エクセルの入力規則機能をご存じでしょうか?単語の通り、セルに入力する内容を制限する機能です。会社の従業員全員が編集するシートや、全員が提出するシートによく使われる機能で、余計な内容を入力できないため、人為的なミスを減らせます。シートの製作者も入力する側にもメリットがある機能です。
この記事では入力規則機能の使い方を解説します。記事の後半では、作業を効率化する入力時に役立つショートカットを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
エクセルの入力規則機能とは
エクセルの入力規則機能とは、指定したセルに、定められた数値以外を入力するとエラーメッセージが表示されて、入力を制限するものです。勤務時間を記録するシートや、会議の議事録など、さまざまなシートで使えます。本来なら整数しか入らない項目に小数が入力されることを防ぐなど、実用性の高い機能です。
入力規則機能を使うメリット
入力規則機能を使う最大のメリットは、ヒューマンエラーをなくせることです。人間はふとした瞬間にミスをするもので、人為的ミスを減らせるのは大変意味のある機能になります。
例えば有給消化を管理するシートで、たった1日、0.5日単位のズレが生じると、その後に永遠と響いていきます。細かいズレが後々大きな問題に発展するため、人為的ミスを減らせるのは大変有用な機能なのです。
また、任意のエラーメッセージを表示することで、入力した内容の何がいけないのか、どのように修正すればいいのかを示せます。社員全員で管理するシートでも、新入社員や中途社員がシートを一目見た時に何を書けばいいかわかりやすくなり、教える人がいなくても解決策を見つけられます。複数人で管理するシートでも意思疎通ができるのです。近年はリモートワークが増えたため、自分ですぐに解決できるのは嬉しいポイントです。
入力規則の設定方法
入力規則はどのように設定するのでしょうか?設定は意外と簡単で、データタブから画面上部の入力規則を選択して、どのような入力規則を設けるか選びます。
入力規則には下記の8種類があり、それぞれ特徴が異なっているので、順に見ていきましょう。
入力規則 | 特徴 |
すべての値 | 入力制限をせず、どのような値を入れても許可される |
整数 | 整数のみ入力を許可 |
小数点数 | 整数と小数の入力を許可 |
リスト | 入力できる内容をプルダウンリストで選択させる |
日付 | 日付のみ入力を許可 |
時刻 | 時刻のみ入力を許可 |
文字列(長さ指定) | 入力できる文字数を制限 |
ユーザー設定 | ユーザーが自由に設定できる規則 |
すべての値
特にデータの入力制限を設けない場合はこの全ての値を選びます。とはいってもデフォルトはこのすべての値なので、使い方としては、入力規則を設定したセルから、規則を解除する際の手段といえるでしょう。
整数
整数以外の入力を許可しない規則です。例えば入社年度や生まれ年、扶養家族数といった整数だけを入力させたい場合に有効です。最小値と最大値を選択できるので、あらゆる用途に対応できます。
小数点数
整数だけでなく、小数も表示させたい場合は、小数点数を使います。数字だけを入力させたい場合は、明らかに整数以外の回答も考えられるのであれば基本的にこちらを使うと良いでしょう。小数点数も整数同様、最小値と最大値を選択できます。
リスト
記入すべきものの選択肢が限られる場合、最もおすすめなのはプルダウンリストを使う方法です。下三角マークを押して、選択肢を表示させ、その中から入力内容を選ぶ形式のことです。データタブから、データの入力規則を選ぶと、選択肢となる「元の値」という選択肢が表示されます。元の値という項目に、選択肢をカンマ区切りで書いていきます。回答にはい、といいえを表示させたい場合は「はい,いいえ」といった書き方になります。
日付
記入日や作成日、最終更新日など、日付だけを入力させたい場合は、「日付」という入力規則を選びましょう。開始日と終了日を指定できるので、現実的な範囲で記入しないとエラーとなる仕組みになっています。
時刻
出勤時間や退勤時間、休憩時間、残業時間をシートで管理する場合など、時刻だけを入力させたい場合は、「時刻」という入力規則を選びましょう。日付同様、こちらも開始時刻と終了時刻を指定できるので、現実的な範囲で記入しないとエラーとなる仕組みになっています。
文字列(長さ指定)
入力した内容の文字数を制限できる規則です。あまりにも短すぎる場合や長すぎる場合に対応でき、〇〇文字以内という項目にはピッタリです。
ユーザー設定
ユーザー設定からは自由に入力規則を設定できます。しかし、設定には数式を記載せねばならず、ある程度関数の知識が必要です。
自動表示メッセージ
各規則に共通する機能として、メッセージの表示設定があります。それぞれの規則(最小値・最大値など)を設定したら、入力時に表示するメッセージと、規則に反した許可されていない値を入力した場合にエラー内容を表示するメッセージを編集できます。このメッセージを端的にわかりやすく記載することで、作業者の負担が大きく軽減されるので、文章は推敲しましょう。
エクセルで使えると作業が効率化されるショートカット
ここでは、エクセルを使う際に覚えておきたい便利なショートカットを解説します。作業が大幅に効率化されるので、ぜひ活用してください。
汎用的なショートカット
Ctrl + C | コピー | Ctrl + V | 貼り付け |
Ctrl + X | 切り取り | Ctrl + S | 保存する |
Ctrl + Z | 元に戻す | F12 | 名前を付けて保存 |
Ctrl + F | 検索ボックスを表示する | Ctrl + H | 置換ダイアログを表示する |
入力関連のショートカット
Ctrl + ; (セミコロン) | 現在の日付を入力 | Ctrl + : (コロン) | 現在の時刻を入力 |
Shift + F3 | 関数を挿入 | F2 | セルを入力モードにして末尾へカーソル移動 |
書式関連のショートカット
Ctrl + B | 文字を太字にする | Ctrl + I | 文字を斜体にする |
Ctrl + U | 文字に下線を引く | Ctrl + A | シート全体を選択 |
Ctrl + 1 | セルの書式設定ダイアログを表示 | Ctrl + Space | アクティブなセルと同じ列を選択 |
Ctrl + Shift + 方向キー | アクティブなセルと同じ列、または行の最後のセルまでを選択 | Shift + Space | アクティブセルと同じ行を選択 |
セル編集関連のショートカット
Ctrl + D | アクティブなセルの上のセルをコピーする | Ctrl + R | アクティブなセルの左のセルをコピーする |
Ctrl + Y | 直前の操作と同じ操作を繰り返す | Ctrl + プラス(+) | セルの挿入(セルをズラす方向を選択。列と行も選択可能) |
Ctrl + マイナス( – ) | セルの削除(セルをズラす方向を選択。列と行も選択可能) |
カーソル移動系のショートカット
← | 左に移動 | ↑ | 文頭にワープ |
→ | 右に移動 | ↓ | 文末にワープ |
Shift + ← | 1文字ずつ選択 | Shift + → | 1文字ずつ選択 |
Shift&↑ | 左側をすべて選択 | Shift&↓ | 右側をすべて選択 |
Backspace | 1つ前を削除 | Delete | 1つ後ろを削除 |
Enter | 確定して下のセルへ移動 | Tab | 確定して右のセルへ移動 |
入力時のよくあるエラー集
エクセルで文字や数字を入力していると、エラーや想定外の事態が発生します。ここでは、エクセル入力時によくあるエラーを解説します。
標準モードに原因がある
入力時にエクセルが想定外の挙動をした場合、表示形式が標準に設定されていることが原因であることが多いです。標準モードは入力された内容を文字や日付、数値といった表示形式に自動で変更してくれます。しかし、その便利機能が仇となって想定通りの表示をしてくれないことがたびたびあります。
表示がおかしくなっているセルを右クリックしてセルの書式設定から表示形式を適切なものに変更しましょう。
0が消えてしまう
交通費や諸経費の手続きで数値を記入していく場合、0が表示されないと記入漏れのように捉えられてしまいます。記入者は0円と表示したつもりなのに、受け取りとの解釈がズレてしまう可能性があるのです。0が消えてしまう場合は、表示形式を文字列か数値にしてみましょう。
正負の符号が消えてしまう
金額の計算をする際、+や-、=といった符号を使うことが多々あります。しかし、標準モードで入力すると符号が消えてしまうことがあり、悩ましい問題です。正負の符号が消えてしまう場合は、表示形式を文字列にしてみましょう。会計や通貨にすると、プラスが表示されない、マイナスが赤文字で表示される、丸かっこ付きで表示されるといった、想定外の表示になります。
日付になってしまう
スラッシュを使って分数を入力する際、標準モードだと勝手に日付に変わってしまうことがあり、作業を停滞させる原因になります。そのような時は表示形式を文字列にしましょう。
予測変換を外す方法
エクセルを使っていると、途中まで文字を入力した時に予測変換(オートコンプリート)で文字が自動入力されることがあります。例えば、前の行の内容をそのまま予測変換するといったものです。場合によっては便利なこともありますが、予測変換が想定通りに作動せず、手間が増えてしまうこともあります。ここでは、この予測変換機能を消す方法を解説します。
その場限りの方法としては、Deleteキーを押すという方法があり、予測変換を消すこと自体は簡単です。しかし、何百回もその作業を繰り返すとなると、非効率ですよね。実は、エクセルのオプションから入力候補を表示しないように設定できます。
まずは、ファイルタブを開いて、オプションを選択しましょう。オートコンプリートを使用するというチェックボックスがあるので、そちらをオフに設定します。OKをクリックしてシートに戻り、予測変換が出るか試してみると、出てこなくなりました。
自動修正をしないようにする方法
エクセルを使っていると、意図して入力した内容が、自動修正されて、別の表記に変わってしまうことがあります。これはオートコレクトという機能です。ミスでも何でもなく、製作者はあえて書いているのに、勝手に修正されてしまうのはストレスが溜まりますよね。オートコンプリート同様、オートコレクトはエクセルのオプションからオフにできます。
まずファイルタブを開いて、オプションを選択しましょう。オートコレクトのオプションという項目があるので、そちらを開きオートコレクトのタブを開きます。入力中に自動修正するというチェックボックスがあるので、そちらをオフに設定するとオートコレクトの機能の解除は完了です。
オートコレクトのタブには、2文字目を小文字にする、文章の先頭文字を大文字にする、曜日の先頭文字を大文字にする、といった設定も可能なので、エクセルシートの用途によって自由に設定しましょう。
まとめ
エクセルの入力規則機能とは、自由にルールを設定して、許可されていない内容をはじく機能です。人為的なミスを減らせるため、シートの管理者にも記入者にもメリットがあります。整数のみの入力を許可する、文字数の長さを規制するといったルールがあります。特にリストは便利で、頻繁に使われる入力規則です。ショートカットキーを覚えると作業が楽になるため、汎用的なショートカットはぜひ利用しましょう。
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