしょうか。
・差し支えなければ、今回の提案書について詳しくお聞かせ頂けますでしょうか。

可能であれば

自分が依頼することが、相手にとって可能であるかどうかを伺うときに使うクッション言葉です。「可能であれば〇〇していただけると幸いです」というのが一般的です。

ポイントとしては文末を「〇〇してください」ではなく「〇〇していただけると幸いです」と締めくくっているところ。

「対応してもらえたら嬉しい」という気持ちの表れで、決して無理強いはしていない意図が含まれます。

<例文>
可能であれば、明日までに先ほどお送りした資料を確認していただけると幸いです。

「ご都合のよろしい時に」を「社内で使う場合」と「社外で使う場合」の使い分け

ビジネスコミュニケーションにおいて、「ご都合のよろしい時に」というフレーズは、相手に敬意を示しつつ、柔軟な対応を促す際に非常に役立ちます。この表現は、相手の都合を最優先に考える姿勢を示すため、社内外問わず幅広いシーンで使用されます。

ここからは、「社内で使う場合」と「社外で使う場合」における「ご都合のよろしい時に」の適切な使い方を、具体的なシーンと例文を交えて紹介します。

社内で使う場合

ミーティングの日程調整

社内でのミーティングや打ち合わせの日程を調整する際に、「ご都合のよろしい時に」を用いることで、参加者全員の都合を尊重する姿勢を示せます。


例文: 「来週のプロジェクト打ち合わせにつきまして、皆様のご都合のよろしい時に設定させていただきたく存じます。ご希望の日時をお知らせください。」

ドキュメントの確認依頼

報告書や提案書など、重要なドキュメントの確認を依頼する際にも、「ご都合のよろしい時に」を使うことで、相手の負担を考慮した柔軟な対応を促せます。


例文: 「最終報告書の確認をお願いできればと思います。ご多忙のところ恐縮ですが、ご都合のよろしい時に一度ご覧いただけますと幸いです。」

社外で使う場合

顧客へのアポイントメント提案

顧客との商談やミーティングのアポイントメントを提案する際、この表現を使うことで、顧客のスケジュールを尊重し、好印象を与えることができます。


例文: 「製品デモのご説明をさせていただきたいと思います。ご都合のよろしい時に、お時間をいただけますでしょうか?」

サービスのフィードバック依頼

提供したサービスに対するフィードバックを顧客に依頼する際にも、このフレーズを使用することで、顧客の忙しいスケジュールを考慮した上で意見を求めることができます。


例文: 「先日は弊社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございました。サービスに関するご意見を伺いたく、ご都合のよろしい時に簡単なアンケートにお答えいただけますと幸いです。」

「ご都合のよろしい時に」というフレーズは、相手への敬意と柔軟な姿勢を示すための有効なツールです。社内外を問わず、さまざまなコミュニケーションシーンでこの表現を適切に使い分けることで、スムーズで協調的な関係構築に

役立ちます。どんなに忙しい時でも、相手の都合を尊重することで、より良い協力関係を築くことができるでしょう。

「ご都合のよろしい」の英語表現

「いつがご都合よろしいでしょうか?」という表現は、英語表現はビジネスシーンでも頻出します。さまざまな状況で活用できますので、これを機にぜひ覚えておきましょう。

たとえば、カジュアルな「いつがいい?」という言い回しなら、英語でもすぐに思いつくことができるでしょう。

いつがいい?
When’s good for you?

ただ、どうしても友達同士で話しているような印象になり、ビジネスでの英語表現とは言えませんね。

そこで、丁寧さを表現する「would」を使いましょう。

いつがご都合よろしいでしょうか?
When would it be convenient for you?When would it be convenient?

couldではなくwouldを使う理由もちゃんとあります。

なぜなら、丁寧な日本語のニュアンスに近いのは、couldよりもwouldだからです。

そこで、couldとwouldの意味の違いもおさえておきましょう。

could:元の形はcan、能力的・物理的に実行可能かどうかを確認したい場合
would:元の形はwill、実行可能なことをしてくれる意思があるかどうかをたずねる場合

例文で比較してみましょう。

「could」を使う場合は次のような言い回しになります。

いつなら都合がいいですか?
When could it be convenient?

一方、「would」を使う場合は次の通りです。

いつがご都合よろしいでしょうか?
When would it be convenient?
ご都合のよい時間と場所を教えていただけますか?
Please would you indicate a suitable time and place to meet?

「could」は相手にとって都合が合う時間があるかどうかを、物理的に聞いています。

一方、「would」は相手に失礼にならないよう、意思を尊重した聞き方です。

海外の方にとっては、日本語のニュアンスというのはやや伝わりにくいこともありますが、ビジネスシーンや目上の方に対しては「would」を使うのがよいでしょう。

参考:英語ぷらす|英語で「いつがご都合よろしいですか?」ビジネスで使える丁寧な英語表現

「ご都合のよろしい」の返事の仕方

ビジネスでは都合を聞かれるパターンも多くありますよね。

仕事の依頼やミーティングを開催したいと思って聞かれたのに、複数の予定が立て込んでいて、即答できないと仕事が滞ってしまう危険性もあります。

そのため、基本的には速やかに返事をしたいものです。

そこで、相手から「ご都合のよろしい」という言い回しで予定を聞かれた際の、返事の仕方を3つ解説していきます。

状況に応じて正しく使い分けられるようになりましょう。

1.都合がいい場合

都合を聞かれて「大丈夫です」と答える方をよく見かけます。

ただ、日本語における「大丈夫です」は、「NO(いいえ、大丈夫です)」のニュアンスで使用する方もいるので注意が必要。

誤解を招かないよう、次のような返事の仕方がベターです。

<例文>
「一度貴社にお伺いしたいのですが、〇〇様のご都合はいかがでしょうか」
「ご連絡、誠にありがとうございます。来月ならまだまだ予定があいておりますので、2,3候補日をご教示くださいませ」
<例文>
「来週の月曜、貴社にお伺いする件でご連絡させて頂きました。何時頃ならご都合がよろしいでしょうか」
「事前のご連絡、ありがとうございます。午後1時以降ならオフィスにおります」
<例文>
「来月の定例会もいつも通り第4金曜日で予定しておりますが、ご都合はよろしいでしょうか」
「はい、問題ございません。事前の確認をありがとうございました。よろしくお願いいたします」
<例文>
「来月の10日に取引先様向けのカンファレンスを開催いたします。ご都合のほどはいかがですか」
「お誘いありがとうございます。喜んで参加いたします。当日を楽しみにしております」

2.都合がつかない場合

提案された日程の都合があわない時、簡潔に「都合がつきません」とだけ返すのは失礼な印象を与えかねません。

ここで活躍するのが、日本特有のクッション言葉です。

クッション言葉とは、そのまま伝えてしまうと冷たい印象や不快感を与える恐れがあることを、やわらかく伝えるために前置きとして添える言葉です。

ここでは、「あいにくですが」「せっかくですが」「残念ですが」などのクッション言葉を活用しましょう。

配慮ある返事をすることで、申し訳ない気持ちが相手にも伝わりますよ。

<例文>
「来月の10日に取引先様向けのカンファレンスを開催いたします。ご都合のほどはいかがですか」
「ご連絡ありがとうございます。あいにく先約がございまして、都合がつきません。残念ですが、またの機会を楽しみにしております」
<例文>
「今週末までに追加提案をいただければありがたいのですが、ご都合はよろしいですか」
「大変申し訳ありません。今週中は弊社リソース状況において対応が厳しいため、週明けまでお時間をいただくわけにまいりませんでしょうか」

3.即答できない場合

速やかに返事をしたくても取り込み中で即答できない場合もあるでしょう。

その場合は、まずそのことを相手に伝えることが大切です。

<例文>
「カンファレンスのご登壇についてご連絡しております。開催日まであまり日がないため、誠に勝手ながら以下の日程のなかで〇〇様のご都合のつく日を、月末までにお返事いただければ幸いです」
「ご連絡ありがとうございます。頂きました内容について承知致しました。現在、並行して調整中の予定があり、即答が難しいのですがわかり次第、早めにご連絡いたします」

敬意を表す柔軟な表現

「お手数をおかけしますが、○○についてご検討いただき、お返事をいただけますと幸いです」:

  • トピックに対する検討を依頼しつつ、返信を求める際に用います。手間をかけさせることへの配慮が感じられます。

「差し支えなければ、ご意見をお聞かせいただけますか?」:

  • 相手の意見や感想を尊重する表現で、フィードバックの依頼に適しています。柔らかなニュアンスで相手の負担を軽減します。

コミュニケーションの効率化

「お忙しいところ恐れ入りますが、ご都合が許す時にご一報いただけますとありがたいです」:

  • 相手の忙しさを認識しつつ、連絡を促す表現です。忙しいビジネスパーソンに対して使用すると効果的です。

まとめ

今回の記事では、「ご都合のよろしい」をテーマに、意味や正しい使い方を例文とあわせて解説してきました。

ビジネスでは、お客様などと予定を調整して、日程を合わせることも仕事の一環として行われます。

その中でも、「ご都合がよろしい」というフレーズは、予定を調整するためにも頻出する言葉です。

ビジネスシーンでのコミュニケーションは、相手に敬意を示すことが重要。

どのような相手ともコミュニケーションが円滑にできるよう、正しい言い回しを理解し使い分けられるようにしましょうね。

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