派遣社員の期間が満了して他の会社へ転職を考えた際に、失業保険を適用させたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
毎月給料から引かれている雇用保険ですが、保険の恩恵が受けられるタイミングがあれば利用したいですよね。
そこで、本記事では派遣の契約期間が満了して失業保険を受け取りたいと考えている人に向けて、失業保険は受け取れるのか詳しく解説します。
また、失業保険を受け取る条件や受け取る流れなども詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んで分かること
・派遣の契約満了で失業保険は受け取れる?
・失業保険とは
・派遣の契約満了とは
・派遣の契約満了となるタイミングとは
・失業保険を受け取る条件
・失業保険を受け取る流れ
目次
派遣の契約満了で失業保険は受け取れる?
結論から言うと、派遣社員が契約満了で失業した場合、条件を満たすことで失業保険は受け取れます。
失業保険を受け取る条件については後ほど詳しく紹介しますが、以下のとおりです。
【失業保険を受け取る条件】 ・失業中であること ・待機期間に就職活動をしていないこと ・雇用保険の加入が一定期間あること ・ハローワークに失業申請を提出していること |
条件の中に雇用保険の加入が一定期間あることとありますが、これは会社を退職した理由が自己都合なのか、会社都合なのかで変わります。
派遣社員の契約が満了して自己都合で退職した場合は、離職日以前の2年間で雇用保険加入月が累計12カ月以上必要です。
また、派遣社員の契約期間が満了して会社都合で退職する場合は、離職日以前の1年間で雇用保険の累計加入月が6か月以上で条件を満たします。
これらの条件を全て満たすことで、派遣の契約が満了した場合でも失業保険が受け取れます。
失業保険とは
それでは、失業保険について簡単に説明します。
失業保険とは、転職先が見つからない状態で会社を退職した人が、就職先を探している間に支援金が受け取れる制度です。
また、失業保険受給中に就業先が決まった場合でも、失業保険の残日数に応じて「再就職手当」が受け取れる可能性があります。
そのため、失業保険を全て受け取らなくても、就職先を見つけられると祝い金がもらえるということです。
失業保険で受けられる失業給付日数は、雇用保険の加入年数や離職日時点の年齢、会社を退職した理由によって大きく異なります。
自己都合退職の場合 | |||
---|---|---|---|
被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
会社都合退職の場合 | ||||||
被保険者期間 | ||||||
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | ||
離職時の年齢 | 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 | |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
「出典:マイナビ転職」https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/52/
派遣の契約満了で会社都合で退職した場合は、最大で330日間の失業保険給付日数が付与されます。
派遣の契約満了とは
次に、派遣の契約満了について簡単に見ていきましょう。
派遣の契約満了には、大きく分けて2パターンあります。それは、契約満了となり自主的に退職するか、派遣会社の都合で退職するかです。
派遣社員は、同じ事業所で3年以上継続した労働は認められていません。そのため、基本的には3年経つと契約満了となります。
しかし、派遣会社には契約が満了した派遣社員に対して、新しい仕事先を紹介する義務があります。
そのため、契約満了となった場合でも他の仕事を紹介してもらい、契約更新することは可能です。
例えば、同じ派遣先会社で働く場合であっても、違う部署の担当として再度派遣される場合は、3年間働いた会社であっても同じ派遣先で働けます。
また、派遣社員の中で以下に該当する人は、契約期間は定められていません。
【契約期間が定められていない派遣社員】 ・派遣元に無期雇用されている場合 ・60歳以上である場合 ・明確な終期有期プロジェクトに派遣される場合 ・日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が、正社員の半分以下かつ10日以下)の場合 ・産休、育休、介護休業などを取得する人の代わりに派遣される場合 |
また、契約期間が満了となった派遣社員に対する派遣会社の義務もまとめておきます。
派遣元事業主は、同一の組織単位に継続して3年間派遣され、個人単位の期間制限に達する見込みがある特定有期雇用派遣労働者に対して、次のいずれかの措置を講じなければなりません。 ※1年以上3年未満の見込みの方については、努力義務がかかります。 ① 派遣先への直接雇用の依頼 ② 新たな就業機会(派遣先)の提供(合理的なものに限る) ③ 派遣元での(派遣労働者以外としての)無期雇用 ④ その他安定した雇用の継続が図られると認められる措置(雇用を維持したままの教育訓練、紹介予定派遣等) |
「引用:厚生労働省」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000133876.pdf
つまり、派遣として契約満了となり働く意思があるにもかかわらず、会社の指示で退職した場合は、「会社都合退職」という判断ができるのです。
失業保険を受け取る条件
それでは、次に失業保険を受け取る条件を紹介します。会社を退職した人全員が失業保険を受け取れるわけではありません。
会社を退職した人の中で、これから説明する条件に該当する人が失業保険を受け取れます。
そのため、失業保険を受給したいと考えている人は、事前に受け取れる条件を確認しておきましょう。
失業保険を受け取る条件
・受け取る条件:失業中であること
・受け取る条件:待機期間に働いていないこと
・受け取る条件:雇用保険の加入が一定期間あること
・受け取る条件:ハローワークに失業申請を提出していること
受け取る条件:失業中であること
失業保険は会社を退職して完全失業中でないと受け取れません。
また、失業中であっても働く意欲がある人が対象となるため、自宅で休暇を楽しんでいる人は対象外です。
したがって、失業保険を受け取りたいと考えている人は、定期的にハローワークに訪れて担当者に仕事を探している証明をしなければなりません。
【失業保険がもらえる対象者の状態】 ・積極的に就職しよう思っている状態 ・いつでも就職できる状態 ・転職活動をしているけどまだ就職できていない状態 |
仕事を探していることを証明する方法が気になる人は、お近くのハローワークに確認しましょう。
受け取る条件:待機期間に働いていないこと
待機期間に、アルバイトやパートで働いて収入を得ると、失業保険の対象外になる可能性があります。
これは、派遣社員の単発仕事でも同じです。
待機期間とは、ハローワークで失業申請を出した際に、申請者が失業中であるのかを確かめるための期間です。
そのため、失業中であることを確かめている際に収入を得てしまうと、失業中ではないと判断されます。
したがって、待機期間の7日間は就職活動や収入の入る仕事はせず、おとなしく過ごすことが大切です。
受け取る条件:雇用保険の加入が一定期間あること
失業保険を受け取るためには、雇用保険の加入月が一定期間あることが条件です。
失業保険を受け取るために必要な雇用保険の加入月は、会社を自己都合退職したのか、会社都合で退職したのかで変わります。
自己都合退職の場合 | 退職日以前の2年間で雇用保険に通算で12カ月以上加入していること |
会社都合退職の場合 | 退職日以前の1年間で雇用保険に通算で6カ月以上加入していること |
派遣社員として3年間継続して働いている場合は、自己都合退職でも対象となる可能性が高いでしょう。
受け取る条件:ハローワークに失業申請を提出していること
失業保険を受け取るためには、ハローワークに失業申請を提出しなければなりません。
そのため、就職先が決まらない状態で退職した場合は、速やかにハローワークに失業申請を提出しましょう。
失業申請が遅れてしまうと、失業保険を受け取るタイミングが遅くなります。
失業保険を受け取る流れ
こちらでは、退職してから失業保険を受け取るまでの流れを説明します。
基本的には、退職後にハローワークに失業申請を提出してハローワーク職員の指示に従っていれば、失業保険は受け取れます。
失業保険を受け取る流れ
・ステップ①:退職した会社から離職票を受け取る
・ステップ②:ハローワークに失業申請を出す
・ステップ③:待機期間
・ステップ④:給付制限期間
・ステップ⑤:失業保険受給
ステップ①:退職した会社から離職票を受け取る
会社を退職したら離職票を受け取りましょう。基本的に会社を退職すると雇用保険被保険者証と一緒に離職票を会社が渡してくれます。
離職票や雇用保険被保険者証がないと、ハローワークで失業申請を出せないため、会社からもらえない場合は、会社に連絡して自宅に発送してもらいましょう。
ステップ②:ハローワークに失業申請を出す
離職票や雇用保険被保険者証が手元に用意出来たら、ハローワークで失業申請を出します。
ハローワークで失業申請を出す際の持ち物は、以下のとおりです。
【失業申請の際に必要な持ち物】 ・離職票 ・雇用保険被保険者証 ・本人確認書類 ・証明写真(マイナンバーカードでも可) ・本人名義の普通預金通帳 ・印鑑 |
顔写真付きのマイナンバーカードを持っている場合は、証明写真は不要です。
ステップ③:待機期間
ハローワークで失業申請を出すと、7日間の待機期間に入ります。
7日間の待期期間は、申請者が失業状態であるかの確認する期間ですので、就職活動や仕事などはせずに過ごしましょう。
ステップ④:給付制限期間
7日間の待期期間が終わると、給付制限期間に入ります。給付制限期間は、会社都合退職の場合はありません。
期間は2カ月間で、この期間が過ぎると失業保険が給付されます。また、給付制限期間では就職活動をしても問題はありませんので、積極的に活動することが大切です。
しかし、待機期間終了後の1ヵ月間は、ハローワークや厚生労働省が認定した職業安定所からの仕事紹介で就職した仕事のみ「再就職手当」が受け取れるため注意しましょう。
ステップ⑤:失業保険受給
2カ月間の給付制限期間が終わり、就職先が見つかっていない場合は、失業保険の受給が開始されます。
定期的にハローワークに通い仕事を探している証明ができれば、毎月失業手当が支給されます。
派遣契約満了の失業保険についてのまとめ
今回は、派遣の満了時の失業保険についてまとめました。
派遣の契約満了には、自己都合退職と会社都合退職の2パターンがあります。また、会社都合で派遣会社を退職する場合は、失業保険の待遇が手厚いです。
自己都合退職の場合 | |||
---|---|---|---|
被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
会社都合退職の場合 | ||||||
被保険者期間 | ||||||
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | ||
離職時の年齢 | 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 | |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
「出典:マイナビ転職」https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/52/
失業保険を受け取るための条件は、以下のとおりです。
【失業保険を受け取る条件】 ・失業中であること ・待機期間に就職活動をしていないこと ・雇用保険の加入が一定期間あること ・ハローワークに失業申請を提出していること |
派遣の契約が満了して就職先が決まっていない状態であれば、ハローワークに申請を出すことで失業保険は受け取れます。
自分が、失業保険対象者であるかは、住んでいる地域のハローワークで確認できますので、問い合わせてみましょう。
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