面接での自己紹介はあなたの第一印象を決めます。
心理学では初頭効果といい、最初に感じた特徴が印象に残りやすく、後の評価に大きな影響を与えます。
つまり、面接では最初の印象から勝負は始まっているのです。
面接では、入室した瞬間からさまざまな点を面接官に見られているため、身だしなみや話し方だけでなく、自己紹介がとても重要。
自己紹介では自分の言葉であなたを売り込むチャンスなので、2分程度の長さで面接官に良い印象を残さなくてはなりません。
そこで今回の記事では、面接の自己紹介で何を話すべきか悩んでいる方向けに、自己紹介の目的、自己PRとの違い、2分でまとめるコツなどを紹介します。
目次
自己紹介の目的
履歴書や職務経歴書に自分の情報は記載しているのに、なぜ自己紹介が必要なのだろうとお思う方もいらっしゃるでしょう。
面接官は、話し方や内容によって、書面上では分からない応募者の人間性を把握しようとしているのです。
また、面接の冒頭に自己紹介を求められた場合は、アイスブレイクの目的もあります。
普段の状況とは異なる面接という場では、応募者は緊張して硬くなりがち。
そこで、面接官は自己紹介を挟むことで、応募者の緊張をほぐし、より素の状態に近い本人を知ろうとしているのです。
さらに、面接官は自己紹介の内容を踏まえたうえで、履歴書や職務経歴書に関する質問をしていきます。そのため、自己紹介では後に続く面接で、アピールしたい実績や経験にふれておくとよいでしょう。
面接会場に入場したタイミングから、面接は始まっています。
特に中途採用の場合は、名前や生い立ちを話すのではなく、自分のキャリアやアピールポイントを簡潔に伝えられるようにしっかり準備しましょう。
自己紹介を2分でまとめる理由
採用面接の時間は、複数人なのか応募者一人なのかによって変わってきますが、短くて20分、長くて1時間程度が一般的。
わずかな時間であなたという人を判断されるので、第一印象となる自己紹介は重要です。
また、話の内容に根拠や具体性があり、簡潔にまとめられていると好印象です。
とはいえ、自己紹介があまりにも長くなると、面接官の集中力も切れてしまい、何を伝えたいのかわからなくなることも。
経歴や志望動機をダラダラと話してしまうと論点を見失ってしまうので、1分、長くても2分程度にまとめられるよう事前に準備しておきましょう。
自己PRと自己紹介は違う
中には自己紹介と自己PRの違いが分からないという方もいらっしゃるでしょう。
自己紹介は、応募者の人柄や経歴を企業に知ってもらうもの。
一方、自己PRは企業へ自分の強みをアピールをして、採用したいと思ってもらうことを目的としています。
そのため、自己紹介はあくまで基本的な情報を話し、アイスブレイクや会話のきっかけを作るためのもの、と理解しておきましょう。
とはいえ、自己PRで話したいと用意していた内容を自己紹介で話してしまったとしても問題はありません。
自己紹介を2分にまとめるポイント
ここからは、具体的に面接の自己紹介のポイントについて詳しく解説していきます。
面接の自己紹介で伝えること
まずは自己紹介で伝えるべき基本的な項目を把握しておきましょう。
一般的には次の4つを用意すれば十分です。
①名前 ②現職(前職)での仕事内容、 ③現職(前職)での実績や経験 ④志望理由 |
1.名前
最初に名前を伝えます。シンプルに「田中花子と申します」でよいでしょう。
最初の第一声は緊張すると思うので、入室後に挨拶などで声を出しておくのがおすすめ。
そして、面接官の目を見て、早口になりすぎないようゆっくりはっきりと答えるように意識しましょう。
2.現職(前職)での仕事内容
続いて、今までの仕事内容について説明します。チームリーダーなどの役職についていたのであれば、それも付け加えましょう。
たとえば「〇〇株式会社で経理事務を2年間担当しておりました。その間の主な業務は決算や固定資産管理などでした。後半の1年はチームリーダーとして経理チーム所属の2名のマネジメントも行っていました」のように、具体的な社名と年数、担当業務について簡潔に説明できれば問題ありません。
3.現職(前職)での実績や経験
業務内容を紹介した後、仕事で得たスキルや実績について簡潔に説明します。
現職または前職については、希望する仕事に貢献できるスキルや資格があれば、あわせて伝えるとよいでしょう。
企業が必要とする業務経験や求める人材にあてはまらないものを伝えても、面接官には刺さりません。
そのため、求人内容を参考にアピールするポイントを絞り、具体的な数字を含めながら話すと説得力が高まります。
4.志望理由
最後に、なぜ応募しようと思ったのか、志望理由について述べましょう。
前述のように現在もしくは前職の仕事で身につけたスキルに触れ、「入社後に御社でも活かしたい」とあわせて意気込みを伝えることで、面接官に意欲の高さをアピールできます。
最後に「本日はよろしくお願いします」と一言添えることも忘れずに。
自己紹介の質問例と2分で終わらす回答例
面接での自己紹介の聞かれ方は、面接官によってさまざまなパターンがあります。
そのため、聞かれ方に対して臨機応変に回答しなければなりません。
どのように答えることができるのか、質問と回答例をまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
ケース1.簡単に自己紹介してください
田中花子と申します。
本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。
私は、株式会社〇〇で経理事務を2年間担当してきました。
その後、□□株式会社で3年間、固定資産管理などを担当し、業務処理のスピードと正確性の担保、営業部門の経費をカード決済に移行するプロジェクトの発足に携わってきました。
このような経験が御社でも活かせると考え、この度応募いたしました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
ケース2.自己PRを交えて自己紹介をしてください
田中花子と申します。
本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。
前職では株式会社〇〇の✕✕事業において、Webサイトの設計・構築、デザインなどを担当しておりました。
リリース後1年で担当したサイト経由の問い合わせ件数115%増の実績があります。
要件定義時にマーケティングリサーチを行ってデザインに反映したこと、設計中も公開後の見込数字を立てて、期間ごとにサイトリニューアルなどの改修を繰り返したことが功を奏したと考えています。
このように広い視野でプロジェクトを見通し、PDCAを回す力は御社のお役に立つと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
ケース3.弊社を受けようと思った理由とあわせて自己紹介をお願いします
田中花子と申します。
本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。
私は現在の職場である〇〇株式会社のアパレル部門に属し、販売を担当しています。
私はよりお客さまに寄り添ったお仕事がしたいと思い、この度御社に応募いたしました。
御社では衣服を販売するだけでなく、マーケティングや企画開発から携わることができるため、現職で身につけた現場の意見やトレンドなどの情報収集力が活かせるのではないかと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
ケース4.〇〇さんについて簡単に教えてください
田中花子と申します。
本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。
私は現在、メーカーに勤めており携帯電話の法人営業を行っています。
現在は大手企業など10社のクライアントを抱えています。
過去の実績としては、半期の目標110%を達成し、社長賞を受賞したこともあります。
その背景には、業界の課題とニーズを的確に追求したことにあると考えています。
古くからある大手企業はIT化にやや出遅れているという情報を得て、各クライアントの総務やシステム部門の担当者に話を聞きに行きました。
ヒアリングを重ねることでニーズを把握し、自社の携帯電話の導入が具体的にどれほどの利益を生み出すか算出し、提案しました。
その結果、新規顧客獲得につながり、目標を達成することができました。
このような分析、課題発見力といった強みを御社でも即戦力として貢献したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介を2分間でより魅力的にするポイント3つ
面接の自己紹介では、話す内容と同じくらい話し方のマナーも大切です。
どんなに立派な経歴や実績があっても、うつむき加減だったり、ボソボソと小声だったりすると、「自信がないのかな」と面接官に不安を与えてしまうこともあります。
どんなことに気を付ければよいか2つお伝えしていきますので、チェックしてみてくださいね。
1.表情や視線を意識する
できるだけ口角をあげ、にこやかな表情で話したり、面接官の目を見て話すなど、表情や視線に注意しましょう。
緊張のあまりうつむいてしまうと、自信がないように見えてしまったり、声が聞き取りづらくなってしまったりしてしまいます。
背筋を伸ばして自信をもって話せるよう、事前に鏡を見たり、動画を撮影するなどの練習もおすすめです。
2.言葉遣いを見直す
現在所属している企業や仲間内でよく使うカタカナや略語は、相手に伝わらない可能性があります。
面接官の世代によっては「何言っているかわからない」「きちんと伝えるつもりがないのかな」と懸念を抱かれることも。
たとえば、「リスケ」ではなく、「スケジュール調整」に言い換えるなど、面接官に伝わりやすくするために言葉遣いを見直しましょう。
そのためにも、予め伝えたいことを紙に書き出して言い換えられる言葉はないかチェックしたり、家族や友人に聞いてもらって意味が通じるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
3.正しい言葉遣いをする
面接での言葉遣いは基本的に敬語を使います。
敬語は「です」「ます」などの丁寧語だけではなく、尊敬語や謙譲語もあり、これらの違いを理解しておく必要があります。
また、使用する言葉によって与える印象は違ってきますし、好印象を与えるためには面接に合わせた言葉を選んで話していかなくてはいけません。
面接で頻出する言葉をまとめましたので、正しく使えているか確認してみてくださいね。
- 私→わたくし
- 御社→おんしゃ
- 了解しました→承知しました
- 言う→おっしゃる
- 見る→ご覧になる
- 行く→いらっしゃる
- 見る→拝見する
- もらう→いただく
4.口癖に気を付ける
「あのー」「えー」など、その言葉自体には意味のない「有声休止」といわれるものを、自己紹介の冒頭に付けないよう注意してください。
日頃から口癖になっていると、面接でもそれが出てしまいます。
自己紹介だけでなく、質問の答えの際にも「あのー」「えー」から始まると、面接官の耳についてしまい、その部分が気になってしまうものです。
日頃から自分がどのような話し方をしているのかは意識しないと気にしないものです。
そのため、口癖については、面接前にボイスレコーダーや動画撮影などを用いてチェックしてみましょう。
ほかにも、何かを指すさいに「あの」「この」といった抽象的な表現も避けましょう。
普段の会話では違和感を感じないかもしれませんが、面接の場などでは「あのって何をさしているの?」と注意が止まってしまう可能性があります。
「あの」「この」だけでなく、「アレ」や「それ」なども該当します。
また「とても」や「しばらく」も人によって解釈が異なりますので、具体的な数値や期間を用いて表現するようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、自己紹介を2分で伝えるためのポイントをお伝えしてきました。
中途採用の面接における自己紹介は、あなたの学歴や私生活ではなく「これまでの職務経歴」を伝える場です。
職歴が多かったり、伝えたい実績を全部アピールしたかったりしてダラダラ話し続けるのはNGです。必ず、要点を絞って話すようにしましょう。
また、企業によっては「3分程度で話してください」というケースもありますので、自己紹介のバージョンをいくつか考えておくのもよいでしょう。
自己紹介はあなたの第一印象。
内容も大事ですが、笑顔や抑揚をつけた話し方を意識するだけでも、面接官はあなたに興味を抱くでしょう。表情や目線の配り方など、事前に練習を重ねて魅力的な自己紹介をしてくださいね。
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