「病棟クラーク」に興味をもってこの記事にたどり着いた方以外には、少し聞き慣れない言葉かもしれませんね。
医療現場では、医師や看護師といった職種以外にもさまざまな方が働いています。
その中でも、患者さんの役に立って働きたい方におすすめの仕事に「病棟クラーク」という職種があるのです。
病棟クラークの「クラーク」は「事務員」を意味しており、病院に勤務し、医師や看護師の仕事を事務処理などでサポートする方を「病棟クラーク」と呼びます。
入院施設があるような大きな病院では、病棟ごとに1人ずつ配置されていることが一般的です。
この病棟クラークは、近年非常に注目が高くなってきている職業のひとつ。
それでは、病棟クラークの仕事は具体的にどのようなもので、どんな資格やスキルがあればなれるのでしょうか。
そこで今回の記事では、次のことを解説していきます。
- 病棟クラークとは?
- 病棟クラークの仕事とは?
- 医療事務や看護助手との違い
- 病棟クラークに向いている方の特徴
- 病棟クラークのメリットとデメリット
- 病棟クラークになるために必要なスキルや資格
- 病棟クラークのやりがいとは
病棟クラークについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
病棟クラークとは?
病棟クラークとは、病院で医師や看護師のサポートとして、受付やカルテの管理、入退院患者への説明など幅広い範囲の業務を行う方のことです。
医療事務に似た職種でもありますが、正確には業務内容に違いがあります。
病院では医師や看護師などさまざまな職業の人が働いていますが、超高齢社会で病院にかかりやすい高齢者が大幅に増加し、特に医師や看護師の業務量増加や人手不足が深刻化しています。
多忙な医師や看護師をサポートする職業が「病棟クラーク」です。
幅広い業務を柔軟にこなし、医師や看護師が医療行為に集中できるように支援している重要な存在です。
病棟クラークの仕事とは?
具体的に病棟クラークの仕事内容についてお伝えしていきます。ここでは代表的な3つをまとめました。
1つ目は、患者さんやご家族、面会者の対応です。
病棟クラークは、病棟のナースステーションに常駐していることが多く、病棟にかかってくる電話対応や、面会者の対応などをしています。
また、患者さんの入院、退院の手続きを行ったり、病室の手配や病院の案内を行ったりすることも病棟クラークの役目です。
2つ目は、院内での事務作業です。
主に患者さんのカルテ作成や各種書類の管理、ネームプレートやリストバンドの作成、検査伝票や処置伝票の作成などの内容は多岐に渡ります。
3つ目は、処置や診療の準備や補助のお仕事です。
病棟クラークは医師や看護師が行う処置・診療の準備、補助を行うこともあります。
ただし、病棟クラークは医療行為はできないので、検査器具や備品の準備・片付け、患者さんへの案内、検体・伝票や薬品等の準備がメインです。
ここについては、次の項目でもう少し深堀りしていきますね。
医療事務や看護助手との違い
病棟クラークは、医療事務に類似した職種ではありますが、病院の受付窓口にいる一般的な医療事務とは業務内容が異なります。
たとえば、病棟クラークは病棟のナースステーションに常駐しているのに対し、一般的に医療事務と呼ばれる職種の方々は、受付や会計窓口に常駐しています。そのため、働く場所に違いがあるといえるでしょう。医療事務は、来院した方の受付や会計業務を行ったり、レセプト(診療報酬明細書)を作成したりなどの請求業務を担うことがメインです。
一方で、病棟クラークは基本的にこれらの業務は行いません。
ほかにも、看護補助者と呼ばれる看護師のサポートがメインの看護助手という職種も病棟クラークに似ています。
看護助手は医療行為はできませんが、患者さんの食事や更衣の介助、医療機器の準備や片付け、患者さん周辺環境の整備といった仕事を行います。
病棟クラークとの違いは、患者さんの書類管理やカルテ作成といった事務作業をほとんど行わない点です。
参考外来クラークとの違い 外来クラークは主に外来の受付窓口にて、患者さんの案内や電話対応、必要な書類の管理などを行うのが主な仕事です。基本的に病棟クラークは、病棟内での入院患者に関する業務が中心ですが、外来クラークは病棟の業務は行いません。病棟クラークと外来クラークをまとめて、一般的に医療クラークと呼ばれることもあります。 (出典:ソラスト|病棟クラークとはどんな仕事内容?医療事務との違いや資格・試験について) |
病棟クラークに向いている方の5つの特徴
病棟クラークは、病院内でも比較的患者さんと密なコミュニケーションをとる必要があり、柔軟な対応や、高いコミュニケーション能力を必要とする職業です。具体的に、病棟クラークに向いている方の特徴を5つ、紹介していきます。
自分にあてはまるものがあるか、ぜひチェックしてみてくださいね。
臨機応変に対応できる
病棟内ではいつどこで何が起こるかわかりません。
そのため、緊迫した状況でも落ち着いて、臨機応変に対応できる能力が求められます。
業務を正確にこなしつつも、緊急時にはすぐにサポートに入れるよう、優先順位の見極めが欠かせません。
周囲に思いやりをもって接することができる
病棟クラークは医師や看護師といったさまざまな医療従事者にくわえて、患者さまやそのご家族など、多くの方たちとかかわりがあります。
そのため、どんな方からも依頼されやすい、声をかけやすい雰囲気や人柄であることが非常に重要です。
常に、周囲に思いやりを持って接することができ、表情も穏やかな方が、病棟クラークとして安心感を持たれやすいでしょう。
責任感が強い性格
周囲への思いやりや配慮ができることにあわせて、病棟クラークには強い責任感が求められます。
病棟クラークは、病院ごとに違いますが一般的に病棟ごとに1名の配置です。
そのため、担当する業務が多く常に忙しいです。
任された仕事をやり遂げる責任感、そして患者さんの命を守る職種としての責任感が必要とされます。
病院とはそういうところだということを肝に銘じ、責任感の強い方には向いている仕事です。
管理能力や判断力がある
病棟クラークは、病棟専属のナースステーションに駐在し、医師や看護師などさまざまな医療従事者の仕事をサポートする役割をマルチに担います。
そのため、スケジュールやタスクの管理能力が求められます。
また、前述したように病棟は想定外の事態も起こりやすいため、臨機応変に対応をするための判断力も必要です。
くわえて、患者さんの命に関わるデータを扱う点から、仕事への正確性や情報機密保持も欠かせません。
医療への興味関心と成長意欲がある
病棟クラークは医療行為を行うことはなくとも、患者さんからすれば同じ医療従事者の1人。
そのため、医療知識や法制度などを知ろうとするなど、医療分野への興味関心と向上心があることは非常に重要です。
細かい業務内容は、病院規模や配属される科によって異なりますが、病棟クラークは医師や看護師だけでなく、患者さんやそのご家族と接する機会が多いため、あらゆる場面で頼りにされます。
未経験の方であっても就業可能な職種ではありますが、医療への関心や成長意欲があるとより信頼される存在にもなります。
看護師から病棟クラークへの転職のメリット・デメリット
ライフスタイルの変化によって、看護師から病棟クラークに転職する方も多くいます。
その側面からメリット・デメリットをお伝えしていきます。
まずはメリットをみていきましょう。
病棟クラークは、事務作業がメインです。
看護師と違って患者さんの身体的なサポートがないため、身体への負担のない働き方ができます。
また、自分のペースで仕事を進めやすいこともメリットのひとつです。
医療系職種(医師・臨床検査技チームワークが重要にはなる看護師や検査技師のようなお仕事と比較すると、少人数制で仕事を進める病棟クラークは他者に干渉されず自分のペースで仕事を進めることが可能になります。
もし、看護師から病棟クラークに転職をお考えの方は、業務内では医療に関する専門的な医療知識が必要なシーン(カルテ業務・保険制度の問い合わせなど)も多々あるため、すべて看護師経験を活かすことができます。
そのため、即戦力となるだけでなく、医師や看護師からの信頼も得やすくなるでしょう。
一方、病棟クラークへ転職するデメリットですが、関わるスタッフとの相性によって働きやすさが変わることがあげられます。
看護師から病棟クラークへの転職は、チームとして主に関わっていくスタッフも異なります。
一緒に働くスタッフとの相性が悪ければ、働きにくい環境となってしまう可能性があるので、注意してください。
この点については看護師から病棟クラークへの転職にかかわらず、どの業種においてもいえることです。
病棟クラークになるために必要なスキルや資格
看護師から病棟クラークへの転職でご説明したとおり、病棟クラークになるために必須資格はありません。
そのため未経験・無資格でも応募可能な求人は多いです。
とはいえ、職場は病院、病棟です。
医療現場で働く以上、医療知識が求められるシーンもあります。
また、患者さんの個人情報を扱う事務作業などを迅速かつ正確におこなうためにも、ある程度の知識がある状態が望ましいです。
そのため、関連する資格を取得しておくことにこしたことはありません。
以下の資格は、病棟クラークとして働きたい方や、今後のキャリアアップや年収アップに役立ちます。
- 医療事務検定試験
- 医療事務技能審査試験
- 医療秘書技能検定試験
- 医事コンピュータ技能検定資格試験
- 医師事務作業補助技能審査試験
病棟クラークはカルテ管理など医療事務系の業務割合が多いことから、医療事務の資格取得は優先的に目指すのがおすすめです。
基本的に事務処理はパソコンで行なうため、医療コンピュータの技術を身につけておくのがベター。
上記資格以外にも医療知識に関する資格も多くあるため、現場で知識やスキルを身につけながら資格取得を目指してみてくださいね。
病棟クラークのやりがいとは
医療現場で働く病棟クラークのやりがいについて紹介していきます。
医療現場を支える責任感と使命感
実は、病棟クラークにしか任せられない仕事も多く、現場では必要とされている感覚を持って業務に臨めます。
医師と看護師の業務負担を減らすことで、患者さんの診療や治療に専念できる環境構築ができます。
さらに、病棟クラークがいることで、医療現場の質が向上され、患者さんは迅速に適切な処置を受けることができるのです。
このように、医療現場を支える使命感と責任感をもって働くことが、病棟クラークのやりがいといえます。
多くの人から頼りにされる
病棟クラークは医師や看護師、そして患者さんなど、多くの方々から頼りにされる存在です。
臨機応変さを求められ、想定外のことが起きる病棟での仕事は大変なことも多いです。
その分、あなたの活躍を見てくれる方はたくさんいます。
頼りにされる分、感謝される機会も多いため、モチベーション高く働くことができるでしょう。
まとめ
今回の記事では病棟クラークの仕事内容や向いてる方の特徴、看護師からの転職のメリット・デメリットをお伝えしてきました。
病棟クラークとは、病棟ごとのナースステーションに事務員として常駐する専門スタッフです。
主な仕事内容は、病棟の医師や看護師のサポートや、入院患者の手続き・案内、患者さんの家族のフォローなど多岐にわたります。
病棟クラークになるために必要な資格・学歴はありませんが、高いコミュニケーション能力やスケジュールやタスク管理能力などが求められます。
高齢化社会に伴い、今後も病院を含む医療機関はさらに多忙を極め、リソース逼迫に陥ることとなるでしょう。
そのため、病棟クラークの重要性も高まり、今後ますます認知も広まっていく職種といえます。
また、ライフスタイルの変化の影響により、看護師からの転職事例も増加しています。
病棟クラークは未経験の方でも、医療従事者の中でもチャレンジできる職種であるため、少しでも病棟クラークの仕事に興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
今回の記事があなたのお役に立てることを祈っています。
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