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自己犠牲とは?自己犠牲の原因と克服方法をご紹介

自分を抑えてまで他人のために尽くしてしまう「自己犠牲」の精神が強い方は、損をしやすく、自分を追い詰めてしまいます。

漫画や映画の世界では、自分のことより他人に尽くす精神は美徳とされ、命をかけて自己犠牲を行う主人公が登場する作品はたくさんあります。

ですが、現実の世界では、自己犠牲をしても報われないことの方が多いようです。

今回の記事では、自己犠牲の意味や自己犠牲をしてしまう理由、自己犠牲についてまわるデメリットや自己犠牲をやめる方法について詳しく解説していきます。

目次

自己犠牲とは?

自己犠牲とは、他人のために自分の何かを犠牲にして尽くすこと。

たとえば、他人の仕事まで引き受けたり、休みも自分ではなく周囲を優先してしまったり、などの行動をとることです。

自己犠牲の精神を持っている方は、思いやりのある優しい性格の方が多く、自分よりも他人を優先することがスタンダードになっています。

自己犠牲そのものは悪いことではありません。

英語訳にも献身的という意味があるので、愛情深く賞賛される行為として解釈されることもあります。

ただし、当の本人は我慢することが多いため、「自分ばかり損している気がする…」と、ストレスが蓄積してしまう方も多いです。

自己犠牲をしてしまう理由とは?

自己犠牲をしてしまう理由は多岐にわたります。

理由を6つにまとめましたので、あてはまるものがないかチェックしてみましょう。

1.他人に嫌われたくないから

他人からの評価を気にしたり、常にいい人だと思われていたい方は、自己犠牲の精神を持ちやすくなります。

周囲に良い印象を与えるために、自分の時間や手間を犠牲にして、他人に尽くしてしまうのです。

「他人に嫌われたくない」「優しい人だと思われていたい」という気持ちが自己犠牲な行動につながるのでしょう。

ほかにも、他人に嫌われることを恐れている方は、自分の好感度を上げるために、自己犠牲をしている場合もあります。

2.自分が我慢すれば物事がうまくいくから

平和主義な方も、悪い雰囲気や人間関係を防ぐために自己犠牲な行動に出やすいです。

たとえば、仕事で面倒なことや、誰かがやらなければいけないことが発生した時、誰もが「やりたくない」という気持ちから雰囲気が悪くなることもあるでしょう。

その場を丸く収めるために、自己犠牲をしやすい方は、「自分が我慢すれば良い」「自分が引き受ければ物事が解決する」と考えてしまうのです。

3.自分でやる方が上手くいくから

自分でやる方が仕事や物事が上手くいくと思ってしまう方も、自己犠牲の精神が原因であることが多いです。

良かれと思って他人の仕事や面倒ごともやってしまう反面、自分の成果にはならずに「損した」「やらなきゃよかった」と後悔することもあります。

このタイプは、もともと仕事ができたり、器用で何でもこなせたりする方が多いため、仕事の円滑化や効率を考えて他人の分を引き受けてしまうのです。

自己犠牲の根本には、「自分が何とかしなければ」「自分がつらい思いをすれば」という考えがあります。

そのため、1人では抱えきれない仕事量であっても誰かに頼ることはしません。

いかに自分で完結できるかを考えてしまうのです。

4.人から認められたいから

自己犠牲の根底にあるのは、相手に尽くすことでいい評価をもらいたい、自分を認めて欲しいと考える方も少なくありません。

一般的に相手を思っての行動は、自分の評価のためにすることではないはず。

ただ、自分とかかわる全員から良い印象を持たれたい、という思いから自己犠牲をしている人もいるのは事実です。

5.断れないから

自己犠牲の考えで過ごしている人は、性格的に他人からの頼みごとを断れないと感じています。

断れないと感じる背景には、「断ったら悪いイメージがつくかもしれない」「冷たい人だと思われるかもしれない」など、評判がさがることを恐れていることが考えられます。

中には、自分を頼ってくれた人の期待を裏切りたくないという責任感の強い方もいるでしょう。

責任感が強い方は、一度任されたものは最後までやり切らないと気が済まない、自分がすべてしなくてはならないなどと考える傾向があります。

当事者意識が強く、周囲からの期待になんとしても応えなくてはならないと自分を奮い立たせて仕事に励んでいる人もいるでしょう。

そして、次第に自分を追い詰めていくのです。

非常に辛い状態といえます。

6.頑張り屋さん

自己犠牲の精神を持つ、またはそのような心理の方は、総じて頑張り屋さんが多いです。

自分がどんな状況であっても他人のために一生懸命になり、常に気を配って頑張ってしまいがち。

そして周囲からの感謝や評価によって自己肯定感を増やし、自分の存在価値を上げるためにまた頑張ってしまう傾向にあります。

自己犠牲タイプの方の5つのデメリット

高い評価を得られそうなこの自己犠牲の精神には、自分自身だけでなく、人間関係でも弊害を生むことがあります。

ここでは、自己犠牲がもたらすデメリットを5つ紹介していきます。

1.誰も幸せになれないことがある

自己犠牲の精神は、「誰かの役に立ちたい」「周囲の人たちを自分の力で幸せにしてあげたい」と願って突き進みます。

もし、あなたが「私はあなたのために自分を犠牲にして頑張っているの」と言われたら、どんな風に感じますか?

自分にとってその人が大切な存在であればあるほど、「私はあなたに自分を犠牲にさせてまで幸せにしてほしいなんて思ってない」と答えるのではないでしょうか。

このように、「自分を犠牲にする」という形で誰かに何かをしてあげたとしても、相手が喜ぶとは限らないのです。

むしろその気持ちが重荷になり、あなたの自己犠牲で得られている幸せに対して罪悪感すら感じてしまうかもしれません。

そのため、自己犠牲の考え方は、一見すると美談のようにみえるのですが、実のところ相手や周囲の重荷になることもあるのです。

2.被害者ぶってみられる危険性がある

自己犠牲をする方は自分に酔っている、悲劇のヒーローorヒロインかのように捉えられることもあります。

他人を自己満足のために利用しているように思えて、周囲は苦手意識を感じるのです。

「私はみんなorあなたのために、こんなに自分を犠牲にして頑張っているんだ」と、過剰な感謝や賞賛などの見返りを求めているように見えて、周囲も辛くなります。

とはいえ、やっていることは自己犠牲であり、悪いことをしているわけではないので、反論や文句を訴えにくいのが実情です。

3.ストレスを溜めてしまう

自己犠牲タイプはストレスをためやすいという傾向があります。

多くの人に認めてもらいたい、周囲に褒めてもらいたい一心で自己犠牲を払い、追い詰められていくのです。

常に認めてもらえたり評価してもらえたりすれば、心は満たされるでしょう。

しかしながら、時として評価されないこともあります。

あなたの犠牲に誰も気が付かないことも。

そのようなときは絶望感にさいなまれ、「自分は何をしても価値がない」と落ち込みうつ状態になる危険性もあるのです。

自己犠牲の精神で生きている方は、基本的に真面目で常に周囲に気遣いをするという特徴があります。

この真面目さや他者への気遣いが度を超えると、ストレスが蓄積し、うつ病を発症してしまうことがあるのです。

4.仕事で利用されてしまいやすい

悲しいことに、あなたの自己犠牲精神ををうまく利用しようとする人もいます。

さらには、労働力として散々こき使っておいて、満足な給料も支払わないようなブラック企業も存在するのが現実です。

そのような場合、どんなに自己犠牲を払ったところで、会社や相手は「利用している」だけで、感謝や評価にはつながりません。

もちろん、自分が会社や相手のために犠牲を払ってでも尽くしたいと思う気持ちは誤りではありません。

ただ、それが自分にとって幸せなことなのか、正しいことなのか、冷静に見極めないと、時間と体力の無駄遣いになってしまうのです。

5.相手に依存してしまう

自己犠牲が根底にある方は、自分よりも周りの人の考えや意見を尊重しすぎてしまう傾向があります。

そのため、「本当は自分がどうしたいのか」「自分は何がしたいのか」といった自分の意見を見失いやすくなります。

その結果、自分1人で物事を決定することに抵抗を感じやすくなり、決定権を相手にゆだねるようになってしまいます。

自分で物事を決められずにいつでも相手の判断に任せてしまうと、依存関係になるか可能性が高まり、相手に依存してしまうと最後、自分の気持ちがわからないという状態 にもつながりかねません。

自己犠牲を克服する方法

自己犠牲をする方の理由や自己犠牲がもたらすデメリットを紹介してきました。

ここからは、自己犠牲の精神を克服するための方法をお伝えしていきたいと思います。

デメリットでも紹介した通り、自己犠牲は一見美談に見えますが、あまりにもやり過ぎるとあなた自身の身を滅ぼしてしまいかねません。

また、周囲から賞賛されるどころかウザがれるという悲しいことも起りえます。

そのため、自己犠牲をし過ぎてしまう方は自己犠牲を克服する方法を使って、自己犠牲しない生き方を知ることが大切です。

自分を大切にする意識を持つ

自分を大事にするという克服方法があります。

自己犠牲をする方は、どこかで自分がどうなっても良いと思っていることもあります。

自分自身よりも他人を大切に思う気持ちが根付いてしまっているため、まずは意識を自分に向けて下さい。

自己犠牲をし続ければ、うつ病になる可能性があがることもデメリットでお伝えした通りです。

もし大事な仕事を抱えている状態で、体調を崩してしまえば、結局、周囲に迷惑をかけてしまいます。

あなた自身が健康であることが、あなたの大切にする他人のためにもなる、という気持ちをもちましょう。

頼まれごとを断るようにする

自己犠牲の精神を克服する方法として、断る勇気を持つということをお伝えします。

自己犠牲をする方は、前述した通り人からの頼まれごとを断ることができず、自己犠牲をしていることが多いです。

職場でいうと、仕事がたくさんあるからこそ、自己犠牲することでしか仕事を終わらせることができないため、自己犠牲し続ける生活を送っています。

現実的に仕事がいっぱいで、自己犠牲をしなければ終わらない状況であれば、それを理由に断ってもあなたが嫌われることはありません。

あなたに仕事を依頼してくる人は、あなたがどれだけの仕事を抱えているか知らないだけです。

そのため、どれだけの仕事があるのかということを冷静に伝えることで、相手に不快な思いをさせることなく断ることが可能になります。

これは1つのビジネススキルともいえます。

頼まれごとを断ることは自己犠牲を克服するためには大きな一歩です。

まずは一度、理由を含めて断ってみてください。

きっと相手はわかってくれますよ。

人から嫌われることを気にしない

どんなに周囲から愛されたい、認められたいと思って自己犠牲を続けても、批判してくる方はいます。

ですから、人から嫌われることを気にしないことで、自己犠牲を克服していくのもひとつの方法です。

世の中にはさまざまな人がいて、考え方も人それぞれ。

同じことをしても賛同してくれる人もいれば、批判してくる人もいます。

まずは大前提として、その現実を受け入れましょう。

そして、嫌われても気にしない強い心を持つためには、人から批判されてもその言動をそのまま受け止め過ぎないこと。

なぜなら、あなたを嫌う方や非難する方の意見が正しいとは限らないからです。

もし嫌われたとしても、自分に100%非があると落ち込む必要はありません。

「そういう人もいる」ということを知っておくだけでよいのです。

まとめ

今回の記事では、自己犠牲をテーマに自己犠牲の精神にある理由やもたらす弊害、克服方法をお伝えしてしてきました。

自己犠牲は美しいことのようですが、実際には自分の価値を下げたり、体調を悪化させたり、本来の魅力を失わせたりと、あまりいいことはありません。

実際、せっかく相手のために自分を犠牲にして尽くしたとしても、デメリットのほうが多いのです。

「優しさ=自己犠牲」ではありません。

たった一度の人生なのですから、他人のためではなく、自分の幸せのために生きましょう。

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