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ダブルワークは税金が損?メリットとデメリット、注意点を徹底解説

2018年のモデル就業規則の改定やコロナ禍を機に副業解禁を発表する企業が増えています。

収入がアップしたり、キャリアを積むことができたりなど、わたしたちにはメリットが多く感じますよね。

しかしながら、ダブルワークは働き方に気を付けないと、社会保険や税金などで損してしまうこともあります。

そこで今回の記事では、ダブルワークを検討している方に向けて、ダブルワークのメリットとデメリットや税金に関する注意点をご紹介していきます。

目次

ダブルワークとは?

ダブルワークとは、その表記の通り2つの仕事を掛け持つことです。

「副業」や「兼業」という言葉もあり意味は違うの?と疑問に感じる方もいるでしょう。

結論、ダブルワークと副業の違いには定義がなく、どちらを使っても問題ありません。あえて違いを述べるのであれば、「本業」があるかどうかではないでしょうか。

生計を立てる主な収入源の本業があり、副次的に収入を得る仕事を「副業」や「兼業」と呼んだりします。

中には2つの仕事に比重がなく、「ダブルワーク」と呼んでいる方もいらっしゃるでしょう。

ダブルワークは正社員でも可能?

正社員として企業に勤めている方がダブルワークを始めたい場合、就業規則にダブルワーク禁止と明記されていない場合があるので要注意です。

会社にダブルワークが可能かどうか確認してから開始した方が、トラブルにならずに済みます。

なお、公務員は原則的に副業を禁止されていますが、人事院発行の「義務違反防止ハンドブック」では、一定規模の不動産賃貸や太陽光電気の販売、農業などは、所轄庁の長などの承認を得ればダブルワークを許可するのしています。

その承認の基準は次の3つです。

  • 職務に関連して利害関係が生じない
  • 本職に影響が出ない
  • 信頼・イメージを傷つけない

ダブルワークのメリット

まずはダブルワークのメリットについて説明していきます。

  • シンプルに収入を増やすことができる
  • 本業では得られない知識や経験を得ることができる
  • 天職に出会えることがある
  • スキルアップやキャリアアップにつながる
  • 収入を気にせず「やりたいこと」に挑戦できたり「欲しいもの」を手に入れたりできるので、自己実現の追求や幸福感の向上につながる
  • 本業での収入をベースに転職や起業などの準備を進めることができる
  • 人脈形成、拡大

ダブルワークのデメリット

一方でダブルワークにはデメリットもあります。

  • 2つの仕事をこなすため、労働時間が長くなる
  • 過重労働となり心身の疲弊が生じる
  • 充分な休息を取れずに本業に支障をきたす可能性がある
  • スケジュール管理が大変になる
  • 本業との兼ね合いで勤務時間や日数が少ない場合はまとまった収入が得られないこともある
  • 労働日数や労働時間が短い場合は雇用保険の適用対象とならない可能性がある

ダブルワークの保険や税金について

ダブルワークにはメリットとデメリットがそれぞれ存在しますが、忘れてはいけないのが、税金の支払いをしなければならないということです。

本業とダブルワークをしっかり両立して稼いだお金なのに、多くの税金を取られてしまうのは損した気持ちになりますよね。

また、そもそもダブルワークにおける税金制度について理解しておらず、払い過ぎているケースも。

そこで、まずはダブルワークをしている方が支払わなければいけない税金について説明していきます。

所得税

所得税とは、1年間(1月~12月まで)の所得にかけられる税金のこと。

したがって所得がなければ所得税は0円になります。

また、収入すべてに課税されるわけではなく「所得」にかけられるという点に気をつけましょう。

厳密には「所得の合計から所得控除を引いた額」にかけられているのです。

ちなみに、大人でも子供でもお金をたくさん稼いでいれば所得税はかかります。

社会人だけの制度ではありません。

会社勤めを続けながらダブルワークで収入を得ている場合、会社で行う年末調整以外に個人で確定申告を行い、1月1日~12月31日までの期間における個人の税金を税務署に申告しなければなりません。

ただし、副業の種類や金額によっては確定申告は不要なケースもあります。

住民税

住民税とは、都道府県や市区町村が提供する行政サービスを維持するために、必要な経費を分担して支払う税金です。

地域の教育や福祉、行政サービスの資金のために徴収されていると考えればよいでしょう。

なお、住民税は収入によって徴収される額が違うほか、住んでいる地域によっても変わります。

住民税は道府県民税と市町村民税の2つを合わせたもので、その年の1月1日現在の居住地に納税されます。仮に1月2日に引っ越ししたとしても、1月1日時点の住所が基準となります。

会社員の方は会社が毎年10月から11月頃にかけて年末調整を行います。

然るべき部署が社員分をまとめて所得税額の申告を税務署にするほか、従業員が在住する地方自治体へ年間収入を申告しています。

これをうけて各市区町村役場は住民税額を確定し、会社は毎年6月の給与から天引きを行うことで納税をしているのです。

会社に勤めながらダブルワークをしている場合、本業外での所得が20万円を超える際には、確定申告の際に住民税の申告を併せて行うことができます。

一方、ダブルワークでの収入が20万円を超えていない場合は、市区町村役場へ申告をしなければなりません。

納税方法は本業の所得とあわせて本業の給与から天引きする「特別徴収」か、納付書を準備して自分で支払いをする「普通徴収」という2つの方法があります。

なお、ダブルワーク分の普通徴収については、各市区町村にて対応が違うので住んでる地域ごとに確認が必要です。

ダブルワークの税金の金額の決まり方

続いては、所得税と住民税の算出方法を解説していきます。

所得税

所得税の計算式は次の通りです。

所得税 = (総所得金額 – 所得控除) × 税率 

たとえば、ダブルワークで年間100万円の所得があり、経費としてかかった費用が50万円だったとします。

なお、超過累進課税制度といって所得税の税率は、所得が多くなるに従って段階的に高くなり、納税者がその支払能力に応じて公平に税を負担するしくみとなっています。

それに準じると、195万円以下の収入の場合は5%と定められているため、これらを上記の計算式に当てはめると、次のようになります。

(100万円 – 50万円) × 5% = 2万5千円
出典:国税庁|所得税のしくみ

住民税

住民税は、所得割額と均等割額という2種類の計算方法で算出された金額の合算で決まります。

所得割額前年の所得金額に比例して課税される税金のこと
・市町村民税(特別区民税)6%+道府県民税(都民税)4%=合計10%
市町村民税(特別区民税)道府県民税(都民税)合計(所得割額)
6%4%10%

均等割額とは個人住民税における固定の金額のこと

※収入によって変動することはありません

市町村民税(特別区民税)3500円

道府県民税(都民税)1500円

※2023年度(令和5年度)まで全国一律適用

市町村民税(特別区民税)道府県民税(都民税)合計(所得割額)
3500円1500円5000円

たとえば、収入が500万円であれば

所得割額が(500万円 × 6%)+ (500万円 × 4%)で50万円となり

固定である均等割額が5000円(3500円 + 1500円)が加算されて、50万5000円という金額が算出されます。

出典:東京都主税局|個人住民税の均等割

ダブルワークの税金で注意すべきポイント

ダブルワークによって得た収入も、確定申告をして税金を納めなければなりません。

具体的には、経費を差し引いた所得が20万円を超える場合は確定申告をすることになっています。

しかしながら、所得が20万円以下でも確定申告をしなければならないケースもあるので注意が必要です。

そこでダブルワークで得た収入の確定申告、住民税の扱い方、確定申告をしなかったらどうなるかについて解説していきます。 

1.ダブルワークは年末調整と確定申告の両方が必要

ダブルワークで20万円を超える所得を得たときは、確定申告をしなければなりません。

なぜなら、源泉徴収された税金や予定税金で納めている税金との過不足を精算する必要があるためです。

なお、企業に勤めている方やダブルワークをしていない場合は確定申告は必要ありません。

年末に企業が年末調整をしているので、毎月の会社の給料については概算額として源泉徴収された税金と本来納めるべき税金との過不足の精算が済んでいるためです。

しかし、年末調整は企業の給与に関する手続きであり、ダブルワークでの収入は含まれません。

ですから、別途確定申告をして税金の過不足を精算しなければ損する可能性があります。

2.ダブルワークでの所得が20万円以下でも住民税の申告は必須

本記事では繰り返し、ダブルワークでの所得が20万円以下であれば確定申告が不要とお伝えしてきましたが、それは所得税に関してです。

住民税にはあてはまらないので注意しましょう。

ダブルワークで稼いだ収入があった場合、住民税はその金額の大小にかかわらず、必ず課税されます。

所得税は国が課税する国税、住民税は各都道府県や市区町村が課税する地方税であり、それぞれ計算方法や申告先も異なります。

ですから、所得税と住民税を混同しないようにしてください。

<副業所得が20万円以下の場合>
居住する市区町村の役所に所得を申告して、住民税を納めるための手続きをします。確定申告と同時期である3月頃に申告することになっています。
<副業所得が20万円を超える場合>
確定申告をすることで税務署から市区町村などの地方自治体に連絡がいくため、住民税の申告を単独で行う必要はありません。
引用:セゾンのくらし大研究|副業収入の税金に注意!確定申告が必要なケースや計算について解説

3.要注意|ダブルワークでも確定申告しないとペナルティがある

ダブルワークで20万円を超える所得を得ていたのに確定申告せずにいると、後から税金を課されるというペナルティを受けます。

具体的には、無申告加算税が5〜20%課税され、税金の50万円までに対しては15%、50万円を超える分については20%の課税となります。

ただし、税務署の指摘を受ける前に自主的に納めた場合は5%に軽減されます。

また、申告期限から1ヵ月以内に自主的に申告し、納税義務のあるすべての金額が納期限までに納められているなど一定の要件をクリアすれば、課税を免れることも可能です。

また、無申告加算税とは別に延滞税も課される可能性があります。

延滞税は、法定納付期限までに支払うべき税金を納めていない際に、納付期限の翌日から完納される日までの日数に応じて計算されるものです。

あわせて読みたい|ダブルワークの確定申告はスマホやネットからもできる!

確定申告は青色申告書や白色申告書に金額や必要事項を記載して提出する方法だけでなく、スマホやネットのページからも行うことが可能です。

源泉徴収票や経費等の金額を計算したもの、マイナンバーカードなどを用意し、スマホやネットで確定申告書等作成コーナーにアクセスします。

あとはサイトの案内通りに入力していけば、確定申告書が作成されて「e-Tax」で申告書を提出することができます。

国税庁のこちらのサイトで手順が案内されているので、ぜひ確認してみてくださいね。

まとめ

今回の記事ではダブルワークを検討している方に向けて、次の内容を解説していきました。

  • ダブルワークのメリット・デメリット
  • ダブルワークで得た収入にかかる税金について
  • 税金で損をしないために必要な知識や手続き

ダブルワークは収入がアップするほか、スキルやキャリアの向上といったメリットがあります。また、働き口が2つあることで一方のストレスが緩和されたり、知識や人脈を広めることができて良い刺激にもなるでしょう。

副業規制の緩和の流れにのってダブルワークをする人は年々増えてきています。

これからダブルワークを開始しようと思っている方は、仕事探しとあわせて、ダブルワークで得た収入にかけられる税金についてもぜひ確認をしておいてください。

いつも企業が確定申告をしてくれていた、という方は初めての確定申告で戸惑うことも多いと思います。

その場合も国税庁やお住まいの地域が運営しているホームページなどでしっかり調べてくださいね。

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